お宝映画・番組私的見聞録 -255ページ目

土曜日の虎

話が出たついでに、この番組についても触れておく。曜日シリーズ?「土曜日の虎」(66年)である。前述したとおり主演は成田三樹夫である。成田といえば現代劇にしろ時代劇にしろ悪役と決まっていた。それもほぼ主犯格(「探偵物語」の刑事役のような例外もあるが)。おそらく彼が主演のドラマはこれだけだと思われる。これは確か梶山季之の小説が原作になっており、成田が演じるのは「企業コンサルタント」である。とはいっても、やっていることは探偵みたいなもので、このドラマが語られるとき(あまり語られないが)探偵物としてくくられることが多い。助手役が美人だが妙に貫禄のある江波杏子と歯切れの良いセリフまわしでお馴染みの工藤堅太郎である。あと仕事の依頼役として久米明が出演している。久米といえば、いまやすっかりナレーターという感じだが、この頃は普通に役者していた。数年前CSでやっていたのを見たことは見たのだが、まあそれほど面白いものではなかった。やはり内容よりも成田が主演ということで記憶に残るドラマであろう。

火曜日のあいつ

前項で話が出たついでに取り上げてみる。「火曜日のあいつ」(76年)は当時人気だった「トラック野郎」をテレビシリーズやってみたという感じの作品だ。とはいっても本家の菅原文太や愛川欽也のような下品さや生々しさはない。主演がトラックの似合わない小野寺昭と石橋正次である。「太陽にほえろ」の殿下と「夜明けの刑事」の池原の合体だ。刑事イメージが強い二人ということもあり、毎回のように事件が起き、二人がそれに巻き込まれていくといったアクションドラマっぽい作品だった気がする。気がすると書いたのは正直ストーリーやエピソードをまるっきり覚えていないのである。本放送は結構見ていた気がするのだが、それから約30年一度も見たことがないと流石に記憶も薄れる(残っている場合もあるが)。ヒロイン役は由美かおるで、他にやはり「夜明けの刑事」の鈴木ヒロミツなどが出ていた。そんなこともあり大映ドラマのようなイメージがあったのだが、東宝の作品であった。つまり小野寺は「太陽」とこっちと同じ東宝作品を当時はかけもちしていたのである。だからどうしたと言われても困るが。ところで主演の二人は撮影に合わせて大型免許を取得したそうである。当時実は無免許だったなどというエピソードを耳にすることが結構あるが、大変真面目でよろしい。

月曜日の男

待田京介という俳優がかつていたが、なんというか山本昌平を二枚目にしたような顔で、アクが強くどちらかというと悪人顔だと思う。もう20年くらい前に引退してしまったそうだが、もっぱらアクション物にゲストで出てくるイメージが強い。「ザ・ガードマン東京用心棒」や「不良番長」ではゲスト主役という感じで出演していた。そんな彼が主役を演じたドラマが「月曜日の男」(61年)である。待田演じる私立探偵JJこと持統院丈太郎がオープンカーに乗って活躍する話である。それにしても「ジョジョの奇妙な冒険」の主人公のような名前だ。3年も続いた人気番組らしいが、いかんせん見た記憶がない。再放送もほとんどされていないのではないだろうか。懐かし番組で取り上げられることもない、忘れられている番組といってもいいだろう。というわけで共演者もよくわからない。沢たまき、水島道太郎、山内幸子、服部哲治などが出演していたようだが、レギュラーなのかどうかは不明である。この番組と混同されやすいのが「土曜日の虎」(66年)で、こちらは成田三樹夫主演のドラマだ。そういえば石橋正次、小野寺昭の「火曜日のあいつ」(76年)というのもある。探せばすべての曜日タイトルがありそうだ。ちなみにそれぞれ、その曜日に放送されていたようだ。

がんばれ!ヒデヨシくん

ここ数回、私は見たこともない番組を取り上げているのだが、今回もその存在すら知らなかった「がんばれ!ヒデヨシくん」(60年)を取り上げてみる。これはNHKの「こどもホール」といわれる時間帯(夕方6時)の作品群の第1作だそうだが、注目したのは主演が島米八というところだ。島米八は自分的には「必殺シリーズ」で必ず1度は登場する悪役俳優である。悪人顔ではないのだが、小悪党っぽい感じで仕事人たちに殺される役柄だ。「仕事屋稼業」の最終回や「必殺うらごろし」の第1回(和田アキ子に殴られ首がひん曲がる役)などが印象深い。水原弘の歌謡映画「黒い花びら」でその名を見かけ、子役として結構活躍していたことを知ったのはつい最近である。島について語られている資料など見たことがないので詳細は不明だが、70年代にはほぼ時代劇専門の役者(ほぼ悪役)になっていったようだ。ところで、この番組の共演者に宮土尚治という名があるが、これは後に「柔道一直線」でスター俳優となる桜木健一の本名である。桜木の子役時代の映像って見たことがないが、この番組はNHKだし、ほぼ残っていることはないだろう。ちなみに翌年「進め!ヒデヨシくん」という続編だ作られたそうだから、けっこうな人気番組だったようである。ところで最近の時代劇って全く見ていないのでわからないのだが、島米八はまだ活躍しているのだろうか。

刑事物語

「刑事物語」といっても武田鉄矢の映画ではない。60年から61年に放映されたドラマである。もちろん私自身見たことはないし、資料らしい資料もほとんどない。出演者が堀雄二、芦田伸介、美川陽一郎、佐藤英夫、天田俊明というメンバー。お気づきの方もいると思うが、これに菅原謙次、城所英夫を加えると「七人の刑事」が完成する。つまり七人の刑事の前身となる番組であったのがこの「刑事物語」である。ちなみにドラマデータベースの出演者欄には園井啓介の名もあるが、彼がレギュラーで刑事役だったのかどうかは不明である。また七刑と役名が同じかどうかもわからない。おそらく違うと思うのだが。他に書くこともないので当時の年齢(スタート時)を調べてみた。堀雄二38歳、あの貫禄で30代だったとは驚きである。前に美川陽一郎が亡くなった時まだ58歳だったのに驚いたと書いたが堀も負けていない。その美川は42歳、芦田は1つ上の43歳であった。芦田が若く見えるわけではないが、美川の方が最年長に見える。そして佐藤が35歳、一番若い天田は26歳であった。佐藤は逆に若く見え、堀と3つしか違わないというのも意外であった。ちなみに菅原は佐藤(25年生)の1つ下(26年生)、城所はそのもう1つ下(27年生)である。まあドラマ上の設定はどうだったかわからないが、こういう見方も面白いと思うのだが。

新隠密剣士

「隠密剣士」というと、62年の大瀬光一版と73年の荻島真一版が有名だが(後者はそれほど知られてないかも)、2年半続いた前者が終了した翌週から始まったのが「新隠密剣士」(65)である。スタッフはほぼ同じで、霧の遁兵衛こと牧冬吉も引き続いて登場する。主役の影真之介を演ずるのは、林真一郎でもっぱら時代劇で活躍していた人で後に「まぼろし城」や「白鳥の騎士」でも主役を演じる。もう一人のレギュラーが白鳥みずえという人だが、どういう人かよくわからない。ゲストには、このシリーズお馴染みの天津敏はじめ、隠密剣士ならぬ隠密同心こと嵯川哲郎、他に工藤堅太郎、原建策、そしてマグマ大使のガムこと二宮秀樹などが出ていたようである。前作ほどの人気は得られなかったようだが、3クール(39回)放送されたので、健闘したほうではないだろうか。ところで主演の林だが、なぜか68年ごろから「徳川刑罰史」とか「エロ将軍と二十一人の愛妾」とか「温泉ポン引き女中」とか東映エロ映画路線の人になっていった。そして70年代半ばには姿を消してしまったようである。私自身その顔や名前はまったく記憶に残っていなかった。それにしても彼に何が起こったのであろうか。

新・サインはV

「サインはV」というと、どうしても岡田可愛版の方が話題になり、あまり語られないのが坂口良子主演の「新・サインはV」(73)である。実際のタイトルに「新」はついていないが、ややこしいのでつけさせてもらう。私自身、先日始まったCS放送で初めて見たので印象にないのは当然なのだが、そういえば「ウルトラマンタロウ」で、怪獣とバレーボールしたのは坂口良子だったのを思い出した。当時は意味がわからんかったけれども。牧コーチ(監督)こと中山仁のみ続けて出演しており、1話にゲスト出演の岡田可愛に「今の選手はお前たちの時代とは違う」と熱血が嫌がられる風潮であることを語っている。坂口演ずる今回の主人公も楽しくなければいやというタイプ。70年代はまだまだ熱血根性の時代だと思っていたが、現代風な主張がはやくも出ていることに驚いた。さて他の出演者たちだが、バレー選手には鹿沼エリ、水原ゆう紀の日活ロマンポルノコンビと「われら青春」「特捜最前線」の関谷ますみ、現在活躍中の人とは別人の高橋ひとみ、キャプテン役が森政芳子という人だがはっきりいって良く知らない。マネージャー役には「飛び出せ青春」の松原麻里、そして「飛び出せ青春」「われら青春」でコンビだった穂積隆信、柳生博がここでも舞台となる会社の社長、部長コンビとして登場する。とまあ役者陣だけ見れば、結構面白そうなんだけれども、話題に上らないのは、やはり一作目が強力すぎたということだろうか。それにしても赤いブルマの尻並びのアップで始まるOPは強烈である。主題歌は前作と一緒だが、坂口良子が自ら歌っている。

天馬天平

前項で日本電波映画の話題が出たが、そのテレビ第1作が「天馬天平」(60)である。私はこの作品は一度も見たことはないが、近年思わぬことで話題となった。主役の当時16歳、富士八郎(本名・山前五十洋)が歌手・倉木麻衣の父親だったということである。だいたい、その芸名からしてフジテレビ=8Chだから、富士八郎という実にいい加減な命名である。富士は実質この1作だけなので、話題に上ったとき「誰だそれ?」と思った人も多いと思う。共演の秋葉浩介も60年代前半のみ活躍した役者である。原作は「矢車剣之助」でお馴染みの堀江卓の漫画で、日テレの「矢車」がヒットしていたので、フジはこっちに目をつけたということらしい。この番組では途中から千也姫役で松山容子が登場し、人気を博した。そして彼女が主演の「琴姫七変化」が作られることになる。

幻の大怪獣アゴン

かつて日本電波映画という会社があったが、そこで制作された特撮作品の一つが「幻の大怪獣アゴン」である。90年代にDVDが発売されるまでは、まさに「幻」の作品であったといえる。テレビシリーズといっても全4回で、64年に制作されながら放映は68年という一旦お蔵入りになった作品でもある。私も近年CSで放送されたので初めて見ることができた。特撮といってもそれらしい場面はほとんどない。しかし怪獣の出来は良く、制作したのは「マグマ大使」「怪獣王子」の項でも書いた大橋史典である。この「アゴン」はマグマ大使において「アロン」として登場する(流用されたということ)。出演者も広田進司、志摩靖彦、沢明美とよく知らない役者が並んでおり、名が知れているのは刑事役の松本朝夫くらいであろうか。松本朝夫という名を知らなくても、その顔は必ず見かけたことがあるだろうというくらい、いろんな番組に出ている。「キイハンター」「ザ・ガードマン」(主に犯人)といったアクション物や「ウルトラセブン」「ウルトラマン」など特撮(主に博士やゲストの隊員)への出演も多い。ちなみに新東宝スターレット1期生で、天知茂や高島忠夫が同期生である。アゴンの中の人は東悦次で、「必殺シリーズ」を見ていると2,3回に一度の割合でいろんな役で登場するキツネ顔の人である。

青春ア・ゴーゴー

66、67年あたりの日活映画にたびたび登場するバンドがある。「ヤング・アンド・フレッシュ」という少々恥ずかしい名のバンドである。メンバーは山内賢(ギター)、和田浩治(ドラム)、杉山元(サイドギター)、木下雅弘(ベース)という日活俳優で構成されている。山内と和田は有名だが、残る二人については、杉山が「ミラーマン」の安田隊員役の人であることぐらいしか知らない。さて、そのヤンフレが初めて登場するのが「青春ア・ゴーゴー」(66)である。この映画では四人に、ボーカルとしてジュディ・オング、タンバリンで浜田光夫が加わる。女子高生役で太田雅子こと梶芽衣子や、浜川智子こと浜かおる、西尾三枝子の「プレイガール」コンビや吉田毅こと沖田駿一らも登場する(改名した人ばかりだ)。他にも井上順加入前のスパイダースなども出演している。この後ヤンフレは「涙くんさよなら」「二人の銀座」「スパイダースのむこう見ず作戦」などに登場する。和泉雅子と山内賢の「二人の銀座」は大ヒット曲となったが、映画は曲のヒットに後に作られているので、都合よくヤンフレが使われたという感じであろうか。