速水亮(炎三四郎)の出演映画 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

速水亮(炎三四郎)の出演映画 その2

前回に引き続き速水亮の大映時代、つまり炎三四郎だった頃である。
70年の速水こと炎三四郎は「ガメラ対ジャイガー」以外にも4本の作品に出演している。この後エキストラの仕事を2本続けて断ったら、半年以上干されてしまったという記述もあったが、出演作はコンスタントに公開されている。ただ、役の方は少しメインから外れた感じになっている。この際に芸名が嫌だったこともあって、他の仲間とと共に辞意を伝えたが、速水のみ遺留されたそうだ。
5月に公開されたのが「太陽は見た」である。実はこの作品から大映は日活と提携し、配給がダイニチ映配となっている。つまり大映と日活作品の二本立てが行われたのである。
主演は渥美マリで、共演が峰岸隆之介(後に徹)と伊藤雄之助、内田朝雄、名古屋章、篠田三郎など。速水の役は名古屋明の部下である永井刑事。本作で共演の成瀬亜紀子、川内悦子、別府正英はニューフェイスの同期である。別府は市川雷蔵の紹介だったそうだ。
「女秘密調査員 唇に賭けろ」の主演は江波杏子。タイトル通り秘密調査員である。探偵でも警察でもなく産業スパイみたいなものだろうか。長谷川明男、平泉征(後に成)、そして速水はその同僚という役である。共演は藤巻潤、成田三樹夫、赤座美代子、名古屋章、久米明、神田隆、千秋実など。千秋の大映出演作というのは数少ない。
「高校生番長 棒立て遊び」は篠田三郎の項で触れたと思うが、主演は南美川洋子で、他に八並映子、八代順子、篠田三郎、小野川公三郎、加藤嘉、田武謙三など。速水は石田という応援団OBの役である。クレジットは篠田、小野川と同じ二枚目に名があり、後の「ウルトラマンタロウ」「トリプルファイター」「仮面ライダーX」が並んでいることになる。応援団員役で稲妻竜二という人が出演しているが、炎三四郎に近いネーミングセンスを感じる。同じ永田専務の命名かもしれない。
富島健夫原作「おさな妻」と言えば、1年続いたテレビドラマの方が知られていると思うが、ドラマがスタートした翌月に映画も公開されている。ドラマ版は麻田ルミと井上孝雄のコンビだったが、映画版は関根恵子(後に高橋惠子)と新克利である。ちなみに麻田も関根も当時は15歳。井上は35歳だったが、新は30歳であった。映画版の他の出演者は渡辺美佐子、坪内ミキ子、真山知子、福田豊土などである。速水の役は関根の伯母(近江輝子)の息子・淳一。
実はここから約半年出演作が途絶えているので、前述の干された時期というのは、71年前半のことを言っているのではないかと思われる。