お宝映画・番組私的見聞録 -256ページ目

あひるヶ丘77

一連のクレージー映画を見てもわかるとおり、クレージーキャッツというと、どうしてもハナ肇、植木等、そして谷啓の三人が前面に出て後の四人は完全なワキ役である。しかしその中で、桜井センリが主役のドラマがあった。それが「あひるヶ丘77」(69年)である。原作は「仙人部落」「ヒゲとボイン」でお馴染みの小島功のマンガで、77はセブンセブンと読む。なんで77なのか良くわからんが、おそらく60年代に人気のあった外国ドラマ「サンセット77」から取ったのではないだろうか。主役は2DKの団地に住む夫婦で、それを桜井と広瀬みさが演じ、一人息子を当時9歳の下沢広之つまり現在の真田広之が演じている。これが彼のテレビデビュー作である。他の出演者は山城新伍、大原麗子、清川虹子、そしてクレージのワキ役、安田伸、石橋エータローも出ていた。 ちなみに主題歌は桜井と広瀬のデュエットである。ところで私より下の世代、つまり30代の人はクレージーキャッツは6人組というイメージが強いのではないだろうか。石橋エータローは70年代早々に脱退しているので、私はぎりぎり7人の時代を知っているという感じである。とはいっても映画はほとんど7人組の時代に撮られているので、そうでもないのか。もっとも今は、ハナ、安田、石橋と亡くなり4人になってしまったが。

天下の若者vs若い季節

60年代、クレージキャッツの人気は凄まじいものだったが、この「天下の若者」(64年)もクレージーの面々が主演のドラマである。メインは映画のように植木等ではなく谷啓である。その谷啓と梓みちよが芸能プロに入社して、その活躍と騒動を描いたドラマである。渡辺プロのタレント総出演という感じで、同時期にやっていたNHKの「若い季節」の対抗番組と言われていた。こちらは化粧品会社が舞台で、ジェリー藤尾、横山道代、水谷良重、黒柳徹子、坂本九、渥美清そしてクレージキャッツがこちらにも出演していた。まあどちらも見たことはないのでなんとも言えないが、似たような作りだったようである。対抗番組といっても、両方とも渡辺プロがかんでいた。ちなみに「天下の」の脚本は池田一朗つまり後の時代作家隆慶一郎が書いている。この番組で子役デビューしたのが中丸新将で、大勢の中からオーディションで選ばれたそうである。しかし「若い季節」が話題になることはあるが、「天下の若者」が語られることはほとんどない。正直なところ私も知らなかったし。ということで、この勝負「若い季節」の勝ち、などと言うのは短絡的であろうか。

騎馬奉行

CSで「騎馬奉行」(79年)が始まった。これも本放送以来初めて見るので、かなり忘れている部分が多かった。というかほとんど覚えてなかった。まず主演の市川染五郎(現・松本幸四郎)演ずる黛内蔵助が何の奉行だったか忘れていたが、火盗改メであった。火盗改メと言えば長谷川平蔵、つまり鬼平と同じ身分である。でも「奉行」ではなく「長官」なのだが。そして五人の部下たちで、記憶にあったのが、その中ではマイナーな存在の「笛吹童子」こと岡村清太郎と「はぐれ刑事純情派」の大場順で、加藤武、伊東四郎、大出俊のメジャー俳優のことは何故か忘れていた。他にも内蔵助の妻役でまだまだ元気だった夏目雅子、中尾彬夫人の池波志乃、悪役一辺倒ではなくなっていた志賀勝、そして老中役で丹波哲郎といったメンバーが出演している。久しぶりに見た感想を一言で言えば「けっこう面白い」である。だから当時見ていたのだろうが、時代劇の中では「正義のお役人」ものは、あまり好きなジャンルではないのである。役人が悪党でないと「ぬるい」話になりがちなのだが、これは途中で大出俊が殉職するなど、けっこうハードな展開もあるようだ。意外だったのが、これが東映の作品だったこと。染五郎が主役で丹波や志賀くらいしか東映っぽい役者がいないので、そう思ってしまったが、「水戸黄門」だって東映の作品だし、意外なこともないか。

赤いダイヤ

「土曜日の虎」もそうだが、やはり梶山季之の小説が原作になっているのが「赤いダイヤ」(63年)である。ちなみに赤いダイヤとは、最近ではサクランボのことをさしていう場合もあるようだが、ここでは小豆のことである。簡単にいえば小豆の先物取引で一発あてようとする男の物語である。主演はこれが出世作となる大辻司郎とNHKのアナウンサーから転身し、これが女優デビューとなる野際陽子である。大辻といえば、個人的にはどうしても「ハレンチ学園」のヒゲゴジラのイメージが強いのだが、ちゃんとシリアスな役柄もやっている。52年に飛行機事故で亡くなった漫談家(活弁士)だった父と同じ名前を名乗っているので、少しややこしい。そんな彼も73年に仕事の行き詰まりと借金苦から自殺してしまった。38歳であった。真面目な話、ヒゲゴジラのイメージが強すぎたのではと思ってしまう。一方の野際はこの作品で悪女を見事に演じ、この後の「キイハンター」など順調に出世していった。他の出演者は中村鴈治郎、柳永二郎、潮万太郎など爺さん俳優が名を連ねている。翌年公開された映画版はそれぞれの役を藤田まこと、三田佳子が演じている。共演者に藤田佳子もいて、なんかややこしい。

まぼろし城

同じ作品のリメイクというのは現在でもよく行われるが、60年代に2回リメイク、つまり3回作られたのが「まぼろし城」(60、64、68年)である。原作は「怪傑黒頭巾」や「恐怖のミイラ」なども手がけた高垣眸で、この作品も少年向けの時代活劇である。60年のはNTVでの放映で、出演者は和田孝、藤山竜一、影万理江とよく知らない名が並んでいる。64年版はCXの放映で、出演者は花柳寛輔、伊吹友木子、千葉敏郎などである。個人的には三船敏郎、千葉敏郎のW敏郎は腕のたつ浪人をやらせれば右に出る者はいないと思うくらい浪人が似合う役者だとおもっている。まあ国際的大スターの三船に比べれば、千葉を知っている人は時代劇通くらいかも知れないが、「必殺シリーズ」などで良く見かけることができる。ちなみに60、64年版の主題歌は「鉄腕アトム」でお馴染みの上高田少年合唱団が唄っている。68年版はMBSでの放映で、主演は「新隠密剣士」の項でも触れた林真一郎で、共演が中村晃子、ジュディ・オング、谷幹一、原建策とわかりやすい名前が並んでいる。監督は「月光仮面」「隠密剣士」などでお馴染みの船床定男である。この68年版はCSで放映されたのをチラッと見たが、今の子供はこんな番組みないだろうなあと思った。少年向け時代活劇といったジャンルの番組が消えてどれぐらいになるだろうかと、しみじみ考える今日この頃である。

土曜日の虎

話が出たついでに、この番組についても触れておく。曜日シリーズ?「土曜日の虎」(66年)である。前述したとおり主演は成田三樹夫である。成田といえば現代劇にしろ時代劇にしろ悪役と決まっていた。それもほぼ主犯格(「探偵物語」の刑事役のような例外もあるが)。おそらく彼が主演のドラマはこれだけだと思われる。これは確か梶山季之の小説が原作になっており、成田が演じるのは「企業コンサルタント」である。とはいっても、やっていることは探偵みたいなもので、このドラマが語られるとき(あまり語られないが)探偵物としてくくられることが多い。助手役が美人だが妙に貫禄のある江波杏子と歯切れの良いセリフまわしでお馴染みの工藤堅太郎である。あと仕事の依頼役として久米明が出演している。久米といえば、いまやすっかりナレーターという感じだが、この頃は普通に役者していた。数年前CSでやっていたのを見たことは見たのだが、まあそれほど面白いものではなかった。やはり内容よりも成田が主演ということで記憶に残るドラマであろう。

火曜日のあいつ

前項で話が出たついでに取り上げてみる。「火曜日のあいつ」(76年)は当時人気だった「トラック野郎」をテレビシリーズやってみたという感じの作品だ。とはいっても本家の菅原文太や愛川欽也のような下品さや生々しさはない。主演がトラックの似合わない小野寺昭と石橋正次である。「太陽にほえろ」の殿下と「夜明けの刑事」の池原の合体だ。刑事イメージが強い二人ということもあり、毎回のように事件が起き、二人がそれに巻き込まれていくといったアクションドラマっぽい作品だった気がする。気がすると書いたのは正直ストーリーやエピソードをまるっきり覚えていないのである。本放送は結構見ていた気がするのだが、それから約30年一度も見たことがないと流石に記憶も薄れる(残っている場合もあるが)。ヒロイン役は由美かおるで、他にやはり「夜明けの刑事」の鈴木ヒロミツなどが出ていた。そんなこともあり大映ドラマのようなイメージがあったのだが、東宝の作品であった。つまり小野寺は「太陽」とこっちと同じ東宝作品を当時はかけもちしていたのである。だからどうしたと言われても困るが。ところで主演の二人は撮影に合わせて大型免許を取得したそうである。当時実は無免許だったなどというエピソードを耳にすることが結構あるが、大変真面目でよろしい。

月曜日の男

待田京介という俳優がかつていたが、なんというか山本昌平を二枚目にしたような顔で、アクが強くどちらかというと悪人顔だと思う。もう20年くらい前に引退してしまったそうだが、もっぱらアクション物にゲストで出てくるイメージが強い。「ザ・ガードマン東京用心棒」や「不良番長」ではゲスト主役という感じで出演していた。そんな彼が主役を演じたドラマが「月曜日の男」(61年)である。待田演じる私立探偵JJこと持統院丈太郎がオープンカーに乗って活躍する話である。それにしても「ジョジョの奇妙な冒険」の主人公のような名前だ。3年も続いた人気番組らしいが、いかんせん見た記憶がない。再放送もほとんどされていないのではないだろうか。懐かし番組で取り上げられることもない、忘れられている番組といってもいいだろう。というわけで共演者もよくわからない。沢たまき、水島道太郎、山内幸子、服部哲治などが出演していたようだが、レギュラーなのかどうかは不明である。この番組と混同されやすいのが「土曜日の虎」(66年)で、こちらは成田三樹夫主演のドラマだ。そういえば石橋正次、小野寺昭の「火曜日のあいつ」(76年)というのもある。探せばすべての曜日タイトルがありそうだ。ちなみにそれぞれ、その曜日に放送されていたようだ。

がんばれ!ヒデヨシくん

ここ数回、私は見たこともない番組を取り上げているのだが、今回もその存在すら知らなかった「がんばれ!ヒデヨシくん」(60年)を取り上げてみる。これはNHKの「こどもホール」といわれる時間帯(夕方6時)の作品群の第1作だそうだが、注目したのは主演が島米八というところだ。島米八は自分的には「必殺シリーズ」で必ず1度は登場する悪役俳優である。悪人顔ではないのだが、小悪党っぽい感じで仕事人たちに殺される役柄だ。「仕事屋稼業」の最終回や「必殺うらごろし」の第1回(和田アキ子に殴られ首がひん曲がる役)などが印象深い。水原弘の歌謡映画「黒い花びら」でその名を見かけ、子役として結構活躍していたことを知ったのはつい最近である。島について語られている資料など見たことがないので詳細は不明だが、70年代にはほぼ時代劇専門の役者(ほぼ悪役)になっていったようだ。ところで、この番組の共演者に宮土尚治という名があるが、これは後に「柔道一直線」でスター俳優となる桜木健一の本名である。桜木の子役時代の映像って見たことがないが、この番組はNHKだし、ほぼ残っていることはないだろう。ちなみに翌年「進め!ヒデヨシくん」という続編だ作られたそうだから、けっこうな人気番組だったようである。ところで最近の時代劇って全く見ていないのでわからないのだが、島米八はまだ活躍しているのだろうか。

刑事物語

「刑事物語」といっても武田鉄矢の映画ではない。60年から61年に放映されたドラマである。もちろん私自身見たことはないし、資料らしい資料もほとんどない。出演者が堀雄二、芦田伸介、美川陽一郎、佐藤英夫、天田俊明というメンバー。お気づきの方もいると思うが、これに菅原謙次、城所英夫を加えると「七人の刑事」が完成する。つまり七人の刑事の前身となる番組であったのがこの「刑事物語」である。ちなみにドラマデータベースの出演者欄には園井啓介の名もあるが、彼がレギュラーで刑事役だったのかどうかは不明である。また七刑と役名が同じかどうかもわからない。おそらく違うと思うのだが。他に書くこともないので当時の年齢(スタート時)を調べてみた。堀雄二38歳、あの貫禄で30代だったとは驚きである。前に美川陽一郎が亡くなった時まだ58歳だったのに驚いたと書いたが堀も負けていない。その美川は42歳、芦田は1つ上の43歳であった。芦田が若く見えるわけではないが、美川の方が最年長に見える。そして佐藤が35歳、一番若い天田は26歳であった。佐藤は逆に若く見え、堀と3つしか違わないというのも意外であった。ちなみに菅原は佐藤(25年生)の1つ下(26年生)、城所はそのもう1つ下(27年生)である。まあドラマ上の設定はどうだったかわからないが、こういう見方も面白いと思うのだが。