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各 報告

4/26 ヨコハマ天候は少し荒れ模様です.ホント安定しないね、気候が.
人間の社会も相互リンクしてますね.

写真は、まず大阪のKさんのtmpチューンド・ストラトのリヤーにRHRをマウントし終えたショット.
既に昨日出荷されておりまして本日の最終便で到着予定です.お待たせ致しました.

2枚目はさいたま市のMさんご依頼のチューンナップ作業で先日リヤーハムのロケーション変更のため埋木加工をし接ぎ木部分に塗装のタッチアップ修正を行なっておいた状態から新たな設定位置にハムキャビティを加工し直した時点でのショットです.およそ元の位置から5ミリ程結果的には移動しています.

この個体の一番の難しいのは設定上の落とし何処そのものにあります.素材が軽いので設定上で技術的にはラウドな鳴り方の設定を行なう事も可能ですが、素材の質量が軽いので実音が伴わない結果になってしまいます.
これはレンジ上での低いところまでボトムを下げる事は設定上可能ですが、素材がその音域に反応出来ない為に空鳴り状態となるからです.

こうした場合はFRTシステムの最大の欠点であるドンシャリな鳴り方、無表情な反応、を出来る限り解消して音質グレードを高める設定を選択すべきだという事です.その為に2パターンあるFRTトレモロ時の仕込み角、指板高設定パターンをタイトに分離させる設定方で追い込んで行きます.

この後はネックの仕込み部とPUキャビティの接ぎ木のタッチアップ部の仕上げを天候が回復したら行なって、その後にリセットアップ作業へと移行致します.

最後の写真はTSさんのビオラの指板裏をR加工を行なっている途中でのショット.
ネック本体の指板接合面のRと、この指板裏面の接合面Rは微妙なR差で成り立っています.接合時の密着精度を得る為にそれは欠かせません.非常に神経を遣う作業です.
従来通り平らなネック面と平らな指板裏面との接合でしたらどおって事は無いのですが、均一厚指板仕様はt.m.p ヴァイオリン/ビオラの売りのひとつですから難しいですが、フレットレス弦楽器のネック/指板設定でこれが最も理想的な構造ですし、ここぞ腕の見せ所と言う部分でもあります.

もしかすると、将来この構造が定番になるかも.でも頑固で保守的な古典の世界ですからねえ、例え効果が一部で認められたとしても少なくとも定着するには軽く半世紀以上は掛かるでしょうね.

もし、そんな時代が来たら、その時にはマツシタの事を少しだけ想い出して下さいな.(^ε^)

そ~言えば確か、あのオッサン昔にそんな事言ってたなあ~ 
もうとっくに死んじゃったけどな (* ̄Oノ ̄*) ぷは~ 

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生涯ストラト

4/25 #-2

本日2回目ブログ 久々にストラトを用意します.受付スタートの告知です.

昔のFJ製バスウッドボディ(大当たりの個体)にt.m.p 製カスタムストラト・ネックをマウント.
当然ながら上質なイタヤカエデ材から手作りしたローズ指板/スロープヘッド・ネックです.
*写真はまだ艶だし研磨を終了していないマッド状態です.

現状ではPU座グリの塗装を飛ばして生地を露出させ、長時間燻煙処理後に塗膜ファイリングを行なった3S仕様の状態が写真です.
リヤーに大好評のリヤー専用ハムのRHRをマウントしたSSH仕様(MV+RHR専用LCV+MT/5Way-SW)
パーツはブラック系でまとめます(写真1)か、ごくシンプルに元のピックガードとノブだけを再利用した3S(その他パーツ全てtmpカスタム仕様でMV+F&C/T+RT/5Way-SW 写真2)の2パターンからセレクト可能です.*3S仕様でピックガードも新たにtmp製をご希望の場合は¥15.000 UPです.

トレモロはtmpカスタム仕様同様のシンクロトレモロ+ブロックサドル仕様

SSH仕様で(本体のみ税別)/¥308.000、3S仕様で/¥280.000 でお申し込み出来ます.
お申し込みの際は使用弦のご指定、弦高アクションの要望などをご連絡先と共に明記下さいませ.

出来れば、楽器屋さんでCS製やUSAビルダー製のストラトを色々弾き比べた上で、値段はずっと安いこのストラトがどれ程ポテンシャルが高いかを実感頂きたいです.
勿論、いつも通りのお約束で、ご購入されてからそこまで良いとは感じられなかった場合には返品可能です.全額返金致します.それがお約束事項ですのでご遠慮なく.

一生涯アナタの最高の相棒ストラトに成る様にお申し込み後に完成させます.
いつも通りですが、お申し込みが早い方に決定致します.では予約スタートです.

@ 4/30 この個体は売約済みとなりました。

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経過報告 恵比寿のHさん

4/25 ヨコハマ晴れ なんだかボワ~ンとした日です.

月末ですので各種支払いを済ませたのは良いのですが、海外からカード支払いで購入したヴァイオリンやビオラ、そしてそれらの木材、パーツetc、などの合計請求金額を見て (@_@) う、うっ・・き、気を失うかと思いました.バタンッ!
つい先日も孫の初節句と言うので兜の飾りを購入、こいつがまたかなりりっぱなお値段してまして.危うく高島屋の初節句展示即売会コーナーで気を失うところでしたわ.初節句に初絶句!( ̄□ ̄;) うっ・・

それから手痛いのが、バイオリンやビオラの弦はセットで5千円~1万以上もするんです.ですから在庫の楽器全てに取り敢えず弦を張るだけで10万を越えるのです.ヾ( ̄0 ̄;ノ もう殺してくれ.

写真はビオラ用の弓です.ビオラのリクリエイト作業もやることにしましたので、1本くらいはまともなボウを所有してない事には話に成りませんので、ちゃんと弓の製作者のサインが入ったビオラボウを海外の専門業者さんから購入したのが今朝届きました.
な~んだか、薄汚れた感じで高級感はゼロな感じですが、まあ、それなりにいいんでしょう.
こいつでギコギコとビオラの練習をします.その前に1本ビオラを完成させなくちゃね.

最後の写真はHさんオーダーの55B-4で、ピックアップ・アッセンブリーをピックガードにマウントして準備が整った図.や~っとここまで来ましたねえ.旅ですわ旅、楽器製作は.温泉入りたいわ.温泉

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困ったもんです

4/24 #-2

本日2回目のブログは報告というか、何と言うか、先日貴重な1本であるギブソンの1937年製のビオラを購入したのですが、まあギブソンとは言え正直設計上の作りが甘くて、この設定ではクラッシック界では通用しないだろうとお話ししました.

で、このビオラ君にはワタクシのビオラ練習用になって頂こうと思い、既に燻煙処理も済ませておりますが、バラして細かな設定をチェックしますと、少し問題が大きいな、と言う事が判明しました.

幾度か古典楽器のネックヘッド部の設定に問題があるという事は述べて参りましたが、このギブソン君はその中でもかなりズレてるんですねえ~弱った事に.

どうせアンタが弾くんだから多少おかしくてもかまわんだろ~が、と言われそうでありますが、(;^_^A確かに)ワタクシこんなお仕事をしてますし、弦楽器設計の専門家でもありますのでこの部分の設定誤差が何をもたらすかはすぐに判っちゃうんですね.要するにテンションバランスが崩れた楽器はとても弾く気にはなれないんです.
「な~にを生意気言ってんだか!」って? (  ̄っ ̄) ふん!
今度ビオラ奏者のSさんが来てくれるんだから.その時にちょっと教わるんだから.(^ε^)

皆さんはおかしな設定の楽器であっても、どこに設計の問題点が在るかも判らないので何となく気にはなったとしても弾いていられたりするわけです.でもワタクシは無理なんですね.マズ~イ料理を食わされてるのといっしょです.

写真の手前はギブソン・ビオラで奥の白っぽいのが問題が無い様に作ったビオラの白木ネックです.
(但しペグロケーション変更前の状態です)
ちょっと判りにくいかも知れませんが本来、基準となるのはネックと指板の接合面の水平です.
この水平に対して2×2のペグロケーションが的確な角度とロケーション位置にあって、そのペグ穴位置を中心にヘッドスクロールが形状化されるべきものです.
これが音質を司る骨格設定に対してデザイン処理を含む形状設計の基本部分であって、これこそ最大の重要ポイントなのです.
写真で確認出来ますが、手前のギブソンのネックに対して指板接合面をフィックスさせると後ろの白木ヘッドが見えますでしょ?(2枚目の写真) この部分がギブソンのこのネックヘッドが余計に角度が付き過ぎている部分です.ですからこのネックに適切な位置にペグ穴を開けるとヘッドの断面から外れてまともに収まらないんですね.要するに正しい位置にペグ穴を設定出来ない、と言う事です.更にこのギブソンのペグロケーション自体バランス出きない設定です。なんだかヘレンケラー状態で二重苦三重苦なのです。

これを別なアングルで言えば、最後の写真ですが、ギブソンのスクロール部分と後ろの白木ビオラのスクロール形状を合わせますと、今度は指板の水平面にこれだけ角度差があるというのが判る写真です.
要するに奥の白木の指坂接合面が角度が付いて飛び出てますでしょ? これがヘッド位置をこのままだった場合の正しい指板接合の水平面だと言う事です。ネック全体がこれだけズレてるわけです。

ですからこのギブソンのネックを作り替えるには、まず指板を接がして、ネックをボディから抜き取って、次にはこの白木のネックの角度を再現出来る様にギブソンのネック指板接合面にネックと同じメイプル材を角度の誤差分の木を接合し、ネックの端末断面も不足する部分木を接ぎ足してからネック全体を白木ネックと同じ断面構成になる様に削り直すのです.
まあ、もう一回ネックを作るのと同じ様な面倒さですね.
でもこの修正を行なえば元のギブソンのネックはヘッドには元穴を埋木してからロケーションを正しく開け直すだけでスクロール部分はそのまま使えますので、後はネック自体をボディに再接合すればいいわけです.

そこまで行なえば、このギブソンもかなり評価の高い個体に成り得ます.たぶん最初からそう作られていたならギブソンはビオラの世界でも奏者のファンが生まれ製品としても生き残れたかもしれません.

今回述べた部分ですが、これはこの個体だけの問題ではなく、現在のヴァイオリン族の楽器に個体差こそあれほぼ共通に見られる問題点なのです.驚く程この設定部分に同じ様な問題を抱えた個体が多いのですよ.ホントにびっくりしますよ.
しかもそれを解消するに先ほど述べた手間の掛かる修正が必要なんです.
ざっと見積もって先ほどの作業工賃に最後のニスの塗り修正含めたら16万は下らないですね.

だからこのギブソン君をまともな状態にするっていうことは20万近い工賃が掛かる作業をやるかどうか、って問題なんですわ.ねっ、困るでしょ? う~ん・・( ̄ー ̄;

追記:この作業はネック自体を新たな物に付け替えてしまう方がコスト的にはぜんぜん安く上がるのですが、そうするとギブソン製の本体と言えなくなってしまうので、なるべく元のネックを作り替える事を前提とした内容になっています。

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晴れてはいるけど

4/24 ヨコハマ快晴 ですが、湿度が高いままなかなか下がって来ませんね.

湿度が高いとコンプレッサー回してのエアーガン塗装がなぜ出来ないかと申しますと、コンプレッサーでは空気をタンクに圧縮して取り込んで、それを塗料を交えたエアーと一緒に吹き付ける為に、湿度が高いと塗料に空気中の水分を混ぜ合わせて吹き付ける事になってしまんです.
で、晴れていても湿度が高いと吹き付け塗装はNGなんですね.

ところが古典楽器では基本がニスの刷毛塗りですからその問題がそもそも無いのです.
しかも静かに作業出来ますからワタクシの様にちゃんとしたファクトリーを持たない職人には助かるんですね.それでも湿度が低いに越した事は無いのですが刷毛塗りでは空気中の水分を取り込む事が少ないので安心出来ます.

1枚目の写真はビオラ奏者の Sさんのビオラでニスの下地処理中のショット.
このビオラは元がアンティーク仕上げって言う仕上げで、まあ言ってみればE・ギターのレリック仕上げみたいなもんですね、古~い楽器っぽく最初から仕上げてあるモデルでした.
正直ワタクシはそうした意図的に作った楽器に汚れ傷ついた処理を行なうのは好みませんが、今回はイメージとして「熟れた果実」みたいな色合いに成るように仕上げたいと思っています.

よくある古典楽器達はそれこそ地味なニス仕上げが殆どですので、t.m.p の楽器は出来る限りどんな色合いであっても趣が果実風に仕上げたいのですね.セザンヌが描いた静物画の果物みたいなイメージ.

そして、自分の作った楽器は、力強さ、レスポンス、発音の良さ、倍音の豊かさ、音の色艶を備えた上で、その音の中に凛として香り立つ魅力的な楽器であって欲しいと思っています.

2枚目はネック交換作業中のヴァイオリン.同じくまずは下地処理です.
その次の写真は長年寝かしたクリスマスツリーの板材から切り出したヴァイオリンとビオラの魂柱用の材です.t.m.p では市販されている魂柱やバスバー素材は購入せずに全て板材から切り出し加工しています.元は畳くらいの材から細い角材サイズにまで切り出して、そこから円柱棒状に手で削り加工してやっとこの状態に成ったものです.
ヴァイオリンだけでなくビオラも加わった為に新たに一回り太めの魂柱を製作しているのです.

それにしても大きな板材から魂柱として使える部分はたったこれだけ.後はバスバーに使える部分とトップ材に使える部分を2枚分程切り出して、5年程前に南ドイツからやって来た大きな板材ですが、これでオシマイ.結果的に全体の3割部分だけしか使えなかったですね.まあ、こんなモンです.
より素材のクオリティの音への影響が大きい古典楽器ではエレキでは使える素材であっても古典楽器ではNGですから仕方ないのです.

こうしたバスバーサイズと円柱棒サイズに加工が済んだものは、またしても燻煙庫で数十時間を過ごしてもらいます.そしたら最高の音質と軽くて強度を備えた理想的な素材の出来上がりです.o(^ ^)o


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経過報告 その他

4/23 ヨコハマ雨降り 肌寒いです.

まさかこのまま梅雨入りするんじゃ~ないだろね、と少々心配です.塗装作業がまだたっぷり残ってますからね.
写真はカスタム製作中のHさんの55B-4で、本日無事に艶だし研磨終了です.
カラスのフン攻撃でこの個体は2回も水磨ぎをする羽目になりましたので通常より塗膜厚が薄いんです.
だから今日の磨き出しは心臓にワル~イ作業でございました.(><;)
これでセットアップ準備が整いました.Hさん、もう暫くお待ち下さいね.

他の写真は作り直しているヴァイオリンとSさん用のビオラ.
本日はヘッドにペグ穴加工する為の専用治具をヴァイオリン用といっしょに製作してからSビオラに早速ペグ穴加工してみました.正確に的確に設定した位置に穴加工出来てます.よしよし.(^ ^)v

ヴァイオリン族の楽器は同じ様なスクロールヘッドをしています.
これまでにヴァイオリン20数本、ビオラ3本、チェロも4本購入して研究した結果、実は一番感心した事なんですが、このスクロールヘッドは非常に巧妙な設計なんです.たぶん多くの専門家の方も気付いていない可能性があるのですが、左右に低域弦と高域弦側に2本ずつのペアで異なった固持角設定になっているんです.

通常ギター関係でしたら14度とか17度であるとか、アングルヘッド面は設定されたひとつの角度上にペグがレイアウトされ、しかも左右のペグはシンメトリー設定が多いのですが、ヴァイオリン族は縦方向での張力設定で、それも左右で固持角設定が異なる設計がなされている上に交互位置でペグは配置されているので、本来であるなら設計上の張力バランスが得易い構造なのです.
歴史上誰もが見慣れた楽器であっても、この部分の巧妙な設計を深く理解している方は少なかったんじゃないでしょうかね.だからこそ製作者ごとにスクロールヘッド角もペグロケーション設定もまちまちなのがまかり通り続けているのでしょう.

しかし・・考えたら最近どーも解説が長くなりがちですね、気付けば.イカンですね~ 
まるで、専門知識をひけらかしているように思われていたかもしれないと考えるとゾッとしますね.

本人は楽器は解説不要、素人には謎だらけのままでいいっ!って思ってるくせにね.反省だな.
能書きで世界は変えられませんからね.結果を出し続ける事でしか信頼は得られませんからね.

皆さんだったら大好きなギターやベースでの音源製作ですね.他人の評価というまな板の上に乗っかって初めて成長の道がスタートしますからね.そうでなくちゃ単なる楽器オタクに成っちゃいます.

大丈夫、世界中の誰よりも自分が好きになれる音源を作ればいいのですから.
だってワタクシだってずっとソレ1本ですもん.まず世界中の誰が作った楽器よりも自分の作った楽器を好きになれるかどうかを問い続けて来たんです.結果が出るまで止めなきゃいいんですよ.
で、結果的に自分にアーティストとしての才能が無いと思ったら、後は純粋に楽しめばいいだけです.
アナタの音楽に対する情熱が本物ならどんな仕事をしてたって作品は作れる筈ですから.

皆さんからのオリジナル音源を楽しみにしてますよ.(^ ^) 

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今日は古典の日

4/21 土曜日のヨコハマ、曇り空です.

土曜日と日曜日には出来る限り音の出無い作業で塗装も行なわないようにしています.

で、今日は古典楽器の作業日と致しました.
1枚目の写真は以前に既存のヴァイオリンの図面を参考に作製した個体ですが、その後その図面通りではバランス出来ない設定である事が検証で判りましたので、全くNGなネックはネックごと作り替えをしています.
新しいネック自体も以前に製作したのでペグロケーションはやり直さなくては張力バランスしないのでペグ穴は埋木して再加工してあります.
以前のブログでも触れましたが、ヴァイオリンもヴィオラなどの古典弦楽器達は皆同じヘッド形式で製作されていますが、古典楽器の専門書籍でもスクロールの形状の違いを取り上げてはいますが、ペグロケーションに関しては殆ど触れられていません.
たぶん、その重要性に関する認識がそもそも低いのかも知れません.

弦楽器はまず設定上の物理特性で鳴りの基本が決まりますので、本来であるなら1弦のペグはナットから何ミリ先の位置で何ミリの深さ位置になければいけない、とか、非常に重要な張力設定ですので本来であるなら設定の自由など殆ど無いに等しいものなのです.
だって同じ弦で同じ決まった音程に調弦するんですから、その時の張力負荷が弦に取って最も安定しバランスした振動特性に成る張力設定にペグ位置を配置するしかないからです.
例えば、スネアードラムの皮の真ん中を叩いた時と少しエッジ寄りを叩いた時、そしてエッジ部分を叩いた場合では全て音が異なるのはお判り頂けると思います.条件でサウンドは変わってしまうのです.

ペグロケーションもヘッド角もネック仕込みも仕込み高もブリッジ設定も・・etc.etc、それらが楽器の骨格部分と成る訳ですから、そこを押えた上で初めてデザイン処理が行なえる訳です.
自分の好みのデザインを描いてそこにいい感じで収まるようにペグをレイアウトしたりパーツを配したり、そうとしか思えない設定の楽器が余りに多くてビックリします.本末転倒の作りなんですから.
ありゃまあ~ ギターだけじゃなかったのね、と.ヾ( ̄0 ̄;ノ

まともな設定の古典楽器がこんなにも少ないとは本当に驚きましたが、だからこそ昔の巨匠達の楽器ばかりが驚く程の高値が付く一因にもなっているのかもしれませんね.

2、3枚目はリクリエイト作業中のヴィオラの写真ですが、まず通常の指板接合面に接ぎ木をして、その指板接合面をt.m.p のヴァイオリンとチェロの共通仕様である均一厚のR指板仕様にする為にR加工を行なった時点でのショットです.

このヴィオラは新進気鋭の女性ヴィオラ奏者のSTさんに弾いて頂く為に準備しているリクリエイト・ヴィオラです.最近リリースされたTさんのソロアルバムを聴きながら作業をしています.
全てt.m.p 仕様に作り替えた新品のヴィオラを奏者として評価の高い彼女に弾いて頂き、率直に奏者として何を感じて頂けるか、その為の試奏器として用意させて頂いています.

願わくば、楽器の作者や金額などの既成概念を打ち破るだけのポテンシャルを楽器自体に感じて頂ければ嬉しいですね.ギター製作でも申して参りましたが、古い名器と世間で言われている楽器でなく、新しい個体でもあっても、充分魅力的な楽器製作は可能なのだという事を立証出来れば、製作家として本望です.その為にまずはワタクシの専門である基本的な設計力で勝負します.

Tさん、いずれお会いしましょうね.心込めて作業をしております.
出来ればワタクシの用意したヴィオラでアナタを心底驚かせたいのです.(^O^)

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経過報告 2名様分

4/20 ヨコハマ曇り空

今日のメニューは昨日のMさんのチューンの続きとカラスの排泄物を浴びたカスタム品の55B-4の再研磨とピックガード作製でした.

Mさんのギターはご覧の通り、ネック仕込み変更とネック自体の端末部の平面部と端末断面部の精度の出し直しで削り修正を行なっています.
55B-4 はもう一度水研磨を掛け直したのでマッドな状態ですが製作したピックガードを乗っけてのショットです.カラス君は今日は全く飛来してませんねえ.よしよし.(^^)

最後の写真はヨーロッパの古典楽器製作用専門の木材屋さんに発注しておいたトリプルAグレードのヨーロピアンメイプル材です.さすがに文句の付けようが無いグレードで、すぐに楽器製作が可能な乾燥状態ですが、tmpではここからまた燻煙処理に掛けて寝かします.もうこうなると無敵の素材です。(^_^)v

この素材はチェロのバック材用のものをカットしたサイズで結構大きめです.厚さもレスポールのトップアーチを削り出すのに充分な厚もあります.素晴らしい個体な分、高価な素材です.
実はこの材をトップ材にしてTELESAのアーチドモデルをミディアムスケール仕様のホロウモデルで製作してみようと思っています.TELESA自体はロングスケール仕様の楽器ですのであらたにミディアムスケール用にマイナーチェンジが必要です.

当然ながらトップアーチ加工とその裏面もインナーアーチ加工を施してのホンジュラスマホ材のホロウバックとのラミネート仕様です.AAA材でのWアーチ加工のホロウ仕様ですから価格は60万程になってしまうでしょうね.梅雨が開けたら製作準備に掛かろうと思っています.

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経過報告 さいたま市のMさん

4/19 ヨコハマ曇り空 湿度も少々高め.

写真はMさんご依頼のチューンナップで正直手を灼いています.
リヤーハムのロケーション変更の為にハムの座グリに埋木加工しております.同時にこのショットでお判り頂けるのですが、FRT トレモロのアンダーキャビティ加工仕様の為にトレモロのトップのメイプル部分が貫通しております.
この状態はこうしたFRT/アンダーキャビティ仕様のラミネート仕様によく見受けられる事なのですが、折角トップ材があるのにトレモロの2点支持ボルトはバック材にしか打ち込まれていないのです.本来なら音の輪郭を整え音の張りやタイトさを付加させる為のトップ材なのに肝心のブリッジからの振動はまずバック材に伝わってから逆ルートでトップに伝達されている事になります.
これである種、トップ材は飾り板になってしまっているのと変わらないのです.

要するにこの個体ではメイプルトップ仕様であるにも拘らず、実際にはバック材の軽いアッシュだけを鳴らしている構造の様なものなのです.

そこでワタクシもさすがに悩む訳です.
いつもの t.m.p に於けるFRTの設定を取り入れるだけでは張力バランス設定は理想値まで追い込めますが、最終的な鳴りの軽さをカバー出来るかと言えば、不十分になるんですね.何と言ってもトップ材はお荷物になっているに過ぎませんから軽いアッシュ材だけで元よりダイナミクスを出さなくてはいけないからです.

そこで急遽2枚目の写真のように一旦ネックキャビティの深さを下げて、そこにメイプルを接ぎ木して少しでもバック材の鳴りにメリハリが出易いように変更しております.
接するネック自体もメイプルなわけですが、バック材にネックと同じメイプル材を接ぐことで振動の受け口だけでも振動が伝わり易くしているわけです.この部分はお見積もり金額をオーバーしますが、金額内でやらせて頂きます.

こうした部分は写真付きで詳しい解説をしないことには皆さんに伝わらない部分なのでtmpブログが存在する訳です.
以前に「持ち込まれた楽器のコメントが辛口過ぎはしませんか?ちょっと酷いと思います」と批判的なご意見をおっしゃる方がいらっしゃいました.別な方からは「2chで評便悪いですよ、あいつはペテン師だって」とかも言われた事がありますね.

考えてみて頂きたいのですが、解説内容をオブラートに包んだ表現をして結局この楽器の設定変更すべき部分とその理由、そしてそれを解消する為の手法とコストが伝わらなくてはお客さん自身がその支払う金額に納得は出来ないでしょう.違いますか?

しかも一旦作業をお受けした以上はワタクシは必ず「あの人に依頼して良かった」と言われるだけの結果を出さなくてはならないのです.だからこそ、まず最初に依頼者の楽器に現状にどれだけの問題が有るかをお伝えして、まず作業のスタート地点がどの程度か知って頂くのです.そこからどこまでグレードを上げるか、その為に費用がどの程度掛かるかがお見積もりとなるわけです.

もし、このブログが無かったら皆さんはワタクシにこんなにも多くの作業依頼を下さらない筈です.
燻煙の事も知らなかったら燻煙費用で7~8万掛かりますって言われたら「なにそれ!なんでそんなに高いの?」って思われてオシマイでしょ? そこにどれだけの価値が生まれるかを知らぬままにね.

自分の楽器が量産システムであくまで製品として組み立てられているに過ぎない状態のまま、それを楽器だと思い込んで弾いている方が余りに多く、それに対して今まではリペアーの窓口しか存在しなかったわけです.
部分修理の範疇で単なる製品が素晴らしい楽器に生まれ変わる事は稀なことです.そこを何とかしてあげたいと思ったからこそワタクシは新しいジャンルであるチューンナップをカスタム製作とともに始めた訳です.
製品として作られたものが的確なチューン作業によって単なる製品の域を超えて生涯その方に愛される「楽器」に生まれ変われる可能性があるからです.

もしワタクシのコメントが辛口で不快だと思われる方は実にシンプルなご提案ですが、もうこのブログを読まないで頂きたいですね.もしかすると同業者の方なのかも知れませんが実際は判りません.

例え批判的なアナタが単なるアマチュアプレイヤーであってもプロのミュージシャンであっても依頼をお受けしたらワタクシは同じ姿勢で作業にあたりますよ.
事前にどこをどうするかをご報告し、ブログで写真掲載報告までしながら最終的に結果を出すことで代金を頂戴しています.しかも納得出来なければ代金は頂戴しませんとお約束してますよね.
ここでひとつ言わせて頂くのなら、これまでにそこまで依頼者の立場に立って作業を公開し、結果を出し続けている人間がワタクシ以外におりますか?

実際に、2005年から本格的にチューンナップと言うジャンルを確立してから先月まででチューンナップ作業の売り上げだけで5千万程あります.これこそ沢山の方に信頼して頂けた証として実に有り難く思っています.

ですから今回もご予算の範囲内で出来る限りのことをして依頼者のご期待に少しでも応えたいと思っております.ご理解頂けたら幸いです.



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もう許さん!

4/18 #-2

本日2回目のブログは製作作業とはま~ったく関係がないのですが、まあ聞いて下さいな.
ワタクシの工房兼自宅横は専用の駐車スペースがあり、そこにクルマを停めているわけですが、そこにカラスの奴がやったらフンを落とすわけですよ.べちゃっ・・って感じで.

それでもたいへん温厚なワタクシは (^O^) まあまあ、そりゃカラスも当然フンはするわな.うんうん.
かまへん、かまへん、と. まるでアフリカ大陸の如く雄大なる心で接して参った訳ですよ.

ところがですよ.以前にですね、カスタム製作中の塗装品を庭で塗装が済んで自然乾燥の為に物干竿に吊るして乾かしておりましたら「べっちゃっ・・」と上からカラスがフンを落として何の反省も詫びも無く飛び去って行くのですよ.カ~ア、カ~アと.
たった今塗装が済んだばかりの作品に対して・・( ̄Д ̄ あっ・・

それでも人格者のワタクシは「うっ・・カ、カラスめ~・・うー、うーん・・ゆ、許そう・・ふ~っ」と怒りを鎮めたのですよ.

で、先日またしても外で塗膜を乾かしていて発見してしまったんですね.恵比寿のHさんオーダーのカスタムでBB5-4.最後に磨きをかけて表面の塗膜を風にあてていたのですが、ボディに黄色だ白だのが入り交じったカラスの排泄物がべっとり付着している. あっ!あ~あ・・Hさん許して.

それまで、温厚を絵に描いて写真に写してそれを引き延した様な雄大で優しいワタクシの仏心が、ついに爆発したんですね.
「も~許さん、自由過ぎるカラス共め、このオレさまが人間界のエチケットちゅーもんを教えたる」

そこで早速アマゾンで購入したのが写真の高性能エアーライフルです. た、高かった・・( ̄ー ̄;

t.m.p 上空を勝手気ままに飛び回るカラス共に告げる! 
「今度うちの楽器に排泄物を落としたら、その時は命は無いものと思え!撃ち落としてくれるわっ!」

やれやれ、久々に衝動買いしたわ、もう. それもカラスのせいで・・ったく.( ̄∩ ̄#
こ、コレって経費で落とせるのかな? ダメだろーなあ (><;)

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