以下池田さんの翻訳
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「オオカミの群の掟: 最初の3頭は最も年老いているか病気の狼たちで、彼らが群のペースを決める。
もし逆だったら、グループから取り残されてしまうだろうし、待ち伏せに遭った時は彼らが犠牲となるだろう。
その後に続くのは最も強い5頭で、グループの前線を担う。
群の大半は中央に居て、その後ろにもう5頭、第二の強い狼たちのグループが続く。最後尾には1頭だけ、これがアルファ狼だ。
その場所から全てをコントロールし、全てを見て、方向を決める。
アルファは群全体を見る事ができる。
グループは年老いたものたちのペースに合わせ、お互いに助け合い、仲間のケアをする。
(年老いた3頭もかつては最強グループの一員だったという事を忘れてはいけない)
(写真 Cesare Brai)」
これを見ても狼の群れを元に分析したと言われる『支配性理論』に基づいたドッグ トレーニングが、如何に間違っているかわかります。
狼のリーダーは常に皆を見渡せる最後尾を歩くわけだから、
飼い主がリーダーになりたいなら後ろから見守るべきだということになりますよね?
自分より前に出るなっていうことは、「ワシの方がじいさんじゃ!」ってアピールにしかならないんじゃ…
もちろん危険だから先にドアを出さないとか、
先に角を曲がらせないように躾けるのはいいのですが、
支配性理論に基づいたトレーニングというのは、
「犬は全て飼い主のリーダーになろうとするので主従関係を叩き込まなければいけない!」
という理由を元に、
「犬を肩より上に抱き上げてはいけない」とか、
「人間より前を歩かせてはいけない」
「人間より先に食事をさせてはいけない」などという
根拠のないこじつけを守らせようとする躾け論で、
今ではアメリカ獣医行動学会も「古臭い躾け方法」と声明を出しているものです。
犬の要求を恐怖と暴力で抑え付ける必要があるという支配性理論に基づいた躾け論は根本が間違っているので、もっと論理的で学術的裏付けのあるトレーニング理論を学ぶ必要があると思います。
そのためにも本当の狼に関する動物行動学が学べるといいですね…