今日は古典の日 | tmpブログ

今日は古典の日

4/21 土曜日のヨコハマ、曇り空です.

土曜日と日曜日には出来る限り音の出無い作業で塗装も行なわないようにしています.

で、今日は古典楽器の作業日と致しました.
1枚目の写真は以前に既存のヴァイオリンの図面を参考に作製した個体ですが、その後その図面通りではバランス出来ない設定である事が検証で判りましたので、全くNGなネックはネックごと作り替えをしています.
新しいネック自体も以前に製作したのでペグロケーションはやり直さなくては張力バランスしないのでペグ穴は埋木して再加工してあります.
以前のブログでも触れましたが、ヴァイオリンもヴィオラなどの古典弦楽器達は皆同じヘッド形式で製作されていますが、古典楽器の専門書籍でもスクロールの形状の違いを取り上げてはいますが、ペグロケーションに関しては殆ど触れられていません.
たぶん、その重要性に関する認識がそもそも低いのかも知れません.

弦楽器はまず設定上の物理特性で鳴りの基本が決まりますので、本来であるなら1弦のペグはナットから何ミリ先の位置で何ミリの深さ位置になければいけない、とか、非常に重要な張力設定ですので本来であるなら設定の自由など殆ど無いに等しいものなのです.
だって同じ弦で同じ決まった音程に調弦するんですから、その時の張力負荷が弦に取って最も安定しバランスした振動特性に成る張力設定にペグ位置を配置するしかないからです.
例えば、スネアードラムの皮の真ん中を叩いた時と少しエッジ寄りを叩いた時、そしてエッジ部分を叩いた場合では全て音が異なるのはお判り頂けると思います.条件でサウンドは変わってしまうのです.

ペグロケーションもヘッド角もネック仕込みも仕込み高もブリッジ設定も・・etc.etc、それらが楽器の骨格部分と成る訳ですから、そこを押えた上で初めてデザイン処理が行なえる訳です.
自分の好みのデザインを描いてそこにいい感じで収まるようにペグをレイアウトしたりパーツを配したり、そうとしか思えない設定の楽器が余りに多くてビックリします.本末転倒の作りなんですから.
ありゃまあ~ ギターだけじゃなかったのね、と.ヾ( ̄0 ̄;ノ

まともな設定の古典楽器がこんなにも少ないとは本当に驚きましたが、だからこそ昔の巨匠達の楽器ばかりが驚く程の高値が付く一因にもなっているのかもしれませんね.

2、3枚目はリクリエイト作業中のヴィオラの写真ですが、まず通常の指板接合面に接ぎ木をして、その指板接合面をt.m.p のヴァイオリンとチェロの共通仕様である均一厚のR指板仕様にする為にR加工を行なった時点でのショットです.

このヴィオラは新進気鋭の女性ヴィオラ奏者のSTさんに弾いて頂く為に準備しているリクリエイト・ヴィオラです.最近リリースされたTさんのソロアルバムを聴きながら作業をしています.
全てt.m.p 仕様に作り替えた新品のヴィオラを奏者として評価の高い彼女に弾いて頂き、率直に奏者として何を感じて頂けるか、その為の試奏器として用意させて頂いています.

願わくば、楽器の作者や金額などの既成概念を打ち破るだけのポテンシャルを楽器自体に感じて頂ければ嬉しいですね.ギター製作でも申して参りましたが、古い名器と世間で言われている楽器でなく、新しい個体でもあっても、充分魅力的な楽器製作は可能なのだという事を立証出来れば、製作家として本望です.その為にまずはワタクシの専門である基本的な設計力で勝負します.

Tさん、いずれお会いしましょうね.心込めて作業をしております.
出来ればワタクシの用意したヴィオラでアナタを心底驚かせたいのです.(^O^)

$tmpブログ
$tmpブログ
$tmpブログ