殺人狂時代
カックン超特急
大怪獣バラン
ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラと東宝の怪獣たちは、それなりのスターぞろいだが、その中でもタイトルにもなっているのに、あまり話題にならないのが「大怪獣バラン」(58年)である。モノクロ映画だし、他の怪獣のようにゴジラと戦うことがなかったことも一因であろうか。平田昭彦、土屋嘉男、伊藤久哉、田島義文といったお馴染みの面々も出ているが、メイン出演者は野村浩三、園田あゆみ、松尾文人らで、かなり役者に詳しい人でないと「誰?」という感じではないだろうか。野村で有名なのは、やはり「ウルトラQ」の巨大化した男であろう(22話「変身」)。園田あゆみに関しては、正直ほとんど知らない。60年代前半までの活動期間だったようである。二人ともこの作品が一番の大役だったようである。松尾文人(フミンドと読む)は子役として20、30年代に活躍していた人で「鞍馬天狗」の杉作少年だったこともある。大人になってからは、どんどんワキ役、チョイ役になっていたようだ。特撮ファンには「レインボーマン」で死ね死ね団に人間爆弾にされて爆死した新聞社の人といったらわかるかも知れない。この映画でバランを倒す爆弾を発明する博士は平田昭彦だが、「ゴジラ」でもゴジラを倒す博士役である。怪獣より強い男、それが平田昭彦だった。ちなみに死ね死ね団のボス・ミスターKでもある。
マタンゴ
東宝の特撮映画といえば、「ゴジラ」を始めとして結構メジャーな作品が多いが、この「マタンゴ」(63年)もかなり有名な部類に入るだろう。昔はよく日曜の昼間あたりに放送されていた記憶があるが、今は地上波では無理だろうなあ。冒頭、一人生還した久保明が「ここは精神病院の病室でしょう。みんな僕を気違いだと思っているんでしょう」などというセリフから始まる。内容を簡単に言うとヨットでクルージングしていたブルジョアな男女7人が、嵐で無人島に流れつく。そこにはキノコぐらいしか食物がないが、そのキノコを食べたものはキノコ人間(マタンゴ)になってしまうという恐ろしい話だ。出演は久保明(村井)のほか、東宝特撮の常連、「ウルトラQ」でお馴染みの佐原健二(小山)、特撮+黒沢映画の常連である土屋嘉男(笠井)、「クイズグランプリ」の司会イメージが強い小泉博(作田)、名前は見かけるが印象は薄い太刀川寛(吉田)、こちらも特撮の常連女優・水野久美(麻美)、八代亜紀じゃないよ八代美紀(明子)の7人である。出演者に天本英世の名もあるが顔は出てこない。つまりマタンゴの中の人である。この中では八代美紀はよく知らんなあと思って調べるとこの前後5年くらいのみ活動していた人のようだ。ちなみに「ウルトラQ」のトドラの回(206便消滅す)ではスチュワーデス役で出ている。この回は小泉もゲストで、レギュラーの佐原と三人が顔をそろえている。しかし、この映画でキノコを食えなくなったという話をよく聞く。私は生来キノコ嫌いなので、この映画のせいではない。ゆえに私はマタンゴにならずにすむかも。どうでもよいことだが、久保明と山内賢が兄弟だと最近知った。その辺の話は詳しいつもりだったが、まだまだだな。
黄金バット
スーパージャイアンツ
日本初のスーパーヒーロー、それが宇津井健演じる「スーパージャイアンツ」(57年)である。テレビで「月光仮面」が登場するのは、この翌年である。この「スーパージャイアンツ」シリーズは57~59年にかけて全9作られ、第4作までは「鋼鉄の巨人」と表記されている。それならアイアンジャイアントだろうと思うのだが、巨人だからジャイアンツなのか?1人なのに。ちなみに長島の入団も、この翌年だ。新東宝といえば、エログロ映画が代名詞みたいなものだが、何故こういう作品を作り始めたのか不思議である。宇津井のがっしりした体形に全身白タイツは、とても不恰好である。しかし、そこは宇津井健、生真面目に堂々とヒーローを演じている。ちなみに1・2作、3・4作、5・6作は前後編という形になっている。他の出演者だが、1・2作目の池内淳子やキリヤマ隊長こと中山昭二、5・6作目の三ツ矢歌子、9作目の御木本伸介、西朱美といったところである(というか知らない名前ばかりなのだ)。御木本は1作目ではチョイ役だったが、9作目では刑事役に出世し ている。8作目からは「続・スーパージャイアンツ」になっており、大賀一平という地球人名がついていたりする。映画自体は今見るととても陳腐なつくりで、思わず失笑してしまうのだが、続けて見るととても疲れるのである。
HOUSE ハウス
遊星王子
不良番長 やらずぶったくり
引き続いて「不良番長」の話題である。まずは訂正。前項で第1作「不良番長」のビデオは出ていないと書いたが、ちゃんと出ているとのご指摘を頂いた。やはりちゃんと確認しないとダメだなあ。さて、タイトルの「やらずぶったくり」はシリーズ第11作目だが、一番わけわからないので挙げてみた。何だ?「やらずぶったくり」って。そもそも「不良番長」って単語からしておかしいし。一般的に番長は不良ではないのか(清原とか三浦とかそう呼ばれている奴もいるけれども)。それと梅宮自ら唄う主題歌「番長シャロック」も意味不明である。シャロックって何だ?まあ妙に耳に残る歌ではあるけれども。話は変わるがこのシリーズのパターンとして、神坂の鑑別所時代の友人というのが登場するが、たいていの場合は菅原文太である(6作登場している)。待田京介、渡瀬恒彦の時もある。悪役の筆頭は安部徹で6作登場している。渡辺文雄や内田朝雄、諸角啓二郎であることも多い。悪の幹部は、まあこのシリーズじゃなくてもお馴染みの室田日出男、八名信夫、中田博久あたりである。カポネ団のメンバーも終盤になると藤竜也、地井武男など日活で活躍していた面々や、当時の流行歌手である久保浩なども登場する(久保明と勘違いしやすい)。他にも「仮面ライダーアマゾン」の岡崎徹や「アカレンジャー」であり「ファイヤーマン」である誠直也もいたりする。こうした面々がバカなことをやっているのが「不良番長」シリーズである。初心者が見るとしたら、この「やらずぶったくり」か第10作の「口から出まかせ」あたりが、わかりやすくていいのではと思う。まあどれも、内容は変わりないのだけれども。
不良番長
「不良番長」シリーズは、68年から72年にかけて全16作が作られた人気シリーズだが、何本見たのか、どれを見たのかわからなくなっていたので、ちょっと調べてみた。毎回ほぼ同じようなストーリー展開なので、区別がつけにくいのだが、どうやら半分ほど、それもほとんど後期の作品を見ていたことが判明した。梅宮辰夫扮する神坂弘をリーダーとするカポネ団が悪どい金儲けをしようとして、だいたい暴力団といざこざを起こし仲間が何人か殺され、最後は富士の裾野あたりで壮絶な決闘を繰り広げる。カポネ団という名前は3作目の「練鑑ブルース」からで、メンバーでは山城新伍、安岡力也の印象が強いが、山城は4作目「送り狼」より登場し、最終作まで出演、力也は8作目「出たとこ勝負」からと割合遅い登場であった。1作目から9作目まで、ずっと登場していたのが谷隼人で、あだ名ではなく谷川武という名前がついており、初期の梅宮の相棒は谷であったといえる。自分がほとんど見ていない初期のほうに出演していたので、こんなに出ていたとは意外であった。鈴木ヤスシにいたっては11作も登場しており、役名もほとんど「シャブ」であった(違うときもある)。ヤスシもそんなに出ていた印象がない。山城の役名はだいたい五郎だが、スタミナ五郎だったり、バクダン五郎だったり、ゴロツキ五郎だったりと微妙に違ってたりする。力也も「アパッチ」の時が多いが作品によっては違う。何よりラストで神坂以外は死んだりすることが多いので、次作でまた登場していると非常にややこしいのである。あまり陽の目を見ていない感じの1作目「不良番長」と2作目「猪の鹿お蝶」には、殺人事件を起こした克美しげるが神坂の仲間として登場しているのである。だからテレビで放映されることがほとんどないのであろう(「猪の鹿お蝶」は東映チャンネルでやった気もするのだが、どうであったか)。ちなみに1作目のヒロインは大原麗子で、団員は谷、克美の他「レッドファイター」の小野川公三郎などであった。ゲストでは沢たまき、応蘭芳、桑原幸子という「プレイガール」の面々も出ていたようだ。確か第1作はビデオも出ていないと思うが、一度見てみたいものである。