駆け込みビル7号室
このまま「必殺」の話題を続けたほうが個人的には楽なのだが、ちょっと話題を変えることにする。私は子供の頃の番組はよく覚えているのだが、逆に高校生時代の番組はわからないものが結構あったりする。何故かといえば、あまりテレビを見ていなかったからに他ならない。「駆け込みビル7号室」(79年)もそんな番組の1つである。CSで先日始まったのだが、まったく初耳の番組であった。しかも主演はあの三船敏郎であり、タイトルからわかると思うが時代劇ではなく現代劇である。まあ映画のほうでは黒沢映画を始めとして現代劇も多いが、テレビでは時代劇以外思い浮かばない。弁護士事務所の所長という役柄で、他の出演者は「荒野の素浪人」などでも共演していた坂上二郎、そしてテキサス刑事こと勝野洋(実際はこっちが主役)などである。まあ現代劇の三船というのが見どころだったのかもしれないが、視聴率は低迷しわずか11回で打ち切られている。
実はこの年、フジテレビは目標視聴率制度を導入し、目標に達しない場合は一方的に番組を打ち切れるというもので、この制度の適用第一号となったのがこの番組だったのである。しかし、この制度は逆に制作サイドのやる気を削ぎ、当時不振だったフジテレビはますます不振に陥ったため、翌年にはこの制度は廃止されることになった。フジテレビの快進撃が始まるのはこの直後である。