速水亮の出演映画 その5 | お宝映画・番組私的見聞録

速水亮の出演映画 その5

もう1回だけ速水亮である。
速水亮となってからの初映画は前回書いたように「五人ライダー対キングダーク」(74年)である。「仮面ライダーX」が終了し、75年はテレビでのゲスト出演が続いている。「仮面ライダーストロンガー」や「太陽にほえろ」「非情のライセンス」「二人の事件簿」「プレイガールQ」といったアクションドラマだけでなく「銭形平次」「破れ傘刀舟悪人狩り」といった時代劇にも顔を出している。そんな中で「新・七人の刑事」では一番の若手である真野刑事を演じた。「七人の刑事」と言えば、61年~69年の旧シリーズと78年~79年の新シリーズがあるが、これはその間に放送された90分枠のスペシャルドラマで、全3回が放送されている。刑事を演じたのは速水の他、高松英郎(原係長)、山崎努(村沢)、地井武男(加納山)、伊東辰夫(徳永)、綿引洪(後に勝彦、田渕)、そして芦田伸介(辺見部長刑事)となっている。芦田の役名が違うので、それまでのシリーズとは繋がりはないようだ。リアルタイムで見たのだが、速水、伊東、綿引などの記憶はあるが、高松や山崎が出ていたという記憶はない。後者の方が当時でもよく知っていた役者にもかかわらずである。
そして76年、「撃たれる前に撃て!}で初の松竹映画出演。主演は速水と同じ大映出身の田宮二郎。田宮扮する通称コブラと呼ばれる鬼刑事が活躍するアクション映画で「怒れ毒蛇 目撃者を消せ」(74年)に続くシリーズ2作目だ。かつての恋人が先日亡くなった山本陽子で、その夫が検事である中丸忠雄だ。この三人は両作に登場する。
「撃たれる前に撃て」の他の出演者は松坂慶子、ジャネット八田、田口久美、内田良平、安部徹、金子信雄、小池朝雄、岡田英次など。速水の役だが、岡田英次の開発資金不正使用をネタに彼を脅迫する男(加島潤)の弟で、役名を松田謙作という。一瞬、優作に見える。しかもその兄を殺すのである。未見なので悪役なのかもよくわからないけれども。前述のようなベテラン勢が多く出演していることもあり、速水の名はポスターにはない。
76年の映画はこの1本のみで、77年に映画出演はない。しかしドラマでは昼メロ「花王愛の劇場・乱れる」にヒロイン(武原英子)の相手役として出演し、これがヒットする。これをきっかけに年一ペースで昼メロに出演するようになったのである。
78年は東宝映画「残照」に出演。三浦友和主演のメロドラマとでも言うのだろうか。共演は原田美枝子、下條アトム、五十嵐めぐみ、司葉子、小林桂樹など。速水は「西田」という役だが詳細は不明。主人公の友人といったところだろうか。また本作では前述の「新・七人の刑事」で共演した芦田伸介、綿引洪(後に勝彦)と再び共演している。
79年は角川映画「戦国自衛隊」に出演。これはリメイクもされ、かなり有名な作品だと思うが21人の自衛隊員がヘリや戦車ともども戦国時代にタイムスリップしてしまうというもの。自分も珍しく映画館に見に行った作品だ。主演は千葉真一、夏八木勲(当時は夏木)。速水は隊員の一人(森下一等陸士)で最後の方まで生き残っていた(結局みんな死ぬ)。隊員役には渡瀬恒彦、中康次、にしきのあきら(錦野旦)、江藤潤、倉石功、河原崎健三、三上真一郎、竜雷太、三浦洋一、ミュージシャンの高橋研、かまやつひろしなどが扮していた。速水は本作で中、錦野、高橋、清水昭博らと仲良くなり、その後も交友が続いたという。
映画出演は80年代に入っても少ないが、前述のように昼メロなどでキャリアを積んでいくのである。