お宝映画・番組私的見聞録 -252ページ目

暴力五人娘

タイトルから内容を想像できない作品というのは結構あるが、別の方向に想像してしまいそうなのが「暴力五人娘」(60年)である。何といっても新東宝の映画だし、暴力的な五人の娘が登場するのかと単純に考えてしまうが、そんなことはない。簡単にいえば、大学乗っ取りを企む暴力団に立ち向かう五人の女子大生の活躍を描く話だ。つまり五人は正義のヒロイン、このタイトルからそこまで推理できる人はあまりいないだろう。その五人を演じるのが万里昌代、大空真弓、三条魔子、扇町京子、橘恵子である。大空真弓は現役だが、万里昌代は70年代終盤まで「プレイガール」などもっぱらテレビで良く見かけた。NHK少年ドラマシリーズの「幕末未来人」や「七瀬ふたたび」にも登場している。三条魔子は「恐怖のミイラ」のヒロイン役があるが、あとの二人同様に60年代のみ活躍した人のようだ。他に五人に協力する役で、当時は新東宝の二枚目スターだった菅原文太が登場する。冒頭五人娘はラグビースタイルだ。正確には女子(アメリカン)フットボール部という設定らしいがラグビーにしか見えない。まあどちらでもよいのだが。

太陽の季節

私が初めて石原裕次郎を見たのは、おそらく「太陽にほえろ」(それも第1話)だったと思う。その時の印象は「なんだ、この顔のむくんだオッサンは」というようなものであったと記憶している。当時はまだ小学生で、映画スターだった裕次郎など当然知らなかった。その後若い頃の姿を見て「人間こんなにも変わってしまうんだ」などと失礼なことを思ったりしたものである。その裕次郎のデビュー作が「太陽の季節」(56年)である。兄・慎太郎の芥川賞受賞作の映画化だが、主役デビューというわけではなく、主人公の長門裕之が属するボクシング部の部員といった役柄である(簡単にいえばチョイ役だ)。冒頭で長門とスパーリングをやったりする。ヒロイン役は現・長門の妻南田洋子で、長門に子供を堕ろすように言われ、手術経過が悪くて死んでしまうという悲惨な役だ。岡田真澄や佐野浅夫なども出ているが、とくに佐野浅夫が若くて途中まで誰だかわからなかった。慎太郎はこの映画が気にいらなかったそうで、そこで「狂った果実」を書き上げ、裕次郎を主役にすることを条件に映画化させたということである。そして裕次郎の弟役に慎太郎が眼をつけたのが、子役だった加藤雅彦で、最初長門の弟であることは知らなかったそうである。そして津川姓を命名し、津川雅彦が誕生した。ちなみに「太陽の季節」で長門扮する主人公の役名は津川という。そんなに津川という名前が好きなのか、慎太郎。

太陽にほえろ・放送禁止編 

放送禁止ネタといのは以前からやって見たかったのだが、最近そのテの本が出ていることもあり、ネタがかぶるのであまり触れなかったが、前々項で「太陽にほえろ」の放送禁止エピソードの話題が出たので、ちょいと触れてみることにする。放送禁止といっても、正確には放送自粛作品というべきであろうか。有名な「ウルトラセブン」12話や「ジャングル黒べえ」のように諸団体からの抗議などにより封印されてしまった作品や現在の放送コードに触れてしまう作品もそうである。「太陽にほえろ」にもそういう話がいくつか存在する。マカロニ(萩原健一)編では、19話「ライフルが叫ぶとき」、27話「殺し屋の詩」、37話「男のつぐない」、ジーパン(松田優作)編では、68話「一万人の容疑者」、106話「着陸地点なし」、テキサス(勝野洋)編では、127話「非情な戦い」などである。これらが前述の例と事情が違うのが、特に抗議されたわけでも差別用語を連発しているわけでもない(と思う)という点である。どうやら「太陽~」の世界観にそぐわない、というのが理由らしい。簡単にいえば、太陽っぽくないイレギュラーな話なので、岡田プロデューサー(おそらく)が封印してしまったようなのである。CSでも放送されないばかりか、ご丁寧にDVD-BOXにも収録されていないのである。例えばマカロニ編は全52話あるはずだが、DVDには49話しか収録されていない。製作者がダメといえば、どうにもならないのが実情だ。「別にいいじゃんか、勝手に封印するな」と言いたい人も多いのではないだろうか。どんな話かは調べてもらえばわかると思う。ちなみに19話と27話はいづれも犯人射殺で終わるようなのだが、それが原因なのか?そんなエピソード他にもあるよなあ。

雷電

相撲にあまり興味はないのだが、宇津井健主演の新東宝映画に「雷電」(59年)という作品がある。江戸時代の大関・雷電為右衛門を描いた話だが、「宇津井健が相撲取りを演じる新東宝映画」という魅力的なキーワードに引かれCSで放送されたのを見てみた。当時の宇津井と言えば「スーパージャイアンツ」シリーズが終わったばかりの頃で、かなり奇天烈な作品を想像してしまったのだが、結論からいえば、当時の新東宝っぽさはほとんどない真面目な作品である。しかも芸術祭参加作品だ。まあ無茶といえば、当時28歳の宇津井が16歳の少年を演じるというのはキツイものがある。でもそれは映画やテレビの世界にはよくあることだ。「七人の侍」で当時30歳の木村功は10代の若侍という設定だったし、「細うで繁盛記」の新珠三千代がセーラー服姿(回想シーン)を披露したこともあった。出演は他に北沢典子、坂東好太郎、舟橋元、江見俊太郎、御木本伸介などである。ちなみに後編の「続雷電」もあり、こちらには当時の東富士、天竜など当時の力士が特別出演している。

制服の胸のここには

意味ありげなタイトルだが、どうってことない青春映画が「制服の胸のここには」(72年)である。これは内容よりも出演者が興味深い。主役は石川博という人だが「誰だそれ?」という反応がほとんどではないだろうか。70年代前半に活躍していた人で、「ゴジラ対ガイガン」でも主役である。テレビではいずれもゲストだが、「おれは男だ」や「高校教師(加山雄三)」、そして「太陽にほえろ」では欠番エピソードとなっている106話「着陸地点なし」に出ているようだ。ただgoo映画で検索をかけると企画・制作・プロデューサーとして同一人物扱いで検索されるのである。「ポケモン」や「ハム太郎」や「天地無用」など有名なアニメなどを中心に活躍しているようである。まあ役者が制作サイドに転身するのは珍しくはないが、本当に同一人物かどうかは確認できなかった(同姓同名が沢山いそうな名前だし)。さて、ヒロイン役は元・藤岡弘夫人の鳥居恵子である。自分は藤岡と共演の「白い牙」くらいでしか見た記憶がない女優さんだったのだが、結構当時はヒロイン役が多かったようである。他にすっかり「仕事人」のイメージが強くなった鮎川いづみや当時不良の代名詞的な存在だった沖田駿一、そして「ジャンボーグA」の主役・立花直樹が出ている。立花直樹というホストのような名前はジャンボーグの主人公の名をもらったものだとばかり思っていたのだが、それは大きな間違いであることに気がついた。ジャンボーグは73年、この映画の翌年の番組だ。よく調べると71年の「刑事くん」ですでに桜木健一の先輩刑事として立花直樹名義で出ているではないか。ということは、番組のほうが役者の名前をヒーロー名にもらったということなのだろうか。意外な事実(かどうかわからんが)である。

豹の眼(テレビ版)

映画版の話題が出たところで、テレビシリーズの「豹の眼」(59年)についても触れておこう。これはあの「月光仮面」の後番組であり、主演も大瀬康一がそのまま引き継いでいる。前半は映画版とほぼ一緒で、アジアを舞台に大瀬演じる杜夫青年が活躍する無国籍アクションという感じである。数年前にCSで放映されたのだが、個人的にこういったタイプの話があまり好きではないので、2話ほど見てやめてしまったのである。しかし日本編になるとガラリと変わって、現代なのに怪傑白頭巾こと「笹りんどう」が敵の「紫の忍者」と戦う話になるそうである。笹りんどうの存在は知っていたのだが、豹の眼に登場するとは知らなかったのである。ちょっと見てみたかった。やはり仮面のヒーローがいなければ物足りなかったということか。前項でも書いたとおり「豹の眼」って敵の秘密結社のはずだが、日本編ではタイトルが成立しないのでは?さて、他の出演者だが、「底ぬけ脱線ゲーム」に良く出ていた海野かつお、童謡歌手だった近藤圭子、映画版の主役だった北原義郎、そしてお馴染みの天津敏に牧冬吉。牧冬吉はこれがテレビデビューだったようである。ちなみに悪役であった。二人がブレイクするのはともに「隠密剣士」である。

 

豹(ジャガー)の眼

「豹の眼」というと、大瀬康一主演のテレビシリーズを思い出す人の方が多いと思うが、ここではテレビに先駆けること3年、56年に公開された映画について述べる。まず何といっても驚くのが主演が北原義郎であることだ。北原というと、どうしてもインテリっぽい科学者とか、医者とか、会社や警察の幹部とかといった役柄が思い浮かび、正義のヒーロー(変身するわけではない)という役は想像しにくい。実際に見てみると、まあ確かに、当時はまだ二十代でハンサムではあるが、なんかこう違和感を感じてしまうのだった。念のために言うと「豹の眼」というのは秘密結社の名前であって、ヒーローの名ではない。私も勘違いしていたりしたのだが。そのボスであるジャガーを演じるのは「マグマ大使」のアース様こと清水元、ヒロインの沙利は藤田佳子が演じている。まだまだ映画の時代ということもあり、前後編に分かれており、一週間後に後編が公開されている。何故か正式タイトルが「青竜の洞窟」で、豹の眼・後編とか但し書きがついていない。不親切な話である。当時はこういった公開方式がとられることも結構あったようだが、この作品一本が40分強、二本併せても1時間30分に満たないのである。一本にしてしまえばいいじゃんかと、今ツッコミを入れてもしょうがないのだけれども。

わんぱく砦

前項から引き続き火野正平ネタになるのだが、彼の子役時代で割合有名な作品といえば「わんぱく砦」(66年)ではないだろうか。とはいっても、私自身はこれの存在を知るのは随分後になってからで(テレビ探偵団だったと思う)、まったく見たことがないのである。戦国時代の少年たちを描いた物語ということらしいが、私は自分が子供の頃、子供中心のドラマが好きではなかった気がする。時代劇自体は小学校の低学年くらいには見ていたと思うが大人向けばかりで、少年向けはほとんど見た記憶がない。さて、出演は火野(二瓶康一)のほか、佐藤正三郎、里井茂、古川ロック(当時は禄九)など当時の子役たちである。古川ロックといえば、以前にも書いたが「必殺シリーズ」や「白獅子仮面」での同心役が印象に深い。というかそれ以外で、あまり見た記憶がない。名前からして戦前戦後に活躍したコメディアン古川ロッパ(禄波)の息子であろうと単純に思っていたが、甥という説もある。調べてみたがわからなかった。ロックのことを取り上げているサイトなど見当たらないのである。寂しいなロック。現在も役者は続けているのであろうか。

忍者番号十七番

なるべくマイナーな作品を取り上げようと思っているのだが、この「忍者番号十七番」(64年ごろ)も知ってる人がいるのか?というようなコアなドラマである。まず、64年ごろと書いているように正確な放映時期がわからない。単発か連続なのかもよくわからない。あの「テレビドラマデータベース」にも収録されていない代物なのである。わかっているのは、当時子役の二瓶康一こと火野正平が初の主演を務めたドラマであるということだ。まあタイトルどおり少年向けの時代劇で正平は少年忍者の役だったようである。共演も三木のり平、南都雄二、そして「金八先生」の国井教頭こと茅島成美など結構、名のある人が揃っているようなのに、何故か幻のドラマになっているのである。火野正平の研究(ファン)サイトから引っ張ってきたネタだが、知っている人はいるのだろうか。

小さな恋のものがたり

前作「だから大好き」の後を受けて始まったのが「小さな恋のものがたり」(72年)である。タイトルからもわかると思うが、いま現在も続いているみつはしちかこの有名なマンガを原作にしたドラマである。主演は引き続き岡崎友紀と沖雅也で、当然ふたりがチッチとサリーということになる。主題歌も引き続き岡崎の「ファーストラブ」が使われており、いかにも急に制作が決まったドラマという感じである。原作のほうは私の生まれた62年にスタートしたというから恐れ入る。「ゴルゴ13」や「こち亀」もかなわない長期連載である。単行本のほうは年一冊のペースということで、39冊目が今年出たようである。マンガの実写化は今でもそうだが、キャストのイメージが違うとか色々批判がでるものだが、このドラマは先に役者がいて企画は後から(それも急遽)決めたものなので、批判も多かったのではないだろうか。この当時すでに連載10年目で、それなりに人気もあったはずだし。他の出演者は前作からの下条正巳に加え、奈美悦子、「おれは男だ」の三城康裕などである。ちなみに84年には、単発のアニメが作られており、声のほうは「金八先生」の伊藤つかさ、「うる星やつら」の古川登志夫が演じている。