お宝映画・番組私的見聞録 -253ページ目
<< 前のページへ最新 | 249 | 250 | 251 | 252 | 253

ザ・ガードマン

テレビ放送がスタートした65年に「東京用心棒」翌年に「東京忍者部隊」と「ザ・ガードマン」の映画版は製作されている。スタート時から、かなりの人気を得ていたようである。テレビシリーズと同じなのは、高倉(宇津井健)、清水(藤巻潤)、杉井(倉石功)、小森(中条静夫)、吉田(稲葉義男)の5人で荒木(川津祐介)は2本とも登場しない。そして榊(神山繁)は44話で警視庁の警部から転職してきたこともあり、やはり登場しない。テレビ版では、わずか四回しか登場しなかった三原本部長(清水将夫)だが、映画では早川雄三が同じ役名で登場する。「東京忍者部隊」では、この映画だけのメンバー並川(長谷川明男)と牧(小笠原良智)が登場し、実質主役の活躍をする。やはり本家メンバーはテレビシリーズもあり忙しかったのであろうか。この映画において並川と牧はその名前を一度も呼ばれなかった気がする。(役名は資料で調べた)川津祐介はガードマンと同じ65年にスタートした「スパイキャチャーJ3」の主役になったこともあり、2クールあたりから欠席が多くなる。それに加えてガードマンの撮影中に大怪我をして約2年間休むことになったと後年本人が告白している。元々欠席が多かったのが幸いしたのか、このことは明かにならなかったらしい。反対に宇津井健はテレビシリーズ350本一回も休まず出たということである。さすが主役だ。現在スカパーで自分が見ている限りでは中条静夫も皆勤賞である(と思う)。ちなみに最初の半年くらいは眼鏡をかけていなかったので、らしくない感じがする。子供の頃見ていてとても違和感を感じたのが、約一回りは年下であろう高倉に「吉田君」と呼ばれる稲葉義男である。あの「七人の侍」でその一人五郎兵衛を演じながら黒澤組に入れず(入らなかったのかもしれないが)お茶の間にはあまり浸透していなかったようだ。その「七人の侍」で宇津井は仲代達矢と共に「街を歩く侍」の役(要するにエキストラ)で出たそうである。宇津井が新東宝のスターになるのは、その少し後の話しである。

にっぽん親不孝時代

このタイトルを見てスパイダースの映画だとわかる人はかなりの通である。昨日に引き続いてスパイダースの話題だが、昨日書いた4作はいずれもタイトルに「ザ・スパイダースの…」と付くのだが、この作品はついていない。何が違うにかと言えば、彼らはこの映画の中ではスパイダースではないというところであろう。たとえば、主役である堺正章には杉本邦雄なる役名がついていたりする。5人組だったバンドに風来坊の二人(かまやつ、田辺)が加わり7人組になるのである。だから劇中では、堺がドラムを叩き、井上順がギターを弾いていたりする(本当に演奏しているかどうかは知らない)。この作品には堺の父である堺駿二も出演しているが、役柄が井上順の父親なのでややこしい。さて、スパイダースの話ばかりも何なので、ザ・タイガースについてもふれておこう。主演映画は上記の作品と同じ68年に「華やかなる招待」と「世界はボクらを待っている」の2本が公開されている。やはり主役はジュリーこと沢田研二であるが、この頃はまだアイドル演技であった。いまや名優である岸部一徳も、自己破産の人といわれる弟岸部四郎(この時点ではいないが)もアイドルだったのである。また森本太郎は何故か新田洋名義でタイガーマスクの歌を歌ったりしていた。「助け人走る」の主題歌(望郷の旅by森本太郎とスーパースター)と聞き比べると同じ声なのがわかる。しかし岸部一徳の当時の愛称はサリーだったが、恥ずかしくなかったのであろうか。


三年を経た昨日(08年6月)、間違いを指摘された。新田洋は森本太郎ではなく、敏いとうとハッピー&ブルーのボーカルだった森本英世でした。間違えて覚えていたこともあるが、上記のとおり、新田洋の「タイガーマスク」と森本太郎とスーパースターの「望郷の旅」の歌声があまりにも似ている(あくまで自分が聴いた限りでだが)こともあり、新田洋=森本太郎の図式を成立させていました。よく考えると「望郷の旅」のメインボーカルが森本太郎かどうかは不明だったのだけれども。とにかくここに訂正します。

ザ・スパイダースの映画

年末にスカパーで、GS映画特集が組まれていたが、中でもスパイダースは「ゴーゴー向う見ず作戦」「大進撃」「大騒動」「バリ島珍道中」の4本が放送された。スパイダースについて詳しいことは検索してもらえれば、わかると思うので簡単に言うとリーダーの田辺昭知(現田辺エージェンシー社長)を中心に堺正章、井上順、かまやつひろし(この三人は説明不要でしょう)、井上尭之、大野克夫(いずれも作曲家)、そして加藤充の7人組である。つまり加藤以外の6人が解散から30年を経た今でも芸能・音楽分野で活躍している稀有なグループなのだ。堺、井上順と他のメンバーとは平均7,8才の開きがあり、この当時(67~68年)二人以外は30才前後であった。映画でも中心になるのは、やはりメインボーカルでもある堺と井上順であり、かまやつと田辺がそれに続くという感じである。そして一番目立たないのは加藤であった。ちなみに「向う見ず作戦」と「大進撃」は倉本聡が脚本に参加している。「大進撃」と「バリ島珍道中」は構成が似ており、いずれもスパイダースがふとしたことから謎の組織に狙われるというものである。中でも「バリ島珍道中」はアンプの中にプルトニウムが隠されて、それに気づいたスパイダースはそれをバリ島に埋めてしまうというとんでもない話しである。

新幹線大爆破

何度も見ているが、やはり面白い作品である。見所はなんといっても、宇津井健をはじめ東映映画には、珍しい顔ぶれが大挙してでているところであろう。主演の高倉健や千葉真一はバリバリの東映人だが、前述の宇津井(新東宝→大映)や山本圭(松竹?)や竜雷太(東宝)など、東映映画ではあまりお目にかかれない。東映の役者というのは、古くは片岡千恵蔵から松方弘樹、梅宮辰夫、今回の高倉健と正義役でもどこか悪人顔というかやくざ顔である。スーパージャイアンツであり、ザ・ガードマンである宇津井がいかに正義顔であるかがよくわかる映画だといえる。それにしても犯人グループの一人である織田あきらは当時は主役級の活躍をしていたのに、80年代に入るとプッツリと消えてしまった感がある。どこへいったのやら。
<< 前のページへ最新 | 249 | 250 | 251 | 252 | 253