お宝映画・番組私的見聞録 -250ページ目

少年探偵団(テレビ版)

前項の「怪人二十面相」終了後、入れ替わるように始まったのが「少年探偵団」(60~63年)である。こちらもちょうど3年、152回も放映されているのだが、一場面すら見たことがない(と思う)。やはり映像が残っていないのだろうか。原作の1つの話を4話から5話に分けて放映していたようである。こちらの配役は明智が初代が冨田浩太郎で、1年ほどで若柳敏三郎に交替している。そして二十面相が大平透で、小林少年が清水良太である。冨田は70~80年代は自分が見ていたドラマにもゲストでよく出ていたようだが、印象にない。若柳は「怪傑黒頭巾」や「人形佐七捕物帳」でも主役を演じていたが、60年代半ばにはテレビ界から姿を消しているようである。大平は当時は恐らく「スーパーマン」の声優として有名だったと思われるが、我々世代には「ハクション大魔王」であり、「マグマ大使」のゴアであり、「スペクトルマン」の倉田室長である。他の出演者には小松方正や後の声優上田みゆきや「シャア」でお馴染みの池田秀一(おそらく少年探偵団の一人であろう)、そして火野正平(当時は二瓶康一)が探偵団の一人としてテレビデビューしている。ちなみに75年にもテレビ化されており、こちらはかなり近代的にアレンジされていた。配役は明智が浜田柾彦(矢吹渡)、二十面相がまだウルトラマンの印象が強かった団次郎、小林少年がキャロライン洋子の兄・黒沢浩であった。近年はやったキックスケーターの原型である「ローラースルーゴーゴー」を流行らせたのはこの番組であった。しかし子供の死亡事故が起き、学校でも禁止され、あっという間にすたれたのである。

怪人二十面相

少年探偵団とくれば「怪人二十面相」である。今回はテレビシリーズでは最も古い58~60年版を取り上げて見る。私が生まれる前の作品ということもあるが、81回もある割にはその一場面すら見たことがない。映像が残ってないのかも知れない。配役は二十面相が原田甲子郎、明智が佐伯徹、小林少年が桧晋樹となっており、正直いずれも聞いたことがない。原田は主に60年代「新撰組血風禄」など時代劇を中心に活動していたようだ。佐伯は意外なことに、少なくとも90年代の初めまでは地道に役者をやっていたようである。他の出演者で、配役などははっきりしないが、知っている名前を挙げると、南風洋子、田口計、野々村潔、江木俊夫、松村達雄、後に声優となる森功至などが出ていたようだ。ちなみに以前取り上げたのは「怪人四十面相」(65年)である。「怪人二十面相」は77年にも南條豊主演で作られているが、こちらは全く知らない。近頃結婚じた藤谷美和子のドラマデビュー作のようである。

少年探偵団(映画版)

江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズは、戦後まもなくから何度も映画化、テレビ化されているが、今回は56年~59年の東映映画版を取り上げてみる。①「妖怪博士/二十面相の悪魔」②「かぶと虫の妖奇/鉄塔の怪人」③「二十面相の復讐/夜光の魔人」④「透明怪人/首なし男」⑤「敵は原子潜航艇」の5作9本が作られており、最初の4作は1本1時間程度の前後編という形になっている。当時よくあった形式で、前編公開から早くて一週間後には後編が公開されたりしている。少年探偵団といえば当然、明智小五郎と怪人二十面相である。同じ東映制作ながらキャストがころころ変わっている。明智は①と②が岡田英次、③と④が「七色仮面」の波島進、⑤が「遊星王子」の梅宮辰夫とドンドン若返っている。二十面相はというと全作変わっている。①が南原宏治(当時は伸二)、②が加藤嘉、③が小牧正英、④が伊藤雄之助、⑤が植村謙二郎となっており、南原を除いて割合高齢の人が演じている。③の小牧正英って誰だ?と私も含めて思う人もいるであろう。調べてみると俳優ではなく「伝説のバレエダンサー」と呼ばれるくらいバレエ界では凄い人なのだそうだ。その人が何故二十面相役で映画に出たかは不明だが、これ以降映画出演などはないようだ。少年探偵団役の少年たちだが、小林少年役の小森康充をはじめ知らん名前ばかりである。ただその中に秋山勝俊という名前がある。やくざ映画や時代劇で同じ名の俳優を見かけるが、70年代前半の時点で結構年配に見える。正確な年齢がわからないがとても30代前半(少年探偵団の時点から最大でもそれくらいのはずである)には見えないので、同一人物ではないと思うのだがどうだろうか。

風小僧

山城新伍が主役を演じたのは「白馬童子」が最初ではない。その前に「風小僧」(59年)という作品がある。山城のテレビデビュー作で、東映の”テレビ映画”第1号である。テレビ映画というのは、簡単なようで説明しにくいが、ようするにテレビ向けに製作した劇映画というものである。さてこの番組スタート時は少年だった目黒祐樹(当時ユウキ、松方弘樹の弟)が主役であったが、1クールで中学校進学のため降板(だったら最初からでるなと言いたくなる)、次の回から突然青年である山城が主役となる。あるお城の城主という設定で、スーパーマンのように空を飛んじゃったりするのである。主な出演者には目方誠(後の歌手・美樹克彦)や五味勝之介(後の五味龍太郎、元々東映ニューフェース出身である)、伊吹幾太郎(おそらく後のチャンバラトリオ伊吹太郎)、そして南方英二なども出ていたようだ。ところで山城新伍という芸名は、東映の重役俳優市川右太衛門(北大路欣也の父)が、即興でつけたものらしい。山城が京都(山城の国)出身ということと当時はやりの「新吾十番勝負」の新吾をくっつけたもの。そのままだとストレートすぎるので吾の字を「伍長の伍にしよう」と命名したということだ。結構いい加減なものである。

白馬童子

千葉真一は「七色仮面」、梅宮辰夫は「遊星王子」、そして山城新伍は「白馬童子」と東映ニューフェース出身でデビュー当時にヒーローを演じた役者は随分と長持ちしている(無論例外もあるが)。「白馬童子」(60年)で全国区になった山城だが、この頃は本当に二枚目であった。10年もたたないうちに三枚目路線にいくとは誰が予想したであろう。さて、この作品には劇場公開された「南蛮寺の決闘」というのがあるが、これは映画版というわけではない。テレビ放映したものを劇場公開したものである。自分が子供のころの「東映まんがまつり」ではこのパターンが多かった。あまり名の知れている人が出ていないが、南方英二の名が見える。チャンバラトリオのカシラである。ご存知の方も多いと思うが東映時代劇の斬られ役などをやっていた南方、山根伸介、伊吹太郎の三人で結成されたが、南方が病気で抜け結城哲也が加わり、その後南方が復帰したので四人でもチャンバラトリオなのである。ちなみに現在は伊吹と結城が抜け(伊吹は借金問題で吉本を解雇されている)、やはり東映時代劇出身の志茂山高也と漫才をやっていた前田竹千代が加わり、相変わらず四人でトリオをやっているようだ。志茂山は志賀勝の弟だと聞いたことがあるのだが、違っているだろうか?途中からチャンバラトリオの話になってしまった。


月光仮面(映画版)

唐突だが「月光仮面」である。何故かといえば、たまたま今日CSで放映されていたからである。テレビで大人気だった本作の映画版は58~59年に5作6本(1,2本目は前後編)が東映によって制作されている。主題歌はテレビと一緒だが、祝十郎役は東映3期ニューフェースの大村文武(同期に里見浩太郎など)が抜擢され、テレビでは若手の谷幹一が演じていた五郎八をベテランの柳谷寛、カボ子を若水ヤエ子が演じた。主演の大村だが顔のパーツが小さい人(特に目が)というイメージがある。個人的には「必殺仕掛人」「仕置人」での悪役でしか見たことがなかった。調べると57~67年の10年間かなりの本数の映画に出ている。特に60、61年には年間20本以上に出演、逆にいえば「月光仮面」以降はあまり大役はなかったということだろう。テレビでも「大都会partⅡ」のゲスト出演あたりを最後に見かけることもなくなった。さて他の出演者では1作目にミスター博士・宇佐美淳也が博士役で出ている。この人は「光速エスパー」や「ミラーマン」でも博士の役で、日本一博士の似合う役者といえる(かもしれない)。あと2作に登場する住田知仁少年、以前どっかで書いたと思うが子役時代の風間杜夫である。1作目に出てくるコーラスグループの一人が作曲家の三沢郷で、アニメ版の月光仮面(72年)の音楽を担当することになる。この時の出演が縁となっているのだろうか。

阿修羅のごとく

NHKの土曜ドラマで印象深いものといえば、前項の「男たちの旅路」とやはり向田邦子作の「阿修羅のごとく」ということになろうか。最近森田芳光監督でリメイクされたが、そっちのほうはよく知らない。オリジナルのほうは79年に全3話、80年にパート2が全4話放映されている。当時高校生だった自分がなぜ見たのかよく覚えてないが面白かった印象はある。ドラマは竹沢恒太郎(佐分利信)・ふじ(大路三千代)夫妻と四人の娘たちを軸に描かれる。長女綱子(加藤治子)は未亡人だが、妻子ある枡川(菅原謙次)と不倫中、次女巻子(八千草薫)は夫(緒形拳→露口茂)の不倫を疑っている、三女滝子(いしだあゆみ)は冴えない探偵(宇崎竜童)と、四女咲子(風吹ジュン)はボクサー陣内(深水三章)と付き合っており、恒太郎にも若い愛人(八木昌子)がいたりする。愛人のことを知っていたふじが急死したり、陣内がパンチドランカー状態になったりと見せ場は色々あるが、なんといっても音楽だ。「トルコの軍楽」としかテロップには出ないが、「ジュッディン・デデン」という葬送行進曲らしい。何度もこの曲が流れ、劇中音楽はこれ一曲である(ような気がする)。見終わった後、CDが買いたくなるであろう。

男たちの旅路

鶴田浩二といえば任侠映画というイメージが強いが、個人的には「男たちの旅路」の吉岡司令補がもっとも印象深い。「男たちの旅路」はNHKの土曜ドラマ枠で、第1部から第4部まで(76年~79年)まで年3話づつプラス82年にスペシャル版の計13話が作られている。脚本は山田太一である。警備会社に勤める特攻隊の生き残りである鶴田と若い警備員たちとの対立を中心に描かれる。若い警備員役は水谷豊、桃井かおりを筆頭に柴俊夫、森田健作、五十嵐淳子、清水健太郎、岸本加代子たちが演じている。中学から高校にかけての頃、毎年楽しみに見ていた記憶がある。個人的な好きな話は「シルバーシート」(3部1話)、「別離」(3部3話)、「流氷」(4部1話)というところだ。「シルバーシート」は当時の爺さん俳優総出演といった感じである。志村喬(72)、藤原釜足(72)、加藤嘉(67)、殿山泰司(61)、佐々木孝丸(78)、そして笠智衆(73)とよくぞまあ集めたものである(年齢は当時、多少の誤差はあるかも)。当時52歳だった鶴田に「あんたはまだ若い」と言ってしまうところが凄い。その鶴田を含め全員が亡くなってしまっている。「別離」は病に倒れた桃井と鶴田が恋に陥る話。桃井の死後、鶴田は姿を消してしまう。この話は何度見ても涙が出る。さあ泣けそら泣けどんと泣けというくらい見事に泣ける話だ。「流氷」は姿を消した鶴田を、社長(池部良)の命を受けた水谷が釧路の街を探し回る話。再会したが「帰らん」という鶴田を、いつも説教されていた水谷が逆に長ゼリフで説得する場面に感動する。とまあ純粋に感動すること間違いなし(たぶん)。DVD化もされているようなので、見てない人は今すぐ見なさい。

大空港

「太陽にほえろ」「非情のライセンス」を上回る殉職率を誇る刑事ドラマといえば「大空港」(78年)であろう。1年半の間に6人もの殉職者が出るのだ。主演は往年のスター鶴田浩二(加賀警視)。空港特捜部という限定された場所でよくネタが続いたものである。鶴田以外の当初のメンバーはもう一人のスター藤枝梅安こと緒形拳(梶警部)、そして若手刑事たちは「俺たちの勲章」の中村雅俊(鯉沼刑事)、「Gメン75」の岡本富士太(立野刑事)、「二人の事件簿」の高岡健二(海原刑事)、そして二時間サスペンスの女王片平なぎさ(神坂刑事)と刑事ドラマ経験者ばかりである。まずわずか1クールで緒形拳が車ごと殉職(後任は田中邦衛)、次いで中村雅俊がセスナ機ごと殉職(後任は黒沢年男、永島敏行)、そして殉職ではないが片平なぎさが海外へ移動(後任は何故か石川さゆり)、その直後登場からわずか18回目当時はクリクリ坊主だった永島敏行が殉職(後任は三浦浩一)、そして一気に最終3話、海外へ赴任していた片平なぎさが車に仕掛けられた爆弾で爆死という知らせ(本人は登場しない)、怒涛の最終回は黒沢、岡本が相次いで殉職、ラストシーンは鶴田、田中、石川と負傷するが何とか生き残ってジエンドってな具合である。危険な職場だな空港特捜部。それにしても鶴田は亡くなったが、他はいまだにみんな活躍していることを考えると豪華キャスティングなドラマであったといえよう。

非情のライセンス(第2シリーズ)

前々項で「天知茂の妻・弓恵子」と書いてしまいコメント欄の方で訂正したが、正しくは「天知茂の弟子である宮口二郎の妻・弓恵子」でありました。まあ天知と宮口が兄弟と書いているサイトなどもあるし、その辺はご勘弁を。ちなみに弓恵子は潮万太郎の娘で、柴田昌宏・侊彦の姉である。さて、天知と宮口と言えば、やはり「非情のライセンス」であろう。以前にも取り上げたが、今回は73年からの第2シリーズを取り上げてみる。殉職といえば「太陽にほえろ」のイメージがあるが、この「非情のライセンス」も負けていない。第1シリーズでは誰も死なないが(正確には一回かぎり登場の黒木憲や内田勝正が殉死している)、今シリーズではレギュラー陣が次々死んでいく。まず高城丈二(大門刑事)、第1では1回ゲストで出ただけだったが、本シリーズではセミレギュラー入り。しかし新婚旅行の最中(妻はひし美ゆり子)、拉致されて殺害されるというあっけない最期を迎える。続いて第1からのレギュラー葉山良二(四方刑事)、会田(天知)とは同年代で同格であったが(実際天知と葉山は1歳違い)、こちらも結婚式の最中背後から佐藤京一に撃たれあっけなく死亡。そして本シリーズより登場の紅一点・江波杏子(江沢刑事)、いつの間にか殉職したようだ(録画しているはずだが見るの忘れていた)。そして宮口二郎(坂井刑事)、自分の後輩(和崎俊哉)に撃たれ死亡。殉職らしい殉職であった。その数回前に平田昭彦に3,4発浴びても死ななかったのだが、今回は一発で致命傷となり、第1話から約3年の出番を終えた。その翌々週には左とん平(右田刑事)、第1のクリーニング屋でも数発の銃弾を浴び死亡したとん平だが、今回も蜂の巣状態で殉職する。まあ第3シリーズではまた違う役で復活するのだが。そして、坂井と右田が相次いで死んだ後サブタイトルから恒例の「凶悪」の文字が消えてしまう。「やさしい凶悪」とか「凶悪の接吻」とかわけがわからんと思うときもあるが、なければないで寂しいものである。