お宝映画・番組私的見聞録 -260ページ目

野良猫ロック ワイルドジャンボ

昔よく日曜日の昼間あたりに放送されていた(もちろん地上波)映画の一つに「野良猫ロック」シリーズがある。全5作あるのだが、一番印象に深いのはその第2弾「ワイルドジャンボ」(70年)である。全作通じて出演しているのが、梶芽衣子と藤竜也でいずれも違う役どころだ。他には地井武男、夏夕介、前野霜一郎、范文雀のほぼ6人だけで話は進む。ストーリーは簡単にいうと、この6人がとある宗教団体の寄付金を強奪しようと計画する。金は奪ったものの、警官隊との撃ち合いになり、メンバーは次々死んでいくというものである。「特捜最前線」の叶刑事としてお馴染みの夏夕介は、失神バンドとして有名だったGS・オックスのキ-ボード赤松愛脱退後のメンバーであったが、解散後俳優に転向し、これが映画初出演であった。前野霜一郎は76年当時、ロッキード事件の渦中にあった児玉誉士夫の屋敷に、軍服に身を包み「天皇陛下万歳」を唱えながら、セスナ機で突っ込んで最後を遂げた人物である。29歳であった。映画の中の前野はバカっぽく、明るい感じに見えたのだが、実際の彼を知る人もそういう印象だったようで、こういった行動に出るような言動は見られなかったということである。晩年はおもにポルノ路線で活躍していたようだ。さて、この映画のラストだが(これ以降ネタばれです)、一人残った文雀が現金の入ったカバンを持って砂浜を歩いているところに、銃声がして「終」マークって、普通武器を持っていない相手に警察は発砲しねーだろって、思わず突っ込みを入れたくなった現実主義の私であった。

ハーイ!ロンドン

「ハーイ!ロンドン」(69年)というタイトルだけ聞くと何の映画だかわからないと思うが、沢田研二率いるザ・タイガースの3作目で、最後の映画である。前2作(「世界はボクらを待っている」「華やかなる招待」)には『ザ・タイガースの~』という冠がついていたのだが、本作はなぜかついていない。それに加え加橋かつみが脱退し、岸部おさみ(現・一徳)の弟岸部シロー(現・四郎)にメンバーが変わっている。楽器も弾けないのに無理矢理加入させられたという。この兄弟、若い時からアイドル的なルックスではなかったと思う。シローなんか背が高いだけである。今や自己破産の人だ。さて、ストーリーの方はタイトル通りタイガースのメンバーがロンドンに行くのである。彼らの魂を狙う悪魔の化身役で藤田まことが出演している。他にも小松政夫、左とん平など喜劇畑の面々が顔をそろえている。ヒロインは3作通じて、公募で選ばれた久美かおりである。彼女はこのタイガース3作品のみで、引退している。どうやら、タイガース(特にジュリー)ファンの嫉妬や嫌がらせを受けたためらしい。そいういう事態になることは容易に予想できたと思うが、まあ悲劇?のヒロインであるといえよう。

檻の中の野郎たち

前項で、田辺昭知の話題を取り上げたついでに、他に映画に出てないか調べてみた。するとこの「檻の中の野郎たち」(59年)という作品に出ていたことが判明した。てなわけで、今回はまったく見たことのない映画なのである。しかも生まれる前だし。59年ではまだスパイダースは存在せず、スイングウェストのドラマーだった頃か。この映画では多分ちょい役であろう。タイトルどおり少年院の話なのだが、主演がロカビリー三人男と言われたミッキー・カーチス、山下敬二郎、そして平尾昌章かと思いきや、「三人ひろし」の守屋浩である。つまり平尾が出ていないので、こういう形になったのであろうか。ちなみに水原弘、井上ひろしと「三人ひろし」は全員出演している。でもう一人後に田辺の同僚となるソロ歌手であったかまやつひろし(当時は釜范ヒロシ)も出演している。まあ当時の人気歌手、総出演の映画といったようなものであるようだ。まあこの時代の映画は面白いかどうかではなく、誰が出ているかで個人的には楽しむようにしている。というわけで、一度見てみたいものである。

濡れた逢びき

ジャンルが映画でありながら、ほとんど映画について触れていないので、たまには映画の話題を。で、つい先日CSで放送された「濡れた逢びき」(67年)を取り上げる。タイトルからすると、にっかつのロマンポルノっぽい雰囲気だが、加賀まりこ主演の松竹映画である。別にタイトルに魅かれて見たわけではない。加賀の相手役がスパイダースのリーダー田辺昭知だったからである。スパイダースといえば、どうしても堺正章、井上順、かまやつひろしといったところが前面にでてくるのだが、田辺が音楽映画ではない作品にソロで、しかも主演で出ていたとは知らなかった。ストーリーを簡単にいうと、田舎の郵便局員の田辺が同僚の加賀の自殺を救ったところから、二人は恋愛関係に陥るが、両方に縁談が持ち上がり、二人ともその話を気に入り、今度はお互いが邪魔になり、殺しあうというものである。田辺は上手とはいえない演技で頑張っている。他の出演者は谷幹一、山東昭子、牟田梯三などで、自分のグループではなくライバル的存在のテンプターズがひっそりと出ている。何故この作品に田辺が起用されたのか、とても謎である。1月に書いているようにこの年からスパイダースの映画が5本作られている。ちなみに田辺はスパイダース解散後すぐに引退し、田辺エージェンシーの社長となっている。奥さんはそのタレントだった小林麻美である。

明日の刑事

「夜明けの刑事」「新・夜明けの刑事」ときたら、必然的に「明日の刑事」(77年)である。二郎、ヒロミツ、梅宮のおデブな三人は残留し、新加入が田中健(村上刑事)、志穂美悦子(山口刑事)、谷隼人(太田警部補)という中々豪華なメンバーで、随分番組の雰囲気が変わった気がした。梅宮、谷、志穂美という顔ぶれを見ると東映のドラマかと勘違いしてしまう(大映ドラマである)。全90話でメンバーの入れ替わりも何度かあり、25話より田島真吾(田島刑事)が登場、「夜明け」のときは一人も出なかった殉職者が、「明日」では3人もでる。まず46話で以前書いたとおり谷隼人が殉職する(正直見ていないので詳細は不明)。翌47話より、橋本功(佐藤警部補)と東竜也(大谷刑事)が登場。ちなみに東竜也は途中で村嶋修と改名した。どっちにしろ顔もよく覚えてない。そして個人的に一番印象に残っているのが69話、田島が婚約者(長谷直美)に会いにいく途中、歩道橋で男(長谷に横恋慕していたと思う)に刺殺される。だから正確には殉職とはいえないだろう。ちなみに犯人はスペクトルマンこと成川哲夫である。このパターンは「太陽にほえろ」の殿下(小野寺昭)と一緒である(こちらは事故死ではあるけれど)。そして70話より二代目大賀誠こと南条弘二が南郷警察犬係として登場するらしい(このあたりも見ていない)。そして最終話、梅宮課長がカッコよく最後を遂げたところで、4年半続いたこのシリーズは幕を降ろすのである。

新・夜明けの刑事

「夜明けの刑事」の後は直ぐに「明日の刑事」だと思っていたが、その間に「新・夜明けの刑事」があった。全20話なので、あまり印象にないのかも知れない。「新」とついても別に変わってないのである。佐藤允、長山藍子がいなくなり、石橋正次が復帰、そして新課長の浅倉役で梅宮辰夫が登場する。つまり新顔は梅宮だけである。妙に貫禄があったが当時は39才で、やはり坂上二郎よりは若い。よく考えると、その数年前までは「不良番長」をやっていたのだ。石橋は丸刈りにしての再登場であったが、この頃すでに頭髪が薄くなっていたのかも知れない。一番若手の山本伸吾(中村刑事)は、「三浦友和と仲間たち」のメンバーで今も音楽活動をしているらしい。この番組以外で見かけた記憶がないのだが、実は80年代には宇野鴻一郎や団鬼六原作のロマンポルノなどに出ていたようだ。とまあ、あまり新鮮味もなかったせいか20話で幕を閉じ、メンバーを半分入れ替えた「明日の刑事」がスタートするのである。

夜明けの刑事

前項「事件狩り」のメンバーに、坂上二郎を主役に据えスタートしたのが「夜明けの刑事」(74年)である。コント55号としての活動が、ほとんどなくなった時期である。二郎さんは当時ちょうど40才で、役名の鈴木勇は当時日本で一番多い名前と言われていた。相馬課長の石立鉄男はそれなりに貫禄はあるが、まだ32才であった。小林刑事の鈴木ヒロミツが28才で、石立と4つしか違わないのである。池原刑事の石橋正次は26才で、おそらくドラマのレギュラーも刑事役も初めてであったであろう黒田刑事の藤木孝(当時は敬士)は34才であった。見た目どおり坂上が一番年長だったのだが、石立と藤木には「鈴木!」と呼び捨てにされていた。まあ階級が上ということなのだろうが(たぶん石立は警部で藤木は警部補)、坂上には平刑事が似合っていた。あとこのメンバーでは、石立以外は歌がうまい。坂上は元々歌手志望であったし、藤木やヒロミツは元々歌手である。石橋も「夜明けの停車場」というヒット曲がある。ちなみに音楽担当の星勝はヒロミツがボーカルであったモップスのギタリストである。あとこのシリーズは鈴木刑事の例でわかるとおり役名に割合平凡な名前をつける傾向があった。石橋降板後に登場する水谷豊は山本刑事、その水谷降板後の登場する山本伸吾は中村刑事であった。石立降板後は佐藤允(柴田課長)と長山藍子(大野警部捕)が登場するが、佐藤允は坂上とは同い年、長山藍子は35くらいであったが、ホームドラマ以外に登場するのは非常に珍しいと思われる。ちなみに第1話は、看護婦寮で三人の看護婦が殺される話であったが、その犯人を演じたのが当時はまだ正義役のイメージが強い中山仁であった。

事件狩り

東映のドラマが続いてしまったので、ここらで一つ大映ドラマを、というわけで「事件狩り」(74年)である。まあ簡単にいうと、石立鉄男主演の弁護士ドラマである。石立扮する大山弁護士が法廷で怒り、叫びまくる姿が印象に残る。石立の下にいる調査員が石橋正次、鈴木ヒロミツ、森田日記などでまあチンピラの集まりのような事務所であった。出演者を見てわかるかも知れないが、これは「夜明けの刑事」の前番組であり、石立、石橋、ヒロミツはそのままスライドしている。森田日記は当時の新人女優であったが、細長い体型でまああまり可愛いとはいえなかった。数年で姿を消している。あまり覚えていないわりには、妙に記憶に残っているのが「ストリーキングの女を見た」というエピソード。法廷の中を裸の女が走りまわるというシーンがあった。確かその女を演じたのは大麻事件で逮捕された芹明香だったと記憶している。最近CSでも放映されたのだが、ほとんど見なかったのでちゃんと見ておけばよかったと思っている。(見たいものが多くてカバーしきれないのである)。

バーディ大作戦


前述のとおり「アイフル大作戦」の続編が「バーディ大作戦」(74年)である。続編ということで、メンバーもほとんどそのままである。バーディ探偵局の局長として桜田警部(丹波哲郎)をスカウトするところから、この話はスタートする。裕二(谷隼人)、三平(川口厚)、マリ(松岡きっこ)に加えて韋駄典介(沖雅也)がレギュラー入り、警視庁の方も追出刑事(藤木悠)の後輩として行内刑事(小林稔侍)が登場、他にもなぜか追出がお気に入りのココ(和田アキ子)が登場する。小林稔侍はこの頃はまだ悪役のイメージが強く刑事役は珍しかった。その役名は「おいで、いかない」のシャレである。韋駄典介もそうだが、ふざけたネーミングが多かった。沖と和田は半年ほどでフェードアウトし、新たに一条吾郎(岡本富士太)、ミッチィ(安西マリア)、そしてドラゴン(倉田保昭)がメンバーに加わった。和製ドラゴンなどと言われていた倉田だが、そのまんまドラゴンという安直なネーミングであった。この時点で、次番組「Gメン75」のメンバーのほとんどが揃ったのである。前作よりは明るい雰囲気の番組だったが、最終回、事件が一見落着したと思ったら、眼前の地雷原に唐突に自転車の子供たちが手を振りながらやってくる。それを止めようとして裕二とマリが爆死するという衝撃のラストであった。何故この二人が死ぬことになったのかというと、ご存知のとおり谷と松岡は番組をきっかけに熱愛関係になり結婚することになる。これにプロデューサーが怒り、二人を爆死させたというのが真相であると谷がどこかで語っていた。共演者の恋愛は御法度ということだったようだ。何も殺さなくてもいいのになあ。


アイフル大作戦

5年続いた人気番組「キイハンター」の後を受けたのが、この「アイフル大作戦」(73年)である。これは「アイフル探偵学校」の面々が活躍するというお話で、その主演が女校長の小川真由美(岸涼子)、講師がキイハンターからスライドの谷隼人(伊吹裕二)、生徒役が「帰ってきたウルトラマン」の岸田隊員こと西田健(丘大介)、川口4兄弟の末弟・川口厚(原田三平)、後の谷夫人こと松岡きっこ(井口マリ)といったメンバーで、他にも謎の男に杉浦直樹(南条京太郎)、警視庁の刑事に藤木悠(追出刑事)、そして土曜9時の顔となる丹波哲郎(桜田警部)というレギュラー陣だが、改めてみると丹波、谷以外は東映とは縁の薄い役者(当時)で固めた配役である。正直あまり真剣に見ていなかったこともあって記憶に残っているエピソードがない。CSでもこの前後(「キイハンター」「バーディー大作戦」)は放映されたが、この番組はされていない。実は最終回が放映しにくいネタ(精神異常もの)なのである。多少の放送禁止用語(正確には自主規制だが)くらいは平気で音消しなく放映するCSだが、キイハンターでも「それ行け!発狂作戦」は欠番にされたし、途中の回ならともかく最終回となると欠番にはしづらいであろう。何事もない最終回ならよいだろうが、この事件で涼子は去り、次の「バーディ大作戦」に続くことになる話である。当時はホントにその種の話は多かった気がする。個人的には見たいけれども、今の世では仕方ないのかも知れない。もっとも、放映されないと決まったわけではないのだが(放映の可能性は低い)。