暗闇仕留人 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

暗闇仕留人 その2

前項の続きである。この番組は中盤でレギュラーが減っていく。15話「過去ありて候」でセミレギュラーだったおみつ(佐野厚子)が石橋蓮司の手裏剣に殺され、半次(秋野太作)が何の説明もなく姿を消す。おそらくスケジュールの都合であろうが、どうせ姿を消すならその前回「切なくて候」にすればよかったのにと思うのである。この回、半次は故郷を訪れ、初めて自ら刃物を持ち殺しに参加する。姿を消すにふさわしいではないか。次の回も普通に出演しているので中途半端な感じがするのである。そして17話「仕上げて候」では貢の妻あや(木村夏江)が殺されてしまったりする。これを機会に貢の武器は三味線の撥から針を仕込んだ矢立へとチェンジされる。この仕込み矢立は10回程度しか使われなかったのだが、勿体無い気がした。

次はゲスト悪役についてだが、「サインはV」の中山仁、「特捜最前線」の本郷功次郎、「あかんたれ」の沢本忠雄、山本三兄弟の長兄・山本学などあまり悪役としては見かけない役者もいる。特に山本学が演じる佐島昌軒は頭突きで相手のあばらをバラバラにしてしまうという必殺技の持ち主で、1回限りにしてしまうのは勿体無いと思ったものである。(私の知っている限りでは以降のシリーズで使われていない)。

この番組はやたらと悪人に十手持ちが多い。20話「一途にて候」では、被害者側同心が「仮面ライダー」のおやっさんこと小林昭二と「ミラーマン」こと石田信之、加害者側同心に「赤影」こと坂口祐三郎(当時は坂口徹)など沢山の役人たちが死ぬ。ちなみに坂口は普通に悪徳同心の一人であり、あの赤影だと気付いた人はなかなかいないのではないどろうか。赤影といえば、8話に白影こと牧冬吉、24話には青影こと金子吉延、15話に幻妖斎こと天津敏がゲスト出演している。金子がゲストの24話の監督は赤影で監督を務めた倉田準二である(倉田が必殺シリーズで監督を務めたのは仕留人の2エピソードだけである)。この24話の悪役は「地獄大使」こと潮健児で、潮といえば「悪魔くん」で金子吉延ではなく、金子光伸とコンビをくんでいたなあ、などと考えていくと面白い。そう感じるのは私だけであろうか。