特別機動捜査隊 その3
3回続けて「特別機動捜査隊」の話題である。まあ15年も続いた番組なので、興味のない方がご勘弁頂きたい。ある掲示板で、この番組の主な出演者リストが書き込まれていたことがある。もちろん全話ではなく、第500話から100話分くらいなのだが、それが正確だとすればこの頃は誰が出ていたのかが判明する。個人的にも印象に深い(といってもほとんど見てないが)三船(青木義朗)班、高倉(里見浩太朗)班体制の頃である。前項でもあげたメンバーで、まだ出演していたのが轟謙二、岩上瑛、滝川潤、伊達正三郎、伊沢一郎といったところで、特に轟は第1話から、岩上も20話くらいからの登場なので、10年以上出演していたことになる(とはいっても3,4回ぽつりと出ただけのようだ)。他の刑事たちを列挙すると宗方勝巳(畑野)、吉田豊明(石原)、「忍者部隊月光」の水木襄(水木)、北島隆(森田)、白石鈴雄(白石)、金井大(荒木部長刑事)、柴田昌宏(鷲見)、北村晃一(村井)、山口嘉三(椿)、笠竜也(片桐)、矢吹渡(浜田)、早川雄三(松木部長刑事)、倉岡(倉丘伸太朗)といった面々である。誰がどっちの班かというのは明確には分けられない(両方に出てるケースが多い)。長期にわたって出演している人もいるが、数週間登場した後フェードアウトして次の新顔刑事が登場しているというケースが多いようだ。
それにしてもこの番組について正確に研究することは困難であろうと思われる。特に初期の頃の映像はどこまで残っているのやら。まあ東映の場合第1話のみ現存というケースがよくあるが、この番組も第1話は現存しているようだ。残っていても再現像が必要で、費用がかかるので倉庫で眠っているものも多いと思われる。まあ全888話の「銭形平次」が第1話から延々とCSで放映されたりすることもあるので、全話放映はありえなくはない。いや全部見たいとは思わないが。
特別機動捜査隊 その2
前回に引き続いて「特別機動捜査隊」についての話題だが、800回もやってた割には、まともに見た記憶がない。たまにチャンネルを合わせても、すぐかえてしまっていた気がする。一番印象に残っているのはやはりオープニングで把握しているだけでも7パターンくらいある(構図は全部一緒だが)。特に初期の頃は何故か知らないがよく曲が変わっていたらしい。で一番気になるのは、どんな人が刑事を演じていたかというところだが、これを把握するのは非常に困難である。初期のころはそれなりにレギュラーが固定されていたようだが、班長が替わったり増えたりするたびに、部下の刑事たちも移動がある。それに数回だけ登場する刑事というのもいるようだし、色んな班に顔を見せる刑事もいる。笠原刑事役の伊達正三郎などは5つの班に登場したらしい。おそらくではあるが「太陽にほえろ」のように殉職とか移動とか、明確なものはなく、突然姿が見えなくなったり、いつの間にかメンバーに加わっていたものと思われる。大まかにわかったものだけ記すると、係長は三人だけのようで初代が神田隆(金子)、二代目が鈴木志郎(西本)、三代目が山田弾二(田中)である。神田は最初の半年くらいで、残りの15年あまりを後の二人が半々くらい演じていたようだ。立石班と藤島班の頃、つまり番組初期の主なメンバーは、立石班が波島進、南川直(橘部長刑事)、岩上瑛(荒牧)、轟謙二(桃井)、滝川潤(岩井田)、松原光二(松山)で、藤島班が中山昭二、伊沢一郎(関根部長刑事)、綾川香(香取)、伊達正三郎(笠原)、巽秀太郎(内藤)、高島弘行(山崎)という感じであったようだ。しかし藤島班のメンバーをみると中山は「ウルトラセブン」、伊沢は「キャプテンウルトラ」、伊達は「ジャイアントロボ」、綾川は「光速エスパー」で、それぞれ偉い人の役をやっていたし、巽は二代目「ナショナルキッド」を演じていた。波島も「七色仮面」、松原も「恐怖のミイラ」では主役である(当時は禄郎)。後番組の「特捜最前線」が特撮最前線と言われるくらい特撮ヒーロー出身者が多かったが、この頃から既にその傾向があったようだ。
特別機動捜査隊
里見浩太朗といえば、時代劇というイメージだがちゃんと現代劇にも出ている。その代表的なものが「特別機動捜査隊」(61~77年)である。15年以上、全801話も続いた刑事ドラマで、「特捜最前線」の前番組にあたる。覆面パトカーが3台(あるいは2台)連なって走るオープニングは引き継がれている。里見以外にも、青木義朗、亀石征一郎、葉山良二など最近ここで取り上げた役者が揃って主任役を演じているのだ。では簡単にその歴史を追ってみようと思う。当初は「七色仮面」こと波島進の立石班のみのスタートであった。ちなみに最初のメンバーは波島の他、南川直、轟謙二、巽秀太郎、佐原広二(健二じゃないよ)、そして係長役に神田隆という布陣であった。波島と神田以外は東映の脇役俳優で占められていた。そして3年目に突入した112話より、キリヤマ隊長こと中山昭二の藤島班が登場する。 とはいっても当初は1ヶ月に1度登場するかしないかという感じで、ほとんどが立石班のドラマであったようだ。藤島班の出番も徐々に増え、しばらくは2班体制が続いていたが、413話になって青木義朗の三船班が登場する。1年半あまり3班体制だったようだが、500話も目前に控えた497話と498話で中山と波島が番組を去った。そして512話より里見浩太朗の高倉班が登場する。個人的に記憶に残っているのはこの頃である。三船主任と高倉主任って子供心に三船敏郎と高倉健からとっているなと思ったものだ。とはいっても里見を見た記憶はない。実際7割がた三船班のドラマであったようだ。里見は646話で降板し、654話より亀石征一郎の矢崎班が登場。そして最終回も近くなっていた757話より葉山良二の日高班が登場した。後はラストまで3班体制で最終回に登場したには矢崎班であった。思ったとおり長くなったので以下次回に続く。
天狗街道
続けて里見浩太朗の話題だが、里見は東映の第3期ニューフェースとして入社。同期は映画版「月光仮面」の大村文武などで、1期前には高倉健や五味竜太郎、1期後に山城新伍や水木襄などがいた。実質的デビュー作であるのが「天狗街道」(57年)という映画である。実質的というのは、この作品から「里見浩太郎」という芸名になったからである。朗ではなく郎である。これは3つ目の芸名で初めて役らしい役をもらった「上方演芸底抜け捕物帖」では鏡小五郎、次の「誉の陣太鼓」では富士川一夫を名乗っていたのである。現在の「浩太朗」になったのは70年からであるが、郎の字を朗に変えるのは伊吹吾郎などもやっている。
里見と言えば、後釜の人というイメージがある。「水戸黄門」の助さんも「大江戸捜査網」の主演も杉良太郎が降板した後を受けてその座についている。「江戸を斬る」にしても西郷輝彦の後を受ける形になっている。無論現在の「水戸黄門」もそうである(前任は石坂浩二)。たいていの場合、後任者は前任より若くなると思うが、里見の場合はいずれも自分のほうが年長だったりする珍しい人である。まあいつまでも若く見えるがもうすぐ70歳になろうとして いる。
ちなみにタイトルの「天狗街道」という映画だが、主演は大友柳太朗で、里見は準主演という感じのようだ。月形龍之介、進藤英太郎、山形勲、丘さとみという蒼々たるメンバーが出ている。もちろん見たことはないし、見ることもないかもしれない。
はやと
多少は詳しいつもりでも、見たことも聞いたこともない番組というのは存在するもので、先日CSで放映の始まった「はやと」(69年)も、全く初耳の作品である。しかも里見浩太朗のテレビ初主演作ということである。里見はこの時33歳、意外なほど遅い主演である(映画のほうではすでに主演もあった)。しかしこの作品、里見にプロフィールにも載っていないし、数年前にでた「みんなのテレビ時代劇」という本の巻末リストにも載っていないのである。誰もしらないようなものから、少年向けの30分時代劇も網羅されているにもかかわらずである。別に里見サイドが封印していたわけでもなさそうだが、まさに幻の番組だったといえる。ちなみに「はやと」の敵は「まぼろし」という組織だ。もともとは林真一郎の「まぼろし城」の続編のような形で企画されたらしいが、里見主演のオリジナル作品へと変更されたらしい。里見 に加えて第1話の敵役が五味竜太郎と東映ニューフェースで固められていたので、東映の作品かと思ったが「必殺」でお馴染みの松竹の作品であった。第2話では江見俊太郎、第3話では木村功が「はやと」と戦う。レギュラーは基本的に里見と中島貴という子役だけのようだ(4話しかみてないので)。まあ割合正統派の少年向け時代劇というところだろう。
鉄砲玉の美学
再び渡瀬恒彦関係の話に戻るが、彼が主演のATG映画というのがある。それが「鉄砲玉の美学」(73年)で、正確には東映が出資して、ATGが配給したということらしいが、詳しいことはわからない。先日東映チャンネルで放映されたが、例の東映の三角マークがでない映画なのである。監督の中島貞夫も東映のやくざ映画路線で活躍している人だが、この映画に関しては東映っぽくない感じがする(とはいってもその路線の映画には疎かったりする)。出演者も渡瀬の加えて杉本美樹、荒木一郎、小池朝雄、広瀬義宣など東映っぽい顔ぶれなので、東映の映画だと思って見ればそう見えるかもしれない。単純なイメージでは「娯楽の東映」、「芸術のATG」という感じなのだが、非常にミスマッチな取り合わせといえるだろ う。あのけなしてばかりいる井筒和幸も、この作品はお気に入りだそうである。
三日月情話
佐々木守が脚本を担当したドラマで、密かに話題になっていたのが最近CSで放送されていた「三日月情話」(76年)である。正直いうと私はこのドラマの存在を知らず、単なる昼メロだろいと思い(実際昼メロの時間帯で放映されたのだが)今回の放映でも第1話を試しに流し見ただけで、以降は見なかったのである。しかしそこは佐々木守、しかもスタッフは「シルバー仮面」「アイアンキング」の日本現代企画のメンバーとくれば普通の昼メロであるはずはなかったのである。ヒロイン藤田弓子の夫(中山仁)が突如「竜宮城へ行く」と言い残して失踪。やはり妻が同じようにして失踪した男(有川博)と出会い三日月村を舞台に怪しげな物語が展開されるというもの。浦島太郎伝説とか怪しげなカルト教的集団とか、昼メロとして放送するには少しキツかったようである。とにかく怖い婆さんに村田知栄子、有川の妻に「仮面ライダーV3」の小野ひづる、他に水上竜子、内田稔、ゴールデンハーフのエバ、日本現代企画御用達の伊海田弘などが出演している。それにしても三日月村といえば木枯し紋 次郎の生地として知られている名前だ。前項の「君たちは魚だ」がやられた紋次郎の生地の名前を腹いせに使った…わけではなさそうだ(実際は佐々木と真船監督との会話の中から三日月という言葉がキーワードになったらしい)。4月からCSで再放映されるという情報があるが、されたら今度はちゃんと見てみようと思う。
君たちは魚だ
最近、ここで取り上げたばかりの脚本家・佐々木守が亡くなった。それで追悼というわけではないが、彼の作品の中からかなりマイナーな部類に入るであろう「君たちは魚だ」(72年)を取り上げてみる。タイトルだけだと何のドラマだかよくわからないが、ミュンヘンオリンピックを目指す水泳選手たちのスポ根ドラマである。当時はオリンピック前になるとこういったスポ根ドラマが多く見られたものである。出演者の顔ぶれは結構豪華である。「柔道一直線」の桜木健一、「仮面ライダー」の佐々木剛、「アイアンキング」の石橋正次、「新・必殺仕置人」の河原崎健三というメンバーが水泳選手で、他にも范文雀、林隆三、佐藤慶なども出ていた。
しかしこのドラマは視聴率わずか3%という体たらくで、15話で打ち切りという結果に終わってしまった。その大きな原因は裏番組が「木枯し紋次郎」であったということに尽きる。このドラマのプロデュサーであった山内久司は「紋次郎」を超える時代劇を作るよう迫られ、そこで生み出されたのが「必殺仕掛人」である。この「君たちは魚だ」が成功していたら「必殺シリーズ」は誕生しなかったのかもしれない。
あまくちからくち
「忍法かげろう斬り」で間接的に共演した渡・渡瀬兄弟だが、兄は日活から石原プロ、弟は東映と違う路線を歩んでいるせいか、一緒の画面にいるのを見た記憶がない。共演ドラマがないか調べると、ちゃんと存在した。しかも双子の兄弟役である。それがNHKのドラマ「あまくちからくち」(71年)である。脚本は「どてらい奴」や「あかんたれ」などで有名な花戸筐で、二人は造り酒屋の双子兄弟という設定だ。共演は浪花千栄子、十朱幸代、そして二人とは共演の多い范文雀などである。とはいっても当然見たことはないし、この時代のNHKドラマというのは残っていないケースが多いので、この作品もそうである可能性が高い。
ちなみに昨年でた「日テレ半世紀」という本には、このドラマが77年に日本テレビで放映されたとあるらしいのだ が、それは間違いであるようだ。(テレビドラマデータベースより)。
忍法かげろう斬り
石原裕次郎は日活時代、沢山の映画に出ているが、小林旭のようなシリーズものは1本もなかった。前項で取り上げた「影狩り」が唯一のシリーズもの(といっても2本だが)だったようである。会社の方針か本人の希望なのかはわからないが、本人の意思だとしたら「太陽にほえろ」で同じ役を14年もやったことが信じられん話である。
さて、裕次郎とくれば渡哲也である。彼も頑丈に見えるが裕次郎と同じように大病に冒されることが多い。最近では、直腸がんになり、人工肛門の身になりながら復活したりしているが、70年代にも2度病気で番組を降板している。1本は74年の大河ドラマ「勝海舟」で細菌性肝炎および肺炎になり主役を降板(後任は松方弘樹)。そしてもう1本がその2年前のドラマ「忍法かげろう斬り」である。原作は早乙女貢の小説で、ここでの渡は主役の「鷹」と呼ばれる松平家の雇われ忍者を演じている。渡には珍しい東映の時代劇だ。共演には九の一役で、范文雀と太地喜和子がミニスカ網タイツ姿で出ていた。しかし太地はあまり登場しない。そして松平伊豆守が 高橋悦史と、皮肉にも病気がちだった渡以外の三人は既にこの世にない。さて渡だが、20話にて肋膜炎のため降板。残り6回代役を演じたのが実弟・渡瀬恒彦である。顔だけでなく声もよく似ているということもあり、ほとんど違和感を感じることはなかった。ちなみに渡瀬はこの時、大原麗子と結婚した直後であったようだ。