あの子が死んだ朝 | お宝映画・番組私的見聞録

あの子が死んだ朝

今回も「火曜日の女」シリーズから「あの子が死んだ朝」(72年)を取り上げる。実はこの作品については、当時に見たわけではなく、数年前にCSで初めて見た。簡単にストーリーを言うと、6人組の若者たちが暴力団出入りのマンションからマリファナを奪って逃走、その最中に誰かが出くわした中学生を突き飛ばす。6人はとりあえず、その中の1人篠塚卓也(水谷豊)の家に逃げ込む。父は出張中で母・志津子(加藤治子)だけがいた。やがて突き飛ばされた中学生が死亡したことがわかり、6人は警察と暴力団の両方から追われることになり篠塚家を出るに出られなくなる。彼らも誰がやったのか知らず(本人以外は)、志津子も卓也がやったのかもしれないと思うと彼らを追い出すことは出来なかった。という具合で中々面白い展開なのである。さて出演だが、若者たちのリーダー格にはまたしても登場の沖田駿一、紅一点の麻衣ルリ子、ベテラン子役の二瓶康一こと火野正平、純朴少年といった感じの杉山光宏、そしてもう一人クールで得体の知れない男(誰だか忘れてしまった)。他には緑魔子、テレサ野田、そして刑事役には高城丈二といった面々である。 その後の展開だが、篠塚家を脱出した二瓶は暴力団に殺されるし、篠塚家に進入してきた組員を拘束するも何者かによって殺害されたりと緊迫の場面が続く。ちなみに二瓶が「火野正平」となるのは翌73年の大河ドラマ「国盗り物語」で秀吉を演じてからである。名づけ親は池波正太郎だそうである。しかし加藤治子はやはり人妻というよりは母親という感じなので、彼らもヘンな気を起こすことはない。そういう要素があったほうがもっと面白くなったこもと個人的には思ったが、タイトルからして、より母親なほうが重要なのだろう。「あの子」というのは死んだ中学生のことではないようだし。実は最終回はそれほどしっかりとは見ていないのだ。ビデオで確認したいのだが、どこにあるのやら。