さあもうにわかの人たちは大喜び
たぬき「一寸法師と言えば、小さい者、それがこんな巨人になるなんて見たことがありません。」
うさぎ「私たちの芸などとても及びません。」
猿「ユキ様の可愛らしいメイドのような呪文、これが巨人法師を生む魔法だったとは思いもつきませんでした。
大歓声のうちにユキたち出番は終わりました。
法師「あのお、今度は反対にしてふってくださいね。」
ゆき「ふりすぎないようにね、でないと法師さん消えちゃうわよ。」
法師「以前お姫様がふりすぎて顕微鏡で発見されたことがあります。」
ユキ「大変ね、気を付けなきゃ。」
法師もまた元の大きさに戻りました。
たぬき「感謝感激ですよ。」
すかさずゆきが
ゆき「にわかの皆様本当におもてなしありがとうございます。私たちもこれで心おきなく旅を続けられます。
たぬき「さようでございますか、お名残り惜しゅうございますがどうぞ道中お気をつけてなされよ、ポン！」
ユキ「やったあ。」
法師「ｼｰ！」
ユキたちはにわかの人たち全員の歌う蛍の光に送られて町を後にしました。なんとフルオーケストラ付で。
にわかの町はずれに出ました。道が分かれています。
ゆき「ここまでくればにわかのもてなしはこれ以上受けないわ。」
ユキ「いい人たちだったけど、確かに疲れたわね。」
法師「はい、時々そのままにわかに定住する者もいますよ。」
ユキ「大変そう(;^_^A」
ゆき「道が三方あるわ。飛梅はどっちへ行ったのかなあ？」
ユキ「結局飛梅はにわかの町には寄らずそのまま飛んで行ってしまったようね。」
その時後ろからお～いと呼ぶものがいました。
「おーい、みなさ～ん、まってくださ～い。」
見ると臼がごろごろころがりながら追っかけて来ました。
臼はみんなのところで止まりました。
臼「私も連れてってくださいウッス！」
ユキ「あなた臼よね？」
臼「はい、猿カニ合戦の臼です、ウッス！」
法師「臼さんしばらく見かけませんでしたね。」
臼「ウッス！昔は各家で重宝されていたのですがだんだん家で臼を使う家庭も無くなってしままいました。それで放浪していたらにわかの町についたのでウッス。にわかでは役をもらえるので長居してしまったのでウッス。」
ユキ「それでどうして私たちと行こうとおもったのっす？あらうつっちゃったわ。」
臼「ウッス！さすがに毎日大盛り上がりは疲れたでウッス。それに飛梅を探しているとかきいたものでウッス。」
ゆき「飛梅を見たの？」
臼「ウッス。」
法師「それはいつですか？」
臼「皆さんがにわかを演じ終えた時、きれいな歌声が聞こえたのでウッス。それで歌のする方へ行って見ると梅の花みたいな子がこっちへ飛んで行くのを見たのです。」
ユキ「やったあ！」
ゆき「ここを通ったのは確かね。」
臼「ほら、歌が聞こえます、あの声でウッス。」
みなが耳を澄ますとかすかに歌声が聞こえます。
「梅にうぐいす、うぐいすに梅♪うぐいす餅は何個食べる♪隠れ里にはいつ帰る♪」
ユキ「あそこ！」
見ると小さな女の子が浮かんで飛んでいました。
ゆき「飛梅だわ！待って！」
でも飛梅には聞こえないようでそのまま飛んで行きました。
法師「飛梅は道が分からなくなってしまったようですね。」
ゆき「飛んで行った方向、厄介だわ。」
法師「”たわむれ”の町ですか。」
ユキ「”たわむれ”ってみんな遊んでるの？」
ゆき「本物が無いのよ。みな言っていることやっていることが本当じゃないの。でも悪気が無くて嘘ついているつもりもないのだけど普通の人には嘘になってしまうの、それが”たわむれ”なの。」
ユキ「またややこしそうね。」
臼「ウッス。臼はついていいけど嘘はついてはいけないウッス。」
ユキとゆき、法師はしら～。
ゆき「ユキ気を付けてね絶対離れちゃだめよ。飛梅はマイペースだから大丈夫とは思うけど、でもうぐいす姫と離れているから心配だわ。」
ユキ「パワーが足らなくなるの？」
ゆき「うぐいす姫に守られているって言った方が良いのかもね。操られやすくなるの。飛梅は飛ばされた時パワーをずいぶん失ったようね。本当だったら私たちの力を感じているはずだもの。」
こうして、ユキ、ゆき、法師、臼の4人は”たわむれ”へ向かう道に入りました。
いつか行った隠れ里① いつか行った隠れ里② いつか行った隠れ里③
いつか行った隠れ里④ いつか行った隠れ里⑤ いつか行った隠れ里⑥
いつか行った隠れ里⑦ いつか行った隠れ里⑧ いつか行った隠れ里⑨
いつか行った隠れ里⑩ いつか行った隠れ里⑪ いつか行った隠れ里⑫
いつか行った隠れ里⑬ いつか行った隠れ里⑭ いつか行った隠れ里⑮
いつか行った隠れ里⑯ いつか行った隠れ里⑰ いつか行った隠れ里⑱
いつか行った隠れ里⑲ いつか行った隠れ里⑳ いつか行った隠れ里㉑
いつか行った隠れ里㉒ か行ったいつ隠れ里㉓ いつか行った隠れ里㉔
いつか行った隠れ里㉕ いつか行った隠れ里㉖ いつか行った隠れ里㉗
いつか行った隠れ里㉘ いつか行った隠れ里㉙ いつか行った隠れ里㉚
いつか行った隠れ里㉛ いつか行った隠れ里㉜ いつか行った隠れ里㉝
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