大非常線
前作「燃える捜査網」の穴を埋める形で始まったのが、この「大非常線」(76年)であり、千葉ちゃんシリーズ第4弾である。そんな事情もあってかわずか10回で終了している。ちなみに杉良太郎主演の刑事ドラマは「大捜査線」であり、混同しやすい。今回は刑事物で「捜査5課」の活躍を描くというものである。さて出演者だが、千葉真一(五代)はもちろんのこと、谷隼人(高山)、志穂美悦子(役名がわからん)は前作からのスライドで、他にはかつての日活スターで千葉とは同年の川地民夫(井出)、「高校生無頼控」の大門正明(新川)、その相手役でやはりアンヌ隊員が有名なひし美ゆり子(若林)、当時の若手俳優の井上誠吾(伊丹)、「コンドールマン」でゼニクレイジーを演じていたのが彼である。そして相良課長にベテラン北村和夫という布陣である。この中では10回とはいえ川地民夫のレギュラー出演というのは珍しい。いろんな番組にゲストではよく登場するが、レギュラーはほとんどないのではないかと記憶している(60年代は結構あったかもしれない)。エンディングの歌である「哀愁のスキャット」はアニソンの女王堀江美都子がほりえみつこ名義で歌う名曲である。しかし、この歌とOP曲はそれぞれアニメ「グレートマジンガー」の「ジュンの歌」「ビューナスAの歌」の流用だそうである。作る時間がなかったのか?さてドラマのほうは谷隼人の殉職という形で終了する。しかし谷隼人は「バーディ大作戦」の伊吹裕二にしろ、「明日の刑事」の太田警部補にしろよく殉職する男である。この作品でひとまず千葉真一アクションドラマは終了するのである。
燃える捜査網
「ゴリラ7」の後を受けた千葉真一アクション第3弾がこの「燃える捜査網」(75年)である。今回はあっさりと警察官である。メンバー全員普段は冴えない制服警官だが、極秘指令が下ると特別秘密捜査班として全国どこへでも飛んでいくという設定である。リーダーは無論千葉ちゃん演じる大神警部で、他のメンバーは谷隼人(佐久竜)、志穂美悦子(白鳥アキ子)、佐藤蛾次郎(麻生仁)、そして金子信雄(日比木大八)といった面々で、彼らの存在を唯一知るのが神山繁演じる高森刑事部長である。千葉&谷の「キイハンター」コンビの復活や千葉ちゃん所有のキャンピングカーが登場などの話題もあったが、当時の印象だが結論を言えば面白くなかった。別に蛾次郎は嫌いではないが、360度どっから見ても警官には見えないし、本格的刑事ならともかく金子信雄もあってないような気がした。実際、途中から夏八木勲が加わっ たりとメンバー強化が図られたが14話で終了した。打ち切りか予定通りだったのかはわからないのだが、次作「大非常線」が全10話だったことを考えると打ち切りっぽい。先ごろCSで放映されたのだが、最終話くらいしか見なかった。もう一度じっくり見れば新たな発見もあったかもしれないが、とてもチェックしきれないのでやめた。よほど印象がよくなかったようだ。
ザ・ゴリラ7
前述の「ザ・ボディーガード」の翌年(75年)、ほとんど出演者をスライドさせて始まった千葉真一主演アクションが「ザ・ゴリラ7」である。実をいうと、個人的にはこの番組は本放送以来見たことがないので、ほとんど覚えていない。CSで放送されたのは私が加入する前年だったようである。千葉真一(風見)以外のメンバーについては「ボディーガード」から引き続きの目黒祐樹(南)、千葉治郎(万年)、志穂美悦子(流矢ミチ)は記憶にあったのだが、他は忘れていた。調べてみると「戦国自衛隊」などで千葉と共演している夏八木勲(冬木)、やはり「戦国自衛隊」に出ており今はご存知のとおり漢字で錦野旦と書くにしきのあきら(緒方)、ゴールデンハーフの一人で当時はマリア・エリザベス だった森マリア(秋月ローザ)が「ゴリラ7」のメンバーで、彼らの親玉が千葉とは「キイハンター」で共演していた中丸忠雄(草鹿)である。内容といっても前述のとおり全然覚えていないのだが、後期の「キイハンター」のように明るいテイストの番組だったようである。第1話のゲストに池田駿介、伴大介のキカイダーコンビが出ており、ビジンダーこと志穂美と併せて特撮ファンには嬉しいキャスティングだ。「宇宙刑事ギャバン」の大葉健二も出ていたようである。当時はそれほど好きという番組ではなかったが、やはりもう一度見てみたい。CSでも5年はやってないのだから、そろそろやってくれないものか 。
ザ・ボディーガード
デビュー当時は「七色仮面」「アラーの使者」と特撮ヒーローだった千葉真一も、「キイハンター」でアクションスターとしての地位を確立した。74年からはほぼ連続して千葉主演のアクションドラマが作られた。その第1弾が「ザ・ボディーガード」である。タイトル通りボディーガードの話で、二代目水戸黄門こと西村晃(伊達正)率いる「ザ・ボディーガード株式会社」に千葉(鷲見秀介)が加入するところから話は始まる。他のメンバーは実 写版ルパン三世こと目黒祐樹(江本雄一郎)、身内その1弟・千葉治郎(倉田治郎)、身内その2弟子・志穂美悦子(新美ジュン)といった面々である。他にも一匹狼のボディーガードに高城丈二(黒沢竜吾)、大家であるブティックのオーナーに元祖三人娘の雪村いづみ(宮城花恵)がいる。16話からビーバー(福本天子)も加わるがほとんど印象に残っていない。基本的に武器を持たないので肉弾戦である。千葉兄弟と志穂美のアクションが炸裂する。個人的には最終回が一番印象に残っているのだが、ほとんど目黒と千葉弟の活躍で主役である千葉兄はほとんど出てこないのである。諸事情もあったのだろうが、何もこれを最終回にしなくてもと当時は思った。ちなみに自分の記憶ではこの作品が高城丈二を見た最後のドラマである。ちょうど同時期の「非常のライセンス」では大門刑事役で数回登場していたが、こちらも殉職という形で番組を退いている。以前にも触れたとおり大病を患い引退したようだが今はどうしているのやら。
ジキルとハイド
有名なスティーブンソンの小説「ジキル博士とハイド氏」は世界では何度か映画化されていると思うが、日本でそれをテレビドラマ化したの が、この「ジキルとハイド」(73年)である。実は69年に制作されながら、73年まで放映されなかったといういわくつきの作品だ。その内容が過激過ぎるためだと言われているが、実際に過激な内容である。主演の慈木留博士(ストレートなネーミングである)には丹波哲郎で、当時は40才だったが60近いという設定だ。それが薬を飲むと若返りかつ凶暴になり、暴れまわるのでる。他の出演者は慈木留の妻に松尾嘉代、事件を追う毛利警部に山さんになる前の露口茂とレギュラーはこれくらいしかいない。とにかく薬を飲んだ丹波が男は殺し、女は犯す。ほぼこれを繰り返すというストーリーだ。ちなみにハイドは自分の妻も犯すが、妻は次第にその来訪を待ち望んだりするのである。ビデオ化はもちろんDVD化もされていないので、数年前のCSで初めて目にすることができた。そのたびに昔のドラマは面白かったと懐古してしまう私であった。
女子高校生殺人事件
74年、「火曜日の女」シリーズは土曜日に放送時間が移行したので、自動的に「土曜日の女」となった。その第一弾が「女子高校生殺人事件」である。原作は小峰元の「アルキメデスは手を汚さない」であるが、「 女子校生」というタイトルの方が見てみたいと思うだろう。主演は教師役の山口果林なのだが、何といっても秋吉久美子である。第1話で殺される役にもかかわらず、強烈な印象を残した。おそらく、この作品が彼女の出世作といえる。そういえば、この前年「太陽にほえろ」に松田優作(ジーパン)が登場した回でも、連続射殺魔に殺される役であった。それを考えるとたいした出世である。他の出演者だが、生徒役では「二人の事件簿」の高岡健二、「新七人の刑事」の中島久之、「飛び出せ青春」の青木英美、そして沢田勝美(テロップには名前がないので他の名前にしていたのかもしれない)、出世する前の中田喜子、浜田雅功と間違いそうな菅野直行などである。菅野は確かアニメ「わんぱく探偵団」(69年)で、主役の小林少年の声をやっていたと記憶している。OPの主題歌を歌う堀光一路は主にCMソングなどを歌っているが、やはり「サンボット3」の歌が印象深い。青木英美は延命亜由美という意味ありげな名前の役だが、たいして意味はない。さて連続殺人の犯人だが、生徒の母親が絡んでくる。あれ、そういえば先にあげた「クラスメート」もそのパターンだったような。
あの子が死んだ朝
今回も「火曜日の女」シリーズから「あの子が死んだ朝」(72年)を取り上げる。実はこの作品については、当時に見たわけではなく、数年前にCSで初めて見た。簡単にストーリーを言うと、6人組の若者たちが暴力団出入りのマンションからマリファナを奪って逃走、その最中に誰かが出くわした中学生を突き飛ばす。6人はとりあえず、その中の1人篠塚卓也(水谷豊)の家に逃げ込む。父は出張中で母・志津子(加藤治子)だけがいた。やがて突き飛ばされた中学生が死亡したことがわかり、6人は警察と暴力団の両方から追われることになり篠塚家を出るに出られなくなる。彼らも誰がやったのか知らず(本人以外は)、志津子も卓也がやったのかもしれないと思うと彼らを追い出すことは出来なかった。という具合で中々面白い展開なのである。さて出演だが、若者たちのリーダー格にはまたしても登場の沖田駿一、紅一点の麻衣ルリ子、ベテラン子役の二瓶康一こと火野正平、純朴少年といった感じの杉山光宏、そしてもう一人クールで得体の知れない男(誰だか忘れてしまった)。他には緑魔子、テレサ野田、そして刑事役には高城丈二といった面々である。 その後の展開だが、篠塚家を脱出した二瓶は暴力団に殺されるし、篠塚家に進入してきた組員を拘束するも何者かによって殺害されたりと緊迫の場面が続く。ちなみに二瓶が「火野正平」となるのは翌73年の大河ドラマ「国盗り物語」で秀吉を演じてからである。名づけ親は池波正太郎だそうである。しかし加藤治子はやはり人妻というよりは母親という感じなので、彼らもヘンな気を起こすことはない。そういう要素があったほうがもっと面白くなったこもと個人的には思ったが、タイトルからして、より母親なほうが重要なのだろう。「あの子」というのは死んだ中学生のことではないようだし。実は最終回はそれほどしっかりとは見ていないのだ。ビデオで確認したいのだが、どこにあるのやら。
いとこ同志
今回も「火曜日の女」シリーズだが、自分が一番好きだったのが、この「いとこ同志」(72年)である。これは横溝正史の「三ツ首塔」を金田一耕助(あるいは類する探偵)を抜きにしてドラマ化したものだ。このシリーズでは他にも「犬神家の一族」を「蒼いけものたち」、「悪魔の手毬歌」を「おんな友だち」というタイトルで、それぞれドラマ化しているのだが、タイトルだけ聞いても横溝物だとはとても思えない。さて「いとこ同志」だが、簡単に言えば遺産相続物だ。その権利を持つのがヒロインの百合(島田陽子)といとこたち(悠木千帆、春川ますみ、根岸明美、原良子、可愛和美)で、それぞれに男がついている。百合なら育ての親上野教授(仲谷昇)、他は夫、つばめ、マネージャーといろいろである(穂積隆信、水谷豊、柳瀬志郎、鶴賀二郎、草野大悟)。ちなみに悠木千帆は現在の樹木希林で、可愛和美は近年自殺してしまった可愛かずみとは勿論別人である。ドラマ内ではアイドル歌手の役だが、確か「シャム猫とのら犬」という実際にヒット曲のある人だったと思う。そしてもう一人、百合の前に現れる謎の無礼な青年次郎に一文字隼人こと佐々木剛。島田と佐々木の「仮面ライダー」コンビが活躍するのだ(島田陽子も半年間出演していた)。まあ原作もそうなのだが、このドラマとにかく人が死ぬ。わずか6回で9人、1回平均1.5人である。死なないのは島田、佐々木コンビは当然として樹木希林と穂積隆信くらいで、犯人は自殺する。百合を守るためとか言いながら、どんどん百合が犯人と疑われるような状況を作っていくのである(誰が犯人かバレバレだな)。それにしても島田陽子は当時19才で透き通るような美人であった。自分的にはこの時が一番輝いていたように思う。
クラスメートー高校生ブルースー
60年代終わりから70年代にかけて「火曜日の女」シリーズという(途中から土曜日に移行)、平均6,7回のサスペンスドラマシリーズがあったが、その中から「クラスメートー高校生ブルースー」(71年)を取り上げる。ちょうど今CSでやっているのだが、私自身は小学生ながらに見た記憶がある。OP曲が好きでカセットテープに録ったりしていた。主演の新任教師洋子には元錦野旦夫人の武原英子で、以前にも書いたが50才の若さで他界している。他の出演者も結構豪華で、事件を追う刑事役に新克利、同僚教師に「怪奇大作戦」の勝呂誉、そして老けた高校生たち。4人の不良グループには前項でもふれた沖田駿一(花村)、説明不要の沖雅也(河合)、「図々しい奴」で丸井太郎の少年時代を演じた岩上正宏(加東)、よく知らん鎌田英男(山県)、委員長役に「レインボーマン」の水谷邦久(日野)、山県の彼女に「ミラーマン」に出ていた沢井孝子(金沢)、そして神経質ながり勉男に三十近い高校生で同じみの近藤正臣(矢吹)、他にも赤塚真人など中々のクラスである。洋子を学校に呼び寄せ第一話で殺害される教師には田村三兄弟の長兄・高広で、沖、新、近藤と後に「必殺シリーズ」で活躍する面々も多い。沖と新は洋子を取り合うような関係になるのだが、後に二人は「必殺仕置屋稼業」で共演することになる。やはり殺される岩上の役名は加東勝であり、加藤優だったら「金八先生」と同じである。どうでもいいことだが。この作品は近藤の出世作とどこかで言っていたが、すでに結構活躍していたと思うのだが、どうだったであろうか。ちなみに犯人はこの中にいる。
あしたに駈けろ!
前作の「青春をつっ走れ!」が18話で打ち切られたため、急遽穴埋めにつくられたのがこの「あしたに駈けろ!」である。そのためたった8回である。普通こういう時は全く違った番組をつくりそうなものだが、そのまま森田健作主演の学園青春ドラマである。部活がラグビー部になり、森田はもちろん主将で、一段と堅物になっている。生徒役も一段と老けた感じのメンバーで、「ミラーマン」こと石田信之、「火曜日の女」シリーズとかでよく不良高校生(そうは見えないが)をやっていた沖田駿一、「ウルトラマンA]の山中隊員といったほうがわかりやすいかも。いつもエリートっぽい役だが今回は万年補欠という役 、「ウルトラマンタロウ」の篠田三郎。川口4兄弟の末弟、「アイフル大作戦」の川口厚。「ハレンチ学園」のヒロイン、今回は振られマネージャー役の児島美ゆき。そしてヒロイン役がもと藤岡弘夫人である鳥居恵子といった面々である。回数が少なくても事件は多い。石田信之は暴力事件を起こし、退学して復学したり、篠田三郎は恋人(五十嵐淳子)と心中をはかったり、鳥居恵子は家出したり、川口厚は児島美ゆきに結婚を迫り、振られて退学(退学するのは家庭の事情)、その児島は最終話に森田に告白するも、森田はマネージャーの彼女を首にしてしまう。そして児島は家出、最終的には森田に「今はまだ待とう」などと説得される。ようするに「今は恋愛にうつつをぬかしている場合ではない」というイヤな主人公だったのである。とまあ8回にしては、家出したり、退学したりの忙しい番組であった。