お宝映画・番組私的見聞録 -264ページ目

打ち込め!青春

60年代半ばから70年代にかけて、タイトルに「青春」の文字が含まれるドラマは結構ある。「飛び出せ青春」や「われら青春」などメジャーな東宝の熱血青春教師ものや、松竹の森田健作ものと違って、東映はあまり青春ドラマのイメージがない。この「打ち込め!青春」(71年)は、その東映制作の青春ドラマである。とはいえ1クールで終了しており、再放送もほとんどされておらず(と思う)、実際私も見たことがない。タイトルからして剣道部がらみの話かと思えばそのとおりである。ただし森田健作ではなく石橋正次がメイン生徒で、その剣道部コーチである教師が中山仁と范文雀の「サインはV」コンビという布陣で、簡単に言えばこの三人の三角関係の話であるようだ。教師役と生徒役といっても石橋と范は当時ともに23才と、同じ才であった。まあ当時のドラマには二十歳過ぎの高校生(実年齢が)など普通ではあったけれども。他の出演者は石橋を慕う剣道部員に岡崎友紀、再婚した石橋の実母を継母にもつ若者に千葉治郎などである。ちなみに范文雀は同時期に「プレイガール」にも出演していたが、こちらでは当初「ハン・ザ・摩耶」という妙な芸名を名乗っていた。数ヶ月で「范文雀」に戻したようである。主題歌「あなたを憎めない」も文雀が歌っているのだが、ED(インストゥルメンタル)と併せて見るとサスペンスドラマに見えるから不思議だ。その彼女も02年に54才で亡くなってしまった。合掌。

太陽のあいつ

またしても私自身は全く見たことがないが、是非見てみたいドラマの話題である。今回は東宝初のカラードラマである「太陽のあいつ」(67年)についてである。設定は週刊誌の記者が毎回、いろいろな現場(主に撮影現場)を取材するというもの。そして豪華ゲストが毎回のように実名で登場するのだ。三船敏郎、宝田明、浜美枝をはじめ、ジャニーズ、スパイダース、また「ウルトラマン」の撮影現場ではフジ隊員こと桜井浩子や「南太平洋の若大将」の現場では無論、加山雄三や有島一郎、監督の古沢憲吾らが登場したそうである。ちなみに主演は東宝の期待のホープだった矢吹渡、他に当時のアイドル恵とも子、まだピンキーになっていない今陽子、特撮映画スターの久保明、砂塚秀夫、南弘子、イデ隊員こと二瓶正也、特撮映画ではよく通信員などをやっている勝部義夫などがレギュラーであった。やはりゲストに比べるとしょぼいメンバー(失礼)だ。さて主演の矢吹渡だが、実は何度か改名している。最初は大矢茂の名でランチャーズ(加山雄三のバックなどをつとめた)でギターを弾いていたらしい。そして矢吹渡となり、この「太陽のあいつ」など主にテレビで活躍した。加山が若大将を退くにあったて二代目を襲名したのが彼だったそうだ。しかし実際には草刈正雄で、彼の主演映画は作られていない。75年の「少年探偵団(BD7)」では明智小五郎役であった。このときは本名と一字違いの浜田柾彦(本名・浜田正彦)の名で出ている。しかし、すぐに矢吹渡に戻しているようだ。ネット上では、大矢茂→浜田柾彦→矢吹渡となっているが、正しくは大矢茂→矢吹渡→浜田柾彦→矢吹渡である(時代を追っていくとそうなる)。それにしても矢吹渡という名はほとんど聞いたことがないし、あまり見たこともない(浜田柾彦なら記憶にあった)。期待されながら消えていった役者だなと思ったら、90年代にもドラマの出演記録があり俳優活動は続けていたようだ。大変失礼した(現在はよくわからないが)。

二丁目の未亡人は、やせダンプと言われる凄い子連れママ

今回は私がほとんど見たことのない、俗に言う土九、グランド劇場の話である。この枠では「熱中時代」や「池中玄太80キロ」などが有名だが、76年から77年にかけて異様に長いタイトルのシリーズが続いたのを覚えている人も多いのではないだるか。その1作目が「二丁目の未亡人は、やせダンプと言われる凄い子連れママ」(浅丘ルリ子、原田芳雄、石立鉄男)で、だいたい四話から八話のドラマが以下のように続く。「五丁目に咲いた恋は、絶対に結ばれないと人々は噂した」(栗原小巻、石坂浩二)、「三丁目の古寺に、照る日曇る日、恋の雨」(加藤剛、中野良子)、「八丁目のダメ親父!カンナ・トンカチ・キリキリ舞い」(森繁久弥、前田吟、中田喜子)、「六丁目のスパルタ寮母さんには、赤いバラのいれずみがあった!」(京塚昌子、西村晃、片平なぎさ)、「七丁目の街角で家出娘と下駄バキ野郎の奇妙な恋が芽生えた」(十朱幸代、中村雅俊)、「九丁目、泣いて笑った交差点、女の中の男一匹」(愛川欽也、坂口良子)、「一丁目物語、ゴットマザーの二度目の青春」(森光子、藤竜也、上原謙)、そしてここでなぜか丁目のない単発もの「飛び込んだ臨月の女は未婚の凄い美人」(小川真由美、堺正章、麻丘めぐみ)、「華麗なる大泥棒!四丁目の刑事の家の間借人」(竹脇無我、左とん平、仁科明子)、そしてラストも丁目のない「魔女と呼ばれる占い師は、自己革命を夢みてた」(池内淳子、石坂浩二、風吹ジュン)といったラインナップである。一丁目から九丁目を使いもう面倒になったのか、飽きたのかは知らないがよくもまあ続いたもんである。キャストは結構豪華で「水戸黄門」、「大岡越前」、「時間ですよ」の役者が多い。しかしこれらのタイトルを全部覚えている人はいるのだろうか?私は最初の「二丁目の未亡人~」以外はすべて初耳である。ホームドラマ系にはほんと興味がなかったのだなあと改めて感じた。

トリプル捜査線

確か格さんこと大和田伸也が双子の刑事を演じたドラマがあったような記憶があり、調べてみると確かにあった。それが「トリプル捜査線」(73年)である。伸也の一人二役であり、大和田獏が出ていたわけではない。それ以外のことは全く記憶にないのだが、どうやら双子の刑事とスケバンあがりの婦警(ビーバー)が事件を解決するといったような話だったようだ。だから「トリプル」なのだろう。主演はほかに長門勇、草刈正雄、黒沢年男、川津祐介らで、誰がどんな役かは不明である。だいたい同僚刑事だと思うが。さてビーバーだが、昔、今話題のニッポン放送で「パンチ・パンチ・パンチ」という番組があった。そのパーソナリティだった川口まさみがビーバーである。同じ番組パーソナリティの高橋基子、シリア・ポールと「モコ・ビーバー・オリーブ」というユニットを組んでレコードを出したりしている。ちなみにビーバーに似ているからだそうだ。70年代は「ザ・ボディガード」や「花ふぶきはしご一家」など結構女優として活躍していたが、いつの間にか見かけなくなった。どうしていることやら。

東京コンバット

全く見たことはないが、一度見てみたい番組というのは、それはもう沢山存在する。この「東京コンバット」もそんな番組のひとつである。68年から69年にかけて、38回も放映されている割にはまず話題になることも取り上げられることもない幻の番組といえるだろう。要するに警視庁の特殊犯罪捜査班の五人が特殊車両である「コンバット・カー」を駆使して犯罪捜査にあたるといったような内容らしい。よく撃ちまくったらしいのでなんか「西部警察」のイメージに近いのか?出演はリーダーの三村警部に三橋達也で実際に射撃の腕はプロ並みらしい。後の4人はみんな警部補で佐藤允(江藤)、山口崇(宅)、前田吟(桜井)、山下洵一郎(木津川)といったメンバーである。先ごろ亡くなった三橋と「独立愚連隊」の佐藤はすでに東宝のスターだったし、山口と前田はこの後お茶の間に浸透していく。山下は「秘密指令883」とか「プロフェッショナル」とかこの頃は本当に正義役が多かったようだ。70年代にはほとんど悪役だったし。しかし山口の役名の「宅」であるが、どうしても宅八郎を思い出す。どうでもいいことだが。とにかく一度CSで放送してもらえないかなと思う。もちろん映像が現存していればであるけれども。

ターゲットメン

かつての映画スターが次々とテレビに活躍の場を移すなか、ほとんど進出してこなかったのが、小林旭である。この「ターゲットメン」(71年)は小林旭の数少ないテレビ主演作である(70年代はこれだけ)。簡単に言えば、文字通り人間標的となって悪に立ち向かう5人の秘密捜査官の物語だ。リーダーは当時33才の旭演じる中西五郎で、以下のメンバーは上月晃(秋月真理子)、若林豪(新山伸吉)、奈美悦子(芳村かおり)、大石吾郎(北川屯二)となっている。上月晃はアキラではなくノボルと読み、宝塚の男役出身で、99年に亡くなっている。大石は「コッキーポップ」の司会などでも知られるが、元々ミュージシャンで、寺内タケシとバニーズでギタリストをやっていたこともある。これは俳優に転向してまもない頃だと思われる。ところでこの番組、本放送で見た記憶がかすかにあるのだが、もう原版が存在していないとのこと。しかし東映のドラマOP・ED集にしっかり収録されているので例のごとく1話くらいは現存するのではないかと思われる。このOPではなぜか上月晃の姿がなくEDでは名前があった。途中から加わったのか、はたまた途中で降板したのか謎である(出演しない回は結構あったようである)。

俺たちの勲章

今回もコンビ刑事物であるが、「二人の事件簿」と同じ75年の「俺たちの勲章」を取り上げる。こちらは松田優作、中村雅俊の二大スターの競演ということで話題をよんだが、基本的に雨傘番組だったことや、このころ松田優作が暴行事件を起こしたこともあり、結局19回で幕を閉じている。相模署の若い二人の刑事、ハードで犯人には非情な中野祐二(松田)と時には犯人にまで肩入れする五十嵐貴久(中村)の物語だが、上司である野上係長(北村和夫)には煙たがられており、基本的に地方へ飛ばされることが多い。先輩刑事の山下(早川保)も彼らにはとことん冷たい。こういう番組ではたいていの上司は若いはみだし刑事を陰ではあたたかく見守っているものだが、この番組では一切そういう面がない。最終回では、結局中野は田舎に飛ばされることが決まり、五十嵐は退職することになる。他のレギュラーはあまりいてもいなくてもという感じのメンバーだった。ヒロイン的存在だが影の薄かった坂口良子をはじめ、結城美栄子、佐藤蛾次郎、柳生博、山西道広、そして中野の恋人役で一言も劇中で喋らなかった鹿間マリなどである。ゲストでは19回しかないのに2度登場した水谷豊や、「われら青春」では中村の生徒役であった千葉裕が犯人役で、その中村と対決した。そして忘れちゃならない五十嵐淳子。この番組で中村と出会いゴールインした。そういえば中村の役名は五十嵐だったと今気づいた。

新・二人の事件簿~暁に駆ける~

前作より8ヶ月後に始まった第2弾である。登場人物はほぼ一緒だが、新レギュラーに毒蝮三太夫(鬼塚刑事)が加わった。名前どおりの鬼軍曹役で、刑事部屋のバランスも良くなった。(前作の伊東刑事は消滅する)。宮坂(篠田三郎)の恋人・美矢子(土田早苗)も一般病院の医師から監察医に変更となり、登場しやすくなった。前項で書くのを忘れていたが、美杉婦警役の牧美智子は、前作では静かな感じのED、本作では一転してアップテンポのOPを歌っている。タイトルはずばり「暁に駆ける」で、中々の名曲である。当時のこの番組の売りが、8局共同制作(朝日放送系)というところであった。そこでよく地方へ飛んだり、時には海外へ飛んだりしていた。たんなる一所轄がである。まあそれは、この番組に限ったことではないけれども。

二人の事件簿

75年は文字通り「Gメン75」が始まった年であるが、一方で「俺たちの勲章」や「二人の事件簿」といった若いコンビ刑事ものもスタートしている。今回は「二人の事件簿」を取り上げる。主演は篠田三郎(宮坂刑事)と高岡健二(真樹刑事)で、簡単にいえば新米刑事の二人が喧嘩しながらも事件を解決していくというものだ。一番の突っ込みどころは宮坂の車だ。いつもマイカー、しかもオープンのクラシックなスポーツカー(車種とかわからん)で目だってしょうがない。それにあまり必要のないレギュラーが多すぎる。宮坂の婚約者である美矢子(土田早苗)はともかく、友人である真夏竜や司健二はまずいらない。真樹の関係者も高橋悦史、ジュディ・オング、森大河、園佳也子、吉田友紀とこんなにいらんだろう。やはり出番が多いのは必然的に刑事たちだ。植木等(早川警部)、近石真介(白井刑事)、大石吾郎(丹羽刑事)、木島進介(伊東刑事)、そして竹脇無我(風間署長)といった面々である。当初は大坂志郎(島中刑事)がベテラン役だったのだが、先日のCS放送では第7話「戦後三十年の逆さ吊り」が欠番となり(内容的に問題があるらしい)放映されず、8話では初代マスオさんこと近石真介に変わっていたので、大坂志郎がどうなったのか謎である(6話かぎりで退いた可能性もある)。ゲストでは第5話に柴俊夫と夏純子が登場、篠田と併せて「シルバー仮面」の春日5兄弟のうち3人がそろった。また32話「のらねこ作戦」ではハナ肇らクレージーキャッツのメンバーが勢ぞろいした。ちなみにこの番組のタイトルは正確には「TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿」である。それにしても第7話、見てみたいものだ。

鉄人28号(実写版)

「鉄人28号(実写版)」といっても、現在公開されている映画のことではない。60年に放送されたテレビ版のことである。これは十数年前にビデオが出ておりレンタルして見たのだが、一言でいえば「苦笑」という感じか。ある意味衝撃映像の連続で、内容などきれいさっぱり忘れてしまった。身長役2メートルのやせ型の鉄人28号、これだけでも気が抜けそうになるのだが、鉄人の開発シーンに出てくる鉄人26号や27号など小学生の工作のようなものにしか見えないのである。制作の松崎プロは58年にもっと凄い「鉄腕アトム」の実写版も作っている前科もある。当時の技術では仕方のない面もあるだろうが、お金がないなら無理するなよと肩を叩きたくなる。子供たちは喜んで見ていたのだろうか?正太郎役は当時10才の内藤正一で、彼は「快傑ハリマオ」にも登場している。他の出演者は有木三太(大塚署長)、川喜多雄二(村雨健次)、美川陽一郎(敷島博士)などである。美川はこの翌年から「七人の刑事」の小西刑事役で活躍する。この人が76年に亡くなった時、まだ58才であったのには失礼ながら驚いた(70才くらいに見えたので)。とまあ批判めいたことばかり書いているが、今見ると面白いことは面白いはずだ。いろんな意味で。