若草物語
突然だが「若草物語」(64年)である。まあ先日CSで放送されていたのを見かけたからなのだが、芦川いづみ、浅丘ルリ子、吉永小百合、和泉雅子という日活の四大女優の共演という作品である。オルコットの名作を現代風にアレンジしたものといえるだろう。いや、読んだことはないので単に四姉妹という設定だけを使っているのかもしれない。それぞれの役柄は一応実年齢順になっていて、長女役の芦川は当時29歳、次女の浅丘は24歳、三女の吉永は19歳、四女の和泉は17歳であった。この中では、芦川いづみのイメージというのが個人的にはあまりないのである。たまに芦川よしみと混同してしまったりする。それもそのはずで、68年に結婚して引退してしまっているからであろう。私など小学校入学前である。しかもその相手が藤竜也であることも先ほど調べて初めて知った次第である。原作では次女のジョーが主役なので(その程度の知識はある)この映画でも次女役の浅丘が中心っぽい。共演の男優陣は浜田光夫、和田浩治、山内賢、杉山俊夫、内藤武敏などで伊藤雄之助が四人の父親役である。ちなみに映画の中では浅丘は石坂浩二ならぬ和田浩治と結婚するのである。
男組 少年刑務所
第1作の翌年、キャストをほぼ入れ替えて制作されたのが「男組 少年刑務所」(76年)である。今回の主演は舘ひろし、映画出演2作目にして主役で、五家宝連には村山一海、玉川雅巳、飯田和男、佐藤秀光、渡部和裕という面々。誰?と思う名前ばかりと思うが舘といえばクールス、つまりこの五人はクールスのメンバーである。舘+クールスは松田優作の「暴力教室」に引き続いての出演だが、まあほぼ素人集団の映画になっている。クールスってそんなに人気あったっけ?神竜には神有介、正直聞いたことがないが少なくとも80年代前半くらいまでは出演経歴があるようだ。涼子には武井みどり、現在の竹井みどりである。しかし武井名義はこの作品くらいしかないようで、改名したのか誤植だったのかよくわからない(そんなことはないと思うが)。もうひとりのヒロインが大関優子で、この人は当時たまたまテレビで見かけて奇麗な人だなあと思った記憶がある。後に佳那晃子と名前を変え大活躍することになる。以上のように主要キャスト総入れ替えと思いきや、何故か神竜組の四天王(日の下金太郎、光本大介、大谷朗、横山繁)だけはそのままである。
しかし1作目はれなりに良かったと思うが、なんでクールスの映画にしちゃったんだろうか。と思う今日このごろである。
男組
マガジンといえばサンデー、というわけで「ワル」といえば「男組」(75年)である。原作は今や「美味しんぼ」の人で有名な雁屋哲、そして絵は池上遼一である。妙に鎖の長い手錠をはめている主人公、ニュースならモザイクがかかってしまう流全次郎に星正人、その子分である五家宝連に白石譲(伊庭)、千田孝之(岩瀬)、津森正夫(高柳)、藤江喜幸(長浜)、そして「ワル」に続いてこちらにも登場の高月忠(大杉)の五人である。今回は32歳にして少年刑務所の受刑者だったりする。藤江は「好き好き魔女先生」など子役として活躍していた役者だ。彼らの敵である神竜組(高校生)の総帥・神竜剛次には南条弘二、その部下である四天王には日の下金太郎(大田原)、光本大介(木崎)、大谷朗(田丸)、横山繁(熊沢)という強烈な顔をした面々である。横山は「非情のライセンス」で刑事役などをやっていた。ヒロインの涼子には山口智子、といっても現在活躍中の唐沢夫人とは別人で、この映画以外の出演作は不明である。他には流に協力する生徒会長に「仮面ライダーアマゾン」こと岡崎徹、校長に室田日出男、にしきのあきら、南条弘二と混同してしまう「変身忍者嵐」こと南条竜也などが出ている。
しかし、星正人っ てどこへ消えてしまったのだろうか。「大都会PARTⅢ」で黒岩軍団の一員だったとか桜木健一の後をついだ二代目「刑事くん」だったとか覚えている人も少ないかもしれない。
非情学園ワル 教師狩り
「非情学園ワル」の第2弾が「教師狩り」(73年)で、谷隼人扮する氷室の敵役として、今回はスーパー教師で佐藤允が登場する。渥美マリ、安岡力也、佐藤蛾次郎らは引き続き登場するが、氷室の仲間で前作では飛世讃治が演じていた役は高月忠に替わっている。飛世はこれ1本しか出演記録のない謎の役者である。名前を変えたのか、実際これ1本だけなのかは不明である。しかしヒセサンジと読むのだろうか。はせさん治という声優ならいるけれども。高月忠はあのピラニア軍団の一員で、東映東京制作の映画ならほぼ全部に出ているのではと言われている(そんなことはないだろうが)。ほぼチョイ役ばかりなので今回の役などはかなりの大役であったといえよう。ちなみに当時30歳の高校生役であった。この作品では生徒役に「ワイルド7」の小野進也や「ダイヤモンドアイ」の大浜詩郎などの顔も見える。
そういえば谷は東映の役者だが、蛾次郎は松竹、前作の田中邦 衛と今回の佐藤允は東宝、渥美マリは大映出身と70年くらいまでは見られないキャスティングだったのである。
非情学園 ワル
70年代の劇画を映像化した作品というのは、今見ると「なんておバカな作品だ」と思えるようなものが多い。この「非情学園ワル」(73年)もそんな作品の1つであるが、第2作「教師狩り」、第3作「ネリカン同期生」と作られているので評判は良かったのかもしれない。原作は真樹日佐夫・影丸譲也による人気劇画で、少年マガジンに連載されていたが、小学生だった自分が真剣に読むような品ではなかった。
さて映画のほうだが、注目はなんと言っても出演者たちだ。主役の氷室洋二(高校生)に谷隼人、当時27歳である。すでにスターだった谷も、27にして高校生を演じるとは思ってなかったかもしれない。主役を谷にしたからには、、まわりも合わせてしまえばよいと思ったのか、氷室の仲間には安岡力也(26歳)に佐藤蛾次郎(29歳)、そして対立する大日向に目黒祐樹(26歳)というキャスティングだ。実に平均年齢の高い高校である。教師役には田中邦衛、そしてヒロインでもある渥美マリが扮している。しかし谷隼人はハンサムではあるが、ワルという感 じではないと思う。致命的なのは声にドスがないので、あまり迫力を感じないのである。まあ生まれもってのものだから仕方ないけれども。
特別機動捜査隊 その3
3回続けて「特別機動捜査隊」の話題である。まあ15年も続いた番組なので、興味のない方がご勘弁頂きたい。ある掲示板で、この番組の主な出演者リストが書き込まれていたことがある。もちろん全話ではなく、第500話から100話分くらいなのだが、それが正確だとすればこの頃は誰が出ていたのかが判明する。個人的にも印象に深い(といってもほとんど見てないが)三船(青木義朗)班、高倉(里見浩太朗)班体制の頃である。前項でもあげたメンバーで、まだ出演していたのが轟謙二、岩上瑛、滝川潤、伊達正三郎、伊沢一郎といったところで、特に轟は第1話から、岩上も20話くらいからの登場なので、10年以上出演していたことになる(とはいっても3,4回ぽつりと出ただけのようだ)。他の刑事たちを列挙すると宗方勝巳(畑野)、吉田豊明(石原)、「忍者部隊月光」の水木襄(水木)、北島隆(森田)、白石鈴雄(白石)、金井大(荒木部長刑事)、柴田昌宏(鷲見)、北村晃一(村井)、山口嘉三(椿)、笠竜也(片桐)、矢吹渡(浜田)、早川雄三(松木部長刑事)、倉岡(倉丘伸太朗)といった面々である。誰がどっちの班かというのは明確には分けられない(両方に出てるケースが多い)。長期にわたって出演している人もいるが、数週間登場した後フェードアウトして次の新顔刑事が登場しているというケースが多いようだ。
それにしてもこの番組について正確に研究することは困難であろうと思われる。特に初期の頃の映像はどこまで残っているのやら。まあ東映の場合第1話のみ現存というケースがよくあるが、この番組も第1話は現存しているようだ。残っていても再現像が必要で、費用がかかるので倉庫で眠っているものも多いと思われる。まあ全888話の「銭形平次」が第1話から延々とCSで放映されたりすることもあるので、全話放映はありえなくはない。いや全部見たいとは思わないが。
特別機動捜査隊 その2
前回に引き続いて「特別機動捜査隊」についての話題だが、800回もやってた割には、まともに見た記憶がない。たまにチャンネルを合わせても、すぐかえてしまっていた気がする。一番印象に残っているのはやはりオープニングで把握しているだけでも7パターンくらいある(構図は全部一緒だが)。特に初期の頃は何故か知らないがよく曲が変わっていたらしい。で一番気になるのは、どんな人が刑事を演じていたかというところだが、これを把握するのは非常に困難である。初期のころはそれなりにレギュラーが固定されていたようだが、班長が替わったり増えたりするたびに、部下の刑事たちも移動がある。それに数回だけ登場する刑事というのもいるようだし、色んな班に顔を見せる刑事もいる。笠原刑事役の伊達正三郎などは5つの班に登場したらしい。おそらくではあるが「太陽にほえろ」のように殉職とか移動とか、明確なものはなく、突然姿が見えなくなったり、いつの間にかメンバーに加わっていたものと思われる。大まかにわかったものだけ記すると、係長は三人だけのようで初代が神田隆(金子)、二代目が鈴木志郎(西本)、三代目が山田弾二(田中)である。神田は最初の半年くらいで、残りの15年あまりを後の二人が半々くらい演じていたようだ。立石班と藤島班の頃、つまり番組初期の主なメンバーは、立石班が波島進、南川直(橘部長刑事)、岩上瑛(荒牧)、轟謙二(桃井)、滝川潤(岩井田)、松原光二(松山)で、藤島班が中山昭二、伊沢一郎(関根部長刑事)、綾川香(香取)、伊達正三郎(笠原)、巽秀太郎(内藤)、高島弘行(山崎)という感じであったようだ。しかし藤島班のメンバーをみると中山は「ウルトラセブン」、伊沢は「キャプテンウルトラ」、伊達は「ジャイアントロボ」、綾川は「光速エスパー」で、それぞれ偉い人の役をやっていたし、巽は二代目「ナショナルキッド」を演じていた。波島も「七色仮面」、松原も「恐怖のミイラ」では主役である(当時は禄郎)。後番組の「特捜最前線」が特撮最前線と言われるくらい特撮ヒーロー出身者が多かったが、この頃から既にその傾向があったようだ。
特別機動捜査隊
里見浩太朗といえば、時代劇というイメージだがちゃんと現代劇にも出ている。その代表的なものが「特別機動捜査隊」(61~77年)である。15年以上、全801話も続いた刑事ドラマで、「特捜最前線」の前番組にあたる。覆面パトカーが3台(あるいは2台)連なって走るオープニングは引き継がれている。里見以外にも、青木義朗、亀石征一郎、葉山良二など最近ここで取り上げた役者が揃って主任役を演じているのだ。では簡単にその歴史を追ってみようと思う。当初は「七色仮面」こと波島進の立石班のみのスタートであった。ちなみに最初のメンバーは波島の他、南川直、轟謙二、巽秀太郎、佐原広二(健二じゃないよ)、そして係長役に神田隆という布陣であった。波島と神田以外は東映の脇役俳優で占められていた。そして3年目に突入した112話より、キリヤマ隊長こと中山昭二の藤島班が登場する。 とはいっても当初は1ヶ月に1度登場するかしないかという感じで、ほとんどが立石班のドラマであったようだ。藤島班の出番も徐々に増え、しばらくは2班体制が続いていたが、413話になって青木義朗の三船班が登場する。1年半あまり3班体制だったようだが、500話も目前に控えた497話と498話で中山と波島が番組を去った。そして512話より里見浩太朗の高倉班が登場する。個人的に記憶に残っているのはこの頃である。三船主任と高倉主任って子供心に三船敏郎と高倉健からとっているなと思ったものだ。とはいっても里見を見た記憶はない。実際7割がた三船班のドラマであったようだ。里見は646話で降板し、654話より亀石征一郎の矢崎班が登場。そして最終回も近くなっていた757話より葉山良二の日高班が登場した。後はラストまで3班体制で最終回に登場したには矢崎班であった。思ったとおり長くなったので以下次回に続く。
天狗街道
続けて里見浩太朗の話題だが、里見は東映の第3期ニューフェースとして入社。同期は映画版「月光仮面」の大村文武などで、1期前には高倉健や五味竜太郎、1期後に山城新伍や水木襄などがいた。実質的デビュー作であるのが「天狗街道」(57年)という映画である。実質的というのは、この作品から「里見浩太郎」という芸名になったからである。朗ではなく郎である。これは3つ目の芸名で初めて役らしい役をもらった「上方演芸底抜け捕物帖」では鏡小五郎、次の「誉の陣太鼓」では富士川一夫を名乗っていたのである。現在の「浩太朗」になったのは70年からであるが、郎の字を朗に変えるのは伊吹吾郎などもやっている。
里見と言えば、後釜の人というイメージがある。「水戸黄門」の助さんも「大江戸捜査網」の主演も杉良太郎が降板した後を受けてその座についている。「江戸を斬る」にしても西郷輝彦の後を受ける形になっている。無論現在の「水戸黄門」もそうである(前任は石坂浩二)。たいていの場合、後任者は前任より若くなると思うが、里見の場合はいずれも自分のほうが年長だったりする珍しい人である。まあいつまでも若く見えるがもうすぐ70歳になろうとして いる。
ちなみにタイトルの「天狗街道」という映画だが、主演は大友柳太朗で、里見は準主演という感じのようだ。月形龍之介、進藤英太郎、山形勲、丘さとみという蒼々たるメンバーが出ている。もちろん見たことはないし、見ることもないかもしれない。
はやと
多少は詳しいつもりでも、見たことも聞いたこともない番組というのは存在するもので、先日CSで放映の始まった「はやと」(69年)も、全く初耳の作品である。しかも里見浩太朗のテレビ初主演作ということである。里見はこの時33歳、意外なほど遅い主演である(映画のほうではすでに主演もあった)。しかしこの作品、里見にプロフィールにも載っていないし、数年前にでた「みんなのテレビ時代劇」という本の巻末リストにも載っていないのである。誰もしらないようなものから、少年向けの30分時代劇も網羅されているにもかかわらずである。別に里見サイドが封印していたわけでもなさそうだが、まさに幻の番組だったといえる。ちなみに「はやと」の敵は「まぼろし」という組織だ。もともとは林真一郎の「まぼろし城」の続編のような形で企画されたらしいが、里見主演のオリジナル作品へと変更されたらしい。里見 に加えて第1話の敵役が五味竜太郎と東映ニューフェースで固められていたので、東映の作品かと思ったが「必殺」でお馴染みの松竹の作品であった。第2話では江見俊太郎、第3話では木村功が「はやと」と戦う。レギュラーは基本的に里見と中島貴という子役だけのようだ(4話しかみてないので)。まあ割合正統派の少年向け時代劇というところだろう。