お宝映画・番組私的見聞録 -245ページ目

落語野郎

別に落語ファンでも何でもないのだが、話題が出たついでに落語家が大挙出演している映画を紹介しておこう。66年から67年にかけて作られた「落語野郎」シリーズで、「大脱線」「大馬鹿時代」「大爆笑」「大泥棒」の4作品がある。見たことがあるのが「大馬鹿時代」くらいなのだが、これには立川談志、桂米丸、古今亭今輔、金原亭馬の助、春風亭柳朝、春風亭柳好、柳家小さん、三遊亭歌奴、三笑亭夢楽、月の家円鏡、桂米朝そして桂歌丸などが出演している。まあ名前だけは知っているが、パッと顔が浮かぶのは談志、小さん、円鏡(現・橘家円蔵)、歌丸くらいぐらいだろうか。落語家以外のお笑い系としては、牧伸二、東京ぼん太、Wけんじ、新山ノリロー・トリロー、てんぷくトリオ(三波伸介・戸塚睦夫・伊東四朗)なども登場する。この中では、米丸、歌丸、歌奴、柳好そして牧伸二が役の大小はあるだろうが4作すべてに登場するようだ。

現在、密かに落語ブームなのだそうである。しかしこういった映画が作られることはないだろうなあ。

笑ってよいしょ

前項と関連して、現「笑点」の司会である三遊亭円楽(復帰したのか?)そして小円遊が出演していたドラマが「笑ってよいしょ」(69年)である。タイトルだけ聞くとお昼のバラエティみたいだが、一応ドラマのようだ。他の出演者がまだタレントだった野末陳平、岡田真澄の兄E.H.エリック、楠トシエ、江戸家猫八、当時人気の子役である雷門ケン坊に太田博之、そしてエノケンこと榎本健一などで、お笑い系の人ばかりと思いきや、実は東映制作の番組なのである。曽根晴美や佐藤晟也、須賀良など東映の悪役メンバーも登場する。わずか7回のドラマということで見たことある人は少ないと思われる。

しかしOPだけなら東映のドラマ主題歌全集で見ることが可能だ。OPを唄っているのが円楽に野末陳平そしてロイヤルナイツということで、このレコードはかなりのプレミアがついているようだ。しかしプレミアの理由はそのB面が何故か超マイナーGS・バロネッツの「白夜のカリーナ」という歌だかららしい。意味不明なカップリングである。ちなみにバロネッツは68年に北海道の出身でもないのに「サロマの秘密」という歌でデビューし、一年足らずで消えた五人組のGSである。 

なんでも引きうけ候

日曜に夕方といえば「笑点」だが、来月で放送40周年を迎えるようである。まあここ何年か見でないのだけれども、司会が初代の立川談志、二代目の前田武彦の頃も少々記憶に残っているのだが、やはり個人的には司会は三代目の三波伸介で大喜利メンバーは歌丸、木久蔵、円窓、円楽、こん平、小円遊の順に並んでいた頃が一番見ていた時期である(72年~77年までこの体制であった)。この中では歌丸、円楽、こん平、小円遊が第1回から出ていたようだが(途中抜けていた時期もある)、そのスタート時は金遊だった三遊亭小円遊が主演のドラマというのがある。それが「なんでも引きうけ候」(69年)という時代劇である。とても主役になるほどの人気物だったとは思えないのだが(失礼ながら)、何故か抜擢されたのである。共演が中村玉緒、神戸瓢介、現在は声優の堀川亮などで、小円遊はタイトルどおり何でも屋の浪人といった役柄だったらしい。1クールの放映だがゲストはやたら豪華で、伴淳三郎、村田英雄、大友柳太朗、杉良太郎、里見浩太郎、そして大原麗子などが出演していたようだ。一度見てみたいものである。

小円遊はかなりの酒豪だったそうだが、それが原因で80年に急逝する。43歳であった。ちなみにこの小円遊は4代目だったらしいが、先代二人も若くして亡くなったということで、「小円遊」の名は現在使われていないということである。

脱線トリオの大安小僧

トリオスカイラインと来たら、次は脱線トリオだ。今の若い人は脱線トリオなど知らないと思うが、正直私も知ってるとは言い難い。脱線トリオの漫才というのを見た記憶はないのである。しかしそれも仕方のないことなのだ。メンバーは由利徹、南利明、八波むと志だが、八波は64年に37歳で事故死しているのである。であるから八波は顔もよくわからないし(息子の八波一起なら知ってるが)、由利、南はピンのコメディアンとして認識していたのである。そんな彼らが主演のドラマが「脱線トリオの大安小僧」(60年)である。当然内容などはよくわからないが、一応時代劇の範疇に入るようだ。実は彼らの主演ドラマは他にもあり、「脱線大江戸三人男」(61年)や「ごきげん野郎」(62年)というのもある。前者も時代劇で、共演が森川信、佐川満男などで、後者は単発のドラマで共演は藤田まことなどであったらしい。以前、由利が主演の「カックン超特急」という映画を紹介したが、当時の彼らの人気のほどがうかがえる。

南利明は95年に70歳で、由利徹は99年に78歳で亡くなり、全員故人となってしまった。合掌。

珍版太閤記

50年代60年代は、お笑い系の人が主役の映画やテレビドラマが結構多いのだが、主役というイメージはない東八郎が主演のドラマが「珍版太閤記」(60年)である。はっきり言ってどういう内容かは全く不明である。共演は音羽美子、柳家金語楼などで、一応時代劇のジャンルに入るらしい。東はトリオ漫才(トリオスカイライン)で人気を得たイメージがあるが、調べるとその結成は65年であった。自分が生まれる前からのトリオだと思っていたので少々意外であった。このドラマの時はピンの芸人だったということである。しかし実際お茶の間に認識されたのは、小島三児、原田健二とのトリオスカイラインからであろう。71年に解散後は東はコメディアンとして、小島は役者として順調であった。原田だけがテレビから消えてしまった感があるが、江口明、前田燐らと「ナンセンス」というグループで漫才を続けていたようだ。しかし、東は88年に52歳で急逝。小島も01年に62歳で亡くなっている。

そういえば「エイトマン」の主人公の名が東八郎なのは有名な話だが、マンガ・アニメは63年ということで東が売れる前に設定されたのだろう(おそらくだが)。関係ないがマンガの表記は「8マン」でアニメは「エイトマン」である。アニメはTBS(6チャンネル)で放映されたためである。

危険な英雄

現都知事・石原慎太郎が主役を張っている映画があるのをご存知だろうか。まあ自分が原作の「太陽の季節」などにチョイ役で出たりしていたのは知っていたが、56年から57年にかけて数本の主演映画(もちろん裕次郎は出ていない)が存在するのである。その1本が先日CSで放送されていた「危険な英雄」(57年)である。裕次郎のいる日活ではなく東宝映画であり、共演が志村喬、仲代達矢、宮口精二、そして三船敏郎と思わず黒沢映画かと思ってしまった。OPの出演者のテロップの字体とか黒沢映画と一緒なのである(この頃の東宝映画が軒並みそうだったのかもしれないが)。ストーリーは慎太郎演じる若き新聞記者が子供の誘拐事件をスクープ、そして公開されていなかった犯人のモンタージュまですっぱ抜く。そのせいで犯人が子供を殺害し、慎太郎は責任を押し付けられる形で左遷されるというもの。報道規制が布かれる現在ではありえない展開であろう。他の出演者だが慎太郎の上司に小沢栄太郎、多々良純、誘拐された子供の姉に司葉子で、役名はなんと三原葉子。当時すでに活躍していた新東宝のあの女優さんと同じ名であるが、司のほうがやはり美人である。仲代はライバル記者の役で、このわずか3年前の「七人の侍」では通行する侍でしかなかったが、この頃は重要な役をもらえるようになっていたようだ。本当に黒沢映画で活躍するのは60年代になってからである。志村は捜査主任で犯人役が宮口である。かつての「七人の侍」の二人が取調室で刑事と犯人として向き合うのである。剣豪久蔵を演じた宮口がとても弱弱しく見えた。三船はほとんど特別出演という感じで、誘拐犯にテレビで呼びかける野球選手という役で特に筋には関係ない。

ラストで司葉子に罵られようとも「真実を書いて何が悪い、俺は間違ってない」という慎太郎の姿は、現在の姿とだぶっているような気がするのである。

眠狂四郎(江見俊太郎版)

眠狂四郎といえば、映画版では市川雷蔵、テレビ版では田村正和、片岡孝夫といったところのイメージが強いと思うが、他にも映画では鶴田浩二や松方弘樹が、テレビでは平幹二朗が演じているものもある。これらの面々が眠狂四郎をやってもあまり驚かないが、意外に感じるのは江見俊太郎が演じていたことである。まあ私などが江見を認識した時には、悪役専門という感じで50才を過ぎたあたりだったので、無理もないと思うのだが、確かに若い頃は美男だったかもという顔立ちではある。特撮ファンには「レインボーマン」でヘロデニア三世を演じた男といえばわかりやすいであろうか。江見が演じた狂四郎は2シリーズあり、最初が57年の「眠狂四郎無頼控」で、次が61年の「眠狂四郎」である。前者は共演が池内淳子などで、当時は江見渉という芸名で生ドラマだったという話である。後者は稲垣美穂子、東美恵子などが共演で詳細などは不明である。ちなみに江見は03年に80才で亡くなっている。合掌。

甲賀の密使・幽霊小判

丹羽又三郎という役者は、特撮ファンには「ジャイアント・ロボ」のスパイダーや「仮面ライダー」のブラック将軍としてお馴染みで、東映の悪役の人という印象があるのではないだろうか。しかし、この人は60年代は大映京都の時代劇で活躍していた人であり、市川雷蔵や勝新太郎のようなスターではなかったが、主役を演じた映画も何本か存在する。その1本が「甲賀の密使」(60年)であり、主役の忍者を演じているようだ。もう1本が井上昭監督デビュー作の「幽霊小判」(60年)である。どちらも共演は鶴見丈二と島田竜三だが、別にトリオを組んでいたわけではないだろう。他の出演者は「甲賀の密使」のほうは、伊沢一郎、阿井美千子、千葉敏郎などで、「幽霊小判」のほうには市川雷蔵が友情出演という形でチラッと登場するようだ。まあどちらも見たことがなく、丹羽の主役を張っている姿が想像しづらいので(失礼)、一度見てみたいものである。ところで丹羽又三郎の現在は、役者は引退しているようだが、ブティックを経営しているとか海外で生活しているとかという記事は目にしたが、はっきりしたことはわかりませぬ。

牛若天狗いざ見参

昔の番組や映画などを調べていると「えっ!あの人が主役?」などと感じることが結構あったりする。そういった番組というか役者をいくつか取り上げて見ようと思う。

まず目についたのが「牛若天狗いざ見参」(61年)で、いかにも少年向け時代劇ヒーローっぽいタイトルだが、主役を演じたのが外山高士である。内容その他は全くわからないが、月~土の帯で放映された10分番組だったようである。外山高士といえば時代劇での悪代官とか悪奉行とか、そういうイメージ以外あまり浮かばない人である。中田博久(キャプテンウルトラ)とか黒部進(ウルトラマン)とかは、先にヒーローとしての姿を見ているので、現在は悪役でもあまり違和感はないのだが、その逆は非常に想像しにくいものだ。ほぼ同時代の「隠密剣士」において外山が敵忍者として登場するが、現在のイメージとあまり変わらないのである。大変失礼なことを言っているが、やはり悪のイメージである。しかも外山がヒーローを演じたのはこれだけではない。「快傑黒頭巾」(58年)においても若柳敏三郎から主演を受け継いでいるのである。若き外山の勇姿(といっても30歳前後であったが)を見てみたいものである。そういえば声優としては「サスケ」の父・大猿大助役や、「ジャングル大帝・進めレオ」では主役のレオを演じていた。我々世代には外山は「ドスの利いたヒーロー」であったのだった。

若草物語(テレビ版)

前項の映画「若草物語」を調べている過程で、テレビ版の「若草物語」(68年)があることを知った。しかも芦川いづみがこちらでも四姉妹の長女役である。ちなみに次女が山本陽子、三女は伊藤るり子、四女が川口晶である。山本陽子はともかく、伊藤るり子はイメージが湧かないし、川口晶は美人という感じではないし、やはり映画版には劣っているか。いや映画版の四人が美女すぎるといったほうが正しいだろう。共演の男優陣だが、同じ日活でもアクション路線だった川地民夫や、中山仁、青山恭二、山川ワタルといった顔ぶれだったようだ。青山恭二はやはり日活の「刑事物語」や「機動捜査班」両シリーズの主演だった役者で、引退後は漁師になったそうである。山川ワタルは「少年ケニヤ」だし、顔ぶれだけ見るとホント日活のアクション映画と思ってしまう。一度見てみたい気がする番組である。前述のとおり芦川いづみはこの68年に引退している。