お宝映画・番組私的見聞録 -263ページ目

ターゲットメン

かつての映画スターが次々とテレビに活躍の場を移すなか、ほとんど進出してこなかったのが、小林旭である。この「ターゲットメン」(71年)は小林旭の数少ないテレビ主演作である(70年代はこれだけ)。簡単に言えば、文字通り人間標的となって悪に立ち向かう5人の秘密捜査官の物語だ。リーダーは当時33才の旭演じる中西五郎で、以下のメンバーは上月晃(秋月真理子)、若林豪(新山伸吉)、奈美悦子(芳村かおり)、大石吾郎(北川屯二)となっている。上月晃はアキラではなくノボルと読み、宝塚の男役出身で、99年に亡くなっている。大石は「コッキーポップ」の司会などでも知られるが、元々ミュージシャンで、寺内タケシとバニーズでギタリストをやっていたこともある。これは俳優に転向してまもない頃だと思われる。ところでこの番組、本放送で見た記憶がかすかにあるのだが、もう原版が存在していないとのこと。しかし東映のドラマOP・ED集にしっかり収録されているので例のごとく1話くらいは現存するのではないかと思われる。このOPではなぜか上月晃の姿がなくEDでは名前があった。途中から加わったのか、はたまた途中で降板したのか謎である(出演しない回は結構あったようである)。

俺たちの勲章

今回もコンビ刑事物であるが、「二人の事件簿」と同じ75年の「俺たちの勲章」を取り上げる。こちらは松田優作、中村雅俊の二大スターの競演ということで話題をよんだが、基本的に雨傘番組だったことや、このころ松田優作が暴行事件を起こしたこともあり、結局19回で幕を閉じている。相模署の若い二人の刑事、ハードで犯人には非情な中野祐二(松田)と時には犯人にまで肩入れする五十嵐貴久(中村)の物語だが、上司である野上係長(北村和夫)には煙たがられており、基本的に地方へ飛ばされることが多い。先輩刑事の山下(早川保)も彼らにはとことん冷たい。こういう番組ではたいていの上司は若いはみだし刑事を陰ではあたたかく見守っているものだが、この番組では一切そういう面がない。最終回では、結局中野は田舎に飛ばされることが決まり、五十嵐は退職することになる。他のレギュラーはあまりいてもいなくてもという感じのメンバーだった。ヒロイン的存在だが影の薄かった坂口良子をはじめ、結城美栄子、佐藤蛾次郎、柳生博、山西道広、そして中野の恋人役で一言も劇中で喋らなかった鹿間マリなどである。ゲストでは19回しかないのに2度登場した水谷豊や、「われら青春」では中村の生徒役であった千葉裕が犯人役で、その中村と対決した。そして忘れちゃならない五十嵐淳子。この番組で中村と出会いゴールインした。そういえば中村の役名は五十嵐だったと今気づいた。

新・二人の事件簿~暁に駆ける~

前作より8ヶ月後に始まった第2弾である。登場人物はほぼ一緒だが、新レギュラーに毒蝮三太夫(鬼塚刑事)が加わった。名前どおりの鬼軍曹役で、刑事部屋のバランスも良くなった。(前作の伊東刑事は消滅する)。宮坂(篠田三郎)の恋人・美矢子(土田早苗)も一般病院の医師から監察医に変更となり、登場しやすくなった。前項で書くのを忘れていたが、美杉婦警役の牧美智子は、前作では静かな感じのED、本作では一転してアップテンポのOPを歌っている。タイトルはずばり「暁に駆ける」で、中々の名曲である。当時のこの番組の売りが、8局共同制作(朝日放送系)というところであった。そこでよく地方へ飛んだり、時には海外へ飛んだりしていた。たんなる一所轄がである。まあそれは、この番組に限ったことではないけれども。

二人の事件簿

75年は文字通り「Gメン75」が始まった年であるが、一方で「俺たちの勲章」や「二人の事件簿」といった若いコンビ刑事ものもスタートしている。今回は「二人の事件簿」を取り上げる。主演は篠田三郎(宮坂刑事)と高岡健二(真樹刑事)で、簡単にいえば新米刑事の二人が喧嘩しながらも事件を解決していくというものだ。一番の突っ込みどころは宮坂の車だ。いつもマイカー、しかもオープンのクラシックなスポーツカー(車種とかわからん)で目だってしょうがない。それにあまり必要のないレギュラーが多すぎる。宮坂の婚約者である美矢子(土田早苗)はともかく、友人である真夏竜や司健二はまずいらない。真樹の関係者も高橋悦史、ジュディ・オング、森大河、園佳也子、吉田友紀とこんなにいらんだろう。やはり出番が多いのは必然的に刑事たちだ。植木等(早川警部)、近石真介(白井刑事)、大石吾郎(丹羽刑事)、木島進介(伊東刑事)、そして竹脇無我(風間署長)といった面々である。当初は大坂志郎(島中刑事)がベテラン役だったのだが、先日のCS放送では第7話「戦後三十年の逆さ吊り」が欠番となり(内容的に問題があるらしい)放映されず、8話では初代マスオさんこと近石真介に変わっていたので、大坂志郎がどうなったのか謎である(6話かぎりで退いた可能性もある)。ゲストでは第5話に柴俊夫と夏純子が登場、篠田と併せて「シルバー仮面」の春日5兄弟のうち3人がそろった。また32話「のらねこ作戦」ではハナ肇らクレージーキャッツのメンバーが勢ぞろいした。ちなみにこの番組のタイトルは正確には「TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿」である。それにしても第7話、見てみたいものだ。

鉄人28号(実写版)

「鉄人28号(実写版)」といっても、現在公開されている映画のことではない。60年に放送されたテレビ版のことである。これは十数年前にビデオが出ておりレンタルして見たのだが、一言でいえば「苦笑」という感じか。ある意味衝撃映像の連続で、内容などきれいさっぱり忘れてしまった。身長役2メートルのやせ型の鉄人28号、これだけでも気が抜けそうになるのだが、鉄人の開発シーンに出てくる鉄人26号や27号など小学生の工作のようなものにしか見えないのである。制作の松崎プロは58年にもっと凄い「鉄腕アトム」の実写版も作っている前科もある。当時の技術では仕方のない面もあるだろうが、お金がないなら無理するなよと肩を叩きたくなる。子供たちは喜んで見ていたのだろうか?正太郎役は当時10才の内藤正一で、彼は「快傑ハリマオ」にも登場している。他の出演者は有木三太(大塚署長)、川喜多雄二(村雨健次)、美川陽一郎(敷島博士)などである。美川はこの翌年から「七人の刑事」の小西刑事役で活躍する。この人が76年に亡くなった時、まだ58才であったのには失礼ながら驚いた(70才くらいに見えたので)。とまあ批判めいたことばかり書いているが、今見ると面白いことは面白いはずだ。いろんな意味で。

忍者ハットリくん(実写版)

「鉄腕アトム」や「鉄人28号」にも実写版は存在するが、「忍者ハットリくん」にも存在する。当時(66年)は日本のテレビアニメーションがスタートして3年目、東映動画も存在していたのに(東映の制作である)、なぜか実写なのである。メイクではなくあのマンガそのままの顔のお面をかぶったハットリ君はとても違和感がある。他の役者は普通だったし。この作品は東映にはけっこうある1話のみ現存している、というか発掘されている作品の1つである。まあ東映の倉庫に眠っているのかもしれないが、フィルムは30年放っておくと溶けてしまうというし、とにかくレアな作品であるといえる。というような事情もありケムマキ役が杉良太郎だという噂がたったりするのだろう。次回予告でケムマキの姿が確認できるのだが、よく見ると違うのがわかる。実際は傍田勉という当時15才の少年である。ちなみにハットリ君の中には「怪獣王子」で主役のタケル・ミツル兄弟を演じた野村光徳・好徳の双子が交替で入っていたらしい(声はなぜか熊倉一雄)。他の出演者はケン一(高宮克巳)、パパ(牟田梯三)、ママ(久里千春)、花岡実太(谷村昌彦)、脳屁之斉斉(左卜全)などである。第1話には左とん平と子役時代の奈良富士子がゲスト主演している。この第1話から6話までの脚本に服部半蔵とあるのは、「ひょっこりひょうたん島」や「ネコジャラ市の11人」の井上ひさしと山元護久の合作ペンネームらしい。しかし適当なペンネームである。

怪人オヨヨ

NHKの人形劇をとりあげたので、次は少年ドラマシリーズをとりあげねばなるまい。調べてみると99本もあるのだが、自分が見たのは10本程度であろうか。第1作「タイム・トラベラー」は有名だが、ここでは意表をついて?「怪人オヨヨ」(72年)について述べる。タイトルを聞くと桂三枝が出ていそうだが、そんなことはない。小林信彦の小説が原作である。とは言ってもわずか五回のドラマだし、覚えてることなどほとんどないが、その主題歌だけは妙に印象に残っている。女性コーラスグループの「オヨヨオヨヨオヨヨノヨ」というフレ-ズをふと思い出す。例のごとく調べてみると、出演者が視聴者に向かって話し掛けたり、役を離れて実名で語ったりと久世光彦あたりがやってそうな実験的手法を取り入れていたようである。主演は星野みどりで「ハレンチ学園」や「ワンパク番外地」に出ていた娘である。他の主演者は「魔法使いサリー」の平井道子、「仮面ライダー」の怪人役などの峰恵研、「ルパン三世」の山田康雄に納谷悟郎、他にも梶哲也に牧野和子など顔よりも声が浮かぶ人ばかりである。ちなみに納谷の役柄は名探偵グルニョンで、顔のわからない怪人オヨヨは鈴木利秋が演じていた。「仮面ライダー」で言うとショッカーの首領と怪人サボテグロンである。

ネコジャラ市の11人

突然だが人形劇である。有名どころでは「ひょっこりひょうたん島」とか「新八犬伝」とか「プリンプリン物語」とかあるが、自分が一番見ていたのはそれらに比べマイナー感のある「ネコジャラ市の11人」である。放映が70年から73年と自分の小学生時代にぴたりとはまっているからであろう。しかし668回も放映されながら映像は1本も残ってないという。そのへんがマイナー作品のイメージが漂う原因であろう。さすがNHKだ。それに主題歌がとても覚えづらい。前期と中後期では歌が違うらしいのだが、後期は覚えてないし、最初の主題歌も「~6時5分はズダボロ列車~」の部分しか記憶になかった。収録CDで30年ぶりくらいに耳にしたが、なんというか前衛的で簡単に歌えるような歌ではなかったことが判明した。当初は登場人物も大人たちが多かったらしいが、評判が良くないと知るや90話で火山を噴火させ、半分を入れ換えるという大技に出たのである。(ようするに殺したのだ)それでドサ・グレート(声・野沢那智)やミス・プリント(姫ゆり子)らは降板ということになったようだ。当初はどれが11人なのかはっきりしなかったらしいが、この噴火以降はほぼ次のメンバーになっている。ガンバルニャン(熊倉一雄)、黒猫で当初の主役。パンチョ(藤村有弘)、市長で「ひょうたん島」のガバチョと同様のキャラ。ズチャーズ(若山弦蔵)、記憶にありません。ネズミコンビであるヤマチュー(納谷悟朗)とベンキョーチュー(宇根靖彦)、記憶にないです。カラスの勘三郎(梶哲也)、文字どおりカラス。シーラのカン太郎(和久井節緒)、シーラカンスである。後は子供4人組で天才少年のアップル(愛川欽也→朝倉宏ニ)、美少女のスイート(松島みのり)、ブスな少女スゴミ(丸山裕子)、普通のガキ・クマタン(島敏光)といったメンバーである。半分くらいしか覚えていない。エピソードで記憶に残っているのも、みんなが次々と吸血鬼になっていく話くらいだ。しかし調べてみると面白そうなエピソードが多い。最終話も市の地中に埋まっていた巨大円盤が動きだしパンチョともども宇宙へ飛んでいくというものだったようだ。また見てみたいと思っても叶わぬ夢である。しかし一本も残っていないとはどういうことであろうか。受信料未払いが増えるぞNHK。

オレとシャム猫

これは当時(69年)大人気だった石坂浩二主演のドラマで、ジャンルは探偵ではないのだが探偵ドラマという感じなのである。根井田二郎(石坂)は元弁護士で、現在はルポライターという設定。彼がいる(1話で越してきた)同じビルで洋品店をかまえているのが元泥棒の過去をもつ芳子(若林映子)、稲子(原田糸子)、るみ(小山ルミ)の3人娘。2話より純子(藤江リカ)も加わり、彼と彼女たちが犯罪事件に巻き込まれたり、立ち向かっていったりする色気を抑えたプレイガールっぽいアクションコメディといった話である。石坂は当時は非常に忙しかったこともあり未登場の回もある。その都合で後半レギュラーになったのが竜太(松川勉)である。四人娘は実年齢がバラバラである。若林は当時30才、あの「007は二度死ぬ」にも出たり、東宝の特撮映画への出演も多い。ちなみにエイコではなくアキコと読む。原田は当時20才、「009ノ1」の項でも書いたが西野バレエ団五人娘の一人である。小山は当時まだ17才、見た目どおりハーフで当時のアイドル歌手でもありレコードもかなり出している。「全員集合」などにもよく出ており加藤茶と噂になったこともある。藤江は当時27才、東映の第8期ニューフェース出身である。70年代に入ると何故か年より老けて見えるオバサンっぽい役が多くなった印象がある。(加山雄三の「高校教師」や「江戸の旋風」など)。その後も芸能界で生き続けるのは藤江だけで、若林、原田、小山はみんなこの時代の人であり70年代には引退してしまっている。松川勉は元慶応ボーイでさわやかなイメージの男優であった。しかしこの後は「白い牙」の第1話で藤岡弘に射殺される村木刑事とか、「ジャンボーグA」の3代目隊長浜田の役くらいしか印象にない。他のレギュラーには「アヒル」警部役で柳谷寛がいる。「ウルトラQ」でのケムール人の回に登場する刑事や「開けてくれ」のエピソードが印象に深い。なお脚本はいまやコメンテータという感じの市川森一が多く書いている。

怪獣マリンコング

前項「魔神バンダー」のニッサンプロが60年に制作した国産初の連続怪獣ドラマがこの「怪獣マリンコング」である。(14話より「マリンコングの大逆襲」)。なにしろ生まれる前の作品なので、これまた拝見したことがない。写真とかを見ると割合かわいらしく見える怪獣だが(実はロボットらしい)、これだけで26回持たせたところがとにかく凄いと思う。主演は名子役だった太田博之。自分にとっては「必殺仕掛人」や「おしどり右京捕物車」「長崎犯科長」など時代劇俳優のイメージが強い。他には「まぼろし探偵」に出ていた花咲一平、顔はわからないが新東宝の映画でよく名前を見かける林寛などである。とまあレギュラー陣はしょぼい(失礼)のだが、ゲストの女優陣はなかなかの顔ぶれだ。まず日活で「肉体の悪夢」とか「恋泥泥」など多数の映画に出演していた肉体派女優の筑波久子、新東宝で「女競輪王」とか「海女の戦慄」など日本初のグラマー女優といわれた前田通子、そして松竹で「人妻椿」とか「おんな大学」などに出ていた七浦弘子といずれも50年代後半から60年代にかけて活躍したオールド映画ファンにはお馴染みの面々が出ていたらしい。これまた見てみたい作品の一つである。全部は見たくないけれども。