キイハンター
今回はかなりメジャーなタイトルで「キイハンター」を取り上げて見る。とは言っても放送終了から30年以上が経過しており、この番組を知らない若い世代の方もいるだろう。放送開始(68年)から二年間のモノクロ編は、私も最近CSで初めて見た。スタート時のメンバーは丹波哲郎(黒木鉄也ーGメンでもこの名前である)、野際陽子(津川啓子)、谷隼人(島竜彦)、大川栄子(谷口ユミ)、千葉真一(風間洋介)そして仲谷昇(村岡室長)というかなり豪華な顔ぶれである。ちなみに第1話では野際陽子はまだ現役の諜報部員で仲間ではなく、丹波哲郎もかなりシリアスな雰囲気であった。日本人ゲストは最終回にも登場する南原宏治と三船主任(特別機動捜査隊)こと青木義朗だけであった。注目は27,28話の沖縄ロケ編で、後のレギュラー川口浩がゲスト出演したが他にも野添ひとみ、松岡きっこも出演している。何が注目かというと察しのいい方はおわかりであろうが、千葉真一と野際陽子、谷隼人と松岡きっこ、川口浩と野添ひとみという後に結婚する三組が同時に出ていたのである。まあ後に千葉と野際は離婚し、川口と野添は共に他界し、谷・松岡夫妻のみが続いている。60話より川口浩(吹雪一郎)がメンバーに加入し「キイハンター」の6人が揃うのだが、この時期のOPにちょっと驚いた。先に紹介した順番でOPに登場するのだが、川口は仲谷の後に付け加えられた。つまりトリである。そんな大スターだったのか川口は(大映のスターではあったが)。まあカラー編では丹波→野際の三番目に落ち着いたが。92話では宮内洋(壇俊介)がテレビ初登場、村岡の部下としてそのままレギュラー入りする。この宮内が後に特撮ヒーローの代名詞的存在になるとは予想できなかったであろう。ちなみに壇俊介という名前は65年の「スパイキャッチャーJ3」の主役(川津祐介)と同じ名前である。そして104話よりもう一人の村岡の部下である中丸忠雄(小田切慎二)が登場してレギュラーが揃い、翌105話よりカラーとなり以後最終回まで続く。ちなみにモノクロ編では54話が欠番扱いとなっているが、そのタイトルは「それ行け発狂作戦」というもので大体予想はつくであろう。
江戸川乱歩シリーズ明智小五郎
もう一丁明智小五郎ものだ。この「江戸川乱歩シリーズ明智小五郎」は70年という時代もあり、原作のおどろおどろしさとサイケデリックな感じを混ぜたような作品で、現在では映像化できないようなのも結構ある。とはいっても数年前CSで全話放送されている。さて明智役は滝俊介という人で、この番組に合わせて改名したらしいが、短期間で本名の溝口舜亮に戻している。ほぼ悪役でGメン75で関屋警部捕(原田大二郎)と相撃ちになった犯人を演じた人である。小林青年(少年ではない)役は当時21才の岡田裕介。現在は東映の社長さんだったりする。若い頃はけっこうテレビで見かけたものである。他に波越警部に山田吾一、その妹亜沙子に橘ますみ、そしてめったに出ないが平井教授役に山村聰(乱歩の本名は平井太郎)という布陣であった。第1話から沢山の美女を誘拐しては殺害する蜘蛛男(伊丹十三)が登場し、一見素顔の下に気味悪い刺青を施した黄金仮面(団次郎)や、水道に毒を流し公団アパートの数千人を毒殺する男(斉藤晴彦)など凄まじい犯罪者のオンパレードである。「人間椅子」や「屋根裏の散歩者」、「一寸法師」や 「芋虫」の回も存在する。先にも書いたが当時だからできた作品だと言えよう。
怪人四十面相
続いて少年探偵団物だ。実はこの「怪人四十面相」については、先日CSで放映されるまでその存在すら知らなかった。当然といえば当然だが、まだまだ私の知らない作品があるのだなあと改めて思った。少年探偵団と書いたが一応出ているといった程度で、内容は完全に明智小五郎対四十面相であった。配役は明智に「キャプテンウルトラ」の中田博久、四十面相には「甲賀幻妖斎」の天津敏、他に梓英子、幸田宗丸、牧冬吉などが出演していた。今では悪役として定着している中田博久がキャプテンウルトラの前にもヒーローを演じていたとは知らなかった。そして天津敏、「隠密剣士」の風摩小太郎に金剛や「仮面の忍者赤影」の幻妖斎など時代劇の悪役のイメージが強いが、ここでも堂々とした貫禄のある四十面相を演じた。天津敏といえば牧冬吉。「隠密剣士」では霧の遁兵衛、「赤影」では白影、そして今回はNATOの調査員とこちらは常に正義のおじさんである。後年は悪役に転じたけれども。これらの番組の共通点といえば脚本が60年代は宣弘社で70年代は東映の特撮物を書きまくった伊上勝だ ということ。実際に天津や牧の起用を進言していたらしい。主題歌は坂本博士(ハカセではなくヒロシだろう)の歌う「冴えてる男」。いかにもこの時代らしい太い声で歌いあげる子供向け番組には適さない歌である。ところでなぜ二十面相ではなく四十面相なのだろう。原作では二十面相がパワーアップをするため四十面相を名乗りはしたが結局は定着しなかったはずだが。この番組もより強力なイメージにするために四十にしたのかもしれない。13回で終わってしまうのだけれども。
明智探偵事務所
江戸川乱歩の少年探偵団シリーズをテレビ化したものは結構あるが、この72年にNHKで放映された「明智探偵事務所」はかなり異色な作品であるといえる。何がというと「少年」ではなく「青年」探偵団が登場するところである。元々乱歩の作品は「盲獣」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「陰獣」などエログロ満載なものが多く、一応少年向けに書かれている探偵団シリーズもそういったテイストが見え隠れしている(と思う、それほど読んでいるわけではないので)。大人向けに作るのだったら、いっそのこと「青年」にしてしまえとという会議がNHKであったかどうかは知らない。さて出演だが明智小五郎には夏木陽介で野々村一平を名乗る二十面相には米倉斉加年、青年探偵団の面々には斉隠寺忠雄(小林青年)、萩原健一(タカシ)、佐藤蛾次郎(ドンキー)、高橋長英(詩人)といったところなのだが、なにしろ小学校低学年の頃に一度見ただけのでほとんど覚えていない。先日逮捕されたショーケンが出ていたことなど全く記憶にない。蛾次郎と長英は何故か妙に印象にあるのだが。内容のほうも「うらおもて心理試験」という事件について関係のある単語とない単語を告げていき、それに対して連想される語句を答えていくという原作「心理試験」を元にした話を唯一覚えているくらいである。某BBSの書きこみではOPテーマ曲はよく覚えているという人が多かったが、私もよく覚えている。確か横尾忠則の絵をバックにしていたと思うが、印象に強く残るいい曲であった。一度もCD化されていないはずだが、何とかならんものか。(あるサイトで公開されていたので30数年振りに聞けたけれども)。もちろん本編の方ももう一度見てみたいのだが、なにしろNHKの場合この辺の時代の映像は残していないことが多い。この番組も多分残っていないだろうなあ。
フラワーアクション 009ノ1
一応、石ノ森章太郎原作ということになっているが、はっきり言って全く関連性がないといえるのがこの「フラワーアクション009ノ1」である。主演は当時大人気の西野バレエ団の5人組、金井克子(24)、原田糸子(20)、由美かおる(19)、奈美悦子(19)、江美早苗(18)である。年齢は勿論当時(69年)のものである。内容は秘密情報機関「トランプ」の女たちが秘密結社などを相手に活躍するというもので、それぞれコードネームがついている。リーダーの金井はスペード、由美はハート、原田はクラブ、奈美はダイヤ、江美は後から入団したということもあり何故かモンキーである。確かに小柄でショートカットでサルっぽい感じはするけれども。他にサポート役として松山英太郎(ジャック)、そして指令を与える謎の男ジョーカーに引田天功(もちろん初代)という顔ぶれであった。13回の番組にも関わらずレギュラーが揃うことがほとんどない。はぼ毎回出ていたのは奈美と江美ぐらいで、由美にいたってはほとんど欠席であった。それにしてもこのメンバー、若くして亡くなった人が多い。まず引田天功、当時は決死の大脱出やらマジックやらで人気を博したが病に倒れ45才で逝ってしまった。弟子であった手品をしながら歌う歌手朝風まりが、いまや世界のプリンセステンコーになろうとは誰が予想したであろう。ちなみに80年代のアイドル少女隊に途中加入した引田とも子は忘れ形見である。松山英太郎もホームドラマや時代劇で活躍していたが46才でこの世を去った。そして江美早苗、復縁を迫った前夫に殺害されるという非業の最期をとげる。36才であった。原田糸子は60年代後半は大活躍であったが、結婚してきっぱりと引退した。私あたりでも彼女の活躍をほとんど知らない。金井克子は専ら歌手として活動し「他人の関係」という大ヒット曲を飛ばした。最近は見かけることはあまりない。もう還暦だし。こう考えるといまだに活躍している由美かおると奈美悦子は大したものである。ところでフラワーアクションって何だ?
コードナンバー108 七人のリブ
「スーパーガール」より遡ること三年(76年)、やはり女性七人組によるアクションドラマが存在した。それがこの「七人のリブ」である。制作が「月光仮面」「隠密剣士」など子供向けドラマばかり作っていた宣弘社である。「プレイガール」のようなドラマをと意気込んでスタートしたらしいが13話で終了となってしまった。ストーリーは国際秘密捜査機関日本支部七人の活躍を描くと言った感じで、主演は野際陽子で、メンバーに牧れいもいることから、どうしても「スーパーガール」と混同してしまう。まあこの「七人のリブ」を知っている人はあまりいないと思うが。他のメンバーに前田美波里にジュディ・オングのベテラン勢、よくわからないが毬杏奴(まりあんぬと読む、勿論真理アンヌとは別人である)にミッチー・ラブ、そして「高校教師(加山雄三版)」や東映のスケ番ものなどで活躍していた山内恵美子という顔ぶれである。個人的には山内目当てだったが、このメンバーの中ではあまり目だっていなかったような気がする。主題歌を歌っていたのはその「高校教師」と同じ夏木マリであった。いい歌なのだがタイトルがわからんし、CD化もされていないと思われる。この番組も本放送以来お目にかかっていないので、内容など覚えていないが最終回のみ記憶がある。二人の殺し屋(浜田晃、萩原紀)にメンバーが命を狙われ竜子(毬杏奴)が殺される。復讐に燃えるリブたちは彼らと対決し、見事討ち果たすといったようなストーリーであったと思う。是非もう一度みてみたいのだが、版権元不明のためCSでも放映できないのだそうだ。放映されない番組にはこういった事情も存在する。なんとかならないものか。
ミラクルガール
「スーパーガール」の後番組がこの「ミラクルガール」である。女7人のレギュラーというのは一緒なのだが、前者は全52回に対しこちらは19回で打ち切られている。その理由というのが出演者同士の仲が悪かったからだと言われている。主演は当時30才の「かげろうお銀」こと由美かおるで、他のメンバーは「Gメン75」「鳩子の海」の藤田美保子、すでにベテランといった感じの伊佐山ひろ子、「スーパーガール」から続けて出演の日向明子と樹れい子、「シュークリーム」というグループ出身で「傷だらけの天使」のホーン・ユキ、そしてモデル出身のナンシー・チェニーという面々で、前作の谷幹一のポジションには岡田真澄がついた。本放送以来約25年見ていないので(CSでも未放映)、内容はほとんど覚えていないが、お色気度は抑え目だったような印象がある。この番組で一番の出来事といえば、まずわずか4話にて見るからに我侭そうな伊佐山が降板、そして実は由美かおると同い年のホーンも13話にて降板と詳細は不明だが前述の噂は本当だったらしい。後任は「天使のはらわた」など当時はポルノ路線に出演していた水原ゆう紀、JAC出身の新人・藤枝亜弥とどちらも中々の美形であった。しかし14話から登場の藤枝などはわずか6回で番組が終了と気の毒であった。まもなく芸能界を去ったようだし。まあどんな世界でもチームワークというのは重要なのだということを身をもって教えてくれた番組だったといえよう。
ザ・スーパーガール
「プレイガール」の後継作品といえるのがこの「スーパーガール」で、前者が保険調査員だったのに対してこちらはズバリ探偵である。女ばかり7人の「スーパーガール7探偵事務所」の活躍を描く。メンバーの前職はほとんどが婦警さんという設定であり、リーダーの広瀬悠子に「キイハンター」の野際陽子。他のメンバーに元田淵婦人のジャネット八田、「どうにもとまらない」「困ちゃうな」の山本リンダ、特撮系アクション女優の牧れい、何故か中年料理人の結城貢(オールナイトフジとかに出ていたおっさん)と結婚した泉じゅん、当時のグラビア系アイドル樹れい子、田中なおみといった面々である。「プレイガール」のようにメンバーのほとんどがお色気だのパンチラだのを披露できるわけではなく、その辺はほぼ泉じゅんと樹れい子が担当していた。特に樹の人気は大きく内容も彼女が主役の話が一番多かった。ちなみに25話でリンダは転職、26話でジャネットは殉職し、「美しきチャレンジャー」の新藤恵美とロマンポルノで活躍していた日向明子が加入した。あと男性唯一のレギュラー駒田警部を月光仮面にも出ていた浅草芸人・谷幹一が演じた。それにしても樹、牧、泉、田中と若きメンバーが芸能界を退いた中、最年長の野際はいまだに大活躍しているのだからたいしたものである。
ワン・ツウ・アタック
バーレーボールの実写物といえば「サインはV」が超有名だが、その少し後に作られたこちらは超マイナーだ。続編の「レッツゴー・ミュンヘン」と合わせてどうしても二番煎じ感が拭えない。しかも続編の方には「サインはV」にも登場した中山麻里(三田村邦彦の元妻)が登場するし。さて、こちらのヒロインを演じたのは太田黒久美で、「飛び出せ青春」で石橋正次が登場する回のみ登場する女生徒・生田みどり役が有名である。当時すでに24才くらいだったらしいがあまり違和感はなかった。まあ近藤正臣なんか30近くなっても普通に高校生演じていたし。でコーチの役を演じたのが竜崎勝で、三代目の「食いしん坊万歳」である。44才の若さでこの世を去っているが、その忘れ形見が現 在フジテレビの人気アナウンサーである高島彩である。
緊急指令10-4・10-10
円谷プロでもマイナーな作品というのは結構ある。まあこれもタイトルからしてマイナーモード満載な作品だ。10-4は無線用語で「了解」、10-10は「通信終わり」というような意味である。つまりアマチュア無線が話の軸ななっているという、携帯電話全盛の現在ではまず成立しない番組である。主役は電波特捜隊の面々、そのリーダーが先にも書いた「忍者部隊月光」こと水木襄である。他には水木同様に東映ニューフェース出身の「キカイダー01」こと池田駿介、当時アクション女優といえばこの人「レッドバロン」「スーパーガール」の牧れい、そして特捜隊の顧問毛利教授には「時には娼婦のように」の黒沢年男といったメンバーであった。あとやはり五郎というガキの隊員がいて、後半から役者が替わった。普通の少年が小太り少年になり、しかも演技のヘタなこと。どういう基準で選んだのか謎である。さて内容は怪獣もあれば宇宙人もあり、謎の生物から何も出ない回までバラエティに富んでいる。中でも印象深いのはやはり17話の巨大ネズミと18話の巨大ナメクジである。17話では牧れいの目の前で友人の女性(「飛び出せ青春」の女生徒役であった相原ふさ子)が地中に引きずりこまれ、結局白骨死体で発見される。18話では幼い少女が行方不明になり、連れて行った知り合いの男(東野英心)が当然疑われる。そんな時に現れた巨大ナメクジ、何故かナメクジの前に立ちはだかり倒そうと頑張る英心。つまり少女はナメクジに食われてしまっていたのたった。この手の番組では子供というものは都合よく助かるようになっているものだが、それだけに衝撃的であった。そうかと思えば、最終回は不良少女を更正させる話だったりするのだから、指針のわからん番組であった。