青春をつっ走れ!
青春の巨匠といわれる森田健作だが、大ヒットしたドラマというのは「おれは男だ!」だけではないだろうか。実際、日本テレビからフジに移って作られた「青春をつっ走れ!」(72年)は18回で打ち切りとなっている。次番組の「あしたに駆けろ」がわずか8回と明らかに穴埋めで作られているくらいだ。スポーツは森田得意の剣道ではなくバレーボールである。出演者は結構豪華である。「おれは男だ」にも出ていた笠智衆、ヒロイン役には「アテンションプリーズ」の紀比呂子、コーチ役には「ウルトラセブン」の森次浩司、教師役に財津一郎、生徒役には「ハレンチ学園」の小林文彦、「おれは男だ」にも出ていた鍋谷孝喜、後の「仮面ライダーX」である速水亮(当時は三崎玲資)、悪役面ではないと思うが「西部警察」にはよく悪役出ていた沢田勝美、「魔人ハンターミツルギ」の林由里、そしてフォーリーブスやデビューまもない郷ひろみなども出たりしていたのである。打ち切りの要因だが、やはり森田健作は何をやっても森田健作なので同じような番組になってしまうからではないだろうか。はっきりいって内容も二番煎じだし、当然の結果だったのかも知れない。それにしてもこの番組のタイトル、CSで放映されるまでなかなか思いだせなかった。妙に印象に残らないのである。私だけかもしれんが。
炎の青春
「青春とはなんだ」「これが青春だ」「飛び出せ青春」などを生み出した東宝の青春教師シリーズで、最も短命に終わったのがこの「炎の青春」(69年)である。わずか10回で打ち切りとなっている。この番組については、自分では見たことがあるのかないのかわからないのである。それらしい番組のOPを見た記憶があるのだが(もちろん再放送)、やはり短命で終わった「進め青春」だったかもしれない。どっちにしろまともには見たことがない。主演は当時まだ早稲田の学生だった東山敬司で、彼がヘタ過ぎたので打ち切りになったという説もあるくらいだから、まあヘタだったのだろう。ちなみに役名は猪木豪太郎というリアル感のない名前であった。舞台となるのはドラマでは珍しいバスケット部で、漫画(アニメ)の「スラムダンク」がヒットする以前ではほとんどないと思われる。ヒロイン教師には坂本九未亡人である柏木由紀子、女子バスケット部のキャプテンに「金メダルのターン」では主役になる梅田智子、ガリ勉生徒に水谷豊、そしてこのシリーズ5つの番組で生徒役を演じる剛達人(当時・中沢治夫)、他にも教頭役に平田昭彦、同僚に「七人の刑事」の佐藤英夫など脇はいい役者 で固められていた。ところで主演の東山は東宝ではかなり期待していた新人だったのだが、70年代半ばには姿を消している。熱血教師青春ドラマは72年の「飛び出せ青春」まで休止となるのであった。
青い太陽
今回も「太陽」シリーズで、自分はOPしか見たことがない68年の「青い太陽」を取り上げる。舞台は高校ではなく中学で、オリンピックを目指す和世、洋子、恵子の三人の女子水泳部員が主役である。ヒロインの和世には、今や大御所の歌手である小林幸子が扮している。当時彼女は15才、東映児童演劇研究所に所属していた。洋子役の関みどりは「少年ケニヤ」でヒロインのケイトを演じていた。そして恵子役の岡田由紀子は、もちろん自殺した岡田有希子とは別人である。60,70年代に活躍した女優で、「木枯し紋次郎」での悲惨な娘さんの役が個人的には印象に残っている。大店のお嬢さんだが、暴漢二人に襲われているところを紋次郎に見ぬふりをされ、最後は撃ち殺されてしまうという可哀想すぎる役だった。他の出演者は根上淳、渡辺篤史などで、風間杜夫なども本名の住田知仁で出ていたらしい。OPは男女五人のスチール写真なのだが、ヒロインの三人と今も昔も変 わらない渡辺篤史、そしてもう一人が伊藤雄之助の息子である伊藤高である。制服姿なので中学生の役らしい。渡辺も伊藤も二十才くらいのはずだが。それにしてもどこか父親ゆずりの凶悪な顔の伊藤高にさわやかな笑顔は似合わない。番組タイトルと同名の主題歌を歌うのはGSのクーガーズで、キュロットスカート姿で歌わされていたグループ(男6人組)である。小林幸子も同名の歌を歌っているが、未聴なので同じ曲かどうかはわからない。しかし水泳部が舞台ということは、やはり水着姿にはなったんだろうなあ。
太陽野郎
「太陽のあいつ」「太陽の恋人」とタイトルに「太陽」がつくものをたて続けに取り上げたので、もう一つ「太陽野郎」(67年)を取り上げてみる。とはいっても例によって未見なので、数少ない情報から総合すると、一言でいえば和製ウエスタンとでも言うのだろうか。牧場を舞台にした青春活劇である。主演は「青春とはなんだ」の熱血教師役で人気を得た夏木陽介で、他の主演者は北原真紀(よく知らない)、水島道太郎、有島一郎、菅井きんなどのベテラン勢、夏木同様に東宝の出身で共演の多い藤木悠(そういえば東映の「Gメン75」でも共演していた)、この時代の代表的な青年といった感じの工藤堅太郎、これがデビューになる地井武男、そして宮内恵子、といっても知らないも多いと思うが後の「牧れい」である。撮影は前半は函館付近で長期ロケを行い、後半は御殿場で撮影したそうである。主題歌を歌うのは寺内タケシ率いるバニーズで、以前書いたとおり大石吾郎も一時期在籍していたグループであり、時代を感じるテケテケサウンドが小気味よい。脚本には倉本聡が参加しており、北海道ロケの時はとにかく地元民にいろいろ取材していたらしい。この時倉本はいずれ北海道に住もうと思った、のかもしれない。
太陽の恋人
今回は梶原一騎原作の青春ドラマである。少年チャンピオンに連載されていた「朝日の恋人」が、「太陽の恋人」としてドラマ化(71年)された。しかも主演は同じ梶原原作の「柔道一直線」コンビである桜木健一と吉沢京子である。簡単にいえば桜木演じる坂本征二と吉沢演じる天地真理の恋愛大河ドラマである。大河といっても1クールの放映であったが。まもなくデビューするアイドル歌手・天地真理の名はこのヒロインの名をもらったものである。逆に坂本征二というのは俳優・坂口憲二の父、プロレスラーの征二からい ただいたものであろう。桜木といえば主演の「柔道一直線」や「刑事くん」で自ら主題歌を歌っていたが、ここでも主題歌を熱唱している。いかにも70年代な女性コーラスが印象に残る名曲である。ちなみにマンガのほうも「太陽の恋人」に改題され、最終的には「夕日の恋人」に改題という、「スペトルマン」同様の3弾変化であった。テレビの方のタイトルが「太陽」になったのは、おそらく放送局がらみと思われる。NET(現在のテレビ朝日)系で放映されたのだが、当時朝日放送の番組はTBS系で放送されていたことから改題されたのでは、という話を聞いたような気がする。(事実かどうかは不明である)。まあ75年に「腸捻転」などと言われたネット編成の変更があり、朝日放送はNET系に、毎日放送はTBS系という現在の形になっている。このとき関東地方では「必殺シリーズ」はTBSからNETに、「仮面ライダー」シリーズはNETからTBSへと移動になっている。終盤のほう話が変わってしまった。
打ち込め!青春
60年代半ばから70年代にかけて、タイトルに「青春」の文字が含まれるドラマは結構ある。「飛び出せ青春」や「われら青春」などメジャーな東 宝の熱血青春教師ものや、松竹の森田健作ものと違って、東映はあまり青春ドラマのイメージがない。この「打ち込め!青春」(71年)は、その東映制作の青春ドラマである。とはいえ1クールで終了しており、再放送もほとんどされておらず(と思う)、実際私も見たことがない。タイトルからして剣道部がらみの話かと思えばそのとおりである。ただし森田健作ではなく石橋正次がメイン生徒で、その剣道部コーチである教師が中山仁と范文雀の「サインはV」コンビという布陣で、簡単に言えばこの三人の三角関係の話であるようだ。教師役と生徒役といっても石橋と范は当時ともに23才と、同じ才であった。まあ当時のドラマには二十歳過ぎの高校生(実年齢が)など普通ではあったけれども。他の出演者は石橋を慕う剣道部員に岡崎友紀、再婚した石橋の実母を継母にもつ若者に千葉治郎などである。ちなみに范文雀は同時期に「プレイガール」にも出演していたが、こちらでは当初「ハン・ザ・摩耶」という妙な芸名を名乗っていた。数ヶ月で「范文雀」に戻したようである。主題歌「あなたを憎めない」も文雀が歌っているのだが、ED(インストゥルメンタル)と併せて見るとサスペンスドラマに見えるから不思議だ。その彼女も02年に54才で亡くなってしまった。合掌。
太陽のあいつ
またしても私自身は全く見たことがないが、是非見てみたいドラマの話題である。今回は東宝初のカラードラマである「太陽のあいつ」(67年)についてである。設定は週刊誌の記者が毎回、いろいろな現場(主に撮影現場)を取材するというもの。そして豪華ゲストが毎回のように実名で登場するのだ。三船敏郎、宝田明、浜美枝をはじめ、ジャニーズ、スパイダース、また「ウルトラマン」の撮影現場ではフジ隊員こと桜井浩子や「南太平洋の若大将」の現場では無論、加山雄三や有島一郎、監督の古沢憲吾らが登場したそうである。ちなみに主演は東宝の期待のホープだった矢吹渡、他に当時のアイドル恵とも子、まだピンキーになっていない今陽子、特撮映画スターの久保明、砂塚秀夫、南弘子、イデ隊員こと二瓶正也、特撮映画ではよく通信員などをやっている勝部義夫などがレギュラーであった。やはりゲストに比べるとしょぼいメンバー(失礼)だ。さて主演の矢吹渡だが、実は何度か改名している。最初は大矢茂の名でランチャーズ(加山雄三のバックなどをつとめた)でギターを弾いていたらしい。そして矢吹渡となり、この「太陽のあいつ」など主にテレビで活躍した。加山が若大将を退くにあったて二代目を襲名したのが彼だったそうだ。しかし実際には草刈正雄で、彼の主演映画は作られていない。75年の「少年探偵団(BD7)」では明智小五郎役であった。このときは本名と一字違いの浜田柾彦(本名・浜田正彦)の名で出ている。しかし、すぐに矢吹渡に戻しているようだ。ネット上では、大矢茂→浜田柾彦→矢吹渡となっているが、正しくは大矢茂→矢吹渡→浜田柾彦→矢吹渡である(時代を追っていくとそうなる)。それにしても矢吹渡という名はほとんど聞いたことがないし、あまり見たこともない(浜田柾彦なら記憶にあった)。期待されながら消えていった役者だなと思ったら、90年代にもドラマの出演記録があり俳優活動は続けていたようだ。大変失礼した(現在はよくわからないが)。
二丁目の未亡人は、やせダンプと言われる凄い子連れママ
今回は私がほとんど見たことのない、俗に言う土九、グランド劇場の話である。この枠では「熱中時代」や「池中玄太80キロ」などが有名だが、76年から77年にかけて異様に長いタイトルのシリーズが続いたのを覚えている人も多いのではないだるか。その1作目が「二丁目の未亡人は、やせダンプと言われる凄い子連れママ」(浅丘ルリ子、原田芳雄、石立鉄男)で、だいたい四話から八話のドラマが以下のように続く。「五丁目に咲いた恋は、絶対に結ばれないと人々は噂した」(栗原小巻、石坂浩二)、「三丁目の古寺に、照る日曇る日、恋の雨」(加藤剛、中野良子)、「八丁目のダメ親父!カンナ・トンカチ・キリキリ舞い」(森繁久弥、前田吟、中田喜子)、「六丁目のスパルタ寮母さんには、赤いバラのいれずみがあった!」(京塚昌子、西村晃、片平なぎさ)、「七丁目の街角で家出娘と下駄バキ野郎の奇妙な恋が芽生えた」(十朱幸代、中村雅俊)、「九丁目、泣いて笑った交差点、女の中の男一匹」(愛川欽也、坂口良子)、「一丁目物語、ゴットマザーの二度目の青春」(森光子、藤竜也、上原謙)、そしてここでなぜか丁目のない単発もの「飛び込んだ臨月の女は未婚の凄い美人」(小川真由美、堺正章、麻丘めぐみ)、「華麗なる大泥棒!四丁目の刑事の家の間借人」(竹脇無我、左とん平、仁科明子)、そしてラストも丁目のない「魔女と呼ばれる占い師は、自己革命を夢みてた」(池内淳子、石坂浩二、風吹ジュン)といったラインナップである。一丁目から九丁目を使いもう面倒になったのか、飽きたのかは知らないがよくもまあ続いたもんである。キャストは結構豪華で「水戸黄門」、「大岡越前」、「時間ですよ」の役者が多い。しかしこれらのタイトルを全部覚えている人はいるのだろうか?私は最初の「二丁目の未亡人~」以外はすべて初耳である。ホームドラマ系にはほんと興味がなかったのだなあと改めて感じた。
トリプル捜査線
確か格さんこと大和田伸也が双子の刑事を演じたドラマがあったような記憶があり、調べてみると確かにあった。それが「トリプル捜査線」(73年)である。伸也の一人二役であり、大和田獏が出ていたわけではない。それ以外のことは全く記憶にないのだが、どうやら双子の刑事とスケバンあがりの婦警(ビーバー)が事件を解決するといったような話だったようだ。だから「トリプル」なのだろう。主演はほかに長門勇、草刈正雄、黒沢年男、川津祐介らで、誰がどんな役かは不明である。だいたい同僚刑事だと思うが。さてビーバーだが、昔、今話題のニッポン放送で「パンチ・パンチ・パンチ」という番組があった。そのパーソナリティだった川口まさみがビーバーである。同じ番組パーソナリティの高橋基子、シリア・ポールと「モコ・ビーバー・オリーブ」というユニットを組んでレコードを出したりしている。ちなみにビーバーに似ているからだそうだ。70年代は「ザ・ボディガード」や「花ふぶきはしご一家」など結構女優として活躍していたが、いつの間にか見かけなくなった。どうしていることやら。
東京コンバット
全く見たことはないが、一度見てみたい番組というのは、それはもう沢山存在する。この「東京コンバット」もそんな番組のひとつである。68年から69年にかけて、38回も放映されている割にはまず話題になることも取り上げられることもない幻の番組といえるだろう。要するに警視庁の特殊犯罪捜査班の五人が特殊車両である「コンバット・カー」を駆使して犯罪捜査にあたるといったような内容らしい。よく撃ちまくったらしいのでなんか「西部警察」のイメージに近いのか?出演はリーダーの三村警部に三橋達也で実際に射撃の腕はプロ並みらしい。後の4人はみんな警部補で佐藤允(江藤)、山口崇(宅)、前田吟(桜井)、山下洵一郎(木津川)といったメンバーである。先ごろ亡くなった三橋と「独立愚連隊」の佐藤はすでに東宝のスターだったし、山口と前田はこの後お茶の間に浸透していく。山下は「秘密指令883」とか「プロフェッショナル」とかこの頃は本当に正義役が多かったようだ。70年代にはほとんど悪役だったし。しかし山口の役名の「宅」であるが、どうしても宅八郎を思い出す。どうでもいいことだが。とにかく一度CSで放送してもらえないかなと思う。もちろん映像が現存していればであるけれど も。