お宝映画・番組私的見聞録 -244ページ目

アッちゃんのベビーギャング

前項で紹介した「アッちゃん」には2本の映画版が存在する。その第1弾が「アッちゃんのベビーギャング」(61年)である。主演、つまりアッちゃん役はなんと先日勘三郎になった中村勘九郎なのである。その両親役が小林桂樹と淡路恵子、他のキャストが久慈あさみ、浜美枝、有島一郎、児玉清、太刀川寛、若林映子となかなかの豪華キャストである。ところでこのタイトルだが、岡部冬彦の作品には「アッちゃん」の他に「ベビーギャング」というのもあり、この2つを合わせたものなっている。つまり内容もこの2作品を合わせたものになっている…らしい。

続く第2弾は「ベビーギャングとお姐ちゃん」(61年)で、アッちゃんではなくベビーギャングのほうがタイトルになっている。出演者はほぼ同じだが、東宝の「お姐ちゃんトリオ」こと団令子、中島そのみ、重山規子が登場する。この三人、美空ひばり、雪村いづみ、江利チエミに続く新三人娘的な位置づけであったようだが、結果的には足元にも及ばなかった。団令子の名は出てくるかもしれないが、後の二人は名前も知らない人も結構いるのではないだろうか。まあビジュアル的には新三人娘のほうが良かったかもしれないけれども。

アッちゃん

ケンちゃんチャコちゃんより前に人気を博していた子役が主人公のドラマといえば「アッちゃん」(65年)ということになろうか。自分はケンちゃんシリーズもそうだが、こういった「健全な」少年ドラマというのはほとんど見ていなかった気がする。もっぱらアニメや特撮ばかりだ。この「アッちゃん」に関しては、3歳かそこらだったので見た記憶がないだけかもしれないけれども。主演は蔵忠芳で、小太りな子役である。「コメットさん」や「ミラーマン」にも出ている。両親役が前田武彦に高千穂ひづる、他に進藤英太郎や水森亜土、そして現プロボウラーの松井八知栄などが出演している。松井八知栄が「河童の三平」に出ていたのは割合知られているが、こちらの方は知らなかった(まあ見たことないからね)。さて、この「アッちゃん」は3シリーズ制作されており、「続」、「新」と続くのだが連続して放送され、キャストも変わってないようなので単独シリーズと思っている人も多いかもしれない。

原作は週刊朝日に連載された岡部冬彦のマンガであるが、その長女はやはりマンガ家のおかべりか、次女はイラストレーターの水玉蛍之丞、長男は軍事評論家の岡部いさくである。

ところで主演の蔵は引退後はスナックだかバーだかの経営者になっていた姿が「あの人は今」などで紹介されていたが、すっかり痩せ頭の薄いオジサンになっていた。しかし01年ガンのため45歳の若さで逝去している。合掌。


子連れ狼

久しぶりにメジャーなタイトルに触れてみる。お馴染みの萬屋錦之介主演「子連れ狼」(73年)である。まあ個人的には錦之介時代劇はスーパーヒーロー錦之介が一人でバッタバッタと悪人を斬り倒すパターンが多く、あまり好みではない。好きなのは必殺テイストな「長崎犯科帳」くらいだ。この「子連れ狼」も錦之介パターンに含まれるが今CSで放映中のを見ると思ってたより面白いなあと。というか、よく考えるとほとんどまともに見たことがなかったのである。全部で3シリーズあるのだが、見た記憶があるのはほとんど第3シリーズだったようだ。

まず主題歌は「しとしとぴっちゃん」で有名な橋幸夫の「子連れ狼」だと思っている人も多いかもしれないが、それは76年の第3シリーズだけである。第1、第2シリーズはバーブ佐竹の「ててご橋」だ。柳生烈堂は高橋幸治→西村晃→佐藤慶と何故か毎シリーズ替わる。個人的にはやはり佐藤慶の印象が強い。子供というのは成長するので大五郎も西川和孝から佐藤たくみにチェンジされた。その西川はといえば、市会議員になった後、殺人事件を犯し今や獄中の人である。やはり目の前で、一刀がバッサバッサと人を斬るのを見て育ったからであろうか。第1シリーズの第2話となっている「鳥に翼獣に牙」では、一刀が山本麟一、石橋蓮司、轟謙二など約三十人の賞金稼ぎ軍団と斬りあうが、ここでも石橋蓮司の武器は手裏剣だ。蓮司は「木枯らし紋次郎」、「暗闇仕留人」、「必殺仕置屋稼業」でも手裏剣が武器の悪人を演じているのである。そんなに手裏剣が好きなのか蓮司。さて、第2話となっていると書いたのは、実際には第2話には「乞胸お雪」というエピソードが存在していたからである。このサブタイの「乞胸」という言葉が差別用語にあたるという理由で抹消されてしまったのである。内容自体に問題があるかどうかは不明だが、存在しないことにされてしまったまさしく幻の回であり、陽の目を見ることもないと思われる。ちなみに片桐夕子、加藤武、内田朝雄、浜田晃などが出ていたらしい。


おかしな4つ児

4卵生の4つ子という物凄い設定のドラマが「おかしな4つ児」(71年)である。そのキャスティングがまた凄い。ちあきなおみ、佐良直美、水前寺清子、和田アキ子という似ても似つかない4人が4つ子の姉妹だというのである。歌手としては一流な面々だが、男としては敬遠したくなるタイプばかりである(そうでない人ももちろんいるだろうが)。ドラマ上の設定もちあきだけが女らしくて後は男っぽいという印象どおりの設定だったようだ。水前寺は当時「ありがとう」などでヒロインを演じたりしてたが、あの男っぽい髪型が子供心にも好きになれなかった。三十年以上経た現在も女性のショートカットは好きになれない。

和田と水前寺は現在も活躍中だが、年をとるにつれ女性色が濃くなったような気がする。ちあきは92年に夫の俳優・郷瑛治(宍戸錠の実弟)を亡くしてから引退状態になっている。復帰の噂もあったが、本人にその気はないようだ。ビルのオーナーとして暮らしているらしい。佐良は82年にタレントのキャッシーとのレズ関係が明らかになり、芸能界を遠のいた。キャッシー自身が暴露したようだ。たまに混同する人がいるが無論キャシー中島(現・勝野洋夫人)とは別人である。佐良にほとんど女性を感じなかったのはそういうことだったのかなあなどと思ったりする。現在は犬のしつけ教室を主宰し、それなりの地位を築いているようだ。当時はまだ同性愛などは受け入れられない風潮だったのである。

フジ三太郎

新聞4コマの代表といえば、やはり長谷川町子の「サザエさん」とサトウサンペイの「フジ三太郎」ということになろうか。「フジ三太郎」は、65年~91年にかけて朝日新聞に連載されたが、68年に坂本九の主演でドラマ化されている。これは数年前CSで放送したので、何回か見たが普通のサラリーマンコメディといった感じであろうか。九の妻役には後に伊丹十三の妻として有名になる宮本信子、息子役が「仮面ライダー」などにも出てくる矢崎知紀、会社の上司に多々良純といったキャストであった。宮本は26話で降板し、27話より三好美智子が後を継いでいる。ほとんど聞いたたことのない名前だが、まだ現役の女優さんのようだ。全39話の白黒作品なのだが、何故か30話・31話のみカラー放送である。

ちなみに第1話のゲストはコント55号の二人であった。当時、コント55号はこういったドラマのゲスト出演が結構多かったのである。55号の弟分であるコント0番地(車だん吉、岩がん太)も三太郎の同僚役で出演していた。当時の芸名はたんくだん吉、いわたがん太である。がん太が魚屋に転身し引退したため、だん吉はピン芸人となったのである。以上豆知識でした。

せっかちネエヤ

富永一朗といえば、「お笑いマンガ道場」に出ていた漫画家として有名だが、その作品は?と問われてパッと答えられる人は少ないのではないだろうか。まあ「チンコロ姐ちゃん」あたりが代表作ということになるのだろうが、ドラマ化されたのは「せっかちネエヤ」(71年)である。タイトルは聞いたことがあるし、原作を見たことがあるような気もするのだが、単行本は66年に出たっきりのようだし(詳しくは調べていないが)、検索をかけても4件しか出てこないぐらいなので、おそらく見てはいないだろう。当然、ドラマの方も見たことはないのだが、主演は川口4兄弟の紅一点・川口晶で、他の出演者は雷門ケン坊、花沢徳衛、朝丘雪路などである。主題歌はヒットソング「ケメ子の唄」にあやかって出てきた松平ケメ子が歌っている。

川口兄弟といえば、浩以外は大麻事件で消えたイメージがあるが、逮捕されたのは恒と厚だけで、晶は事情聴取をされただけで、起訴猶予となっている。ちなみに晶の現在だが、国重晶という名で陶芸家として活動しているようだ。

十手野郎捕物控

タイトルを聞いただけではわからないと思うが、あの石ノ森章太郎の「佐武と市捕物控」をドラマ化したのが「十手野郎捕物控」(71年)なのである。肝心のキャストだが、佐武役は何故かなべおさみである。以前にも書いたがこの頃のなべは非常に売れっ子で、主役のドラマ何本かあったりした。しかし二枚目の佐武に、どこから見ても三枚目のなべでは、イメージがあわなすぎだろうと思うのだが抗議はなかったのだろうか。一方の市役は藤岡琢也だ。こちらもちょっとイメージが違う気がする。坊主ではなく角刈りの市だったのだろうか。しかし藤岡琢也は三十年以上前からまったくイメージが変わらない。若い頃から老けていた。近頃「渡る世間に鬼はない」を病気で降板したようだが、その代わりが宇津井健というのには驚いた。まるっきり新キャラである。さて他の出演者は中山仁、野川由美子、そして「仮面ライダー」の緑川ルリ子こと森川千恵子などがでていたようだ。このドラマは、ほとんど話題になることもないし、やはり不評だったのであろうか。

アワモリ君シリーズ

「アワモリ君」シリーズ(61年)は、坂本九、森山加代子、ジェリー藤尾のトリオを中心としたミュージカルコメディといった感じの映画で、「売出す」「乾杯!」「西へ行く」の三本が制作されている。監督は「無責任男」シリーズで知られる古澤憲吾で、原作は秋好馨のマンガである。秋好馨といえば、読売新聞に「轟先生」を戦後まもなくから72年頃まで何度かの休載をはさみながらも連載していたらしいが、一度も見た記憶がない。何故だろうとよく考えると、私は上京するまで読売新聞を見たことがなかったからであった。地方では、やはり全国紙よりもブロック紙、地方紙が強いのである。

話がそれたが、他の共演者は有島一郎、沢村貞子、高島忠夫、そして後のジェリーのカミさんとなる渡辺友子らがでている。ジェリーと友子は結構ドロドロな感じで離婚してしまったが、友子の暴露でジェリーは批判を浴び表舞台から消えたような感じになっている…らしい(そんな記事を見た)。しかし二人の娘はジェリー側についているそうだ。ちなみに森山直太朗の母親は森山良子であり、加代子ではない。混同しやすいので注意しよう。あまり見かけないがまだ現役である。

第七の男

今井健二といえば、時代劇やアクションドラマには欠かせない悪役であるが、元々は東映ニュフェース第2期生で高倉健、五味龍太郎などが同期である。当初は今井俊二という名で、刑事役など二枚目っぽい感じの役もあった。そんな彼の主演(と思われる)ドラマが「第七の男」(64年)である。勿論見たことはないし、1クール足らずの番組ということもあり詳細も不明だが「拳銃を持たず、壮絶な殴り合いをし、手近なものを武器に変えるタフガイの活躍」(テレビドラマデータベースより)を描いているそうだ。ようするに喧嘩屋さんか?共演は三瀬滋子つまり応蘭芳で、彼女は東映ニューフェースの5期生だ。後、脚本にも出演者としても宮川一郎の名があるのだが(宮川は脚本家)、ホントに出ていたのだろうか。それとも名前の似ている宮川洋一(ウルトラセブンのマナベ参謀)あたりと間違えているのだろうか。まあやはり脚本家の石堂淑朗が「必殺仕掛人」で悪役として出演したりしたこともあるから(石堂は映画にも数本出演している)、有り得ない話ではないのだが。答えがわかる人は…まずいないだろうな。


1960年のコメディ時代劇

調べてみると60年にスタートしたコメディ時代劇が多いことに気付いたので、まとめて紹介することにする。とはいっても、すべて見たことがないものなので、出演者からコメディだろうと推測されるものである。

まずは中田ダイマル・ラケット主演の「どろん秘帖」。ダイマル・ラケットといえば、自分が認識した時には既に高齢の兄弟漫才師という感じだったが、この頃は二人とも40代であった。タイトルどおり忍者ものだったらしく、忍者が消えるシーンでカット割りを間違え、忍者がフレームアウトするところが映ってしまったという、当時ならではの失敗談が残っている。

続いて茶川一郎の「一心茶助」。これは大阪の劇場からの公開収録形式の番組であったようだ。こちらにもベテラン兄弟漫才師、夢路いとし・喜味こいしなどが出ていたらしい。

そして平凡太郎の「にっこり捕物帳」。平凡太郎といってもピンとこない人もいるかもしれないが、私も名前は覚えているものの顔が浮かんでこない。70年代まではテレビでも見かけたと思うのだが。ちなみに「へいぼん・たろう」ではなく「たいら・ぼんたろう」である。

そして説明不要であろう藤山寛美の「しゃっくり寛太」。共演が南都雄二、藤田まこと、そして森光子などで、主題歌は橋幸夫であったようだ。寛美主演の番組は他にもいくつか存在する。

すでに取り上げた東八郎の「珍版太閤記」や由利徹の「大安小僧」なども60年の番組である。ちなみにここに挙げた人はみんな故人(藤田、森は除く)である。ダイマルは82年(69歳)、ラケットは97年(76歳)、寛美は90年(60歳)、茶川は00年(73歳)、平は02年(69歳)でそれぞれ亡くなっている。まとめて合掌。