新諸国物語 笛吹童子
唐突だが「笛吹童子」である。予め言っておくと、ここに取り上げるのは50年代に東千代之介などがやった映画版ではなく、先日唐突にCSで始まった72年のテレビ版である。「ヒャリコヒャラレロ」という歌だけなら子供の頃から知っていたので、見たことがある気でいたのだが、改めて考えるとまともに見たことがないことに気がついた。72年といえば特撮ブームまっさかり。「笛吹童子」なんていう由緒正しい子供向け番組なんて見てられるかい、と子供だった私は敬遠したのかもしれない。アニメの「赤胴鈴之介」は見ていたのに。さて主役の菊丸を演ずるのは当時中学生の岡村清太郎。劇団の子役ではないなと思ったら、現在は七世清元延寿太夫を名乗る歌舞伎の人であった。「騎馬奉行」で若い同心を演じていたのを思い出した。その兄萩丸が内田喜郎。以前取り上げた「新十郎捕物帖・快刀乱麻」の主題歌を歌っている人と同一人物と思われる。その父に「七人の侍」の木村功、他にも市毛良枝、瞳順子、玉川良一などで、敵側が霧の小次郎に神太郎、赤柿玄審に藤岡重慶、その部下の四天王が五味龍太郎、内田勝正、上野山功一、花岡秀樹といった豪華なキャスティングである。特に四天王は時代劇のザ・悪役といった顔ぶれだ。花岡秀樹って誰だという人もいるだろうが、用心棒の一人とか子分の一人とか時代劇のキャスト表を注意深く見てれば、その名を見かけることができる(正直私も顔が把握できていないが)。このドラマの難点といえばやはり、主人公の菊丸が強そうに見えないことだろう(まあ当たり前だが)。殺陣の場面では相手が負けてあげているように見えてしまうのだ。せっかく個人的にも好きな楠本栄一、布目真爾、美山晋八といった「必殺シリーズ」「木枯し紋次郎」の殺陣師を揃えているのにもったいないと思ってしまった。