お宝映画・番組私的見聞録 -12ページ目

2024年回顧録

年末なので、恒例の回顧録である。と言っても今年亡くなった有名人を挙げて行くだけなのだが。カッコつき数字が没年齢である。
まずは俳優部門。山本陽子(81)は、日活ニューフェイス7期生で、同期は西尾三枝子、谷隼人、沖田駿一など。高校卒業後は、野村證券でOLをしていたが、知人が日活に応募し合格。63年21歳で入社し、女優デビュー。吉永小百合、和泉雅子、松原智恵子らの人気が高く、当初は端役が多かったが、徐々に役が付くようになっていった。日活時代はあまり役に恵まれなかったが、テレビに進出してからスター女優へと昇って行った。苗字が縁で起用された山本海苔店のCMは42年間に及んだ。混同しやすいが「山本山」ではない。70歳を機に熱海に移り住み、前日まで元気だったという。生涯独身であった。最後のテレビ出演は「徹子の部屋」で日活の先輩である高橋英樹と出演していた。
その高橋と同期だったのが中尾彬(81)である。つまり、日活ニューフェース5期生である。当時の雑誌に合格者として載っていなかったのは後から編入されたからのようだ。61年に入社したが、翌年には退社し、フランスへ絵画留学。63年に帰国した後は、劇団民藝に入団しているので、以降の日活映画出演は民藝所属としての出演だったようだ。池波志乃とは前妻・茅島成美との離婚が成立した78年に入籍。78年末「西遊記」に二人揃って妖怪役で出演しているが、おそらく結婚の直後と思われる。
同じ81歳で亡くなったのが寺田農(81)、浜畑賢吉(81)である。寺田は61年に文学座研究生の一期生となる。中村敦夫や岸田森、樹木希林などが同期。65年のドラマ「青春とはなんだ」に生徒役で出演したあたりから、注目され始めた。浜畑は俳優座養成所15期生。前述の「青春とはなんだ」のシリーズ番組「進め!青春」(68年)で主役の教師を演じたが、メキシコオリンピック開催時期と重なり視聴率が低迷し11話で打ち切りとなってしまった。個人的に再放送も見たことがない番組である。これに生徒役で出演していたのが赤塚真人(73)だった。「まさと」ではなく「まこと」である。剛達人や森川庄太同様に高校生役のイメージが強い気がする。東北人っぽいしゃべりに聞こえるが、茨城生まれの東京育ちである。もう一人、教頭先生役で出ていたのが平田昭彦だが、その妻が久我美子(93)である。華族出身で、東宝ニューフェースの1期生だ。三船敏郎、伊豆肇、若山セツ子などが同期となる。芸名は「くがよしこ」だが、本名は同じ字で「こがはるこ」と読む。2000年以降は活動休止状態であった。
このシリーズの生徒役常連に柴田昌宏がいるが、その実姉が弓恵子(87)である。「青春とはなんだ」には共に出演し、弓は教師の役であった。デビュー当時の芸名は光丘ひろみ。父は潮万太郎、もう一人の弟は柴田侊彦、夫は宮口二朗であった。
東映出身では丘さとみ(88)がいる。高校在学中に「日本シンデレラ姫コンテスト」優勝。55年スカウトされ東映ニューフェース2期生として入社。高倉健や今井健二が同期だが、高倉も実質スカウト入社である。結婚して一度引退するが、70年代半ばに離婚すると女優復帰した。再婚して米カリフォルニアに移住。芸能界からは遠ざかっていた。
記憶にまだ新しいのは西田敏行(76)、火野正平(75)、中山美穂(54)であろう。まだまだ現役という感じだっただけに驚いた人も多かろう。全員に合掌。

高城丈二の出演映画 その5

高城丈二のラストである。
テレビの方の話題から入るが、69年は東映の「特命捜査室」に出演。これは前番組の「ブラックチェンバー」が雰囲気が暗く視聴率も悪かったことから13話で打ち切られ、テコ入れとして始まった番組である。内田良平は降板したが、中山仁、賀川雪絵、千葉治郎は役名そのままで続投している。千葉治郎(後に矢吹二朗)のデビュー作であり、芸名は兄が千葉真一で、原作が生島治郎だったから。
「特命捜査室」は、前述の三人に桜町弘子、大橋一元、そして高城が加わって再スタートという形になっており、OP曲からして明るい感じになっている。第1話は現存しており、CSで放送されたことがあるが、「恐怖の報酬」がモチーフになっているような展開だった。OPでは「トメ」になっている高城が(トップは中山)、EDのクレジットではトップになり、中山がトメになっている。高城への配慮かW主演扱いなのか微妙だが、ドラマで高城が主演扱いなのは本作が最後と思われる。
70年に入り、松竹の連続ドラマ「姿三四郎」に出演。三四郎は竹脇無我で、高城は宿敵の一人・檜垣源之助を演じている。ドラマ化はこれが4度目であった。他に菅原謙次、鮎川いずみ。朝丘雪路、戸浦六宏、進藤英太郎などで、「特命捜査室」で共演した大橋一元が弟の檜垣源三郎を演じている。
ドラマ放送中に映画化もされているが、これも4度目である。最初に映画化したのが黒澤明で、監督デビュー作であることは有名だろう。映画版はテレビ版と若干キャストが変更されており、竹脇や高城はそのままだが、高橋幸治、尾崎奈々、森次浩司、堀雄二、白木マリなどが映画版のみ出演している。
70年はもう一本、大映の「あぶく銭」に出演。おそらく初の大映出演であり、天知茂と久しぶりの共演となっている。主演は勝新太郎で、他に野川由美子、水野久美、藤岡琢也、五味龍太郎、成田三樹夫などである。高城は組の代貸だが、成田率いる磯部組に殺される役だ。
71年は倒産寸前の大映作品2本に出演。「若き日の講道館」はタイトル通り柔道もので、主演は岩下亮。岩下志麻の実弟である。他に熱田洋子、川崎あかね、前田吟、戸浦六宏、早川雄三などで、高城の役柄は不明だが、脚本が松浦健郎なので、その縁での出演だろうか。
「海軍四号生徒」は海軍兵学校を描いた作品で、上級生による理不尽なシゴキが描かれている。出演は渡辺篤史、高橋長英、佐々木剛、長谷川明男、伊吹新吾(伊吹剛)、豊田正文(速水亮)などで、高城は生徒ではなく少佐の役である。
72年は「新座頭市物語 折れた杖」。大映倒産により東宝で制作された座頭市で、主演の勝新が監督も務めている。共演は大地喜和子、吉沢京子、大滝秀治、藤岡重慶、中村嘉葎雄など。小池朝雄が悪党の親分でその用心棒が高城である。
最後の映画出演となったのは76年の「天保水滸伝 大原幽学」という作品で、全国農村映画協会の制作で、配給は富士映画となっている。主演の幽学役は平幹二朗で、他に浅丘ルリ子、大竹しのぶ、香川美子、高岡健二、高橋悦史、加藤武、ハナ肇などで、高城は「鳴滝の佐吉」という役だが、未見なのでその立ち位置は不明である。

高城丈二の出演映画 その4

引き続き、高城丈二である。
67年に入るが、映画は松竹の「夜のひとで」1本だけである。主演は三田佳子で、東映で佐久間良子と並ぶ看板女優的存在だったが、この67年にフリーになっており、おそらく初の松竹出演と思われる。
金持ちの老人の嫁となった三田だったが、数年で未亡人となる。その後、彼の娘(しめぎしがこ)の婚約者(細川俊之)から求婚されるようになるが、プレイボーイの写真家(高城丈二)と知り合い、関係を持ってしまう。しかし、高城は彼女を遊びとしか思っておらず…というような展開があり、悲劇のラストへと突入していく。松竹作品と言っても三田と高城ではまだ東映感が強かったと思う。三田は本作では無断でヌードのすげ替えシーンを入れられ、抗議すると映画界を干されそうになったという。
そして高城は、テレビでは「七つの顔の男」で主役を演じている。自分が高城を知った作品(と思う)でもある。当然、映画では片岡千恵蔵がやっていた多羅尾伴内シリーズが下地にあるので、原作は比佐芳武となっている。しかし、役名は多羅尾ではなく飛鳥譲次といういかにもヒーローな名前に変更されていた。他の出演者は清水まゆみ、宮地晴子、潮万太郎、住吉正博など。1クールの作品だが、67年10月の終わりから68年1月半ばまでという半端な放送期間であった。本作も「東映TV主題歌大全集」にOPとEDは収録されているが、東映チャンネルでドラマが放送されたことはないので、映像は存在しないか原版不良なのかもしれない。
68年は、日活で二本。「藤猛物語 ヤマト魂」は当時のプロボクシングチャンピオン藤猛本人が主演。高城は元ボクサーの役で準主役のようだ。他に山本陽子、冬木京三、橘和子、荻田マイクなど。
「明治血風録 鷹と狼」は、タイトル通り明治初期が舞台のヤクザもので、主演は高橋英樹。耳の不自由なヤクザを演じている。高城はそれを利用して自分の親分(堀雄二)を殺させるという悪党の役だ。他に扇ひろ子、松尾嘉代、二谷英明、藤原釜足、深江章喜、高倉みゆき、鈴木瑞穂など。
ドラマではここまで縁の薄かった東宝の「37階の男」にレギュラー出演。主演は東宝育ちの中丸忠雄で、本業は作家だが趣味で探偵をやっているという男が主人公。その助手が高橋紀子、砂塚秀夫。ちなみに高橋は14話で降板し、後任に菱見百合子が登場した。何で37階かというと当時は36階建ての霞ヶ関ビルが一番高かったからである。高城は刑事の役だが、原作が松浦健郎なので、その縁での出演だろう。中丸も松浦の指名だったらしいが、高城と中丸の相性がとても悪かったらしい。要するに天狗状態だった高城の態度に中丸が憤慨していたようだ。年末に全23話で終了したが、打ち切りだったと言われている。中丸はまもなく東宝を退社している。
69年、その後番組が「プロファイター」である。制作は東宝系の宝塚映画で、高城が主役に昇格した。原作は島田一男で、その島田と藤本義一や市川森一が脚本を担当している。高城は洞門桜というカメラマンの役だが、その正体はICPB(国際刑事警察本部)の秘密捜査官という設定だ。他に佐藤友美、浜かおる、長沢純など。結局1クールで打ち切りとなっている。この69年に映画出演はなかったようだ。

高城丈二の出演映画 その3

引き続き、高城丈二である。
65年の続きだが、「悪魔のようなすてきな奴」の他にも東映で三本の主演を務めている。
「無宿者仁義」は、井上梅次監督のアクションもの。高城演じる健次はは、正体不明の男だが、実は密輸取締官である。ヒロイン役は三田佳子で、他に根上淳、岡崎二朗、久保菜穂子、安部徹、植村謙二郎、中山昭二、宮園純子など。
「流れ者仁義」は、前作とタイトルが似ているが、特に繋がりはないヤクザ映画である。高城は廃れた組を再建しようとする男で、梅宮辰夫がかつての兄弟分。敵役が待田京介、植村謙二郎。他に大木実、桜町弘子、小山明子、岡崎二朗、石橋蓮司、潮健児、室田日出男など。大木の息子役で真田広之(当時・下沢広之)が出演している。
「ギャング頂上作戦」も、井上梅次監督のアクションもの。金の延棒を巡って高城、梅宮辰夫、待田京介の三人組がやくざ組織と争うといったような話だ。共演は緑魔子、城野ゆき、北条きく子、山本麟一、安部徹、八名信夫、小池朝雄、植村謙二郎など。小林稔侍がチョイ役で、後に監督に転向する島崎喜美男も役者として出ている。
テレビの方は「アスファルトジャングル」が終了すると「悪の紋章」がスタート。脚本家である橋本忍の初の小説。本作では天知茂が主演にカムバック。ヒロイン役の愛京子はずぶの素人で、プロデューサーが連れてきたとか。天知演じる警官が無実の罪で投獄され、出所後、自分をはめた奴らに復讐するという話。共演は多々良純、神戸一郎、園井啓介、沢たまきなどで高城もレギュラーだが、確か元同僚の刑事だったような。第1話のみCSで放送されたことがあるのだが…。本作は64年に東宝で映画化され、こちらの主演は山崎努が演じている。天知と山崎と言えば共に雲霧仁左衛門だ。
66年に入ると、テレビの方は別の時間帯で高城が主演の「嵐の中でさよなら」がスタートした。松浦健郎の小説が原作で高城は元ヤクザの東金八郎という主役っぽくない役名のキャラを演じる。ヒロインは前述の愛京子で魔性の尼さんという役。京都の尼寺を皮切りに大阪、東京、バリ島と物語は展開するらしいが、実際にバリ島に行ったかは不明。古い東映ドラマは第1話のみ現存というパターンが良くあるが、本作に限ってはCSで1度も放送されたことはない。「東映ドラマ主題歌全集」にはOPが音声なしで収録されているようなので、音声素材が不明ということのようだ。共演は中原早苗、安部徹、水原弘、ジェリー藤尾、大村文武、山東昭子など。高城は当然だが、愛京子も別の主題歌を歌っており歌手デビューもを果たしている。愛京子と言えば「怪獣総進撃」のキラアク星人役が有名だろうか。ちなみに「ウルトラセブン」の「第四惑星の悪夢」に出てくるのは愛まち子である。
映画に目を向けると前年は東映で4本もの主演作があった高城だが、66年は「北海の暴れ竜」1作のみで、しかも主演ではない。準主役的な立場だった梅宮辰夫が主演に躍り出たのである。しかも共演が谷隼人、山城新伍で(三人は兄弟役)、「不良番長」の前触れとなるキャスティングだった。共演は藤田進、水島道太郎、安部徹、岡崎二朗、清川虹子、梓英子、三原葉子など。高城は敵方の用心棒だったが、梅宮の仲間になるという役だ。
 

高城丈二の出演映画 その2

引き続き、高城丈二である。63年、東映制作の連続ドラマ「孤独の賭け」に出演している。
原作は五味川純平の小説で、60年代初頭の東京で政財界を舞台に繰り広げられる愛憎劇である。主演は天知茂で青年実業家千種を演じる。ヒロインの乾百子に小川真由美で、同居人の乾美香が野川由美子。姉妹ではなく従姉妹という設定のようだ。百子の自殺した兄の友人・蒔田を演じるのが高城である。他に星美智子、三条美紀、八木昌子、渡辺文雄、高倉みゆき、宮園純子などで半年間にわたって放送された。本作以降、天知が主演するドラマに高城が出るケースが多くなる。また、本作は65年に映画化、78年にドラマ版がリメイクされているが、主役の千種はいずれも天知が演じている。
「孤独の賭け」が終了した翌週にスタートしたのが「廃墟の唇」だ。黒岩重吾原作のサスペンスで、こちらも天知の主演である。共演が緑魔子、上月左知子、野川由美子、加藤治子、沢たまき、そして高城も服部という役で出演している。本作でデビューしたのが天知の付き人をしていた宮口二朗で、天知を狙う殺し屋の役だった。本作は63年に大映で映画化されているがタイトルは「黒の駐車場」で、こちらは田宮二郎、藤由紀子という後に夫婦となるコンビの主演であった。
こうして東映に縁ができたからか高城は、高倉健主演のアクション映画「ならず者」に出演している。監督は石井輝男で、香港、マカオでロケを敢行した。共演は丹波哲郎、杉浦直樹、江原真二郎、三原葉子、加賀まりこ、南田洋子などである。
あと64年は、橋幸夫の項でも紹介した松竹「孤独」にも出演。橋と桑野みゆきの主演だが、高城は橋の兄という重要な役どころである。他に真理明美、早川保、藤原釜足など。
ドラマに戻ると「廃墟の唇」の後番組である「悪魔のようなすてきな奴」で、高城は主演に抜擢されたのである。一年の天知ドラマへの出演で、すっかり人気を得ていたのだ。その天知は(友情出演)で、おそらく1,2回ゲストで出演したようだ。原作は松浦健郎で脚本も担当。高城は同タイトルの主題歌、挿入歌も歌っている。共演は柳永二郎、ミッキー・カーチス、岬瑛子、細川俊夫、大村文武など。
ドラマは予定通り半年(65年)で終了したが、人気が高かったのか、直後に映画化されることになり、主役の蝶四郎はもちろん高城が演じたが、彼とミッキー・カーチス以外はキャストが変更され、緑魔子、杉浦直樹、三島雅夫、野川由美子、小川知子、八名信夫、中山昭二などが出演している。
高城はドラマも映画もこの「悪魔のようなすてきな奴」で初主演を得たわけである。
この後番組である「アスファルトジャングル」も高城の主演であった。原作は「孤独の賭け」と同じ五味川純平で、本作も高城が主題歌、挿入歌を担当した。共演は広瀬みさ、野川由美子、根上淳、二本柳寛、ロミ山田、大村文武、吉田義夫などである。この65年は、東映で「悪魔のような~」以外にも三本の映画に出演しているが、次回に続く。、

高城丈二の出演映画

今回からは、御三家とは関係のない高城丈二である。
多分再放送で、小学校の低学年だったか、ドラマ「七つの顔の男」を見ていた記憶があり、その主役が高城丈二だった。OPのテーマソングソングさえ記憶にある。80年代に入るとその姿を見ることは無くなったのだが、大病を患い引退したとのことで、その後は一切公の場に姿を見せることはなく、インタビューにも応じることはなかったという。没年不明となっており、既に亡くなっているようだ。
高城丈二は36年生まれで、本名は清水嘉美という。57年20歳の時に若杉啓二の名で歌手デビュー。曲名は「愛しのユリー」といい「エリー」ではない。サザンがこの曲を知っていたかどうかは不明だ。57~58年で十数枚のシングルを出している。遠藤実が作曲した曲もある。
改名時期は不明だが、映画初出演と思われるのが、60年松竹の「真昼の罠」である。この時は既に高城丈二になっていたようである。これが俳優デビューと思われるが、役柄は不明だ。ちなみに主演は佐々木功、岩下志麻である。佐々木も元々は歌手だが、映画での主演もあったのだ。他に安井昌二、南原宏治、植村謙二郎、沢村貞子などである。
翌61年も3本の松竹作品に出た記録がある。「渦」は井上靖の新聞連載小説が原作で、主演は佐田啓二、岡田茉莉子。他に佐分利信、岩下志麻、仲谷昇、田中晋二など。
「痛快太郎」は65分程度のアクションコメディで、主演は山下恂一郎、牧紀子。山下は後に大映に移籍する。他に柳永二郎、国景子、トニー谷、左卜全などで、高城は殺し屋の役である。
「斑女」は「マダラオンナ」ではなく「ハンニョ」である。主演は岡田茉莉子と佐々木功で、共演は芳村真理、倍賞千恵子、沢村貞子、佐野浅夫、山村聰などで、高城は芳村の恋人役で、(おそらく)初めてポスターに名前が載っている。
62年は出演記録はなく、63年の大蔵映画「社長と女秘書 全国民謡合戦」にその名がある。監督は新東宝社長だった大蔵貢の実弟である近江俊郎(本名・大蔵敏彦)で、主演の社長役が佐山俊二。内容はタイトル通り、佐山と女秘書(一条美也子、扇町京子)が全国の民謡を聞いて回るといったもののようだ。「赤胴鈴之助」で知られる梅若正二が社員役で出演している。「鈴之助」で増長し、8作目には役を降ろされてしまったのは有名。他には役名なしで島倉千代子、白根一男、コロムビア・トップ、そして高城などの名前が並んでいる。恐らく、民謡を披露する歌手として出演しているのではないだろうか。コロムビア・トップ/ライトのレコードは出ているようだが、ここでは司会者みたいな役だろうか。相方のライトは出演していないようだが、コンビ仲が悪いことで有名だった。そう噂されるコンビは多いが、この二人はガチで仲が悪かったと言われている。
高城が注目され始めるのはテレビドラマに出てからだと思うが、それについては次回。

舟木一夫の出演映画 その6

舟木一夫のラストである。
67年は日活、東映だけでなく東宝作品にも進出。「その人は昔」は、シングルではなくアルバムのタイトルであり、音楽物語(組曲)という企画レコードだ。北海道の襟裳で出会った若い男女二人が東京へ駆け落ちするが、都会の波に翻弄されていくといような話。主演の男女を舟木と内藤洋子が演じている。他に山中康嗣、金子勝美、生方壮児などで、他はほぼほぼ見たことのない名前が並んでいる。
「君に幸福を センチメンタルボーイ」も舟木と内藤洋子のコンビによる青春映画。シングルのタイトルは「センチメンタル・ボーイ」である。小鹿敦が舟木の同僚(洋菓子店)で、他に茅島成美、山岡久乃、清水将夫、浦部粂子、田島義文などで菊容子の名前もある。小鹿敦は後に小鹿番を芸名とするが、これは小鹿のバンビのもじりで、倉本聰が名付け親らしい。菊蓉子は当時17歳で、映画出演は全部で3本と少ない。75年に交際中の男性(俳優)に殺害されてしまう。内藤洋子も当時17歳だったが、70年にザ・ランチャーズの喜多嶋修と結婚して引退している。
ドラマでは日活が制作した「あいつと私」に出演。主演は松原智恵子と川口恒で、松原の妹役にジュディ・オング、小橋玲子、松井八知栄。小橋は当時14歳で「怪奇大作戦」が有名だろう。松井は当時9歳で、「河童の三平」が有名だろう。中学前には子役は引退しているようだ。82年にプロボウラーとしてデビューしている。舟木は主題歌を担当。46枚目シングル「夏子の季節」のB面に収録されている。
68年は日活が2本。「花の恋人たち」は、吉永小百合、浜田光夫のコンビが主演で、和泉雅子、山内賢、十朱幸代、岡崎二朗、川口恒、山本陽子といった若手スターが並んでいる。舟木は山本の弟役で、クレジット的にはトメ(最後)になっている。主題歌ではなく挿入歌として50枚目シングル「くちなしのバラード」が流れる。
「残雪」は51枚目のシングルタイトルでもあり、舟木と松原智恵子が主演。スキー場で出会った二人は愛し合うようになるが、実は彼女は空襲で死んだと思っていた実妹であることが判明し、二人は心中するという悲恋もの。他に和田浩治、小橋玲子、江戸家猫八、丹阿弥谷津子、山形勲など。
69年、日活「青春の鐘」も舟木と松原智恵子が主演の青春恋愛もので、他に和田浩治、山本陽子、藤竜也、小高雄二など。
この後、松竹作品が二本続く。「永訣 わかれ」は舟木が主演の戦時中を舞台にした悲恋もの。ヒロイン役が大空真弓で他に尾崎奈々、緒形拳など。
「いつか来るさよなら」も、主演は舟木で、原作が笹沢佐俣、監督が川頭義郎という悲恋もの。ヒロイン役が光本幸子で、他に勝部演之、沖山秀子、山形勲など。舟木が勝部を毒殺するなどサスペンス色もある。
70年は橋幸夫の項でも紹介した御三家の唯一の共演「東京-パリ 青春の条件」に出演した後に低迷期を迎え、70~72年に三度の自殺未遂を起こしている。映画も途絶えていたが、79年にATG「青春PARTⅡ」、東映「総長の首」に顔を出したりしている。

舟木一夫の出演映画 その5

引き続き、舟木一夫である。
66年のテレビに目を向けると、「銭形平次」がスタートしている。舟木の歌うお馴染みの主題歌はアレンジの変化はあったが18年(888話)に渡って流れることになる。舟木は第3話にゲスト出演したのを皮切りに最終話にも登場したが、全部で7回の出演と意外に少ない。特に394話(73年)の後、最終話(84年)まで出演していないようなので、10年以上の間が空いていたことになる。
平次役は宇津井健、宝田明、里見浩太朗などが候補に挙がり、本郷功次郎で決まりかけた時に、長谷川一夫がTBS系で「半七捕物帳」に出演することがわかり、対抗するには大川橋蔵しかないと急遽変更になったという。長谷川は映画版での平次を多く演じていた。橋蔵も最初はテレビ出演を嫌がっていたという説もあるが、橋蔵自身は会見で「僕のテレビ出演を願うファンレターも多く届いており、時期的にも今が一番いいと思ったので引き受けた」と語っている。制作が東映になったのは「気心が知れている方がいい」という橋蔵の希望である。
話を戻すと舟木はこの66年、石坂洋次郎原作のドラマ「雨の中に消えて」で松原智恵子と主演を務めている。映画の方は63年に日活で吉永小百合、高橋英樹、笹森礼子、十朱幸代らの出演で公開されている。ドラマの方も日活の制作で舟木、松原の他、広瀬みさ、伊藤るり子、杉浦直樹、菅原謙次、川地民夫などが出演している。菅井きんは映画とドラマ両方で同じ役を演じている。主題歌「雨の中に消えて」は「絶唱」のB面に収録されている。映画版は同タイトルの曲を吉永小百合が歌っているが、全く別の曲である。
67年の正月公開が日活「北国の旅情」だ。脚本が倉本聰で、舟木が主演で、ヒロイン役は和泉雅子に代わり十朱幸代である。最終的に十朱は山内賢と結ばれたりする。他の共演者は江戸家猫八、小橋玲子、小園蓉子、高品格、市村俊幸、東野英治郎などで、長山藍子の扱いがまだ小さい。当時の予告やポスターには橘和子(姿美千子の実妹)の姿、名前があったりするのだが、実際本編にはいないのでカットされたということだろうか。主題歌「北国の旅情」は、公開後の3月発売のシングル「星の広場へ集まれ!」のB面に収録されている。作詞は映画を監督した西河克己である。
同じ日活では「夕笛」がある。48枚目のシングルタイトルでもある。昭和初期を舞台とした悲恋もので、ヒロイン役は松原智恵子で、他に島田正吾、小高雄二、細川ちか子、波多野憲、下條正己、風見章子など。芸術祭参加作品でもある。
東映「一心太助 江戸っ子祭り」では、初の時代劇主演を得ている。舟木は太助と徳川家光の二役を演じている。太助と言えば大久保彦左衛門だが、こちらは加東大介が演じる。他に藤純子、里見浩太朗、財津一郎、花紀京、小池朝雄、品川隆二など。
そして東映では「銭形平次」の映画版がある。テレビ版と同じキャストは橋蔵と遠藤太津朗、池信一だけで、お静は水野久美(テレビ版は当時八千草薫)、八五郎は大辻伺郎(テレビ版は林家珍平)が演じている。舟木は平次と共闘する侍役で出演している。ちなみに本作が橋蔵にとって最後の映画出演となったのである。

舟木一夫の出演映画 その4

引き続き、舟木一夫である。66年の映画出演も65年同様に日活での主演作が続いていた。
「哀愁の夜」は、舟木の35枚目シングルタイトルでもある。ある夜、弁護士見習いの舟木と和泉雅子が出会うのだが、和泉の役は「Qプロダクション代表取締役」で、ちなみに当時18歳。Qとは「オバケのQ太郎」のことで、オバQのアニメやら人形やらを製作する会社という設定。当時は「オバQブーム」だったそうで、テレビアニメが65年からスタートしており原作とともに人気を呼んでいた。実際のアニメ制作は東京ムービーである。和泉の父親役が神田隆で、藤竜也が舟木の小中学校時の友人だが今はヤクザという男。その恋人がバーのマダムである山本陽子で、従業員(ホステス)が中野味和子(後に沢知美)。他に浜田寅彦、浜川智子(浜かおる)、武藤章生、大森義夫、波多野憲など。
「友を送る歌」は、舟木の36枚目シングルタイトルでもある。今回もヒロインは和泉雅子で、この辺りは彼女で固定されている。話の流れは「哀愁の夜」によく似ている。北海道から上京してきた舟木が和泉と出会うところから話は始まる。舟木は先に上京していた友人・山内賢を探すが、彼はヤクザの手先になっており、密輸品の運び屋をしていた。舟木は彼を悪事から手を引かせようとする、というのが大筋。和泉の父親役が江戸家猫八で、ヤクザの親分が土方弘、子分が野呂圭介、土方の愛人が中野味和子(沢知美)。他に二谷英明がゲスト的に登場したりする。
「絶唱」は舟木の41枚目のシングルタイトルでもあるのだが、当初は歌う予定はなかったという。何故なら本作は今までと違い、58年に浅丘ルリ子、小林旭のコンビで映画化されたもののリメイクだからで、原作は大江賢次の小説だ。再映画化に伴い、日活の宣伝部が「舟木君の主演作で彼の歌がないのはおかしい」とクレ-ムを入れ、急遽曲が作られたのである。今回のリメイク版は、舟木と和泉雅子のコンビで他に太田雅子(梶芽衣子、58年版では香月美奈子)、志村喬(58年版では三津田健)、山本勝(同・安井昌二)、花沢徳衛(同・小杉勇)、初井言栄(同・山根寿子)などである。ちなみに、75年に東宝でも三浦友和、山口百恵の黄金コンビで映画化されており、他に木内みどり、大和田伸也、辰巳鉚太郎など。花沢徳衛と初井言栄が66年版に引き続き出演しているが、花沢は別役である。
この3本以外に東映の「太陽に突っ走れ」にも顔を出している。主演が千葉真一で、このタイトルだとアクションっぽいものを想像してしまうが、これは作曲家遠藤実の自伝を映画化したもので、つまり千葉が遠藤実(劇中では進藤孝)なのだ。そう考えると凄い違和感を感じる。遠藤本人は出演こそしてないが、音楽を担当。その門下生である舟木や梶光夫、一節太郎、楽曲提供を受けた島倉千代子、こまどり姉妹、北原謙二、扇ひろ子、遠藤の名を使ったレーベル「ミノルフォン」の1号歌手である三船和子などが本人役で出演している。この中で実績では一番の島倉はノンクレジットのようだ。その島倉と北原以外は引退者はいるが、今も健在(のはず)である。

舟木一夫の出演映画 その3

引き続き、舟木一夫である。今回も堺正章の項とかぶる部分が多いかも。
65年は日活作品4本に出演。映画では助演の多かった舟木だが、この年は全て主演である。本人は若い人が多くてやりやすかったと語っていたようだ。
「花咲く乙女たち」は、舟木の18枚目シングルタイトルでもある。女性が主人公のようなタイトルだが、舟木が主演である。ヒロイン役は西尾三枝子で、二人は働きながら定時制高校に通っているという設定。西尾の同僚役に田代みどり、伊藤るり子、浜川智子(浜かおる)、岡田可愛など。山内賢、堺正章はチンピラだが、舟木と親しくなるという役。他に小池朝雄、金子信雄、菅井一郎など。谷隼人(当時岩谷肇)が不良学生役でちょっとだけ出ているようだ。谷によれば、資料などでは日活のニューフェイス(第7期)となっているが、それはウソで、高校を中退して夜の商売をやっている時に日活の人に声をかけられて、映画に出ることになったので、アルバイトのようなものだと語っている。「同期」である沖田駿一らと横並びで写っている写真も存在するので、スカウトで入ったがニューフェイス扱いになっているということかもしれない。
「北国の街」は、舟木の22枚目シングルタイトルでもある。映画公開時(65年3月)舟木は、本作を含め3枚のシングルを発売している(同時発売かどうかは不明)。映画の原作は富島健夫「雪の記憶」で、脚本が倉本聰という悲恋ものだ。ヒロインは和泉雅子で、共演は山内賢、根岸一正、岡田可愛、葉山良二など。岡田は14歳の時「キューポラのある街」(62年日活)で映画デビュー。日活と東宝で並行して出演していたが、この年青春ドラマ「青春とはなんだ」の生徒役に起用されてからは、ほぼ東宝での出演が続くことになる。根岸一正の映画デビューは舟木も出演した「学園広場」で、「非行少年」(64年)では主役の番長を演じている。本作でも番長みたいな役だ。
「東京は恋する」は、舟木の25枚目シングルタイトルでもある。舟木は美大を目指して広告会社で看板描きのアルバイトをする浪人生という役。ヒロイン役は伊藤るり子で、共演は和田浩治、葉山良二、山本陽子、杉山俊夫、桂小金治、堺正章など。「ヤングスター」という架空バンドが登場するが、メンバーは和田浩治、杉山俊夫、木下雅弘、市村博、市川好郎らだが、後に和田、杉山、木下と山内賢、杉山の実弟・杉山元による「ヤングアンドフレッシュ」が結成される。翌66年からスパイダース映画などに登場するが、杉山俊夫の姿はなかった。
「高原のお嬢さん」は、舟木の31枚目シングルタイトルでもある。ヒロイン役は二度目の和泉雅子。今回は西尾三枝子も共演している。他に山内賢、葉山良二、堀恭子、武藤章生など。堺正章は舞台となる蓼科農場の従業員として出演しているが、田辺昭知とザ・スパイダースがおそらく本人たち役で登場する。裕次郎や旭の主演作に翳りが見え始め、この年の興行収入1位は本作だったらしい。