お宝映画・番組私的見聞録 -248ページ目

ゼロ戦黒雲隊

最近ここで取り上げている亀石征一郎と永山一夫が共演しているのが「ゼロ戦黒雲隊」(64年)である。60年代はまだまだ、こういった戦記物、ゼロ戦ものがあふれており、映画はもちろんだがテレビでは以前とりあげた「ゼロファイター」、漫画では「ゼロ戦レッド」「あかつき戦闘隊」「紫電改のタカ」、アニメでも「ゼロ戦はやと」「決断」などがあった。だいたいのパターンは南方の荒くれ者部隊に若き新隊長が就任するところから始まったりするのだが、この「ゼロ戦黒雲隊」もそのパターンで、亀石が新隊長で永山が部隊のリーダー的存在といった役柄である。出演は他に石井伊吉こと毒蝮三太夫、出っ歯が印象的な岡部正純、山本磯六(なんちゅー芸名だ)、渋い声でお馴染みの森山周一郎、キカイダー01こと池田駿介などである。主題歌もこの時代らしくフランク赤木なる人物が歌っている。この作品には「零戦黒雲一家」というタイトルの映画版も存在する。主演は石原裕次郎と二谷英明という二大スターである。

愛妻くんこんばんは

今CSでやっている鈴木清順特集で、彼が監督したテレビドラマの1本が放映された。それが「愛妻くんこんばんは」(68年)の第33話「ある決闘」である。これ1本だけでは、どういうドラマなのかが判断できなかった。出演者は「そーなんです」でざ・ぼんちに漫才のネタにされた山本耕一、ホームドラマのいびり役富士真奈美、そして「ブーフーウー」で狼の声だった永山一夫の三人のみ。そこで調べてみると全40話のオムニバスドラマシリーズだったことが判明した。つまり連続ドラマではなく、出演者も毎回変わるのだ。ちなみに第4話が「離婚代理人」(二谷英明、緑魔子)、第10話「007女房」(葉山良二、山本陽子)、第14話「分割払いの愛」(山内賢、大原麗子)、第17話「キャンパスの恋」(杉良太郎)、第40話「海と空の結婚」(根上淳、河内桃子)といった具合である。それにしても当時は「風」「剣」「お庭番」などオムニバス形式のドラマが多かったりする。ところで、永山一夫だが「ザ・ガードマン」においてもゲストが彼一人などという回もあるくらい、順調な役者生活を送っていたのだが、71年あの帰還事業で北朝鮮へ「帰国」してしまったのである。日本から「帰国」した人々にいい話は聞かないので、永山にもいい運命が待っていたとは思えないのだが。「ブーフーウー」で共演した黒柳徹子が消息を調べさせたそうだが、亡くなっていたそうである。

あしたのジョー(実写版)

「あしたのジョー」といえば、やはりマンガでありアニメであろうが、実写の映画も存在する。70年、デビューまもない石橋正次が矢吹丈を演じる。石橋は新国劇の出身だが、丹下段平役をその新国劇の重鎮・辰巳柳太郎が演じたのである。全然イメージがわかない。アニメで声をあてた藤岡重慶なら実写でもイメージにぴったりなのだが。もっとも辰巳柳太郎については、その弟子である大友柳太郎と混同してしまうくらいの認識だったりするのだが。他のキャストだが力石徹には亀石征一郎。まあなんとなく骨格は似ている。しかし一番似ているのは「マッハバロン」などに出ていた力石考という役者であろう(それを意識してつけた芸名だろうし)。白木葉子には「レインボーマン」でキャシーを演じた高樹蓉子、西には山本正明、青山にはなんと小松政夫といった具合である。まあ人気マンガを実写化してイメージぴったりのキャスティングだ、などという賞賛を聞いたことはほとんどないが、この作品も当時はどうだったのであろうか。個人的には一度もお目にかかったことがないので、やはり見てみたい気がする。

シルバー仮面

放映順では逆になるが、前項で「アイアンキング」を取り上げたので次はその前番組である「シルバー仮面」(71年)を取り上げねばなるまい。正確にはこの2番組の間に「決めろ!スマッシュ」という番組があったのだが、全然記憶にない。主演の春日五兄妹には亀石征一郎、柴俊夫、篠田三郎、夏純子、松尾ジーナといった面々で、本職ではないジーナを除けば、主役の柴俊夫が一番の新人であり、70年の「ゴールドアイ」では柴本俊夫の名で出演していた。まさかこれほど息の長い役者になるとは予想できなかった。裏番組が円谷の「ミラーマン」だったこともあり、低視聴率に悩み11話より「シルバー仮面ジャイアント」と改題され、等身大宇宙人からほとんど怪獣といえる巨大星人と戦うようになった。監督の実相寺昭雄や脚本の佐々木守、上原正三、市川森一と「ウルトラセブン」のスタッフが顔を揃えていたのだが、完敗であった。まあミラーマンも結構地味な作品だったと思うけれども、当時はどっちも平行して見ていたような気がする。兄妹なのに何故一人だけハーフ?とつっこみを入れたくなる松尾ジーナだったが、八話で姿を消す(シルバー仮面大全という本では十話ということになっている)。突然いなくなった印象があるが、その本では知り合いの博士の家に預られたと書いてあった。そんなシーンがあったのかどうか、今は確認できないので何ともいえない。降板の理由は病気ということだったが、我儘で遅刻などを繰り返したため降ろされたという説もある。その後どうなったのかというと、まもなくレーサーと結婚し芸能界を引退したということだ。ところで17話のサブタイトルは「シルバーめくら手裏剣」というのだが、これはCSでもこのまま放映されるだろうか。先日、ジャンボーグAの「きちがい星の~」はそのまま放送していたけれども。


アイアンキング

浜田光夫といえば、我々の世代では日活のスターというよりは、「アイアンキング」(72年)の人なのである。まあ小学生が日活映画のことなど知るわけもなく、変身はするけど三枚目の兄ちゃんぐらいに思っていたものだ。生身の石橋正次が怪獣やロボットを倒しちゃったりする異色のヒーローものであった。二人とも脚本の佐々木守との繋がりによる出演であったようだ。石橋は「佐々木さんが全部書くなら出る」といったそうで、実際全話佐々木が脚本を書いている。佐々木守といえば、あのウルトラセブンの幻の12話や「お荷物小荷物」などの問題作を書いたことでも知られているが、浜田はその「お荷物小荷物」に出演していたことが縁になっていた。本作も敵が少数民族(不知火一族)とか革命集団(独立幻野党)など今から考えると佐々木らしい設定がなされていた。当初のレギュラー森川千恵子が6話で降板したのは、火薬を使った場面で髪の毛が燃えてしまい「こんなのはいやです」と降板を申し入れたからである。一応劇中ではちゃんと死んでいる(変な言い方だが)。彼女が「仮面ライダー」の初期レギュラー(ルリ子役)だった真樹千恵子と同一人物だと知ったのは随分後のことである。中間は日替わりヒロインという感じで、岡崎友紀、テレサ野田、シルバー仮面の夏純子、キカイダー01の松木聖、キイハンターの大川栄子、ウルトラマンAの星光子、そして坂口良子といった人気女優がゲストとして出演していた。そして終盤のヒロインが「高校生無頼控」の項で書いた右京千晶である。

ところで浜田光夫の目のケガだが、日活時代の66年、酒場で酔っ払いが浜田と一緒にいた葉山良二に電気スタンドで殴りかかってきた際に電球が割れ、その破片が浜田の目に刺さったという事件だったようだ。完全なとばっちりだったのだが、復帰に一年を要している。迷惑な話である。


いちどは行きたい女風呂

沖雅也はこんな映画にも出ていたのかという感じなのが「いちどは行きたい女風呂」(70年)である。しかも主役は浜田光夫である。その浜田と沖、そして前野霜一郎の受験生トリオを中心としたコメディ映画で、沖は風呂屋の息子という設定で、タイトルどおり女風呂も出てくる。前野については以前書いたと思うが、当時ロッキード事件の渦中にいた児玉誉士夫の屋敷に軽飛行機で突入し、死んだ役者である。そういう顔には見えないのだが。さて浜田といえば、吉永小百合とのコンビで一世を風靡したスターだったのだが、当時はすでに日活をやめ、石原プロにいた時期である。翌年には三船プロに移るのだが、マネージャーへの不満があったらしい。この映画への出演も本人はあまり乗り気ではなかったのかも知れない。 あわや失明というケガから復帰はできたが、サングラスが必需品となってしまったことも純愛青春映画路線には戻れなかった一因であろう。まあ年齢的なものもあったろうが(当時27歳)。出演は他に夏純子、岡崎二朗、深江章喜などで、増田ひろ子や星野みどりといった「ハレンチ学園」の女生徒役だった面々も出ている。

高校生無頼控 感じるゥ~ムラマサ

高校生無頼控シリーズは3本あるが、2本目以降主役のムラマサは前述したとおり、沖雅也から大門正明に代わっている。美少年が突然無骨な野郎になったという感じだが、原作のイメージには大門の方が合っているだろう。その大門が全裸でふんどしを洗っているシーンから始まるのが「突きのムラマサ」で、3作目が「感じるゥ~ムラマサ」(73年)である。それにしても恥ずかしいタイトルだ。「感じる」ではなく「感じるゥ~」である。3流ポルノ映画かなと思ってしまう(ある意味そうなのだが)。今回のムラマサの相手となるのは映画に出ていたことが意外にも感じる「アイアンキング」の後半のヒロイン右京千晶、「飛び出せ青春」の女生徒・松原麻里や、「プレイガール」の桑原幸子、そして何者かよくわからん恵美と書いてフィミーと読む女優?である。その恵美には三兄弟(郷瑛治、岡崎二朗、キレンジャー畠山麦)がいて、彼らとムラマサがやりあうのが今回の主軸である。郷や岡崎などがてくると日活のイメージだが、これは東宝の作品である。この時、日活はもうロマンポルノ時代に突入していたし。しかし郷や岡崎がガクラン姿で登場するのは、凄く無理があると誰もが思ったに違いない。

高校生無頼控

また沖雅也の話題に戻るが、彼唯一の主演作映画が「高校生無頼控」(72年)である。原作は小池一夫・芳谷圭児による劇画だが、当時の自分には「大人のマンガ」だったので、まともに読んだことはない。内容は沖演ずる主人公のムラマサこと村木正人が、憎き兄(岸田森)を探して旅する過程で知り合った女たちとやりまくるという話である。それはもう夏純子も皮切りに、最近亡くなった集三枝子、詳しく知らない沢知美、川村真樹、長谷川照子、そして「プレイガール」の八並映子と高校生の分際でやりまくるのである。当時の沖はアイドルからの脱却を目指していたらしく、この仕事を引き受けたようだが、当時の沖ファンもこの作品には絶句したらしい。ちなみに翌年の続編からはムラマサ役は大門正明に交代していた。他には宍戸錠、進千賀子、中川加奈などが出演している。そういえば、この映画では兄弟役の岸田森は82年(43才)、沖は83年(31才)に早逝している。つくづく惜しい役者を亡くしたものである。

純愛山河 愛と誠

映画のほうを取り上げたので、テレビ版のほうも取り上げようと思う。先日CSで始まった「純愛山河 愛と誠」(74年)である。当時見た記憶があるようなないような、まあ初見といってもよい。愛役は当時15歳の池上季実子。デビュー作かと思っていたが、それはNHKの少年ドラマシリーズであった。対する誠は「特捜最前線」の叶刑事こと夏夕介、ちなみに当時24歳。年の差のある同級生だ。まだ2話しか見てないのだが、大映ドラマではないが池上の棒読みっぽいセリフ回しとか、その父が高橋昌也だったりと大映ドラマのような感じある。岩清水には「新・七人の刑事」の中島久之、天地大介には「はみだし刑事情熱系」の平泉征(成)と後に刑事になるメンバーが多い。あと高原由紀には映画の早乙女愛にならってか、そのまんま芸名にした高原由紀…聞いたこともない。これ1本で消えてしまったのだろうか。ちなみにその父親役は梶原一騎の実弟・真樹日佐夫である。そういえば第1話で愛の少女時代を今は亡き戸川京子が演じていた。自殺と聞いたとき、姉の戸川純の間違いではないかと思った人も多いのではないだろうか。とにかく合掌。

愛と誠

もう1つ仲雅美が重要な役で出ている映画があった。それが「愛と誠」(74年)である。説明不要と思うが、梶原一騎原作の人気漫画の映画化である。太賀誠役には西城秀樹、早乙女愛役にはヒロインの名を芸名にしてしまった早乙女愛、そして岩清水弘に仲雅美である。見たことはないのだが、早乙女愛がデビューしたのは覚えている。しかし誠をヒデキがやっていたという印象があまりない。他に城山剛介に高岡健二、火野奨平に火野正平ではなく織田あきらと当時の人気どころが結構出ていた。原作のほうはあまり詳しくないのだが、この映画には高原由紀や砂土谷峻とか座生権太などは出てこない。と思ったら映画は実は3本あり(正直知らなかった)、2作目は「続・愛と誠」(75年)、3作目は「愛と誠・完結編」(76年)とシンプルでとてもわかりやすいタイトルである。愛役は早乙女愛が3作とも演じたが、誠は毎回替わった。「続」では南条弘二が誠を演じ、影の大番長・高原由紀にはなんと多岐川裕美、座生権太に平田孝之、熱血教師・天地大介にウルトラセブン森次晃嗣という布陣で、岩清水は登場しない。「完結編」では誠には加納竜、岩清水に内田喜郎、そして砂土谷峻には柴俊夫とやはり当時の人気どころが起用されている。この「完結編」は三協映画(梶原の映画会社)も制作に携わったらしく、そのせいか知らないがベテラン陣も大滝秀治、根上淳、白木万理、東八郎、佐藤蛾次郎など前2作より豪華な感じのする役者が登場する。3本とも見てないので、どの誠がいいとかわからないが、あらすじを見たかぎりでは続けてみれば原作のほぼ重要な所は抑えているようだ。そういえば原作のラストを見たことがないのに今気がついた。意外と知らない人もいるんじゃないかと思う今日この頃である。