坂口祐三郎の出演映画 その4 | お宝映画・番組私的見聞録

坂口祐三郎の出演映画 その4

前回の続きで坂口祐三郎である。
ドラマ「走れ!左源太」で、芸名が坂口祐三郎となった後は、しばらくテレビの仕事が続くことになる。
「忍びの者」(64~65年)は、大映が市川雷蔵主演で映画化し、シリーズものとなった作品のテレビ版である。盗賊として有名な石川五右衛門が忍者だったという設定の話だ。主演の五右衛門役には大映から移籍の品川隆二が抜擢された。どうしても近衛十四郎主演の「素浪人シリーズ」での相方・焼津の半次の三枚目イメージが強いが、それ以前は二枚目の主役をやっていた人なのである。
丁度1年間全52話が放送されたが、長年CSでも放送されることがなかった為、映像が存在しないのではと思われていた。しかし、21年に第1話のみではあるが東映チャンネルにて放送されている。東映は第1話のみフィルムが現存というパターンが結構多いのだ。
品川以外の出演者は、東千代之介(服部半蔵)、里見浩太朗(八木新十郎)、山城新伍(風魔の八郎)、高田浩吉(今井宗久)、伏見扇太郎(剣持小太郎)、栗塚旭(明智光秀)と中々に豪華。坂口は忍者・佐助役で恐らくレギュラー。佐助と言っても猿飛佐助のことかどうかは不明だ。
続けて、ほぼ入れ替わりで始まった司馬遼太郎原作の「新選組血風録」(65年)。タイトル通り新選組の話だが、栗塚旭(土方歳三)、島田順司(沖田総司)、舟橋元(近藤勇)、左右田一平(斎藤一)というキャストは意外と知られていると思う。坂口は隊士の一人・山崎烝役で出演している。烝は「すすむ」と読む。実際は四つの点(れっか)のない山﨑丞という表記のようだ。
66年は「われら九人の戦鬼」に出演。柴田錬三郎原作の時代劇で「新選組血風録」でのメインキャストがこちらでもメインを務めている。タイトルの「九人」は、栗塚旭、舟橋元、島田順司、左右田一平、市村昌治、北村英三、玉生司朗、有川正治そして坂口祐三郎である。本作も第1話のみ存在が確認されており、そこに出演している嵐寛寿郎や里見浩太朗は「九人」というわけではないようだ。
この年の映画出演は1本だけあり「日本暗黒街」のみのようである。鶴田浩二主演のアクション映画だが、割合ベテランな出演者が多い。西村晃、藤田進、金子信雄、安部徹、待田京介、中谷一郎、山城新伍などで、ヒロイン役も村松英子だったりと石井輝男のギャング映画(本作の監督は瀬川昌治)とは雰囲気が違う気がする(未見)だけれども。坂口は江口という役だが、詳細は不明。まあ麻薬密売組織(組員)の一人ではないだろうか。ちなみにネット上の映画サイトでは、総じて坂口祐二郎となっているが、まあ誤植と考えて良いのではないだろうか。
そして、67年「仮面の忍者赤影」に出会うこととなる。ある日カメラテストが行われ、その1週間後くらいに呼び出され、初めて主役であることを知ったという。実は赤影役には岡崎二朗が有力視されていたが、仮面をつけてもカッコイイという点で坂口が選ばれたようだ。次回に続く。