お宝映画・番組私的見聞録 -263ページ目

女子高校生殺人事件

74年、「火曜日の女」シリーズは土曜日に放送時間が移行したので、自動的に「土曜日の女」となった。その第一弾が「女子高校生殺人事件」である。原作は小峰元の「アルキメデスは手を汚さない」であるが、「女子校生」というタイトルの方が見てみたいと思うだろう。主演は教師役の山口果林なのだが、何といっても秋吉久美子である。第1話で殺される役にもかかわらず、強烈な印象を残した。おそらく、この作品が彼女の出世作といえる。そういえば、この前年「太陽にほえろ」に松田優作(ジーパン)が登場した回でも、連続射殺魔に殺される役であった。それを考えるとたいした出世である。他の出演者だが、生徒役では「二人の事件簿」の高岡健二、「新七人の刑事」の中島久之、「飛び出せ青春」の青木英美、そして沢田勝美(テロップには名前がないので他の名前にしていたのかもしれない)、出世する前の中田喜子、浜田雅功と間違いそうな菅野直行などである。菅野は確かアニメ「わんぱく探偵団」(69年)で、主役の小林少年の声をやっていたと記憶している。OPの主題歌を歌う堀光一路は主にCMソングなどを歌っているが、やはり「サンボット3」の歌が印象深い。青木英美は延命亜由美という意味ありげな名前の役だが、たいして意味はない。さて連続殺人の犯人だが、生徒の母親が絡んでくる。あれ、そういえば先にあげた「クラスメート」もそのパターンだったような。

あの子が死んだ朝

今回も「火曜日の女」シリーズから「あの子が死んだ朝」(72年)を取り上げる。実はこの作品については、当時に見たわけではなく、数年前にCSで初めて見た。簡単にストーリーを言うと、6人組の若者たちが暴力団出入りのマンションからマリファナを奪って逃走、その最中に誰かが出くわした中学生を突き飛ばす。6人はとりあえず、その中の1人篠塚卓也(水谷豊)の家に逃げ込む。父は出張中で母・志津子(加藤治子)だけがいた。やがて突き飛ばされた中学生が死亡したことがわかり、6人は警察と暴力団の両方から追われることになり篠塚家を出るに出られなくなる。彼らも誰がやったのか知らず(本人以外は)、志津子も卓也がやったのかもしれないと思うと彼らを追い出すことは出来なかった。という具合で中々面白い展開なのである。さて出演だが、若者たちのリーダー格にはまたしても登場の沖田駿一、紅一点の麻衣ルリ子、ベテラン子役の二瓶康一こと火野正平、純朴少年といった感じの杉山光宏、そしてもう一人クールで得体の知れない男(誰だか忘れてしまった)。他には緑魔子、テレサ野田、そして刑事役には高城丈二といった面々である。 その後の展開だが、篠塚家を脱出した二瓶は暴力団に殺されるし、篠塚家に進入してきた組員を拘束するも何者かによって殺害されたりと緊迫の場面が続く。ちなみに二瓶が「火野正平」となるのは翌73年の大河ドラマ「国盗り物語」で秀吉を演じてからである。名づけ親は池波正太郎だそうである。しかし加藤治子はやはり人妻というよりは母親という感じなので、彼らもヘンな気を起こすことはない。そういう要素があったほうがもっと面白くなったこもと個人的には思ったが、タイトルからして、より母親なほうが重要なのだろう。「あの子」というのは死んだ中学生のことではないようだし。実は最終回はそれほどしっかりとは見ていないのだ。ビデオで確認したいのだが、どこにあるのやら。

いとこ同志

今回も「火曜日の女」シリーズだが、自分が一番好きだったのが、この「いとこ同志」(72年)である。これは横溝正史の「三ツ首塔」を金田一耕助(あるいは類する探偵)を抜きにしてドラマ化したものだ。このシリーズでは他にも「犬神家の一族」を「蒼いけものたち」、「悪魔の手毬歌」を「おんな友だち」というタイトルで、それぞれドラマ化しているのだが、タイトルだけ聞いても横溝物だとはとても思えない。さて「いとこ同志」だが、簡単に言えば遺産相続物だ。その権利を持つのがヒロインの百合(島田陽子)といとこたち(悠木千帆、春川ますみ、根岸明美、原良子、可愛和美)で、それぞれに男がついている。百合なら育ての親上野教授(仲谷昇)、他は夫、つばめ、マネージャーといろいろである(穂積隆信、水谷豊、柳瀬志郎、鶴賀二郎、草野大悟)。ちなみに悠木千帆は現在の樹木希林で、可愛和美は近年自殺してしまった可愛かずみとは勿論別人である。ドラマ内ではアイドル歌手の役だが、確か「シャム猫とのら犬」という実際にヒット曲のある人だったと思う。そしてもう一人、百合の前に現れる謎の無礼な青年次郎に一文字隼人こと佐々木剛。島田と佐々木の「仮面ライダー」コンビが活躍するのだ(島田陽子も半年間出演していた)。まあ原作もそうなのだが、このドラマとにかく人が死ぬ。わずか6回で9人、1回平均1.5人である。死なないのは島田、佐々木コンビは当然として樹木希林と穂積隆信くらいで、犯人は自殺する。百合を守るためとか言いながら、どんどん百合が犯人と疑われるような状況を作っていくのである(誰が犯人かバレバレだな)。それにしても島田陽子は当時19才で透き通るような美人であった。自分的にはこの時が一番輝いていたように思う。

クラスメートー高校生ブルースー

60年代終わりから70年代にかけて「火曜日の女」シリーズという(途中から土曜日に移行)、平均6,7回のサスペンスドラマシリーズがあったが、その中から「クラスメートー高校生ブルースー」(71年)を取り上げる。ちょうど今CSでやっているのだが、私自身は小学生ながらに見た記憶がある。OP曲が好きでカセットテープに録ったりしていた。主演の新任教師洋子には元錦野旦夫人の武原英子で、以前にも書いたが50才の若さで他界している。他の出演者も結構豪華で、事件を追う刑事役に新克利、同僚教師に「怪奇大作戦」の勝呂誉、そして老けた高校生たち。4人の不良グループには前項でもふれた沖田駿一(花村)、説明不要の沖雅也(河合)、「図々しい奴」で丸井太郎の少年時代を演じた岩上正宏(加東)、よく知らん鎌田英男(山県)、委員長役に「レインボーマン」の水谷邦久(日野)、山県の彼女に「ミラーマン」に出ていた沢井孝子(金沢)、そして神経質ながり勉男に三十近い高校生で同じみの近藤正臣(矢吹)、他にも赤塚真人など中々のクラスである。洋子を学校に呼び寄せ第一話で殺害される教師には田村三兄弟の長兄・高広で、沖、新、近藤と後に「必殺シリーズ」で活躍する面々も多い。沖と新は洋子を取り合うような関係になるのだが、後に二人は「必殺仕置屋稼業」で共演することになる。やはり殺される岩上の役名は加東勝であり、加藤優だったら「金八先生」と同じである。どうでもいいことだが。この作品は近藤の出世作とどこかで言っていたが、すでに結構活躍していたと思うのだが、どうだったであろうか。ちなみに犯人はこの中にいる。

あしたに駈けろ!

前作の「青春をつっ走れ!」が18話で打ち切られたため、急遽穴埋めにつくられたのがこの「あしたに駈けろ!」である。そのためたった8回である。普通こういう時は全く違った番組をつくりそうなものだが、そのまま森田健作主演の学園青春ドラマである。部活がラグビー部になり、森田はもちろん主将で、一段と堅物になっている。生徒役も一段と老けた感じのメンバーで、「ミラーマン」こと石田信之、「火曜日の女」シリーズとかでよく不良高校生(そうは見えないが)をやっていた沖田駿一、「ウルトラマンA]の山中隊員といったほうがわかりやすいかも。いつもエリートっぽい役だが今回は万年補欠という役、「ウルトラマンタロウ」の篠田三郎。川口4兄弟の末弟、「アイフル大作戦」の川口厚。「ハレンチ学園」のヒロイン、今回は振られマネージャー役の児島美ゆき。そしてヒロイン役がもと藤岡弘夫人である鳥居恵子といった面々である。回数が少なくても事件は多い。石田信之は暴力事件を起こし、退学して復学したり、篠田三郎は恋人(五十嵐淳子)と心中をはかったり、鳥居恵子は家出したり、川口厚は児島美ゆきに結婚を迫り、振られて退学(退学するのは家庭の事情)、その児島は最終話に森田に告白するも、森田はマネージャーの彼女を首にしてしまう。そして児島は家出、最終的には森田に「今はまだ待とう」などと説得される。ようするに「今は恋愛にうつつをぬかしている場合ではない」というイヤな主人公だったのである。とまあ8回にしては、家出したり、退学したりの忙しい番組であった。

青春をつっ走れ!

青春の巨匠といわれる森田健作だが、大ヒットしたドラマというのは「おれは男だ!」だけではないだろうか。実際、日本テレビからフジに移って作られた「青春をつっ走れ!」(72年)は18回で打ち切りとなっている。次番組の「あしたに駆けろ」がわずか8回と明らかに穴埋めで作られているくらいだ。スポーツは森田得意の剣道ではなくバレーボールである。出演者は結構豪華である。「おれは男だ」にも出ていた笠智衆、ヒロイン役には「アテンションプリーズ」の紀比呂子、コーチ役には「ウルトラセブン」の森次浩司、教師役に財津一郎、生徒役には「ハレンチ学園」の小林文彦、「おれは男だ」にも出ていた鍋谷孝喜、後の「仮面ライダーX」である速水亮(当時は三崎玲資)、悪役面ではないと思うが「西部警察」にはよく悪役出ていた沢田勝美、「魔人ハンターミツルギ」の林由里、そしてフォーリーブスやデビューまもない郷ひろみなども出たりしていたのである。打ち切りの要因だが、やはり森田健作は何をやっても森田健作なので同じような番組になってしまうからではないだろうか。はっきりいって内容も二番煎じだし、当然の結果だったのかも知れない。それにしてもこの番組のタイトル、CSで放映されるまでなかなか思いだせなかった。妙に印象に残らないのである。私だけかもしれんが。

炎の青春

「青春とはなんだ」「これが青春だ」「飛び出せ青春」などを生み出した東宝の青春教師シリーズで、最も短命に終わったのがこの「炎の青春」(69年)である。わずか10回で打ち切りとなっている。この番組については、自分では見たことがあるのかないのかわからないのである。それらしい番組のOPを見た記憶があるのだが(もちろん再放送)、やはり短命で終わった「進め青春」だったかもしれない。どっちにしろまともには見たことがない。主演は当時まだ早稲田の学生だった東山敬司で、彼がヘタ過ぎたので打ち切りになったという説もあるくらいだから、まあヘタだったのだろう。ちなみに役名は猪木豪太郎というリアル感のない名前であった。舞台となるのはドラマでは珍しいバスケット部で、漫画(アニメ)の「スラムダンク」がヒットする以前ではほとんどないと思われる。ヒロイン教師には坂本九未亡人である柏木由紀子、女子バスケット部のキャプテンに「金メダルのターン」では主役になる梅田智子、ガリ勉生徒に水谷豊、そしてこのシリーズ5つの番組で生徒役を演じる剛達人(当時・中沢治夫)、他にも教頭役に平田昭彦、同僚に「七人の刑事」の佐藤英夫など脇はいい役者で固められていた。ところで主演の東山は東宝ではかなり期待していた新人だったのだが、70年代半ばには姿を消している。熱血教師青春ドラマは72年の「飛び出せ青春」まで休止となるのであった。

青い太陽

今回も「太陽」シリーズで、自分はOPしか見たことがない68年の「青い太陽」を取り上げる。舞台は高校ではなく中学で、オリンピックを目指す和世、洋子、恵子の三人の女子水泳部員が主役である。ヒロインの和世には、今や大御所の歌手である小林幸子が扮している。当時彼女は15才、東映児童演劇研究所に所属していた。洋子役の関みどりは「少年ケニヤ」でヒロインのケイトを演じていた。そして恵子役の岡田由紀子は、もちろん自殺した岡田有希子とは別人である。60,70年代に活躍した女優で、「木枯し紋次郎」での悲惨な娘さんの役が個人的には印象に残っている。大店のお嬢さんだが、暴漢二人に襲われているところを紋次郎に見ぬふりをされ、最後は撃ち殺されてしまうという可哀想すぎる役だった。他の出演者は根上淳、渡辺篤史などで、風間杜夫なども本名の住田知仁で出ていたらしい。OPは男女五人のスチール写真なのだが、ヒロインの三人と今も昔も変わらない渡辺篤史、そしてもう一人が伊藤雄之助の息子である伊藤高である。制服姿なので中学生の役らしい。渡辺も伊藤も二十才くらいのはずだが。それにしてもどこか父親ゆずりの凶悪な顔の伊藤高にさわやかな笑顔は似合わない。番組タイトルと同名の主題歌を歌うのはGSのクーガーズで、キュロットスカート姿で歌わされていたグループ(男6人組)である。小林幸子も同名の歌を歌っているが、未聴なので同じ曲かどうかはわからない。しかし水泳部が舞台ということは、やはり水着姿にはなったんだろうなあ。

太陽野郎

「太陽のあいつ」「太陽の恋人」とタイトルに「太陽」がつくものをたて続けに取り上げたので、もう一つ「太陽野郎」(67年)を取り上げてみる。とはいっても例によって未見なので、数少ない情報から総合すると、一言でいえば和製ウエスタンとでも言うのだろうか。牧場を舞台にした青春活劇である。主演は「青春とはなんだ」の熱血教師役で人気を得た夏木陽介で、他の主演者は北原真紀(よく知らない)、水島道太郎、有島一郎、菅井きんなどのベテラン勢、夏木同様に東宝の出身で共演の多い藤木悠(そういえば東映の「Gメン75」でも共演していた)、この時代の代表的な青年といった感じの工藤堅太郎、これがデビューになる地井武男、そして宮内恵子、といっても知らないも多いと思うが後の「牧れい」である。撮影は前半は函館付近で長期ロケを行い、後半は御殿場で撮影したそうである。主題歌を歌うのは寺内タケシ率いるバニーズで、以前書いたとおり大石吾郎も一時期在籍していたグループであり、時代を感じるテケテケサウンドが小気味よい。脚本には倉本聡が参加しており、北海道ロケの時はとにかく地元民にいろいろ取材していたらしい。この時倉本はいずれ北海道に住もうと思った、のかもしれない。

太陽の恋人

今回は梶原一騎原作の青春ドラマである。少年チャンピオンに連載されていた「朝日の恋人」が、「太陽の恋人」としてドラマ化(71年)された。しかも主演は同じ梶原原作の「柔道一直線」コンビである桜木健一と吉沢京子である。簡単にいえば桜木演じる坂本征二と吉沢演じる天地真理の恋愛大河ドラマである。大河といっても1クールの放映であったが。まもなくデビューするアイドル歌手・天地真理の名はこのヒロインの名をもらったものである。逆に坂本征二というのは俳優・坂口憲二の父、プロレスラーの征二からいただいたものであろう。桜木といえば主演の「柔道一直線」や「刑事くん」で自ら主題歌を歌っていたが、ここでも主題歌を熱唱している。いかにも70年代な女性コーラスが印象に残る名曲である。ちなみにマンガのほうも「太陽の恋人」に改題され、最終的には「夕日の恋人」に改題という、「スペトルマン」同様の3弾変化であった。テレビの方のタイトルが「太陽」になったのは、おそらく放送局がらみと思われる。NET(現在のテレビ朝日)系で放映されたのだが、当時朝日放送の番組はTBS系で放送されていたことから改題されたのでは、という話を聞いたような気がする。(事実かどうかは不明である)。まあ75年に「腸捻転」などと言われたネット編成の変更があり、朝日放送はNET系に、毎日放送はTBS系という現在の形になっている。このとき関東地方では「必殺シリーズ」はTBSからNETに、「仮面ライダー」シリーズはNETからTBSへと移動になっている。終盤のほう話が変わってしまった。