お宝映画・番組私的見聞録 -253ページ目

意地悪ばあさん

長谷川町子といえば「サザエさん」だが、もう一つの代表作といえば「意地悪ばあさん」である。サザエさんは延々とアニメが続いているが、意地悪ばあさんも何度かドラマ化されている。ここで取り上げるのは、やはり一番最初(67年~69年)に放映されたバージョンである。そもそもこのドラマはTBSで放映される予定で制作されていたらしいが、タイトルの「意地悪」にクレームがつき、一旦白紙になったものの何とか日本テレビ系で放映されることになったという。差別用語も平気で画面に飛び交っていた時代に「意地悪」程度でクレームがついたというのも意外な話である。主演のばあさんを青島幸男が演じていたことは有名だが、途中で古今亭志ん馬、さらに高松しげおにチェンジしたことを覚えている人は少ないのではないか。私も全然覚えてないし。これはドラマの途中に青島が参議院に当選したため降板したからである。ちなみに全国区の2位当選で、第1位は石原慎太郎だった。つまり後の都知事のワンツー・フィニッシュだったわけである。出演は他に「七人の刑事」の佐藤英夫や姫ゆり子、小川知子などであった。さて青島による「意地悪ばあさん」は80年代に復活することになる。例によってこの1作目は再放送されたという記憶がない(あくまでも私の記憶だ)。別に好きな作品ではないが、また見てみたいものだ。

初恋宣言

前項で珍しくトラックバックがあったので覗いて見ると、見事に西野バレエ団シリーズで次のネタにしようと思っていた「ミニミニ突撃隊」について触れられていた。いや別にかぶってもいいと思うのだが、内容まで似てしまいそうなたので「初恋宣言」(68年)を取り上げることにした。といっても見たことはないので、毎度お馴染み資料などからの判断だけれども。この作品は、やはり由美かおるを主役に原田糸子、奈美悦子そして江美早苗が出演するが、金井克子は登場しない。「ミニミニ突撃隊」ではあまり出番のなかった江美だが、ここでは準ヒロイン的な存在のようだ。男性陣は田村正和に藤岡弘と、こういう映画に出ているのが想像しにくい面々だ。藤岡は元々松竹ニューフェイスの出身なので「仮面ライダー」以前は、こういう青春映画で見かけることができる。他にもカーナビーツに千昌夫、それにコント55号なども登場するようだ。ちょっと見てみたくなる面子である。

レッツゴー高校レモン娘

だいぶ前の「009ノ1」の項で西野バレエ団の五人娘のことを書いたが、その主演映画については触れていなかった。私が唯一見たことがあるのが「レッツゴー高校レモン娘」(67年)である。五人娘といってもこの作品に登場するのは由美かおる、原田糸子、奈美悦子の三人だけで、タイトル通り女子高生役である。当時は実際の年齢も17,8である。主役となるのはやはり由美かおるで、その相手役となる教師を演じるのが入川保則である。入川というと時代劇とかの悪党役しか思い浮かばないが、こういった爽やかな役もあったのだ。しかしあの長寿番組「部長刑事」では、その部長刑事役でもあった。その勇姿を見てみたかった気もするが、なにしろ関西ローカル番組だったので見ることはできなかった。ちなみに奥さんは元女優のホーン・ユキである。他の出演者では女生徒役で新藤恵美がおり、ワイルドワンズもチラッと出てくる。さて内容のほうはというと実はあまり覚えていない。タイトルは由美かおるが八百屋の娘役だからレモン娘なのかなあと適当なことを思ったりするのである。

銀座の沙漠

一応言っておくと「砂漠」ではなく「沙漠」である。この違いについてはここでは書かない(面倒だし)。銀座のキャバレーの地下に麻薬中毒患者がうごめく人工沙漠が存在しているという、もの凄い設定の作品あが「銀座の沙漠」(58年)である。これだけ聞くと新東宝の映画っぽいが、長門裕之、芦川いづみ、南田洋子主演の日活映画である。あくまでも地下の一室なので沙漠ってのはオーバーである。出演は他に水島道太郎、金子信雄に西村晃、佐野浅夫の「水戸黄門」コンビ、そして終わりのほうにひっそりとクレジットされている「赤塚親弘」という名前。赤木圭一郎の本名である。この年デビューした赤木の名(本名だが)が初めてクレジットされた作品である。ちなみにキャバレーのボーイの一人だ。赤木も最初からスターだったわけではなく、この年は名前も出ないようなエキストラっぽい役で十本ほど出ているらしい。赤木圭一郎となるのは翌年で、日活ニューフェイスの五期生である。同期には「どっきりカメラ」の野呂圭介などがいる。

九十九本目の生娘

前項と同様に意味のわからんタイトルで、菅原文太主演の新東宝映画といえば「九十九本目の生娘」(59年)があげられる。これは現在俗に言う<封印映画>の1つなので、逆にタイトルは有名かも知れない。沢山の生娘たちが登場するような印象をうけるが、実は原作のタイトルが「九十九本の妖刀」だといえば、多少中身の想像はつくのではないか。正確にいうと、九十九本目の刀の生贄になる生娘とういことになる。まあ表現があざといがタイトルに嘘はないということだ。当時のポスターからは、三原葉子がヒロインのような大きい扱いになっているが、冒頭で拉致され「処女ではない」と殺されるだけの役柄である。当時、新東宝のセクシー女優として看板スターの一人ではあるが、太めのおばさんにしか見えない。こういった女優が貴重な時代ではあったのだろうけど。実際のヒロインは矢代京子、松浦浪路で他に沼田曜一などが出ており、主役の文太は警官の役だ。封印映画と書いたが、これは多分舞台となるのが実在する地域の山奥の部落であるというようなところが差別問題にかかわってくるからであろうと思われる。無論DVD化などされていないが、新東宝の映画を集めたBOXに予告編のみ収録されるようである。やはり見てみたいものである。(見たような書き方をしているけど、見たことありません)。

暴力五人娘

タイトルから内容を想像できない作品というのは結構あるが、別の方向に想像してしまいそうなのが「暴力五人娘」(60年)である。何といっても新東宝の映画だし、暴力的な五人の娘が登場するのかと単純に考えてしまうが、そんなことはない。簡単にいえば、大学乗っ取りを企む暴力団に立ち向かう五人の女子大生の活躍を描く話だ。つまり五人は正義のヒロイン、このタイトルからそこまで推理できる人はあまりいないだろう。その五人を演じるのが万里昌代、大空真弓、三条魔子、扇町京子、橘恵子である。大空真弓は現役だが、万里昌代は70年代終盤まで「プレイガール」などもっぱらテレビで良く見かけた。NHK少年ドラマシリーズの「幕末未来人」や「七瀬ふたたび」にも登場している。三条魔子は「恐怖のミイラ」のヒロイン役があるが、あとの二人同様に60年代のみ活躍した人のようだ。他に五人に協力する役で、当時は新東宝の二枚目スターだった菅原文太が登場する。冒頭五人娘はラグビースタイルだ。正確には女子(アメリカン)フットボール部という設定らしいがラグビーにしか見えない。まあどちらでもよいのだが。

太陽の季節

私が初めて石原裕次郎を見たのは、おそらく「太陽にほえろ」(それも第1話)だったと思う。その時の印象は「なんだ、この顔のむくんだオッサンは」というようなものであったと記憶している。当時はまだ小学生で、映画スターだった裕次郎など当然知らなかった。その後若い頃の姿を見て「人間こんなにも変わってしまうんだ」などと失礼なことを思ったりしたものである。その裕次郎のデビュー作が「太陽の季節」(56年)である。兄・慎太郎の芥川賞受賞作の映画化だが、主役デビューというわけではなく、主人公の長門裕之が属するボクシング部の部員といった役柄である(簡単にいえばチョイ役だ)。冒頭で長門とスパーリングをやったりする。ヒロイン役は現・長門の妻南田洋子で、長門に子供を堕ろすように言われ、手術経過が悪くて死んでしまうという悲惨な役だ。岡田真澄や佐野浅夫なども出ているが、とくに佐野浅夫が若くて途中まで誰だかわからなかった。慎太郎はこの映画が気にいらなかったそうで、そこで「狂った果実」を書き上げ、裕次郎を主役にすることを条件に映画化させたということである。そして裕次郎の弟役に慎太郎が眼をつけたのが、子役だった加藤雅彦で、最初長門の弟であることは知らなかったそうである。そして津川姓を命名し、津川雅彦が誕生した。ちなみに「太陽の季節」で長門扮する主人公の役名は津川という。そんなに津川という名前が好きなのか、慎太郎。

太陽にほえろ・放送禁止編 

放送禁止ネタといのは以前からやって見たかったのだが、最近そのテの本が出ていることもあり、ネタがかぶるのであまり触れなかったが、前々項で「太陽にほえろ」の放送禁止エピソードの話題が出たので、ちょいと触れてみることにする。放送禁止といっても、正確には放送自粛作品というべきであろうか。有名な「ウルトラセブン」12話や「ジャングル黒べえ」のように諸団体からの抗議などにより封印されてしまった作品や現在の放送コードに触れてしまう作品もそうである。「太陽にほえろ」にもそういう話がいくつか存在する。マカロニ(萩原健一)編では、19話「ライフルが叫ぶとき」、27話「殺し屋の詩」、37話「男のつぐない」、ジーパン(松田優作)編では、68話「一万人の容疑者」、106話「着陸地点なし」、テキサス(勝野洋)編では、127話「非情な戦い」などである。これらが前述の例と事情が違うのが、特に抗議されたわけでも差別用語を連発しているわけでもない(と思う)という点である。どうやら「太陽~」の世界観にそぐわない、というのが理由らしい。簡単にいえば、太陽っぽくないイレギュラーな話なので、岡田プロデューサー(おそらく)が封印してしまったようなのである。CSでも放送されないばかりか、ご丁寧にDVD-BOXにも収録されていないのである。例えばマカロニ編は全52話あるはずだが、DVDには49話しか収録されていない。製作者がダメといえば、どうにもならないのが実情だ。「別にいいじゃんか、勝手に封印するな」と言いたい人も多いのではないだろうか。どんな話かは調べてもらえばわかると思う。ちなみに19話と27話はいづれも犯人射殺で終わるようなのだが、それが原因なのか?そんなエピソード他にもあるよなあ。

雷電

相撲にあまり興味はないのだが、宇津井健主演の新東宝映画に「雷電」(59年)という作品がある。江戸時代の大関・雷電為右衛門を描いた話だが、「宇津井健が相撲取りを演じる新東宝映画」という魅力的なキーワードに引かれCSで放送されたのを見てみた。当時の宇津井と言えば「スーパージャイアンツ」シリーズが終わったばかりの頃で、かなり奇天烈な作品を想像してしまったのだが、結論からいえば、当時の新東宝っぽさはほとんどない真面目な作品である。しかも芸術祭参加作品だ。まあ無茶といえば、当時28歳の宇津井が16歳の少年を演じるというのはキツイものがある。でもそれは映画やテレビの世界にはよくあることだ。「七人の侍」で当時30歳の木村功は10代の若侍という設定だったし、「細うで繁盛記」の新珠三千代がセーラー服姿(回想シーン)を披露したこともあった。出演は他に北沢典子、坂東好太郎、舟橋元、江見俊太郎、御木本伸介などである。ちなみに後編の「続雷電」もあり、こちらには当時の東富士、天竜など当時の力士が特別出演している。

制服の胸のここには

意味ありげなタイトルだが、どうってことない青春映画が「制服の胸のここには」(72年)である。これは内容よりも出演者が興味深い。主役は石川博という人だが「誰だそれ?」という反応がほとんどではないだろうか。70年代前半に活躍していた人で、「ゴジラ対ガイガン」でも主役である。テレビではいずれもゲストだが、「おれは男だ」や「高校教師(加山雄三)」、そして「太陽にほえろ」では欠番エピソードとなっている106話「着陸地点なし」に出ているようだ。ただgoo映画で検索をかけると企画・制作・プロデューサーとして同一人物扱いで検索されるのである。「ポケモン」や「ハム太郎」や「天地無用」など有名なアニメなどを中心に活躍しているようである。まあ役者が制作サイドに転身するのは珍しくはないが、本当に同一人物かどうかは確認できなかった(同姓同名が沢山いそうな名前だし)。さて、ヒロイン役は元・藤岡弘夫人の鳥居恵子である。自分は藤岡と共演の「白い牙」くらいでしか見た記憶がない女優さんだったのだが、結構当時はヒロイン役が多かったようである。他にすっかり「仕事人」のイメージが強くなった鮎川いづみや当時不良の代名詞的な存在だった沖田駿一、そして「ジャンボーグA」の主役・立花直樹が出ている。立花直樹というホストのような名前はジャンボーグの主人公の名をもらったものだとばかり思っていたのだが、それは大きな間違いであることに気がついた。ジャンボーグは73年、この映画の翌年の番組だ。よく調べると71年の「刑事くん」ですでに桜木健一の先輩刑事として立花直樹名義で出ているではないか。ということは、番組のほうが役者の名前をヒーロー名にもらったということなのだろうか。意外な事実(かどうかわからんが)である。