お宝映画・番組私的見聞録 -20ページ目

坂口祐三郎(坂口徹)の出演映画 その5

さらに前回の続きで、坂口祐三郎である。
「仮面の忍者赤影」(67~68年)の主役に抜擢された坂口であったが、良くも悪くも影響を被ることになる。もちろん一気に名前が知れ渡ったが、素顔は仮面で隠される。基本二枚目役者なので、素顔を見せるための仮面を付けていないシーンも当初はあったのだが、それだと小さい子供はわからなかったらしい。そして結果的に顔見せが無くなってまったという。ある意味スーツアクターに近いのかも。しかし、顔をあまり見せなかった割には、坂口祐三郎=赤影という強いイメージが付いてしまったのである。
実はもう1本ドラマの話が来ていたという。本人は「新撰組血風録」の続編と言っていたので、それに該当するのは「俺は用心棒」(67年)ということになる。正確には島田順司(沖田総司)と遠藤辰雄(芹沢鴨)は「血風録」と同じ配役で出ているが、栗塚旭、左右田一平、国一太郎などは新撰組ではない違う役での登場だ。放送期間がかぶり、同じ東映京都とはいえ、赤影の主役である坂口は掛け持ちできる状況ではなかったのだ。坂口が「血風録」で演じた山崎烝は「俺は用心棒」にも登場するのだが、演じたのは西田良であった。坂口とは全く似ていない猿顔の大部屋役者だ。坂口が出演できなくなったので、台本が変わったらしいが、山崎烝の出番は10話程度だったようだ。ちなみに、西田良はノンクレジットだが「赤影」にも下忍(つまり斬られ役)として何度か出演している。
赤影を1年間演じたことは、前述の様に当初は悪影響も大きく役が付きにくくなったのである。68年は「待っていた用心棒」「大奥」「次郎長三国志」など東映テレビ時代劇をゲスト出演するくらいに留まっている。
69年、芸名を坂口徹に改名し「赤影」からの脱却を計った。ドラマ「あゝ忠臣蔵」には坂口徹として、大石瀬佐衛門役でレギュラー出演している。ちなみに、主役の大石内蔵助(山村聰)と同じ「大石」だが、分家の「大石」ということのようだ。
そんな中で「東映まんがまつり」の一作として公開されたのが「飛び出す冒険映画 仮面の忍者赤影」(69年)である。第1部である「金目教」編の再編集版だが、一部新作カットもあるようだ。その新作部分が「立体映像」になっており、劇場で赤と青のセロハンを両目に貼った仮面風の「立体メガネ」が配られ、立体パートになるとスクリーンから赤影や白影がメガネをするように観客に呼びかけるのである。自分も子どもの頃に映画館でこれを見た記憶がある。
主演者は基本テレビと同じになるが、前述のとおり坂口は祐三郎ではなく徹となっている。共演は金子吉延、牧冬吉、里見浩太朗、大辻伺郎、そして天津敏演じる甲賀幻妖斎率いる霞谷七人衆の岡田千代、阿波地大輔、近江雄二郎、芦田鉄雄、波多野博、大城泰である。もう一人は汐路章だがカットされているようだ。
70年も映画出演はなく、東映時代劇へのゲスト出演が主となっている。
71年は初の大映映画出演。映画テレビ通じて他社出演は初めてかもしれない。それが渥美マリ主演の「モナリザお京」である。坂口には少ない現代劇で、主演の渥美はスリ、川津祐介が宝石泥棒。坂口はクラブ支配人の仲村隆と結託している盗品宝石ブローカーという役である。主人公たちからは敵の役だ。本作から約半年後に大映は倒産するので、最初で最後の大映出演となったわけである。

坂口祐三郎の出演映画 その4

前回の続きで坂口祐三郎である。
ドラマ「走れ!左源太」で、芸名が坂口祐三郎となった後は、しばらくテレビの仕事が続くことになる。
「忍びの者」(64~65年)は、大映が市川雷蔵主演で映画化し、シリーズものとなった作品のテレビ版である。盗賊として有名な石川五右衛門が忍者だったという設定の話だ。主演の五右衛門役には大映から移籍の品川隆二が抜擢された。どうしても近衛十四郎主演の「素浪人シリーズ」での相方・焼津の半次の三枚目イメージが強いが、それ以前は二枚目の主役をやっていた人なのである。
丁度1年間全52話が放送されたが、長年CSでも放送されることがなかった為、映像が存在しないのではと思われていた。しかし、21年に第1話のみではあるが東映チャンネルにて放送されている。東映は第1話のみフィルムが現存というパターンが結構多いのだ。
品川以外の出演者は、東千代之介(服部半蔵)、里見浩太朗(八木新十郎)、山城新伍(風魔の八郎)、高田浩吉(今井宗久)、伏見扇太郎(剣持小太郎)、栗塚旭(明智光秀)と中々に豪華。坂口は忍者・佐助役で恐らくレギュラー。佐助と言っても猿飛佐助のことかどうかは不明だ。
続けて、ほぼ入れ替わりで始まった司馬遼太郎原作の「新選組血風録」(65年)。タイトル通り新選組の話だが、栗塚旭(土方歳三)、島田順司(沖田総司)、舟橋元(近藤勇)、左右田一平(斎藤一)というキャストは意外と知られていると思う。坂口は隊士の一人・山崎烝役で出演している。烝は「すすむ」と読む。実際は四つの点(れっか)のない山﨑丞という表記のようだ。
66年は「われら九人の戦鬼」に出演。柴田錬三郎原作の時代劇で「新選組血風録」でのメインキャストがこちらでもメインを務めている。タイトルの「九人」は、栗塚旭、舟橋元、島田順司、左右田一平、市村昌治、北村英三、玉生司朗、有川正治そして坂口祐三郎である。本作も第1話のみ存在が確認されており、そこに出演している嵐寛寿郎や里見浩太朗は「九人」というわけではないようだ。
この年の映画出演は1本だけあり「日本暗黒街」のみのようである。鶴田浩二主演のアクション映画だが、割合ベテランな出演者が多い。西村晃、藤田進、金子信雄、安部徹、待田京介、中谷一郎、山城新伍などで、ヒロイン役も村松英子だったりと石井輝男のギャング映画(本作の監督は瀬川昌治)とは雰囲気が違う気がする(未見)だけれども。坂口は江口という役だが、詳細は不明。まあ麻薬密売組織(組員)の一人ではないだろうか。ちなみにネット上の映画サイトでは、総じて坂口祐二郎となっているが、まあ誤植と考えて良いのではないだろうか。
そして、67年「仮面の忍者赤影」に出会うこととなる。ある日カメラテストが行われ、その1週間後くらいに呼び出され、初めて主役であることを知ったという。実は赤影役には岡崎二朗が有力視されていたが、仮面をつけてもカッコイイという点で坂口が選ばれたようだ。次回に続く。

坂口祐三郎(牧口徹)の出演映画 その3

今回も坂口祐三郎の牧口徹時代、63年からの続きである。
「柳生武芸帳 片目水月の剣」は近衛十四郎主演の人気シリーズで、本作は6作目にあたる。共演は息子の松方弘樹初め、大木実、桜町弘子など。和崎俊哉が和崎隆太郎名義で出演しており、次作より俊哉に改名している。本作では高倉新八という役だが、第1~2作では十兵衛の弟・又十郎を演じている。牧口の役は「小五郎友行」となっている。
「八州遊侠伝 男の盃」はヤクザ映画っぽいタイトルだが、片岡千恵蔵主演の時代劇だ。共演は千葉真一、鳳八千代、水島道太郎、藤純子、堺駿二、志村喬など。千恵蔵は源次と名乗る旅人だが、その正体は国定忠治で、志村はその実の父親を演じる。当時、千恵蔵は60歳丁度で、志村は58歳。もちろん、志村は老けメイクで臨んだと思うが、通常は普通に千恵蔵が上に見えると思う。役柄は若い千恵蔵だが、若く見えるタイプではない。牧口の役は「亀吉」となっているが詳細は未見なので不明である。
「続・てなもんや三度笠」は人気テレビシリーズの東映劇場版。主演はテレビと同じ藤田まこと、白木みのる、中山道シリーズレギュラーだった香山武彦(花房錦一)。花菱アチャコ、夢路いとし・喜味こいし、大村崑、トニー谷、大宮敏充といった当時の喜劇人も登場する。他に清川虹子、E・H・エリック、ジョージ・ルイカー、製作の東映からは徳大寺伸、吉田義夫、チャンバラトリオの伊吹太郎(当時は幾太郎)、トリオ加入前の結城哲也も顔を見せている。牧口は「新太郎」という清川の息子役で、ストーリー上は中心となるキャラである。ヒロイン役は西崎みち子という60年代前半に活躍していた女優で、牧口と結ばれハッピーエンドとなる。ジョージ・ルイカーはエストニアとアルメニアのハーフだが、日本生まれで56年に帰化しているタレント。「社長シリーズ」などにも出演していたが、66年にオーストラリアに移住した。タイトルに「続」とあるが、前作と繋がりがあるわけではない。2作目という意味合いであろう。
64年になって、転機が訪れる。テレビシリーズ「走れ!左源太」に出演することになり、この際に坂口祐三郎の新芸名を与えられたのである。牧口時代にテレビ出演はなかったようである。主演は坂口とニューフェイス同期である嶋田景一郎で、牧口時代に「七人の騎士」で共演した山波新太郎、朝倉晴子がストーリーの中心となる。少年向けの30分ドラマで、戦国時代を舞台に日本版西部劇として企画された作品だそうである。何しろ資料のない作品で、出演者も前述以外には立川さゆり(松川純子)が判明しているくらい。ちなみに、山波はニューフェイス6期、嶋田と坂口が8期で、立川が9期である。朝倉晴子は朝倉彩子の名で日本電波映画の作品(琴姫七変化など)に出ていた女優のようである。このドラマだが、62~65年にかけて存在した東伸テレビの製作となっている記述もあるが、それは誤りで東映の製作である。
この64年の坂口の映画出演は大川橋蔵、片岡千恵蔵主演の「御金蔵破り」の1作のみのようである。フランス映画「地下室のメロディー」の翻訳時代劇と謳われている。時代劇も東映京都も初めての石井輝男が当時京都撮影所長だった岡田茂の命により監督を務めた。共演は朝丘雪路、丹波哲郎、杉浦直樹、青木義朗、待田京介、伏見扇太郎など。当時、大川と朝丘のゴシップ記事が週刊誌を賑わせていたため、敢えて共演させ話題を振りまこうとしたようである。坂口は「市川新五郎」という役だ。

坂口祐三郎(牧口徹)の出演映画 その2

前回の続きで、坂口祐三郎である。
牧口徹として61年にデビューし、「新黄金孔雀城 七人の騎士」ではその七人のうちの一人を演じるなど期待の若手であったと思われる。東映は60年に第二東映(61年にニュー東映に改称)を発足させた為、役者もスタッフも数が必要となっていたわけだが、結果は失敗に終わりニュー東映は東映本社に吸収される形で消滅した。
結局元に戻り、人は増やしたが製作本数は減るので、それが原因かどうかは定かでないが、62年は牧口徹にそれほど大きな役は廻ってこなかった。
「きさらぎ夢想剣」は市川右太衛門主演の時代劇。共演に近衛十四郎、松方弘樹親子を始め、高田浩吉、里見浩太朗、東千代之介、若山富三郎というスターが揃っていた。牧口の役は「与力」で、まあチョイ役の部類だろう。
「よか稚児ざくら 馬上の若武者」は右太衛門の息子である北大路欣也が主演で、共演は水木襄、小林哲子、北条きく子、星てるみ、こまどり姉妹、伊藤雄之助など。明治初期が舞台で、北大路や水木が反政府軍の志士を演じている。星てるみ(輝美)は、新東宝倒産後の出演で東映は三本目だったが、本作を最後に女優を引退している。10年「映画論叢」に掲載されたインタビューでは「水木襄が主演」と語っていたが、実際は北大路であった。牧口の役は「馬場元」で、反政府志士の一人と思われる。
「越後獅子祭り」は松方弘樹が主演の時代劇。共演は丘さとみ、北沢典子、進藤英太郎、上田吉二郎に加えて志村喬、千秋実の「七人の侍」コンビなど。牧口は「文七」という役だが、詳細は不明だ。
「ひばりの花笠道中」は美空ひばり、里見浩太朗主演の時代劇。ひばりの実弟である花房錦一と何故かひばりが二役で弟の役を演じている。他に近衛十四郎、原建策、西崎みち子など。里見は寛太と名乗る素浪人だが、正体は行方不明の浜松藩の若君・松千代で、牧口はその弟である梅千代の役だ。
この他、いずれも中村錦之助の主演である「瞼の母」「源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶」「宮本武蔵 般若坂の死闘」にもエキストラ的に出演しているらしい。「源氏九郎~」では錦之助の吹き替えスタントを務めたとのことである。
63年に入ってもその状況は変わらなかった。
「関東遊侠伝 利根の朝焼け」は里見浩太朗主演の時代劇。共演は久保菜穂子、北条きく子、東千代之介、近衛十四郎など。牧口は「洲崎の政吉」という役だが、詳細は不明だ。
「武士道残酷物語」は中村錦之助主演のオムニバス形式の作品で、戦国時代から現代(昭和38年)までの七話構成となっており、つまり錦之助は七役を演じていることになる。牧口が出演しているのは第六話(昭和20年)で、蜷川幸雄、花上晃とともに特攻隊員を演じている。

坂口祐三郎(牧口徹)の出演映画

今回からは「仮面の忍者赤影」で知られる坂口祐三郎である。
坂口は41年福岡生まれで本名は中村徹という。ちなみに仲村トオルの本名は中村亨だ。父親の顔は知らず、母には4歳で捨てられ、祖父方で育ったという。
高校二年の時、第7期東映ニューフェイスに応募。と言っても本人が応募したわけではない。校内に彼のファンクラブが存在しており、その中の同級生の女生徒(私設親衛隊長)が勝手に応募したのである。本人は俳優になる気など全くなかったのだが、書類選考に合格し、面接の通知が来たのである。
軽い気持ちで初上京し、東映本社を訪れたところ、演技課長から「君は大丈夫だから」と太鼓判を押されたという。数日後に当時の大川博社長による最終面接が行われた。「仮に合格したら来るのかい」の問いに「まだ学校が残っているので来年でないとこれません」と答えたという。高校を卒業するのが当たり前だと思っていたからで、さらに「良かったら、次の期に入れてください」とまで言い放った。周囲は騒然としていたが、大川社長は平然と「分かった。勉強は大事だからね!」と返してきた。こうして、第7期で受けながら、第8期としての入社が決定したのである。ちなみに、7期の合格者は宮園純子、三沢あけみ、結城美栄子、三島ゆり子など名が知れているのは女性ばかりである。
高校を卒業した61年、東映に入社。同期は小川守、嶋田景一郎、愛川かほる等。藤江リカ(五十嵐藤江)も同期のはずだが、当時の「東映の友」に発表された合格者にその名はない。
デビュー作となるのが「新諸国物語 黄金孔雀城」の第二部である。主演は沢村訥升、山城新伍、河原崎長一郎、伏見扇太郎、里見浩太朗など。少年向け時代劇だが、当時は1部1時間前後の話を3~4部くらいに分けて上映するのが主流で、本作も4部構成である。61年4月の公開なので、入社してまもなくの出演ということになるのだろうか。当時の芸名は牧口徹で、二郎太という役だ。ちなみに一郎太から十一郎太までおり、知らない役者が並んでいるが大城泰(七郎太)や大月正太郎(十郎太)辺りは知っている。大城は「赤影」で敵忍者(悪童子、夜目蟲斎)を演じたりしている大部屋役者だ。第2部から完結編まで出演するようだ。
続いて「新黄金孔雀城 七人の騎士」(61年)である。こちらは三部作で、前述の「黄金孔雀城」の姉妹編だ。タイトル通り七人の騎士が登場するが、演じるのが里見浩太郎、山城新伍、河原崎長一郎、沢村訥升までは前作と同じ顔ぶれ。しかし、演じるのはそれぞれ別人であり、本作は里見が主演扱いだ。残る三人が山波新太郎、国一太郎そして坂口こと牧口徹である。彼が演じる焔丸はその七人目として登場するのだ。国一太郎は専ら悪役のイメージで、こういったメインどころは珍しい気がする。時代劇専門かと思いきや70年代は「仁義なき戦い」シリーズなどヤクザ映画への出演が多くなっている。
坂口の牧口徹時代はほとんど語られることはないが、64年まで続くのである。

速水亮の出演映画 その5

もう1回だけ速水亮である。
速水亮となってからの初映画は前回書いたように「五人ライダー対キングダーク」(74年)である。「仮面ライダーX」が終了し、75年はテレビでのゲスト出演が続いている。「仮面ライダーストロンガー」や「太陽にほえろ」「非情のライセンス」「二人の事件簿」「プレイガールQ」といったアクションドラマだけでなく「銭形平次」「破れ傘刀舟悪人狩り」といった時代劇にも顔を出している。そんな中で「新・七人の刑事」では一番の若手である真野刑事を演じた。「七人の刑事」と言えば、61年~69年の旧シリーズと78年~79年の新シリーズがあるが、これはその間に放送された90分枠のスペシャルドラマで、全3回が放送されている。刑事を演じたのは速水の他、高松英郎(原係長)、山崎努(村沢)、地井武男(加納山)、伊東辰夫(徳永)、綿引洪(後に勝彦、田渕)、そして芦田伸介(辺見部長刑事)となっている。芦田の役名が違うので、それまでのシリーズとは繋がりはないようだ。リアルタイムで見たのだが、速水、伊東、綿引などの記憶はあるが、高松や山崎が出ていたという記憶はない。後者の方が当時でもよく知っていた役者にもかかわらずである。
そして76年、「撃たれる前に撃て!}で初の松竹映画出演。主演は速水と同じ大映出身の田宮二郎。田宮扮する通称コブラと呼ばれる鬼刑事が活躍するアクション映画で「怒れ毒蛇 目撃者を消せ」(74年)に続くシリーズ2作目だ。かつての恋人が先日亡くなった山本陽子で、その夫が検事である中丸忠雄だ。この三人は両作に登場する。
「撃たれる前に撃て」の他の出演者は松坂慶子、ジャネット八田、田口久美、内田良平、安部徹、金子信雄、小池朝雄、岡田英次など。速水の役だが、岡田英次の開発資金不正使用をネタに彼を脅迫する男(加島潤)の弟で、役名を松田謙作という。一瞬、優作に見える。しかもその兄を殺すのである。未見なので悪役なのかもよくわからないけれども。前述のようなベテラン勢が多く出演していることもあり、速水の名はポスターにはない。
76年の映画はこの1本のみで、77年に映画出演はない。しかしドラマでは昼メロ「花王愛の劇場・乱れる」にヒロイン(武原英子)の相手役として出演し、これがヒットする。これをきっかけに年一ペースで昼メロに出演するようになったのである。
78年は東宝映画「残照」に出演。三浦友和主演のメロドラマとでも言うのだろうか。共演は原田美枝子、下條アトム、五十嵐めぐみ、司葉子、小林桂樹など。速水は「西田」という役だが詳細は不明。主人公の友人といったところだろうか。また本作では前述の「新・七人の刑事」で共演した芦田伸介、綿引洪(後に勝彦)と再び共演している。
79年は角川映画「戦国自衛隊」に出演。これはリメイクもされ、かなり有名な作品だと思うが21人の自衛隊員がヘリや戦車ともども戦国時代にタイムスリップしてしまうというもの。自分も珍しく映画館に見に行った作品だ。主演は千葉真一、夏八木勲(当時は夏木)。速水は隊員の一人(森下一等陸士)で最後の方まで生き残っていた(結局みんな死ぬ)。隊員役には渡瀬恒彦、中康次、にしきのあきら(錦野旦)、江藤潤、倉石功、河原崎健三、三上真一郎、竜雷太、三浦洋一、ミュージシャンの高橋研、かまやつひろしなどが扮していた。速水は本作で中、錦野、高橋、清水昭博らと仲良くなり、その後も交友が続いたという。
映画出演は80年代に入っても少ないが、前述のように昼メロなどでキャリアを積んでいくのである。
 

速水亮(三崎玲資)の出演映画 その4

引き続き速水亮である。
大映が倒産し、アルバイトで食いつなぐ生活を送ることになった。芸名は豊田正文から自分で姓名判断を行い、三崎玲資に変えていた。その当時の仕事は森田健作主演の青春ドラマ「青春をつっ走れ」(72年)くらいであった。
北海道から神奈川の渚高校に転校してきた大次郎(森田)は男子バレー部を立ち上げの主将となる。女子バレー部の主将が紀比呂子演じる道子で、二人は対立したりする。男子バレー部員役には「ハレンチ学園」の小林文彦やデビューまもない郷ひろみがいた。女子バレー部には「魔神ハンターミツルギ」の林由里など。他に笠智衆、財津一郎、砂川啓介、浅茅しのぶ、森次浩司、菅原謙次などがレギュラー出演。この番組は18回と短い割にはレギュラーの役者交代が多く森川信→江戸屋猫八、松本留美→高林由紀子、熱田洋子→沢久美子にそれぞれ中盤あたりで変更となっている。
三崎玲資こと速水はライバル東南高校のバレー部主将・寺本を演じている。4回ほど登場しているので、準レギュラーと言えるかもしれない。ゲストはフォーリーブス、三ツ木清隆、松坂慶子、佐々木剛、菊容子、野村真樹(後に将希)、沖雅也、佐良直美、都はるみ、由紀さおり、水前寺清子、夏夕介とまあ人気歌手も大勢出ているが、視聴率はいまいちで前述のとおり18話で打ち切りとなってしまっている。穴埋め的に急遽作られたのが「あしたに駈けろ」だが、そのまま森田が主演である。郷ひろみ、菅原謙次、笠智衆などが引き続き出演し、栗田ひろみ、鳥居恵子、児島美ゆき、石田信之、沖田駿一などが新たに加わった。予定通り8話で終了しているため、森田ドラマとしてはかなりマイナーな部類になるだろう。速水も三崎玲資として出演しており、レギュラーだったようである。おそらく生徒の一人ではないだろうか。
どうやら三崎玲資の名はこの二本のみでの使用に留まったようで映画での使用はない。
その後富士企画という事務所に入り、子供番組から売り出そうということになり、「鉄人タイガーセブン」のオーディションで最終選考まで残ったが結局、落選(合格は南城竜也)。74年になり、事務所の社長が東映の平山亨、阿部征司両プロデューサーと付き合いがあったことから「仮面ライダーX」主演の話が持ち上がる。オーディションではなく面接で主演が決定した。そのため、三度芸名を変えることになり、速水亮の名を与えられたのである。本人はカッコ良すぎる気がするので、またいずれ変えることになるだろうと思ったそうである。
こうして速水亮が誕生したのだが、その「仮面ライダーX」で序盤のヒロインを演じたのが新人の美山尚子だった。番組の路線変更に伴い8話をもって降板することになった。それを気の毒に思った速水が慰めたりしているうちに交際するようになったということだ。ヒマになった彼女は速水の家に行き、掃除や洗濯、料理などをしていたという。二人は翌75年に結婚し、美山は女優を引退している。その放送中に公開されたのが「五人ライダー対キングダーク」(74年)である。過去のライダー四人が客演するがほぼ変身後の姿であり、変身前の藤岡弘、佐々木剛、宮内洋、山口暁の映像はテレビ本編からの流用である。必然的に主演は速水であり、立花藤兵衛役の小林昭二の他、15話から出演の早田みゆき、小坂チサコ(後に仁和令子)、「人造人間キカイダー」でヒロインを演じた水の江じゅん等が出演している。
「X」本編は1年予定のところ35話(74年10月)にて終了する。視聴率の低下も理由だが、75年4月に予定されていた「腸捻転」の影響もあった。簡単に言うと、関東ではテレビ朝日系(当時NET)で放送されていた同シリーズが、TBSに移動して放送されることになったのである。間に半年終了の番組を挟んだ方がいいとの判断から「X」を35話で終了させ、「仮面ライダーアマゾン」を2クール予定でスタートさせたわけである。
「出演映画」と言いながら、今回はほとんど映画に触れずに長くなってしまったので、次回で改めて。

速水亮(炎三四郎)の出演映画 その3

前回に引き続き速水亮(炎三四郎)である。
約半年の空白期間を経て、71年の初出演作品となったのが「君は海を見たか」である。本作は70年に日本テレビで放送され(全8回)好評を得た倉本聰のオリジナル脚本ドラマの映画版だ。
妻を事故で亡くした増子一郎は9歳の息子正一の世話を妹・弓子に任せて仕事に打ち込んでいたが、その正一がウィルムス腫瘍となり余命三カ月と宣告されてしまう。それをきっかけに増子は息子との触れ合いを取り戻そうとするといったお話である。
日テレドラマ版のキャストは平幹二朗(増子)、山本善朗(正一)、姿三千子(弓子)で、他に小栗一也、野際陽子、下元勉、井川比佐志となっている。
大映版も原作・脚本は倉本聰だが、登場人物らに若干の違いはあるようだ。上記の日テレ版に対応するように記述すると天知茂(増子)、山本善朗(正一)、寺田路恵(弓子)で、他に内藤武敏、阪口美奈子、中村伸郎、中山仁となっており、子役の山本のみドラマ版と同一である。内藤はドラマ版にも出演しているが、違う役である。後、ドラマ版には大映の主演スターだった本郷功次郎が増子の友人役出ていたが、映画版に同役はない。速水の役は天知の部下・田宮で、こちらはドラマ版にはなかった役のようである。なお、ドラマ版では巨人軍の王貞治、長嶋茂雄、高橋一三が入院中の少年を励ます役(つまり本人)で出演しているという。
倉本の大映作品というのは他に無いようで、倉本と天知の組み合わせも他に無いようである(あったらスイマセン)。
なお、82年にもフジテレビでリメイクされ、萩原健一、六浦誠、伊藤蘭、柴俊夫、田中邦衛、関根恵子、大木実、梅宮辰夫、大友柳太朗などが出演している。
速水に話を戻すと実は本作が炎三四郎としての最後の出演となっている。ここからまた五カ月の間があくのだが、その間にダイニチ映配は、日活のロマンポルノ転向により解消され、71年10月に大映配給が新たに設立される。もっとも、それから二月持たず大映は倒産してしまうのだが。
その大映末期に公開されたのが戦記物「海兵四号生徒」である。出演は渡辺篤史、高橋長英、佐々木剛、長谷川明男、伊吹新吾(後に剛)、高城丈二などで、ここでの速水は芸名の変更を承諾され「豊田正文」を名乗っている。これは本作の原作が豊田穣で、役名が十条正文だったのを合わせたもの。しかし、前述のとおり直後に大映が倒産し、結局この豊田正文の使用は本作のみに留まっている。
 

速水亮(炎三四郎)の出演映画 その2

前回に引き続き速水亮の大映時代、つまり炎三四郎だった頃である。
70年の速水こと炎三四郎は「ガメラ対ジャイガー」以外にも4本の作品に出演している。この後エキストラの仕事を2本続けて断ったら、半年以上干されてしまったという記述もあったが、出演作はコンスタントに公開されている。ただ、役の方は少しメインから外れた感じになっている。この際に芸名が嫌だったこともあって、他の仲間とと共に辞意を伝えたが、速水のみ遺留されたそうだ。
5月に公開されたのが「太陽は見た」である。実はこの作品から大映は日活と提携し、配給がダイニチ映配となっている。つまり大映と日活作品の二本立てが行われたのである。
主演は渥美マリで、共演が峰岸隆之介(後に徹)と伊藤雄之助、内田朝雄、名古屋章、篠田三郎など。速水の役は名古屋明の部下である永井刑事。本作で共演の成瀬亜紀子、川内悦子、別府正英はニューフェイスの同期である。別府は市川雷蔵の紹介だったそうだ。
「女秘密調査員 唇に賭けろ」の主演は江波杏子。タイトル通り秘密調査員である。探偵でも警察でもなく産業スパイみたいなものだろうか。長谷川明男、平泉征(後に成)、そして速水はその同僚という役である。共演は藤巻潤、成田三樹夫、赤座美代子、名古屋章、久米明、神田隆、千秋実など。千秋の大映出演作というのは数少ない。
「高校生番長 棒立て遊び」は篠田三郎の項で触れたと思うが、主演は南美川洋子で、他に八並映子、八代順子、篠田三郎、小野川公三郎、加藤嘉、田武謙三など。速水は石田という応援団OBの役である。クレジットは篠田、小野川と同じ二枚目に名があり、後の「ウルトラマンタロウ」「トリプルファイター」「仮面ライダーX」が並んでいることになる。応援団員役で稲妻竜二という人が出演しているが、炎三四郎に近いネーミングセンスを感じる。同じ永田専務の命名かもしれない。
富島健夫原作「おさな妻」と言えば、1年続いたテレビドラマの方が知られていると思うが、ドラマがスタートした翌月に映画も公開されている。ドラマ版は麻田ルミと井上孝雄のコンビだったが、映画版は関根恵子(後に高橋惠子)と新克利である。ちなみに麻田も関根も当時は15歳。井上は35歳だったが、新は30歳であった。映画版の他の出演者は渡辺美佐子、坪内ミキ子、真山知子、福田豊土などである。速水の役は関根の伯母(近江輝子)の息子・淳一。
実はここから約半年出演作が途絶えているので、前述の干された時期というのは、71年前半のことを言っているのではないかと思われる。

速水亮(炎三四郎)の出演映画

次は誰にするか悩んだのだが、「仮面ライダーX」の速水亮にした。まあ大映ニューフェイス出身で篠田三郎の時とだぶる部分もあるかもしれないが、そこは広い目で。
速水亮は49年生まれ。本名は越坂部茂、千葉の高校を素行不良で2年で退学。69年、上京して駆け出しの女優という女性と知り合ったことをきっかけに大映ニューフェイスに応募して合格。最後の期となった20期生となった。同期には八並映子、中野良子、京都6期として採用された伊吹剛などがいた。中野良子は卒業公演の1か月前になって辞めてしまったという。
芸名はある日、永田秀雅副社長により「炎三四郎」と名付けられた。学生時代に柔道をやっていたという経歴もあって付けられたものだったが、本人としては非常に不服なものであった。立場的に逆らえるはずもなかったが、俳優になるのを辞めたくなるほど嫌だったそうだ。
69年10月に正式契約し、炎三四郎として翌月の「あゝ陸軍隼戦闘隊」でデビューを飾った。主演は佐藤允、本郷功次郎で、他に宇津井健、藤巻潤、藤村志保、峰岸徹(当時は隆之介)、平泉成(当時は征)、島田正吾、藤田進といった中々豪華なメンバー。速水の役柄は通信将校でセリフも意外にあったという。
同月に「女賭博師花の切り札」も公開。主演は江波杏子、天知茂で、他に船越英二、津川雅彦、成田三樹夫など。速水の役柄は成田演じる兼松の子分というもので、同じ役柄の篠田三郎はクレジットされているが、速水はノンクレジットであった。ただ、本作はノンクレジットが20人近くいたようだ。
もう1本あり、渥美マリ、川崎敬三主演の「あなた好みの」である。他に伴淳三郎、奥村チヨ、鳳啓助、京唄子、関敬六など。速水はチョイ役のようだが、同期の八波映子や成瀬亜紀子と共にクレジットされている。いきなりジャンルの異なる3作品に顔を出していたのである。
70年に渥美マリ主演の「続・いそぎんちゃく」に出演するが、ここでは六番目に(新人)付でクレジットされている。初のメインキャストと言えるだろう。渥美、有島一郎、田中邦衛、森川信、平泉征の次である。中条静夫や高原駿雄、酒井修などより前である。渥美と富士急のスケートリンクで知り合う金持ちの大学生という役である。
続いて「ガメラ対大魔獣ジャイガー」だが、ここでは実質的に主演に抜擢されている。実質的と書いたのはクレジットの一枚目は高桑勉、ケリー・バリス、キャサリン・マーフィになっており、誰やねんという感じだが、いずれも子役である。しかもケリーやキャサリンはアメリカンスクールに通っていた全くの素人だったそうな。その次が速水で大村崑、八代順子が並んでいた。平泉征、仲村隆なども出演しているが、知名度の高い役者は少ない。高田宗彦、蛍雪太朗、チコ・ローランド、フランツ・グルーバル辺りが知られているかも。高田は「少年ジェット」の怪盗ブラック・デビル役で知られる。スコットランド人とのハーフなので外国人パイロット役である。ちなみに、娘は松本留美だ。
70年と言えば大阪万博だが、本作も万博が舞台だ。ただ特にタイアップだったわけではないようだ。