お宝映画・番組私的見聞録 -254ページ目

長崎犯科長

タイトル通り長崎が舞台で、長崎奉行が主役である。こう書くと「大岡越前」や「遠山の金さん」的なものを想像しそうだが、これはこの頃流行った必殺系の時代劇である。表の仕事で裁けない悪を、闇奉行として斬って捨てるという表裏一体の奉行・忠四郎を萬屋錦之介が演じている。闇奉行のメンバーにボウカンを撃ったり、直接メスを投げつける医者・良順(田中邦衛)、おかっ引きではないが十手(のようなもの)で撲殺する三次(火野正平)、短剣で突き刺すお文(杉本美樹)、そして忠四郎は刀のほかに短銃を使ったりする。他のレギュラーに新克利、太田博之(小銭寿し社長)、高峰圭二(ウルトラマンA)と火野同様に必殺シリーズでもお馴染みの面々(高峰は悪役だが)が顔を揃えていた。忠四郎は斬る直前「俺のツラァ見せてやる」と頭巾の下の顔をさらす。悪党たちは闇奉行が本当の奉行であることに驚くのである。ちなみに最終回では任期を終えた忠四郎が「またくるぜ」と江戸へ帰って行くというものであった。OP、EDの映像はウルトラマン、セブンの実相寺昭雄が担当しており、妙に目を惹くものになっている。日暮しというグループ(「いにしえ」というヒット曲もある)の歌う主題歌は「坂道」というらしいが、正式にCD化されたことがない。最近はやりの時代劇主題化集に収録されているのは、おそらくテレビのフィルムから録ったものだし。結構気に入っているのだが。

狼・無頼控

子供の頃、時代劇が好きであった。小学校の低学年で「必殺仕置人」を目にして面白いと思ってしまったのである。好きといっても最初が必殺だったので、特に70年代に多いアウトロー的なものしか受け付けない。「水戸黄門」とか「遠山の金さん」のような正統派や、「大江戸捜査網」や「桃太郎侍」のような斬って斬って斬りまくるようなのは嫌いである。いろいろ放送コードも厳しくなり、内容もソフトになりがちで現在やっている番組も「ぬるい」という感じがしてしまう。というわけで、かなりマイナーな部類に入るであろう「狼・無頼控」である。簡単に説明すると「狼」と言われる六人のプロフェショナルが大目付の依頼で悪を斬るというものである。出演者は「飛び出せ青春」の村野武範、「独立愚連隊」の佐藤允、紅一点「しびれくらげ」の渥美マリ、高広・正和の弟田村亮(もちろんロンドンブーツではない)、やかんの父なべおさみ、「三匹の侍」の長門勇、そして元締ではなく大目付が「必殺」でも元締の山村聰と豪華な布陣であった。とは言っても主役の村野と紅一点の渥美のことを私は思い出せなかった。一番目立つポジションだったのだが、それだけ他のメンバーが強力だったのである。とくに田村亮の花札を飛ばして相手の喉を裂くといったほとんど必殺ばりの技が印象に残っていた。村野と佐藤は刀、なべは火薬、長門は他の番組のような槍ではなく拳法を使い、渥美は短砲をぶっぱなしていた。渥美マリは70年前後の「くらげ」シリーズや「いそぎんちゃく」などエロティックな映画の主役だった人だが、この番組では脱ぐようなことはせず(拒否したらしい)、17話にて殉職し、代わりに登場するのが夏純子であった。この番組もこの前CSで30年ぶりくらいに見た。再放送もほとんどされなかったマイナー番組の割にはDVDが発売されていたりする。個人的には好きなので嬉しいことである。買わないけれども。

ワンパク番外地

今回はまたマイナーなタイトルにもどるが、「ワンパク番外地」は「ハレンチ学園」の後番組である。放送から35年ほどたち、かたや今だにメジャーで、かたや忘れ去られている番組といった感じである。出演者も児島美ゆき、小林文彦、倉園朱美、星野みどりとハレンチ学園の生徒からのシフト組が多く、今回は児島、小林コンビが名実ともに主役である(ハレンチ学園では先生達のほうが主役扱いであった)。オープニングは前作同様、ヘタなアニメーションで調子はずれな主題歌を児島美ゆきが歌っている。登場人物の名前も児島はそのまま美ゆきだが、後は番長(小林)、山猫(倉園)、ハカセ(星野)、他はコンピュータ、肉まん、ジャンボ、機械屋、アンパン、サスケ、五右衛門など70年代らしくみんなあだ名である。この頃はマンガにしろドラマにしろ子供はみんなあだ名で呼び合っていた(現実世界はそうでもなかったと思うが)。ストーリーの方は、ある町で知り合った十数人の少年少女が空家になっていた美ゆきの祖父の家で共同生活を送るというものである。設定的にはみんな中学生くらいということらしいが(そうは見えないのもいたが)、おまえら学校はどうしたんだと突っ込みをいれたくなる。特に美ゆき、番長、五右衛門は他の街から来たようだし家出なのか?とまあ虚構のドラマに文句いうのも野暮というものである。それと何故か美ゆきの死んだ兄、つまり幽霊の役で石立鉄男が出ている。まだモジャモジャ頭になる前である。ゲストは1話で森川信、2話で内田良平など以外に大物が出ていたりする。ちなみに前作のようなハレンチな要素は皆無である。だから人々の記憶から消えているのかも知れない。

ハレンチ学園

今回はメジャーなタイトルで「ハレンチ学園」である。テレビシリーズも三年ほど前にCSで放送されたのを、30年ぶりくらいに見て感激した。いや内容はくだらないのだけれども。映画も4本制作されている。「青春喜劇ハレンチ学園」「ハレンチ学園・身体検査の巻」「ハレンチ学園・タックルキッスの巻」の三本は同じ70年に公開されたが、毎回キャストが変わっている。教師側ではヒゲゴジラは藤村俊二→高松しげお→牧伸二、マルゴシは小松方正→近藤宏→世志凡太、パラソルは由利徹→林家こん平→平凡太郎と目まぐるしい。しかしやはりテレビ版の大辻司郎(ヒゲゴジラ)、井上昭文(マルゴシ)、桂小かん(パラソル)が一番あっているように思う。生徒側ではヒロインの十兵衛はテレビと同じ児島美ゆきで、彼女だけははずせないといったところか。当時の彼女は輝いて見えたものだ。しかしクラスのリーダー山岸の方は雷門ケン坊→小宅まさひろ→千葉裕と代わっている(テレビ版は小林文彦)。一作目の雷門ケン坊は当時は大活躍の子役であった。声優としてもサスケ(サスケ)、ダメおやじ(タコ坊)、紅三四郎(ケン坊)などをやっていたが、ぷっつりと消えてしまった。決して美少年ではないので、児島美ゆきの相手役としてはバランスが悪かったと思う(明らかにガキに見えた)。驚いたのは3作目の後の青春スター千葉裕。主役ではないが「われら青春」や「おこれ男だ」など青春ドラマの生徒役にはかかせない存在であった。「Gメン75」では刑事にもなっている。あとテレビ版の生徒役である星野みどり、増田ひろ子、倉園朱美、アタック一郎(恥ずかしい芸名だな)らも,出たり出なかったりしていた。4作目の「新・ハレンチ学園」は十兵衛役が渡辺やよい(後のプレイガール)に代わり、それだけで雰囲気が違った作品になった気がした。ちなみに四作とも出演しているのはイキドマリ役の大谷淳(テレビ版は福崎和宏)、テレビにもでていた用務員甚兵衛役の左卜全、そしてマカロニ役の宍戸錠(四作目は違う役)などである。テレビ版でのマカロニは実弟の郷英治である。(英の字には金へんがつく)。

特命諜報207

833,333に続き207である。タイトルのみで取り上げたのだが、正直言って見たことありません。まあ知っている人もあまりいないと思うが。というわけで、オープニングと資料のみで述べさせていただく。間単に言うと戦時中の満州や東南アジアを舞台に四人の特務諜報工作員の活動を描いた話しなのである(荒野を四人の乗った馬が駆けて行くOPとタイトルから見当はつく)。主演がなんと田口計である。悪役以外の田口などめったにお目にはかかれまい。まあ工作員だから正義とは言えんが。四人のリーダーなのが生井健夫。最近テレビではあまり見かけないが(私が知らんだけかも)、現在は劇団の理事だそうである。以外なのが梅若正二。映画版「赤胴鈴之助」で1作目から7作目までの鈴之助を演じていた人で、テングになって干されたと言われている。(ちなみに8、9作目は桃山太郎)。この番組は鈴之助から4,5年後の制作(64年)である。あと一人が竹田公彦というロカビリー歌手だった人である。ロカビリー出身といえば佐々木功のような成功例もあるが、この人はひっそりと消えてしまった。この時代では決して珍しい作品ではない。207の意味はわからんけれども。

バックナンバー333

前回が883だったので、今回は333である。この時代(60年代)は、こういった意味ありげな数字がタイトルになっている番組が多かった気がする。さて、タイトルの番組だが、「バックナンバー・スリースリースリー」と読む。この番組を知っている人などあまりいないと思う。かくいう私も30年以上前に一度みたっきりなのである。当然詳しい内容や出演者など覚えているはずもない。まあ大筋は主人公の乗っている車(オープンのスポーツカー、車種は知らん)のナンバーが「333」で、これに乗って悪と対決するという話しである。確か悪党側の車のナンバーは「444」とか「666」とかだったと思う。調べて見ると主役は月光仮面、隠密剣士でお馴染みの大瀬康一で、他に三ツ矢歌子、原田糸子、それに当時小学生だった麻丘めぐみが出ていたらしい。それに脚本には藤本義一も参加していたということで、もう一度見てみたい材料の豊富な番組だ。しかし話題にすらのぼることもない正に幻の番組。フィルム自体が残っていないような気がするなあ。

秘密指令883

川口浩の話題がでたところで「秘密指令883」である。CSで放送されるまで、その存在すら知らなかった番組である。川口演じるチーフが速水四郎なので、883書いてハヤミと読むらしい。らしいと書いたのは、何回か予告がついていたが、そこでは大平透の渋い声で「秘密指令ハチハチサン」と言っているのである。ハヤミでいいのか?さて物語は警視庁に属する5人の秘密捜査官の活躍を描く。川口の他、特捜最前線のお馴染みの本郷功次郎(野津)、正義役は珍しい山下洵一郎(白戸)、昔から全然外見の変わらない新克利(神坂)、そしてあんた誰?の力石勝彦(蒲生)でメンバーは構成される。チーフの川口も当時はまだ30を越えたばかり、本郷はその1つ下、山下,新もほぼ同世代で、かなり若いメンバーであった。力石は劇中では大学を卒業したばかりという設定であったが、だいたいそれぐらいの年齢であったと思われる。おそれく新人で芝居も下手であったが、これ以外に出演作品は見当たらない謎の人である。キャストでよく見かけたのが篠田三郎の名前。まだ売れる前でよく見ていないと気づかない。私も気づかなかった。ところで新克利の新は1しん・2あらた・3あたらし、何と読むのが正しいでしょう。答えは3、みんな以外と知らないのではないだろうか。CSの番組紹介では「あらた」といわれていたし。

シークレット部隊

7年間に及ぶ「ザ・ガードマン」終了の後をうけて盛大に?始まり、ひっそりと半年で終わったのが「シークレット部隊」である。私のいた地域では一度も再放送されず、こないだCSで30数年ぶりに見た。わずかに記憶にあったオープニングの聞いていて恥ずかしくなるようなナレーション。「大都会は犯罪のジャングル(俺たちは戦うぞ!)」「どこから来た(それは言えない!)」「お前たちが死んでも(誰も泣かない)」というような感じなのだが、10話程度でそのナレーションが消えるのである。やっぱり滑稽に感じたのだろうか。出演はガードマンから引き続いて宇津井健、藤巻潤、中条静夫。そして松方弟目黒祐樹に長門弟津川雅彦、大門正明、浩弟川口厚、これがデビューの三浦友和、社長に北村和夫といった面々である。彼らはチェックマンと呼ばれる保険の調査員なのである。ちなみに稲葉義男、倉石功は刑事、神山繁は新聞記者として2.3回ずつ登場する(川津祐介は出ない)。第1話はゲストも豪華で岡田真澄、中尾彬、岸部シロー、なぜかお笑いなしの悪役で萩本欽一と気合が入っていた。宇津井はやはり(ガードマンでもそうだったが)元刑事で、第1話で稲葉義男が「元警視庁刑事の大和キャプテンも部下がこんなのじゃ大変でしょう」という物凄い説明ゼリフがある。三浦友和は当時20才で、一人だけ苗字で呼ばれない念蔵という妙な名前の見習いチェックマン役であった。話しの内容は職業が変わっただけで「ガードマン」とたいして代わりはなかった。でも保険調査員っていうのはプレイガールと一緒である。ところで三浦ともども半人前扱いであった川口4兄弟の末っ子厚だが、俳優活動時期は短く、「アイフル大作戦」「バーディ大作戦」などの後まもなく引退している。78年に次兄・恒、姉・晶ともども大麻で逮捕されているが、その時の肩書きは三浦友和のマネージャーだったそうである。みんなこれをきっかけに芸能界から消えてしまった。一人頑張った浩も若くして亡くなった。それにしても正統派二枚目の浩にニヒル顔の恒、色黒の晶に童顔の厚と似てない兄弟だったと思う。

ゴールド・アイ

このドラマについて知っている人はそうそういないと思うが、かく言う私も25年くらい前の再放送で一度見たっきりである。スカパーでも放映されていないので(自分が加入してからは)、内容は全く覚えていない。ただ「ゴールド・アイ」とは犯罪組織に立ち向かう集団の暗号名であるということと、その出演者についてはよく覚えている。今考えると妙に豪華なキャストなのである。リーダーの香川にあの芥川龍之介の長男である芥川比呂志。専ら舞台や映画の人でテレビはあまり出ていない人だったと思う。サブリーダーに車先生こと高松英郎、映画「吸血鬼ゴケミドロ」では主役だった吉田輝雄、Gメンの立花警部こと若林豪、一番若手であった柴俊夫(当時は柴本俊夫)、霞のお新こと宮園純子、仁科明子の姉岩井友見の7人でスタートした。半年の番組だし、これで十分と思うのだが、なぜか中盤から次々にメンバーが増員された。渡哲也の弟渡瀬恒彦、千葉真一の弟千葉治郎、そして仮面ライダー直前の藤岡弘。仮面ライダーで活躍することになる藤岡と千葉がくしくも同し回から登場したのである。なんと藤岡にほうが軽い感じの役だったと記憶している。女性メンバーも小山ルミが加入。後半はこれら新メンバーと若林、吉田あたりの活躍が目立つようになった。これに伴い芥川はナレーションのみの登場となり、柴や岩井は登場しなくなったと記憶している。キャストの役名は役者の名前にちなんでおり若林豪は豪力也、藤岡弘は藤弘、千葉治郎は村山治郎、渡瀬恒彦はそのまま渡瀬であった(他のメンバーは忘れた)。もう一度見てみたいドラマのひとつである。

白い牙

「白い牙」とは藤岡弘主演のハードボイルドアクションドラマである。なぜこのドラマを取り上げたかというと、2回前に話題にした「ザ・ガードマン」の藤巻潤、川津祐介のコンビが藤岡の相棒として登場するからである。元刑事の有光(藤岡)が、事件屋として佐竹(川津)、矢野(藤巻)、大沼(ジェリー藤尾)らと悪に立ち向かう。もちろん藤岡がリーダー的存在なのだが、当時は28才。川津、藤巻のガードマンコンビは40才直前、ジェリーも34才で藤岡が一番年下なのだが妙に貫禄があった。恋人役で登場するのが鳥居恵子で、これがきっかけで藤岡と結婚することになる(後に離婚したけれども)。元同僚の吉川刑事役で仮面ライダーアマゾンこと岡崎徹も初期の4,5回のみ登場している。藤岡といえば、仮面ライダーの撮影中にバイクで転倒して、大怪我をおいながら一年たらずで復帰したことは有名だが、岡崎もバイクの事故で怪我をおったそうである。しかし復帰はせずそのまま引退し、現在は行方がわからないということである。さて番組のほうだが、ラストの三話は壮絶であった。25話で恋人の京子(鳥居)を目の前で殺され、有光は犯人の二人を追っかけて殺してしまう。最終回では大沼と佐竹があっさりと敵の手に落ち殺害される。復讐に燃える有光は一味を殺しまくり、最終的には元上司の草壁(佐藤慶)に逮捕されて終了する。ところで10年ほど前から藤岡弘は正しくは「藤岡弘、」と書くのが正しいのだそうだ。自分はまだ完成していないという意味で「。」ではなく「、」なのだという。やっぱりちょっと変だよなあ。