お宝映画・番組私的見聞録 -252ページ目

月光仮面(映画版)

唐突だが「月光仮面」である。何故かといえば、たまたま今日CSで放映されていたからである。テレビで大人気だった本作の映画版は58~59年に5作6本(1,2本目は前後編)が東映によって制作されている。主題歌はテレビと一緒だが、祝十郎役は東映3期ニューフェースの大村文武(同期に里見浩太郎など)が抜擢され、テレビでは若手の谷幹一が演じていた五郎八をベテランの柳谷寛、カボ子を若水ヤエ子が演じた。主演の大村だが顔のパーツが小さい人(特に目が)というイメージがある。個人的には「必殺仕掛人」「仕置人」での悪役でしか見たことがなかった。調べると57~67年の10年間かなりの本数の映画に出ている。特に60、61年には年間20本以上に出演、逆にいえば「月光仮面」以降はあまり大役はなかったということだろう。テレビでも「大都会partⅡ」のゲスト出演あたりを最後に見かけることもなくなった。さて他の出演者では1作目にミスター博士・宇佐美淳也が博士役で出ている。この人は「光速エスパー」や「ミラーマン」でも博士の役で、日本一博士の似合う役者といえる(かもしれない)。あと2作に登場する住田知仁少年、以前どっかで書いたと思うが子役時代の風間杜夫である。1作目に出てくるコーラスグループの一人が作曲家の三沢郷で、アニメ版の月光仮面(72年)の音楽を担当することになる。この時の出演が縁となっているのだろうか。

阿修羅のごとく

NHKの土曜ドラマで印象深いものといえば、前項の「男たちの旅路」とやはり向田邦子作の「阿修羅のごとく」ということになろうか。最近森田芳光監督でリメイクされたが、そっちのほうはよく知らない。オリジナルのほうは79年に全3話、80年にパート2が全4話放映されている。当時高校生だった自分がなぜ見たのかよく覚えてないが面白かった印象はある。ドラマは竹沢恒太郎(佐分利信)・ふじ(大路三千代)夫妻と四人の娘たちを軸に描かれる。長女綱子(加藤治子)は未亡人だが、妻子ある枡川(菅原謙次)と不倫中、次女巻子(八千草薫)は夫(緒形拳→露口茂)の不倫を疑っている、三女滝子(いしだあゆみ)は冴えない探偵(宇崎竜童)と、四女咲子(風吹ジュン)はボクサー陣内(深水三章)と付き合っており、恒太郎にも若い愛人(八木昌子)がいたりする。愛人のことを知っていたふじが急死したり、陣内がパンチドランカー状態になったりと見せ場は色々あるが、なんといっても音楽だ。「トルコの軍楽」としかテロップには出ないが、「ジュッディン・デデン」という葬送行進曲らしい。何度もこの曲が流れ、劇中音楽はこれ一曲である(ような気がする)。見終わった後、CDが買いたくなるであろう。

男たちの旅路

鶴田浩二といえば任侠映画というイメージが強いが、個人的には「男たちの旅路」の吉岡司令補がもっとも印象深い。「男たちの旅路」はNHKの土曜ドラマ枠で、第1部から第4部まで(76年~79年)まで年3話づつプラス82年にスペシャル版の計13話が作られている。脚本は山田太一である。警備会社に勤める特攻隊の生き残りである鶴田と若い警備員たちとの対立を中心に描かれる。若い警備員役は水谷豊、桃井かおりを筆頭に柴俊夫、森田健作、五十嵐淳子、清水健太郎、岸本加代子たちが演じている。中学から高校にかけての頃、毎年楽しみに見ていた記憶がある。個人的な好きな話は「シルバーシート」(3部1話)、「別離」(3部3話)、「流氷」(4部1話)というところだ。「シルバーシート」は当時の爺さん俳優総出演といった感じである。志村喬(72)、藤原釜足(72)、加藤嘉(67)、殿山泰司(61)、佐々木孝丸(78)、そして笠智衆(73)とよくぞまあ集めたものである(年齢は当時、多少の誤差はあるかも)。当時52歳だった鶴田に「あんたはまだ若い」と言ってしまうところが凄い。その鶴田を含め全員が亡くなってしまっている。「別離」は病に倒れた桃井と鶴田が恋に陥る話。桃井の死後、鶴田は姿を消してしまう。この話は何度見ても涙が出る。さあ泣けそら泣けどんと泣けというくらい見事に泣ける話だ。「流氷」は姿を消した鶴田を、社長(池部良)の命を受けた水谷が釧路の街を探し回る話。再会したが「帰らん」という鶴田を、いつも説教されていた水谷が逆に長ゼリフで説得する場面に感動する。とまあ純粋に感動すること間違いなし(たぶん)。DVD化もされているようなので、見てない人は今すぐ見なさい。

大空港

「太陽にほえろ」「非情のライセンス」を上回る殉職率を誇る刑事ドラマといえば「大空港」(78年)であろう。1年半の間に6人もの殉職者が出るのだ。主演は往年のスター鶴田浩二(加賀警視)。空港特捜部という限定された場所でよくネタが続いたものである。鶴田以外の当初のメンバーはもう一人のスター藤枝梅安こと緒形拳(梶警部)、そして若手刑事たちは「俺たちの勲章」の中村雅俊(鯉沼刑事)、「Gメン75」の岡本富士太(立野刑事)、「二人の事件簿」の高岡健二(海原刑事)、そして二時間サスペンスの女王片平なぎさ(神坂刑事)と刑事ドラマ経験者ばかりである。まずわずか1クールで緒形拳が車ごと殉職(後任は田中邦衛)、次いで中村雅俊がセスナ機ごと殉職(後任は黒沢年男、永島敏行)、そして殉職ではないが片平なぎさが海外へ移動(後任は何故か石川さゆり)、その直後登場からわずか18回目当時はクリクリ坊主だった永島敏行が殉職(後任は三浦浩一)、そして一気に最終3話、海外へ赴任していた片平なぎさが車に仕掛けられた爆弾で爆死という知らせ(本人は登場しない)、怒涛の最終回は黒沢、岡本が相次いで殉職、ラストシーンは鶴田、田中、石川と負傷するが何とか生き残ってジエンドってな具合である。危険な職場だな空港特捜部。それにしても鶴田は亡くなったが、他はいまだにみんな活躍していることを考えると豪華キャスティングなドラマであったといえよう。

非情のライセンス(第2シリーズ)

前々項で「天知茂の妻・弓恵子」と書いてしまいコメント欄の方で訂正したが、正しくは「天知茂の弟子である宮口二郎の妻・弓恵子」でありました。まあ天知と宮口が兄弟と書いているサイトなどもあるし、その辺はご勘弁を。ちなみに弓恵子は潮万太郎の娘で、柴田昌宏・侊彦の姉である。さて、天知と宮口と言えば、やはり「非情のライセンス」であろう。以前にも取り上げたが、今回は73年からの第2シリーズを取り上げてみる。殉職といえば「太陽にほえろ」のイメージがあるが、この「非情のライセンス」も負けていない。第1シリーズでは誰も死なないが(正確には一回かぎり登場の黒木憲や内田勝正が殉死している)、今シリーズではレギュラー陣が次々死んでいく。まず高城丈二(大門刑事)、第1では1回ゲストで出ただけだったが、本シリーズではセミレギュラー入り。しかし新婚旅行の最中(妻はひし美ゆり子)、拉致されて殺害されるというあっけない最期を迎える。続いて第1からのレギュラー葉山良二(四方刑事)、会田(天知)とは同年代で同格であったが(実際天知と葉山は1歳違い)、こちらも結婚式の最中背後から佐藤京一に撃たれあっけなく死亡。そして本シリーズより登場の紅一点・江波杏子(江沢刑事)、いつの間にか殉職したようだ(録画しているはずだが見るの忘れていた)。そして宮口二郎(坂井刑事)、自分の後輩(和崎俊哉)に撃たれ死亡。殉職らしい殉職であった。その数回前に平田昭彦に3,4発浴びても死ななかったのだが、今回は一発で致命傷となり、第1話から約3年の出番を終えた。その翌々週には左とん平(右田刑事)、第1のクリーニング屋でも数発の銃弾を浴び死亡したとん平だが、今回も蜂の巣状態で殉職する。まあ第3シリーズではまた違う役で復活するのだが。そして、坂井と右田が相次いで死んだ後サブタイトルから恒例の「凶悪」の文字が消えてしまう。「やさしい凶悪」とか「凶悪の接吻」とかわけがわからんと思うときもあるが、なければないで寂しいものである。

銭ゲバ

緑魔子から連想される男といえば、まずダンナの石橋蓮司、そして唐十郎ということになろうか。唐十郎といえば演出家のイメージが強いが、自らが出演した映画の1つに「銭ゲバ」(70年)がある。これはタイトルどおりジョージ秋山の人気マンガを映画化したもので、唐は主役の蒲郡風太郎を演じる。原作は風太郎が銭のためにドンドン人を殺しながらのし上っていくという話だが、この映画も殺しまくる。原作を約90分にまとめたら、殺すところばかりになってしまったという感じである(7,8分に一人の割合で殺す)。出演は加藤武、曾我廼家明蝶、横山リエ、「マグマ大使」のモルこと応蘭芳、「ウルトラマン」のフジ隊員こと桜井浩子、当時ヌードグラビアなどで話題だった鈴木いづみ、お馴染みの岸田森、そして緑魔子といった面々である。しかし当時のジョージ秋山はこの「銭ゲバ」(少年サンデー)を初め、「アシュラ」(少年マガジン)、「告白」(少年サンデー)、「ばらの坂道」(少年ジャンプ)など、色々と問題になった作品が少年誌に載っていたというのが凄い。それをまだ小学校低学年だった我々も喜んで見ていたのである。今では考えられないことである。

マコ愛してるゥ

緑魔子といえば、テレビの方ではアクションものや時代劇などでゲストで出ていることが多いが、主役を演じたドラマもある。それが「マコ愛してるゥ」(67年)である。自らが主題歌を唄うOPしか見たことはないのだが、緑の役はユーレイで、亭主役の沢本忠雄、霊界の監視人であるE.H.エリック(岡田真澄の兄)との三角関係を描いたコメディということらしい。主役が死んでいるゴーストものというのは結構昔からあるようだ。沢本忠雄というと、「あかんたれ」のドラ息子の役ぐらいしか私には思いうかばない。出演は他に「タコ社長」こと太宰久雄や浅香光代のダンナである世志凡太、天知茂の妻である弓恵子などが出ている。しかし緑魔子、名前がタイトルに使われるくらいだから、当時はかなりの人気だったようだ。しかし、やはりアングラとか悪女とかのイメージが強く、あまりお茶の間向けの人ではないと思うのだが。

非行少女ヨーコ

ストーリーどうのこうのより、いろんな意味で見どころが多いのが「非行少女ヨーコ」(66年)である。当時は二十歳前後だった出演者が多いが、今でも活躍している人ばかりである。主演のヨーコ役には緑魔子。どうせなら「非行少女マコ」にしたほうが良かったのではないだろうか。その相手役がこの作品が東映デビューとなる谷隼人(新人表記)でさすがに若い。谷隼人といえば、その後の「キイハンター」や「不良番長」など東映のイメージが強いが元々は日活のニューフェイスである。64年の日活映画に「岩谷肇」の名で数本出ている。翌年はほとんど出ていないところを見るとすぐに日活をやめて、東映から再デビューという形のようだ。彼らの仲間としては当時は不良っぽい役の多かった大原麗子や「キャプテンウルトラ」のアカネ隊員こと城野ゆき、東野英治郎の息子である英心(当時は孝彦)が何とボクサーの役、やせているのである。そして後に緑魔子のダンナとなる石橋蓮司、ヒゲもなくパーマ頭でもない短髪の蓮司である。他にも荒木一郎や大坂志郎、岡田英次そして、あの寺山修司もチラッと登場する。さて、緑魔子や石橋蓮司といった出演者からは悲劇的な結末を予想してしまうのだけど、みんなに見送られ、谷と魔子は外国へ旅だって行くのでした、めでたしめでたしという結末。意外や意外と思うには私だけではあるまい。

追跡(中村敦夫)

話題が出たついでに、テレビドラマの「追跡」(73年)について触れておこう。主演中村敦夫、監修市川昆、制作CALと「木枯し紋次郎」の後番組だったようだ。実際に見た記憶はないが、予告だか番宣だかで中村がスクーターに乗っている姿を見た気がする。ゴタゴタがあって打ち切りになったのも覚えている。小学生だった私に詳しいことなどわかるはずもないが、発端となった「汚れた天使」というサブタイトルは覚えている。要するに局側(関西テレビ)が第10話「汚れた天使」を放送中止にしたのである。その理由が「わけがわからん」「登場するオカマが気持ち悪い」というようなものであった。なにせこの回の脚本は唐十郎(大鶴義丹の父)、出演も身内の李礼仙、根津甚八などで、アングラ魂炸裂といった感じっだたようだ。唐はもちろん主演の中村もその決定に怒り番組を降板し、打ち切りということになったらしい。そのせいか再放送もされていない(と思う)幻の番組となっている。しかし関係者の誰かが勝手に「汚れた天使」のフィルムを持ち出し上映会をやったそうである(つい最近も30数年ぶりに上映されたらしい)。それにしても中村敦夫、この頃から「議員」の顔を見せていたようだ。

追跡

「追跡」というと中村敦夫主演の放送中止ドラマを思い浮かべる人もいるかもしれないが、今回取り上げるのは61年の日活映画「追跡」である。脚本は後に有名監督となる熊井啓で、制作が「オールスター家族対抗歌合戦」の審査員・水の江滝子である。主演の二谷英明が突然刑事をやめ、妹夫婦(木浦佑三、岩崎加根子)のところへやってくる。それは彼らの証言が元で逮捕された強盗犯(浜田寅彦、内田良平)の「お礼参り」に備えるためで、それを知った元同僚刑事たち(井上昭文ら)も張り込みをおこなっていた。そんな中、電気屋に化けた悪党たち(内田、杉山俊夫、高品格ら)は、まんまと妹夫婦を襲い妹は死亡、義弟も重傷を負う。妹を殺され怒りに燃える二谷が犯人たちを追うというストーリーだ。中々緊迫感があって面白かったが、電気屋の届けた冷蔵庫が日立の53000円のもの、とはっきり宣伝していた。タイアップしていたようだが、40年以上前の5万ってものすごい大金のはず。時代を感じてしまう。松原智恵子がヒロインのような扱い(クレジットが二谷の次)になっているが、終半になってチラッと出てくるだけである。出てこなくてもストーリー的には成立する。その直前のシーンでは松尾嘉代もチラッと出てくる。クレジットに金井克子の名があると思ってよくみたら金井克予だった。やっぱり別人なのか?あと私はこの映画で初めて小高雄二、木浦佑三、杉山俊夫らの顔と名前が一致した。日活映画フリークというわけでもなく、テレビにはほとんど出ていない彼らのことはよく分かっていなかったのである。特に小高なんかは準主役級なのに、今まで意識したことがなかった。当然ながら小高恵美の叔父であることも知らなかった次第である。