お宝映画・番組私的見聞録 -242ページ目

エスパイ

いま巷では新作の「日本沈没」が公開されているが、旧作の方は73年の公開だから、もう30年以上もたっているわけである。その時の主演は藤岡弘、その翌74年にやはり小松左京原作、藤岡弘主演の映画が公開されている。それが「エスパイ」である。今まで何故か見る機会を逸していて、先日初めて見た。一言でいえば、正義の超能力者対悪の超能力者というわかりやすい映画であった。正義のメンバーは藤岡の他には、由美かおる、草刈正雄、睦五郎、そしてリーダーが加山雄三という布陣である。これは東宝作品でありながら加山、新人だった草刈くらいしか東宝の俳優がいなかったりする。一方の悪役側は内田勝正、元ゴールデンハーフの高村ルナ、そして親玉が若山富三郎という具合である。サイコキネシス、テレパシー、テレポテーションといったお馴染みの超能力が随所に登場し、話もとても都合よく進む。外国人俳優もロルフ・ジェーサー、フランツ・グルーバー、ウィーリー・ドーシーといった70年代のアクションドラマではお馴染みの面々が登場する。脚本は「太陽にほえろ」のメインライターであった小川英、主題歌は当時ヒットシンガーだった尾崎紀世彦である。まあ「日本沈没」とは違って、単純に楽しめる娯楽作品といったところであろう。

女と命をかけてブッ飛ばせ

最初タイトルを見たとき「女と」で切るのかと思い語呂が悪いなと感じたが、内容を見て「女と命を」で切るのが正しいのだろうなと思った。そんな新東宝スター宇津井健主演の「女と命をかけてブッ飛ばせ」(60年)だが、前半はバイクでぶっ飛ばし「俺はオートバイで死にてえんだ」と言っていた宇津井が、後半はスピードボートでブッ飛ばす映画である。他の出演者だが、個人的にはパッと見てわかるのは伊達正三郎くらいで、ヒロイン的存在である星輝美や三条魔子は名前は知ってるが、いまいち顔がわかっていなかったりする。悪役の芝田新と泉田洋志は見るからに悪役ヅラである。宇津井の仕事は新聞社の記事輸送員、つまり飛行場で記事を受け取り社までバイクでブッ飛ばすという時代を感じさせる仕事である。今で言うバイク便のようなものだが。「時速50キロで走るカミナリ」とか、そのスピードや貨幣価値にも時代を感じる場面が沢山ある。ところで、この映画に出ている沖竜次は以前取り上げた(撮影中に事故死した)高須賀忍のことらしいが、確認はできなかった。

グラマ島の誘惑

川島雄三の映画って、なんとなく今まで見たことがなかったのだが、先日なんとなくCSで見てみたのが「グラマ島の誘惑」(59年)である。見て驚いたのだが、皇族と慰安婦が共同生活を送る映画とでもいうのだろうか。とにかく現代では口に出しにくい要素満載の内容である。主演の森繁久弥、フランキー堺が皇族の兄弟軍人で、桂小金治がそのお付の武官、従軍記者が淡路恵子に岸田今日子、慰安婦たちに浪花知栄子、轟夕起子、春川ますみ、桜京美、左京路子に宮城まり子、未亡人に八千草薫とこの12名がグラマ島に流れついて共同生活を行うという話である。その他にも島の黒塗りの原住民に三橋達也(顔がアップになるまでわからない)、日本に戻った森繁の相手をするマッサージ嬢(小金治の娘)に市原悦子など、45年を経た今でも活躍している顔も多い豪華なメンバーである。

メンバーからもわかると思うが喜劇映画である。皇族批判や慰安婦問題を扱っているわけではない(と思う。皮肉はこめられているだろうけど)。難しいことは考えずに「あの人がこんな役を」みたいな感じで見るのが良いだろう。前述の通り三橋の原住民とか市原の風俗嬢とか、頭の足りない宮城とか、ベテラン慰安婦の轟とか他の作品ではまずお目にかかれないはずである。

大人には分からない 青春白書

60年代の東宝を背負う若手が大勢出演しているのが「大人には分からない 青春白書」(58年)である。まあ古い映画を見てればいつも感じるのだけれども、とにかくみんな若い。特にデビューしたての夏木陽介、ここまで少年っぽい夏木を見たのは初めてに感じた。他にも団令子、白川由美、佐原健二、佐藤允、江原達怡もみんなまだまだ青い感じがする。佐藤允なんて黒縁メガネをかけている(キャラ)なので、一瞬分からなかったりする。ここにあげた面々は微妙に違う路線に進んでいる(無論共演もあるが)。夏木は60年代後半になると「青春とは何だ」の主役抜擢からテレビの仕事が多くなる。佐原は特撮路線一筋という感じだし、佐藤は独立愚連隊シリーズ、江原は若大将シリーズと、それぞれ東宝の看板シリーズで活躍する。あと瀬木俊一という役者が出ているが、夏木、佐藤と共に「東宝スリーガイズ」として売出された人である。にしてはよく知らんなあと思って調べると、60年早々に引退してしまったようである。瀬木に替わって東宝のエースとなるのが加山雄三である。

さて、この作品には60年代にはやはり主役級にのし上る中丸忠雄や若林映子などの姿も見えるが、ここでの扱いは大きくない。ベテラン勢では草笛光子、沢村貞子、杉葉子などが登場するが、彼女らもさすがに若い。よく考えるとベテランというほどの年でもない。

とにかく出演者の「若さ」を見る、そんな作品である。

東京アンタッチャブル

米のドラマ「アンタッチャブル」の放映開始は59年、で日本でも放映され(たはず)、それのおそらく肖ったタイトルの映画が「東京アンタッチャブル」(62年)である。何のことはない、凶悪な脱獄犯とそれを追う刑事の話なのだが、キャストも豪華で中々面白い作品である。主演の西山警部補に三国連太郎、その部下の原田刑事(ちなみにフルネームは原田芳夫)に高倉健、その恋人百合子に三田佳子、脱獄犯の川本に丹波哲郎である。最後は三国・高倉対丹波の銃撃戦である。東映作品に三国というのは珍しい気もするが、この頃は松竹からフリーになって、色々な所に出ていたようだ。ちなみに三国連太郎というのはデビュー作の役名をそのまま芸名にしたらしい(本名・佐藤政雄、とても平凡である)。他の出演者は渡辺美佐子、筑波久子、丹波の強盗共犯者が織本順吉、地獄大使こと潮健児、当時「特別機動捜査隊」の岩井田刑事だった滝川潤である。

この翌年、「東京アンタッチャブル・脱走」が制作されている。見ていないので資料のみで記するが、主演は三国、高倉、三田は役柄もそのままに登場するようだ。それはよいが丹波も川本という脱獄犯で登場するらしい。前作のラストで死んだはずだが…。どうやら前作とは無関係らしいのだが、だったら役名くらい変えろよなあ、ややこしい。

40年以上が過ぎ、高倉は70を越え、三国・丹波は80を越して(丹波が1歳上)なお元気である。多分。

帰ってきたヨッパライ

最近、映画はCSで事足りるのでレンタルなどほとんどしないのだが、見かけて思わず借りてしまったのが「帰ってきたヨッパライ」(68年)である。あのフォーク・クルセダーズの大ヒット曲を、本人たちを主演にして映画化した作品があるとは知らなかったのである。しかも監督があの大島渚と聞いて二度びっくり。あの大島渚が普通のアイドル映画など撮るはずがない(実は大島渚の映画を見た記憶はないが)と思ったら、やはり普通の作品ではなかった。普通ならフォークルが唄いまくるような作品になるはずだが、そんなシーンは皆無(1シーンだけかな)。OP、EDこそ「帰ってきたヨッパライ」が流れるが、人前で唄える歌じゃないし。軍服姿の佐藤慶が登場してからは大島テイスト爆発といった感じである(大島作品には佐藤慶がよく登場するらしい)。内容も朝鮮人・韓国人問題がらみでテレビでは放映しにくい題材である。出演は他に渡辺文雄、小松方正、殿山泰司そして緑魔子くらいで少数精鋭といった感じだ。

さてフォーク・クルセダーズは北山修、加藤和彦、端田宣彦の三人組として有名だが、それはこの一年の期限つきで「芸能活動」を行った時のみの構成である。結成時は北山、加藤と他三人の五人組で、「帰ってきたヨッパライ」レコーディング時にも端田はまだ参加していなかったのである。短い活動期間ながら、発売中止になった「イムジン河」とかサ・ズートルビー名義(ずうとるびではないよ)で唄った「水虫の唄」とか話題の歌も多い。端田は、はしだのりひこと平仮名になってからはシューベルツで「風」、クライマックスで「花嫁」、エンドレスで「嫁ぐ日」とリーダーを務めたそれぞれのグループでヒット曲をとばしている。(杉田二郎がシューベルツにいたのは初めて知った)。北山と加藤も二人で歌った「あの素晴らしい愛をもう一度」をヒットさせているし、フォークルから派生した名曲って多いなあと今さらながら感じてしまった。

ところで、演技の方だが三人揃ってとてもヘタである。才能あふれる三人だが、そちらの方の才能はあまりなかったようだ。ミュージシャンだから別にいいのだけれども。

「その後」のその後

4日に書いた「お宝番組・その後」の項で、第3話が飛ばされたと書いたら、「本日(7日)に放送されたぞ」というコメントがついた。他の番組を録画していたので確認していないのだが、ネット内を散策したところ、松岡きっこ(当時25歳)のセーラー服姿がコスプレのようだったという記事を見つけた。ようするに3話「長く遠い道」と4話「空白の遺書」が入れ替わって放送されたようだ。ファミリー劇場のミスか都合かはよくわからないが、予告は2週続けて同じもの、つまり5話「重いかばん」の予告が放送されたらしい。そのまま流すと先週放送した「空白の遺書」になってしまうので、予告のみ差し替えたと考えるのが自然であろう。そう考えると単純なミスであろうか。いずれにしろもう1週くらい様子を見るべきであった。あんなネタ書かなかったのに。

ファミ劇で入れ替わりといえば、一昨年だったか「ウルトラセブン」の44話「円盤が来た」と45話「恐怖の超猿人」が逆に放送されたことがあった。と当時は思っていた。DVDやビデオの収録順も発売されている資料本もすべてその順になっているからである。しかし実は44話が「恐怖の超猿人」で45話が「円盤が来た」が正しいのだという記事をどこかで見た。経緯はよくわからんが、制作した円谷側でもその2話の順番が入れ替わった物を公式的に発表し、それがそのまま定着してしまったようなのである。つまりファミ劇ではそれに沿って「猿人」→「円盤」の順で放送したということなのだろう。しかし30年以上たってから、入れ替わっていると言われても、セブンファンの私は受け入れ難かったりするのである。

しかしセブンの放映順が正しかったとすると、「泣くな青春」も当時は「空白の遺書」→「長く遠い道」の順で予告が間違っているまま放送されていた可能性もなきにしもあらず。「プレイガール」とかでも予告と違うものが放送されたことがあったらしいし。さて真相はいかに。

青い山脈(テレビ版)

5回も映画化された「青い山脈」だが、テレビでも3度ドラマ化されている。最初の62年版は主演が「軽井沢夫人」こと高田美和、他に山田真二、北上弥太郎などということ以外詳細は不明である。

次の66年版は現在CSで放映されている。主演の新子は加賀まりこ、六助は関口宏、沼田先生は中野誠也、雪子先生は村松英子、芸者梅太郎はロミ山田、安吉は工藤堅太郎となっている。何といっても加賀まりこが奇麗すぎて、浮いている気がする。こういった作品には合わないように思うのだが。ちなみに当時23歳であった。最近の若い人は関口宏って司会者だと思っている人も多いのではないだろうか。実際、役者をやっている姿は最近見かけることはないけれども20年くらい前までは俳優であった。ちなみに実父の佐野周二も登場する。

そして74年版だが、これは一度も見たことがなく詳細も不明なのだが、主演の新子は坂口良子、六助は志垣太郎であることは間違いない。他はキャストから判断すると沼田は加山雄三(若大将では田沼)、雪子は小川知子であろうか。後はよくわからんが川崎敬三、加東大介、浜美枝なども登場するようだ。おそらく生徒役なのが川口厚、関根世津子(個人的に気にいっていた)、テレサ野田、丘淑美といったところである。ちなみに丘淑美は「おこれ男だ」の夏代(内藤武敏の娘)役だった蕭淑美(しゃあすうめい~とカナがふってあったと思う)のことである。この番組以外で蕭淑美の名を見かけなかったと思ったら改名していたことが初めてわかった。前2作は1クールであるが、これは2クールだったようである。

青い山脈

「青い山脈」といえば、誰もが知っている石坂洋次郎の青春小説だが、5度も映画化されているのをご存知であろうか。49年、57年、63年、75年、88年とあるのだが、個人的にはまともに見たのは1本もないし、原作も読んだことはない。ただ藤山一郎の唄う歌は子供の頃から知っている。今さら内容を書く必要もないと判断して、この5作品を役者で比較してみよう。

六助、新子、沼田先生、雪子先生、芸者梅太郎、安吉の順番である。まず49年版は池部良、杉葉子、龍崎一郎、原節子、木暮実千代、伊豆肇である。57年版は久保明、雪村いづみ、宝田明、司葉子、淡路恵子、太刀川洋一と40年前だが、結構知った名が並んでいる。63年版は浜田光夫、吉永小百合、二谷英明、芦川いづみ、南田洋子、高橋英樹と日活オールスターという顔ぶれだ。75年版は三浦友和、片平なぎさ、村野武範、中野良子、星由里子、田中健と微妙な感じである。そして一番新しい88年版は野々村真、工藤夕貴、舘ひろし、柏原芳恵、梶芽衣子、なし(安吉という名のキャラは出ない)となっている。間違いなく88年版が一番ショボイ。そういえば舘ひろしが「青い山脈」を唄っていたが、とても違和感があった。

それにしても六助とか新子とか安吉とか沼田玉男とか、時代背景を差し引いても(原作が発表されたのは47年)ネーミングセンスがないなあとか思ったりするのは私だけだろうか。

お宝番組・その後

今回はちょっと趣向を変えて、ここで取り上げた番組・映画のその後の状況について触れてみたい。ここで取り上げた後に放映が始まったのが、まず「特別機動捜査隊」である。あの15年も続いた地味な番組を、全801回を本当にやるのかと思ったが、1話の次はいきなり118話であった。まあ東映の場合、1話のみ現存というケースもよくあるので、ましなほうであろう。残念なのは中山昭二の藤島班の登場は112話からだったようなので、そこは見たかったなあという気がした。

そして映画ではブラック将軍こと丹羽又三郎が主演の「幽霊小判」が放映された。白塗りの丹羽がなかなか凛々しかったが、やっぱり悪人顔であると思った。

「太陽にほえろ・放送禁止編」という項で書いたエピソード19話と27話について新情報があった。その雑誌によれば、この2話が放送禁止ななっておるのは、撮影で本物の銃を使用してしまったからだというものであった。ならば放送禁止としているのも納得いくのだが、真偽のほどはわからない。嘘っぽい話ではあるけれども。

つい先日取り上げた「泣くな青春」だが、2話の次に放映されたのはなぜか第4話であった。2話にはちゃんと予告もついており、松岡きっこのセーラー服姿がしっかり映っていたが、第3話として放映された話に松岡は登場しなかった。替わりに「ハレンチ学園」の山岸こと小林文彦が登場し、自殺してしまうという話であった。調べてみるとそれはやはり第4話として放映されたエピソードである。予告までやっておきながら(CSでも予告はカットされているケースが結構ある)、なぜ第3話は飛ばされたのであろうか。また新たな謎ができてしまった。