アイアンキング
浜田光夫といえば、我々の世代では日活のスターというよりは、「アイアンキング」(72年)の人なのである。まあ小学生が日活映画のことなど知るわけもなく、変身はするけど三枚目の兄ちゃんぐらいに思っていたものだ。生身の石橋正次が怪獣やロボットを倒しちゃったりする異色のヒーローものであった。二人とも脚本の佐々木守との繋がりによる出演であったようだ。石橋は「佐々木さんが全部書くなら出る」といったそうで、実際全話佐々木が脚本を書いている。佐々木守といえば、あのウルトラセブンの幻の12話や「お荷物小荷物」などの問題作を書いたことでも知られているが、浜田はその「お荷物小荷物」に出演していたことが縁になっていた。本作も敵が少数民族(不知火一族)とか革命集団(独立幻野党)など今から考えると佐々木らしい設定がなされていた。当初のレギュラー森川千恵子が6話で降板したのは、火薬を使った場面で髪の毛が燃えてしまい「こんなのはいやです」と降板を申し入れたからである。一応劇中ではちゃんと死んでいる(変な言い方だが)。彼女が「仮面ライダー」の初期レギュラー(ルリ子役)だった真樹千恵子と同一人物だと知ったのは随分後のことである。中間は日替わりヒロインという感じで、岡崎友紀、テレサ野田、シルバー仮面の夏純子、キカイダー01の松木聖、キイハンターの大川栄子、ウルトラマンAの星光子、そして坂口良子といった人気女優がゲストとして出演していた。そして終盤のヒロインが「高校生無頼控」の項で書いた右京千晶である。
ところで浜田光夫の目のケガだが、日活時代の66年、酒場で酔っ払いが浜田と一緒にいた葉山良二に電気スタンドで殴りかかってきた際に電球が割れ、その破片が浜田の目に刺さったという事件だったようだ。完全なとばっちりだったのだが、復帰に一年を要している。迷惑な話である。