お宝映画・番組私的見聞録 -266ページ目
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秘密指令883

川口浩の話題がでたところで「秘密指令883」である。CSで放送されるまで、その存在すら知らなかった番組である。川口演じるチーフが速水四郎なので、883書いてハヤミと読むらしい。らしいと書いたのは、何回か予告がついていたが、そこでは大平透の渋い声で「秘密指令ハチハチサン」と言っているのである。ハヤミでいいのか?さて物語は警視庁に属する5人の秘密捜査官の活躍を描く。川口の他、特捜最前線のお馴染みの本郷功次郎(野津)、正義役は珍しい山下洵一郎(白戸)、昔から全然外見の変わらない新克利(神坂)、そしてあんた誰?の力石勝彦(蒲生)でメンバーは構成される。チーフの川口も当時はまだ30を越えたばかり、本郷はその1つ下、山下,新もほぼ同世代で、かなり若いメンバーであった。力石は劇中では大学を卒業したばかりという設定であったが、だいたいそれぐらいの年齢であったと思われる。おそれく新人で芝居も下手であったが、これ以外に出演作品は見当たらない謎の人である。キャストでよく見かけたのが篠田三郎の名前。まだ売れる前でよく見ていないと気づかない。私も気づかなかった。ところで新克利の新は1しん・2あらた・3あたらし、何と読むのが正しいでしょう。答えは3、みんな以外と知らないのではないだろうか。CSの番組紹介では「あらた」といわれていたし。

シークレット部隊

7年間に及ぶ「ザ・ガードマン」終了の後をうけて盛大に?始まり、ひっそりと半年で終わったのが「シークレット部隊」である。私のいた地域では一度も再放送されず、こないだCSで30数年ぶりに見た。わずかに記憶にあったオープニングの聞いていて恥ずかしくなるようなナレーション。「大都会は犯罪のジャングル(俺たちは戦うぞ!)」「どこから来た(それは言えない!)」「お前たちが死んでも(誰も泣かない)」というような感じなのだが、10話程度でそのナレーションが消えるのである。やっぱり滑稽に感じたのだろうか。出演はガードマンから引き続いて宇津井健、藤巻潤、中条静夫。そして松方弟目黒祐樹に長門弟津川雅彦、大門正明、浩弟川口厚、これがデビューの三浦友和、社長に北村和夫といった面々である。彼らはチェックマンと呼ばれる保険の調査員なのである。ちなみに稲葉義男、倉石功は刑事、神山繁は新聞記者として2.3回ずつ登場する(川津祐介は出ない)。第1話はゲストも豪華で岡田真澄、中尾彬、岸部シロー、なぜかお笑いなしの悪役で萩本欽一と気合が入っていた。宇津井はやはり(ガードマンでもそうだったが)元刑事で、第1話で稲葉義男が「元警視庁刑事の大和キャプテンも部下がこんなのじゃ大変でしょう」という物凄い説明ゼリフがある。三浦友和は当時20才で、一人だけ苗字で呼ばれない念蔵という妙な名前の見習いチェックマン役であった。話しの内容は職業が変わっただけで「ガードマン」とたいして代わりはなかった。でも保険調査員っていうのはプレイガールと一緒である。ところで三浦ともども半人前扱いであった川口4兄弟の末っ子厚だが、俳優活動時期は短く、「アイフル大作戦」「バーディ大作戦」などの後まもなく引退している。78年に次兄・恒、姉・晶ともども大麻で逮捕されているが、その時の肩書きは三浦友和のマネージャーだったそうである。みんなこれをきっかけに芸能界から消えてしまった。一人頑張った浩も若くして亡くなった。それにしても正統派二枚目の浩にニヒル顔の恒、色黒の晶に童顔の厚と似てない兄弟だったと思う。

ゴールド・アイ

このドラマについて知っている人はそうそういないと思うが、かく言う私も25年くらい前の再放送で一度見たっきりである。スカパーでも放映されていないので(自分が加入してからは)、内容は全く覚えていない。ただ「ゴールド・アイ」とは犯罪組織に立ち向かう集団の暗号名であるということと、その出演者についてはよく覚えている。今考えると妙に豪華なキャストなのである。リーダーの香川にあの芥川龍之介の長男である芥川比呂志。専ら舞台や映画の人でテレビはあまり出ていない人だったと思う。サブリーダーに車先生こと高松英郎、映画「吸血鬼ゴケミドロ」では主役だった吉田輝雄、Gメンの立花警部こと若林豪、一番若手であった柴俊夫(当時は柴本俊夫)、霞のお新こと宮園純子、仁科明子の姉岩井友見の7人でスタートした。半年の番組だし、これで十分と思うのだが、なぜか中盤から次々にメンバーが増員された。渡哲也の弟渡瀬恒彦、千葉真一の弟千葉治郎、そして仮面ライダー直前の藤岡弘。仮面ライダーで活躍することになる藤岡と千葉がくしくも同し回から登場したのである。なんと藤岡にほうが軽い感じの役だったと記憶している。女性メンバーも小山ルミが加入。後半はこれら新メンバーと若林、吉田あたりの活躍が目立つようになった。これに伴い芥川はナレーションのみの登場となり、柴や岩井は登場しなくなったと記憶している。キャストの役名は役者の名前にちなんでおり若林豪は豪力也、藤岡弘は藤弘、千葉治郎は村山治郎、渡瀬恒彦はそのまま渡瀬であった(他のメンバーは忘れた)。もう一度見てみたいドラマのひとつである。

白い牙

「白い牙」とは藤岡弘主演のハードボイルドアクションドラマである。なぜこのドラマを取り上げたかというと、2回前に話題にした「ザ・ガードマン」の藤巻潤、川津祐介のコンビが藤岡の相棒として登場するからである。元刑事の有光(藤岡)が、事件屋として佐竹(川津)、矢野(藤巻)、大沼(ジェリー藤尾)らと悪に立ち向かう。もちろん藤岡がリーダー的存在なのだが、当時は28才。川津、藤巻のガードマンコンビは40才直前、ジェリーも34才で藤岡が一番年下なのだが妙に貫禄があった。恋人役で登場するのが鳥居恵子で、これがきっかけで藤岡と結婚することになる(後に離婚したけれども)。元同僚の吉川刑事役で仮面ライダーアマゾンこと岡崎徹も初期の4,5回のみ登場している。藤岡といえば、仮面ライダーの撮影中にバイクで転倒して、大怪我をおいながら一年たらずで復帰したことは有名だが、岡崎もバイクの事故で怪我をおったそうである。しかし復帰はせずそのまま引退し、現在は行方がわからないということである。さて番組のほうだが、ラストの三話は壮絶であった。25話で恋人の京子(鳥居)を目の前で殺され、有光は犯人の二人を追っかけて殺してしまう。最終回では大沼と佐竹があっさりと敵の手に落ち殺害される。復讐に燃える有光は一味を殺しまくり、最終的には元上司の草壁(佐藤慶)に逮捕されて終了する。ところで10年ほど前から藤岡弘は正しくは「藤岡弘、」と書くのが正しいのだそうだ。自分はまだ完成していないという意味で「。」ではなく「、」なのだという。やっぱりちょっと変だよなあ。

非情のライセンス

50ー60年代の新東宝において宇津井健と並ぶスターといえば天知茂である。新東宝といえばエログロと言われていたが、天知もその手の映画には沢山出ている(私自身は数本しか見ていないけれども)。宇津井といえば「ザ・ガードマン」、天知といえば「非情のライセンス」である。いつも眉間にしわを寄せた特捜部・会田刑事の活躍を描いた渋いドラマであり、第3シリーズまで制作された。会田の単独出演の回も多いのだが、特捜部の同僚たちがまた渋い。部長の矢部警視(山村聡)を筆頭にベテラン吉田(多々良純)、たまにしか登場しない四方(葉山良二)、普通っぽい鈴木(梅津栄)、どう見ても悪人顔の坂井(宮口二朗)、ほとんど外にでない岩田(岩城力也)といった面々である。主役の天知が当時(73年)42才で、葉山、梅津はほぼ同世代。多々良、岩城は50代後半,山村は60を越えており、実社会なら停年だったりする。唯一の30代がゾル大佐こと宮口で、彼は天知とは師弟関係にあったそうだ。岩城はその名前の印象とは裏腹にやせこけたオジサンといった感じだが、東映ピラニア軍団の一員でもあった。とまあ専ら悪役で名のあるメンバーが揃っていたのである。近年の刑事ドラマはメンバーの半分が20代のイケメンの若手といったことも多く、いまいち物足りなさを感じてしまう。左とん平は第1シリーズでは竜巻太郎という妙な名前のクリーニング屋であったが、最終話で殺されてしまう。しかし、第2シリーズで右田刑事として復活するが、殉職してしまう。しかし第3シリーズでは浦川刑事として復活と、まさに左とん平は3度死ぬといった感じである。だったら最初から殺すなよとつっこみを入れたくなってしまう。

ザ・ガードマン

テレビ放送がスタートした65年に「東京用心棒」翌年に「東京忍者部隊」と「ザ・ガードマン」の映画版は製作されている。スタート時から、かなりの人気を得ていたようである。テレビシリーズと同じなのは、高倉(宇津井健)、清水(藤巻潤)、杉井(倉石功)、小森(中条静夫)、吉田(稲葉義男)の5人で荒木(川津祐介)は2本とも登場しない。そして榊(神山繁)は44話で警視庁の警部から転職してきたこともあり、やはり登場しない。テレビ版では、わずか四回しか登場しなかった三原本部長(清水将夫)だが、映画では早川雄三が同じ役名で登場する。「東京忍者部隊」では、この映画だけのメンバー並川(長谷川明男)と牧(小笠原良智)が登場し、実質主役の活躍をする。やはり本家メンバーはテレビシリーズもあり忙しかったのであろうか。この映画において並川と牧はその名前を一度も呼ばれなかった気がする。(役名は資料で調べた)川津祐介はガードマンと同じ65年にスタートした「スパイキャチャーJ3」の主役になったこともあり、2クールあたりから欠席が多くなる。それに加えてガードマンの撮影中に大怪我をして約2年間休むことになったと後年本人が告白している。元々欠席が多かったのが幸いしたのか、このことは明かにならなかったらしい。反対に宇津井健はテレビシリーズ350本一回も休まず出たということである。さすが主役だ。現在スカパーで自分が見ている限りでは中条静夫も皆勤賞である(と思う)。ちなみに最初の半年くらいは眼鏡をかけていなかったので、らしくない感じがする。子供の頃見ていてとても違和感を感じたのが、約一回りは年下であろう高倉に「吉田君」と呼ばれる稲葉義男である。あの「七人の侍」でその一人五郎兵衛を演じながら黒澤組に入れず(入らなかったのかもしれないが)お茶の間にはあまり浸透していなかったようだ。その「七人の侍」で宇津井は仲代達矢と共に「街を歩く侍」の役(要するにエキストラ)で出たそうである。宇津井が新東宝のスターになるのは、その少し後の話しである。

にっぽん親不孝時代

このタイトルを見てスパイダースの映画だとわかる人はかなりの通である。昨日に引き続いてスパイダースの話題だが、昨日書いた4作はいずれもタイトルに「ザ・スパイダースの…」と付くのだが、この作品はついていない。何が違うにかと言えば、彼らはこの映画の中ではスパイダースではないというところであろう。たとえば、主役である堺正章には杉本邦雄なる役名がついていたりする。5人組だったバンドに風来坊の二人(かまやつ、田辺)が加わり7人組になるのである。だから劇中では、堺がドラムを叩き、井上順がギターを弾いていたりする(本当に演奏しているかどうかは知らない)。この作品には堺の父である堺駿二も出演しているが、役柄が井上順の父親なのでややこしい。さて、スパイダースの話ばかりも何なので、ザ・タイガースについてもふれておこう。主演映画は上記の作品と同じ68年に「華やかなる招待」と「世界はボクらを待っている」の2本が公開されている。やはり主役はジュリーこと沢田研二であるが、この頃はまだアイドル演技であった。いまや名優である岸部一徳も、自己破産の人といわれる弟岸部四郎(この時点ではいないが)もアイドルだったのである。また森本太郎は何故か新田洋名義でタイガーマスクの歌を歌ったりしていた。「助け人走る」の主題歌(望郷の旅by森本太郎とスーパースター)と聞き比べると同じ声なのがわかる。しかし岸部一徳の当時の愛称はサリーだったが、恥ずかしくなかったのであろうか。


三年を経た昨日(08年6月)、間違いを指摘された。新田洋は森本太郎ではなく、敏いとうとハッピー&ブルーのボーカルだった森本英世でした。間違えて覚えていたこともあるが、上記のとおり、新田洋の「タイガーマスク」と森本太郎とスーパースターの「望郷の旅」の歌声があまりにも似ている(あくまで自分が聴いた限りでだが)こともあり、新田洋=森本太郎の図式を成立させていました。よく考えると「望郷の旅」のメインボーカルが森本太郎かどうかは不明だったのだけれども。とにかくここに訂正します。

ザ・スパイダースの映画

年末にスカパーで、GS映画特集が組まれていたが、中でもスパイダースは「ゴーゴー向う見ず作戦」「大進撃」「大騒動」「バリ島珍道中」の4本が放送された。スパイダースについて詳しいことは検索してもらえれば、わかると思うので簡単に言うとリーダーの田辺昭知(現田辺エージェンシー社長)を中心に堺正章、井上順、かまやつひろし(この三人は説明不要でしょう)、井上尭之、大野克夫(いずれも作曲家)、そして加藤充の7人組である。つまり加藤以外の6人が解散から30年を経た今でも芸能・音楽分野で活躍している稀有なグループなのだ。堺、井上順と他のメンバーとは平均7,8才の開きがあり、この当時(67~68年)二人以外は30才前後であった。映画でも中心になるのは、やはりメインボーカルでもある堺と井上順であり、かまやつと田辺がそれに続くという感じである。そして一番目立たないのは加藤であった。ちなみに「向う見ず作戦」と「大進撃」は倉本聡が脚本に参加している。「大進撃」と「バリ島珍道中」は構成が似ており、いずれもスパイダースがふとしたことから謎の組織に狙われるというものである。中でも「バリ島珍道中」はアンプの中にプルトニウムが隠されて、それに気づいたスパイダースはそれをバリ島に埋めてしまうというとんでもない話しである。

新幹線大爆破

何度も見ているが、やはり面白い作品である。見所はなんといっても、宇津井健をはじめ東映映画には、珍しい顔ぶれが大挙してでているところであろう。主演の高倉健や千葉真一はバリバリの東映人だが、前述の宇津井(新東宝→大映)や山本圭(松竹?)や竜雷太(東宝)など、東映映画ではあまりお目にかかれない。東映の役者というのは、古くは片岡千恵蔵から松方弘樹、梅宮辰夫、今回の高倉健と正義役でもどこか悪人顔というかやくざ顔である。スーパージャイアンツであり、ザ・ガードマンである宇津井がいかに正義顔であるかがよくわかる映画だといえる。それにしても犯人グループの一人である織田あきらは当時は主役級の活躍をしていたのに、80年代に入るとプッツリと消えてしまった感がある。どこへいったのやら。
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