速水亮(三崎玲資)の出演映画 その4 | お宝映画・番組私的見聞録

速水亮(三崎玲資)の出演映画 その4

引き続き速水亮である。
大映が倒産し、アルバイトで食いつなぐ生活を送ることになった。芸名は豊田正文から自分で姓名判断を行い、三崎玲資に変えていた。その当時の仕事は森田健作主演の青春ドラマ「青春をつっ走れ」(72年)くらいであった。
北海道から神奈川の渚高校に転校してきた大次郎(森田)は男子バレー部を立ち上げの主将となる。女子バレー部の主将が紀比呂子演じる道子で、二人は対立したりする。男子バレー部員役には「ハレンチ学園」の小林文彦やデビューまもない郷ひろみがいた。女子バレー部には「魔神ハンターミツルギ」の林由里など。他に笠智衆、財津一郎、砂川啓介、浅茅しのぶ、森次浩司、菅原謙次などがレギュラー出演。この番組は18回と短い割にはレギュラーの役者交代が多く森川信→江戸屋猫八、松本留美→高林由紀子、熱田洋子→沢久美子にそれぞれ中盤あたりで変更となっている。
三崎玲資こと速水はライバル東南高校のバレー部主将・寺本を演じている。4回ほど登場しているので、準レギュラーと言えるかもしれない。ゲストはフォーリーブス、三ツ木清隆、松坂慶子、佐々木剛、菊容子、野村真樹(後に将希)、沖雅也、佐良直美、都はるみ、由紀さおり、水前寺清子、夏夕介とまあ人気歌手も大勢出ているが、視聴率はいまいちで前述のとおり18話で打ち切りとなってしまっている。穴埋め的に急遽作られたのが「あしたに駈けろ」だが、そのまま森田が主演である。郷ひろみ、菅原謙次、笠智衆などが引き続き出演し、栗田ひろみ、鳥居恵子、児島美ゆき、石田信之、沖田駿一などが新たに加わった。予定通り8話で終了しているため、森田ドラマとしてはかなりマイナーな部類になるだろう。速水も三崎玲資として出演しており、レギュラーだったようである。おそらく生徒の一人ではないだろうか。
どうやら三崎玲資の名はこの二本のみでの使用に留まったようで映画での使用はない。
その後富士企画という事務所に入り、子供番組から売り出そうということになり、「鉄人タイガーセブン」のオーディションで最終選考まで残ったが結局、落選(合格は南城竜也)。74年になり、事務所の社長が東映の平山亨、阿部征司両プロデューサーと付き合いがあったことから「仮面ライダーX」主演の話が持ち上がる。オーディションではなく面接で主演が決定した。そのため、三度芸名を変えることになり、速水亮の名を与えられたのである。本人はカッコ良すぎる気がするので、またいずれ変えることになるだろうと思ったそうである。
こうして速水亮が誕生したのだが、その「仮面ライダーX」で序盤のヒロインを演じたのが新人の美山尚子だった。番組の路線変更に伴い8話をもって降板することになった。それを気の毒に思った速水が慰めたりしているうちに交際するようになったということだ。ヒマになった彼女は速水の家に行き、掃除や洗濯、料理などをしていたという。二人は翌75年に結婚し、美山は女優を引退している。その放送中に公開されたのが「五人ライダー対キングダーク」(74年)である。過去のライダー四人が客演するがほぼ変身後の姿であり、変身前の藤岡弘、佐々木剛、宮内洋、山口暁の映像はテレビ本編からの流用である。必然的に主演は速水であり、立花藤兵衛役の小林昭二の他、15話から出演の早田みゆき、小坂チサコ(後に仁和令子)、「人造人間キカイダー」でヒロインを演じた水の江じゅん等が出演している。
「X」本編は1年予定のところ35話(74年10月)にて終了する。視聴率の低下も理由だが、75年4月に予定されていた「腸捻転」の影響もあった。簡単に言うと、関東ではテレビ朝日系(当時NET)で放送されていた同シリーズが、TBSに移動して放送されることになったのである。間に半年終了の番組を挟んだ方がいいとの判断から「X」を35話で終了させ、「仮面ライダーアマゾン」を2クール予定でスタートさせたわけである。
「出演映画」と言いながら、今回はほとんど映画に触れずに長くなってしまったので、次回で改めて。