お宝映画・番組私的見聞録 -258ページ目

青春大統領

前項の「おやじ太鼓」で、あおい輝彦がジャニーズ解散後の初ドラマ出演と書いてふと思ったのだが、そういえば動いているジャニーズを見た記憶がないなあと。まあ自分が小学校に入る前に解散(67年)しているし、ドラマや映画でも見かけたことがなかった。そんなタイミングでCSで放映されたのが、この「青春大統領」(66年)である。あおいの他、飯野おさみ、中谷良、真家ひろみの四人がそろって出ている映画は他にもあるようだが、「ジャニーズ」として出ている映画はこの作品くらいだ。といっても主役は大スター石原裕次郎で、浅丘ルリ子がジャニーズのマネージャー役、他に二谷英明など日活映画お馴染みの面々の中で、ジャニーズの四人も頑張っているなあという感じの作品で、アイドル映画ではなくあくまでもアクション映画だ。ちなみにあおいは説明不要の活躍中で、飯野は舞台を中心に活動中だが、中谷は十年ほど前だったか「ジャニーズの逆襲」なる本を出したりしていたが今はよくわからない。真家は当初はタレント活動していたようだが、後にタクシー運転手に転身し、それが話題になったりもしたが、数年前53歳で急逝した。白髪に白ヒゲともっと老けて見える印象であった。彼らを発掘したのが、ジャニー喜多川でその後ジャニーズ王国を築いていくのである。

おやじ太鼓

60年代から70年代にかけて、「木下恵介アワー」という枠があったが、当時子供の自分が見るようなドラマはなかったと思ったら、一つだけ見ていた(再放送だったけれども)。それが「おやじ太鼓」(68年)である。進藤英太郎扮する超頑固おやじ(鶴亀次郎)一家を描いたホームコメディである。最近CSで始まったので、見てみるとかなり自分の記憶と違っている点があった。家族は妻(風見章子)と息子四人だけだと思っていたのだが、他に娘が三人いた。つまり七人兄弟だったのだ。自分が覚えていたのは長男の園井啓介、三男の津坂匡章(現・秋野太作)、四男のあおい輝彦くらいで次男役は知らない人だと思っていたが、実際よく知らない西川宏という人だった。娘は長女の香川美子、末娘の沢田雅美はわかるが、次女役の高梨木聖という人はその顔も名前もまったく記憶になかった。他に香川の恋人役で竹脇無我、鶴家の使用人役で菅井きんといったところが出ていた。園井は60年代のスターだったが、脱税事件で捕まり70年代初頭に芸能界を去った。これが現代なら復帰できたかも知れないが…。西川も70年代初頭あたりまでしか出演記録がない。津坂は誰も名前を正確に読んでくれないということで(私も読めなかった)、津坂まさあき→秋野太作と名を変え現在も活躍中だ。「ジャニーズ」のメンバーだったあおいはこれが俳優デビュー作で、覚えやすい主題歌も彼が歌っている。ちなみに、この歌を作った木下忠司は恵介の実弟である。今白黒で放送されているのだが、私の記憶ではカラー番組だったと思っていたのだが、途中で変わるのだろうか。全65話ということで、かなりの人気作だったようだが、調べてみる一度39話で終了しており、半年後にまた26話が放送されている(この時カラーになるのかも)。さて主役の進藤はほとんど悪役専門で、初めてお茶の間に受け入れられる役だったそうである。

剣道一本

今回はスポ根ものである。大映テレビのスター候補生、当時二十歳だった三浦友和の初主演作が「剣道一本」(72年)である。タイトルからして、この年に放送を終了していた「柔道一直線」の剣道版といった感じの作品である。実際「柔道」における吉沢京子のポジションが中田喜子、高松英郎のポジションが中谷一郎といったぐあいである。オープニングの壁を突き破る所とかも一緒である。他の出演者が「新・三匹の侍」の高森玄、当時の青春ドラマでキャプテン役の多かった(印象の)亀谷雅彦、生徒役の常連であった沢田勝美などである。しかし以前「クラスメートー高校生ブルースー」の項でも書いたが、沢田の名前はない。で今回一致したのが鷹市太郎という名だ。この頃は鷹市太郎名義で活動していたようだ。それにしても勝新太郎の息子(鴈龍太郎)のような名前だ。ちなみに沢田は後に「三浦友和と仲間たち」のメンバーとなる。この番組の挿入歌「剣道仲間」の作詞補に鷹市太郎の名がクレジットされている。さて、この番組を契機に友和はスターへの道を駆け上ったかというと、そうはいかなかった。低視聴率のため13回で打ち切りとなったのである。ちなみに裏番組は「ワイルド7」であった。その隊長役は「ザ・ガードマン」の川津祐介で、「シークレット部隊」の見習い隊員(友和)ではガードマンにはかなわなかったようだ。

新諸国物語 笛吹童子

唐突だが「笛吹童子」である。予め言っておくと、ここに取り上げるのは50年代に東千代之介などがやった映画版ではなく、先日唐突にCSで始まった72年のテレビ版である。「ヒャリコヒャラレロ」という歌だけなら子供の頃から知っていたので、見たことがある気でいたのだが、改めて考えるとまともに見たことがないことに気がついた。72年といえば特撮ブームまっさかり。「笛吹童子」なんていう由緒正しい子供向け番組なんて見てられるかい、と子供だった私は敬遠したのかもしれない。アニメの「赤胴鈴之介」は見ていたのに。さて主役の菊丸を演ずるのは当時中学生の岡村清太郎。劇団の子役ではないなと思ったら、現在は七世清元延寿太夫を名乗る歌舞伎の人であった。「騎馬奉行」で若い同心を演じていたのを思い出した。その兄萩丸が内田喜郎。以前取り上げた「新十郎捕物帖・快刀乱麻」の主題歌を歌っている人と同一人物と思われる。その父に「七人の侍」の木村功、他にも市毛良枝、瞳順子、玉川良一などで、敵側が霧の小次郎に神太郎、赤柿玄審に藤岡重慶、その部下の四天王が五味龍太郎、内田勝正、上野山功一、花岡秀樹といった豪華なキャスティングである。特に四天王は時代劇のザ・悪役といった顔ぶれだ。花岡秀樹って誰だという人もいるだろうが、用心棒の一人とか子分の一人とか時代劇のキャスト表を注意深く見てれば、その名を見かけることができる(正直私も顔が把握できていないが)。このドラマの難点といえばやはり、主人公の菊丸が強そうに見えないことだろう(まあ当たり前だが)。殺陣の場面では相手が負けてあげているように見えてしまうのだ。せっかく個人的にも好きな楠本栄一、布目真爾、美山晋八といった「必殺シリーズ」「木枯し紋次郎」の殺陣師を揃えているのにもったいないと思ってしまった。

無宿侍

前項の「戦国ロック はぐれ牙」が打ち切られた関係で、急遽オンエアされたのが「無宿侍」(73年)である。どうやらオクラ状態だった作品であったらしい。「三匹の侍」の五社英雄のオリジナル企画で、主演は天知茂なので、それはもうシブイ作品なのである。抜忍となったゲン(天知)が、次々迫り来る刺客と戦うというもので、一言でいえば実写版「カムイ外伝」である。第1話でゲンが抜忍となるきっかけになる弥藤次を演ずるのが裏番組「必殺仕置人」の主演でもある山崎努である。天知に倒されるが回想で時々登場する。刺客を差し向ける雲十郎は二代目黄門こと西村晃で、最初の刺客は山さんこと露口茂だ。俗に言う一夜妻だった九の一(松岡きっこ)なども天知の命を狙う。第10話ではゲストが宮口二朗に梅津栄と「非常のライセンス」での特捜部の同僚たちが登場する。それにしても天知は小奇麗な浪人スタイルで、とても逃げ回って旅をしているようには見えないのが難点か。ちょうど今CSで放映されているので、可能な人は見てみるとよい。とても暗い気分にしてくれる。

戦国ロック はぐれ牙

「必殺仕掛人」や「木枯し紋次郎」のヒットで、アウトロー的時代劇が盛んだった73年、当時「女囚さそり」シリーズなどで人気絶頂であった梶芽衣子を主役に添えた時代劇が「戦国ロック はぐれ牙」である。時代劇といっても梶はあのまんまの髪型(中わけのロングヘアー)で登場。その出で立ちも皮の甚平にパンタロンといった現代風のものであった。共演が峰岸徹(当時は隆之介)に夏木陽介、他に山谷初男、2m近い巨漢坊主の大前均といった面子である。ちなみに「牙」とは雇われ仕事人みたいなもので、梶は小刀や鞭などを武器にしていた。とまあ意気込んでスタートしたのだが、結果はまさかの低視聴率。わずか9回での打ち切りが決定したのであった。裏番組が「必殺仕置人」だったとか(番組スタートは30分ずれていたのだが)、梶のファッションに色気がなかったからだなどとも言われている。やはり大信田礼子ばりのミニスカルックじゃなければ受けは悪いということであろうか。しかし一番の原因はやはり面白くなかったからだろう。

高校教師・その2

前回に続いて「高校教師」の話題だが、つい先日までCSで放映されていたので、ネタバレしても大丈夫であろうと判断する。さて加山と五人娘以外のレギュラーは、加山演ずる北山と同年代のハイミス教師(小松原貴子)に村松英子、二枚目の若手教師(友田信彦)に荒谷公之、途中から赴任し北山たちと対立する教師(松岡)に勝部演之、北山が下宿するスナックのママとその妹が藤江リカと沢田亜矢子、五人娘と知り合いの修理工マモルに東宝青春ドラマの顔・剛達人といった面々である。ゲスト女優陣は、1回限り登場のクラスメートといった役柄が多いが、竹下景子、奈良富士子、山口いづみ、牧れいなどで、いずれも大人びて見えるが、ちゃんと二十歳前後であった(牧れいは24だった)。後スケバン役で青木英美と松原麻里の「飛び出せ青春」コンビが登場、男性陣では紀子とのからみで高岡健二、和美とのからみで「ガッツジュン」こと藤間文彦が出ていた。特筆すべきは舞台となる白雪女子高の制服がミニスカートなところである。今は普通だが、三十年も前に制服がミニスカな学校など皆無に等しかったはずである(調べたわけではないが)。ある意味時代の先取りで、いま白雪の制服を着ても違和感は感じられないはずである。さて、このドラマの見どころといえばやはりラストの2話であろう。25話で秋子は母危篤の知らせに急いで駆けつけようと無免許運転して、人身事故を起こす(相手は死亡)。その事を母には黙っていた秋子だったが、死亡した相手の息子がそれをバラし、秋子母はショックを受け死亡する。怒った秋子はその男を刺して逃走、数日後逮捕されたという話。最終回は松岡らが能力別クラス編成試験を行なうと発表。それに反対する紀子や和美らは、到着した試験問題を奪うという強硬手段にでる。和美は試験問題を持って屋上に駆け上がるが、そこで賛成派の生徒ともみ合いになる。次の瞬間、フェンスが壊れ和美は転落し、死亡する。試験は中止されるが紀子は事件の首謀者として退学となり、松岡そして北山も学園を去っていくというものである。結局、五人娘は一人は逮捕、一人は退学、一人は死亡ということになる。自分は中学生くらいの時に初めて見たのだが、しっかりと記憶に刻まれたドラマとなった。見逃した人がいたら残念でしたとお悔やみ申しあげる。


高校教師(74)

「高校教師」というタイトルだと、どうしても真田広之主演の野島ドラマを思い浮かべる人が多いだろうが、ここで取り上げるのは74年の加山雄三主演のほうである。加山はこのころ、スキーで雪上車に巻き込まれ再起不能といわれる大怪我を負った。これはそこからの復帰第1作だったのである。しかし石原裕次郎にしろ二谷英明にしろスキーで死にかけた芸能人は多い。さて、加山が一応主役なのだが、実質的には加山の担任するクラスの5人組の女生徒が主役だといえる。リーダー格で成績も優秀、ひときわ美人な坂本紀子(山内えみこ)、小柄だが気が強くパワフルな加藤和美(須藤リカ)、ほとんど男という感じで貧乏な浅野秋子(愛田純)、気のいいオデブ亀山三千代(四方晴美)、一番普通っぽい喫茶店の娘・小倉弘子(春日まち子)というメンバーだ。これは東宝の作品なのだが、山内、須藤、愛田の三人は東映のスケバン映画で活躍していた面々で、当時はいずれも二十歳くらいだった。個人的に一番気に入っていた山内は、えみこ→恵美子→絵美子と微妙に名前を変えながら80年代の終わりまで活動していたようだ。須藤はなぜかアニメ「海のトリトン」のEDをかぐや姫と歌ってたりしていた。その後すどうかづみと名を変え(かづみはやはりこの作品での役名から来ていると思われる)レポーターとして活躍する。愛田純は男っぽくて迫力があり、スカートの似合わない女優だった。現在は私の住んでいる街の某スーパーで働いているという情報があるが、見に行こうとは思わない。四方晴美は「チャコちゃんケンちゃん」のチャコちゃんとして有名な子役で、当時は16歳と一番若いがキャリアは一番であった。名前どおり四方に大きくなっていた。現在はすっかり痩せて、ペンションなどをやっているようだ。春日まち子は当時は17歳で、他のインパクトが強すぎて一番目立たなかったが、実際これ以外の出演記録がない。「やくそく」というレコードが出ており、歌手路線で行くつもりだったのかもしれない。長くなってきたので、内容はまた次回。

マグマ大使

時代が逆行しているが、「スペクトルマン」「怪獣王子」とくれば「マグマ大使」(66年)を取り上げねばなるまい。「マグマ大使」といえば、「ウルトラマン」を抑えて巨大特撮ヒーローの第1号となるわけだが、ピープロ社長鷺巣富雄(うしおそうじ)は、円谷プロの創立メンバーでもある。円谷英二は「ウルトラマン」より「マグマ大使」のほうを気にしていたというエピソードもあるぐらいだ。原作はご存知手塚治虫だが、以前松崎プロが制作した実写版「鉄腕アトム」「鉄人28号」がひどい出来だったこともあり、最初は実写化を渋ったらしいが、漫画家うしおそうじとして手塚との付き合いも深かったこともありOKしてくれたようだ。当初はマグマの中の人(魚澄鉄也)が顔に金粉を塗って演じていたが最終的にはマスクをかぶる形に落ち着いた。俳優陣も豪華で岡田真澄を筆頭に、母親コンビを演じる八代真智子(当時・真矢子)と応蘭芳(当時・三瀬滋子)。二人は東映ニューフェースの同期生で、この後揃って「プレイガール」に出演することになる。岡田もよくゲスト出演しておりマグマ大使での姿からは想像しにくい。後にフォーリーブスとなる江木俊夫は幼少時から活躍していた名子役で、黒沢映画「天国と地獄」では三船敏郎の息子を演じている。その三船は鷺巣とは軍隊での上官にあたる人物であった。つまり鷺巣は円谷英二、手塚治虫、三船敏郎というその道の巨匠たちと悉く知り合いだったのである。ガム役の二宮秀樹も名子役と言われているが、意外にもその活動期間は小学5、6年の2年間だけだったそうである。ちなみに17話~20話でガム役が吉田次昭に代わっているのは「大魔神」の撮影のためである。この番組、現在見ることのできる映像ではテロップがまたっくないので、詳しい出演者やスタッフがわからない(資料となる本はあるけれども)。フィルムに焼き付ける形式ではないのだろうが子供のころ見ていた時も表示されていなかったと記憶しているが、本放送時にはあったのだろうか。一度予告編のようなものが流れて、そこに出演者の名前がずらっと表示されていたのを見たような記憶もあるのだが…。ちなみに「提供ロッテ」の文字はしっかりと焼付けられている。

怪獣王子

「マグマ大使」の成功に気をよくした東急エージェンシーが、海外マーケットを見据えた新たな番組を作るために出資して作ったのが日本特撮株式会社で、その作品こそが「怪獣王子」(67年)である。その社長に据えられたのが「マグマ大使」で特美監修(ようするに怪獣の造形など)であった大橋史典である。この大橋という人はもともと俳優で、あの黒沢映画「用心棒」や「椿三十郎」などにちょい役で出ている。技術者としては一流だったが経営者としてはかなり問題があったようだ。元々「怪獣王子」の監督は「月光仮面」や「隠密剣士」などで一世を風靡した船床定男が勤める予定だったのが、クランクインの挨拶で大橋が「東宝時代は船床は自分よりずっと格下の存在だった。だから気にいらない」などとやりだし、これはいかんと東急とピープロが「マグマ」の監督だった土屋啓之助と船床を急遽入れ替え、ピープロの鷺巣富雄(うしおそうじ)も怪獣王子に関わることになる。であるから事実上ピープロの作品であるといえる。さて出演者に眼を向けると主役の伊吹タケルが野村光徳、ミツルが野村好徳という双子の兄弟で、彼らは実写版「忍者ハットリくん」のハットリくんの中に入っていたりしたそうだ。その父親役の及川広信は自然な芝居ができない人で、結局セリフはアフレコだったそうである。お母さん役は高森和子、レインジャー部隊では「スペクトルマン」にも出演する渡辺高光や尾崎孝二、時代劇の特技スタッフとして名をよく見る宍戸大全、そしてライダーマンでお馴染み山口暁。山口は土屋が「忍者部隊月光」の監督でもあった縁での参加である。結局当初のゴタゴタが尾を引き一年の予定が半年で打ち切りということになった。まあ子供の頃はそんなこと気にせず楽しく見ていたのだが、視聴率的にも良くなかったようだ。長いことお眼にかかっていないが、レンタルビデオが出ていた頃に(二十年近く前だが)、借りておけばよかったと今になって思う今日この頃である。(「スペクトルマン」同様、限定DVD-BOXは出ているようだけれども)。