高城丈二の出演映画 その5 | お宝映画・番組私的見聞録

高城丈二の出演映画 その5

高城丈二のラストである。
テレビの方の話題から入るが、69年は東映の「特命捜査室」に出演。これは前番組の「ブラックチェンバー」が雰囲気が暗く視聴率も悪かったことから13話で打ち切られ、テコ入れとして始まった番組である。内田良平は降板したが、中山仁、賀川雪絵、千葉治郎は役名そのままで続投している。千葉治郎(後に矢吹二朗)のデビュー作であり、芸名は兄が千葉真一で、原作が生島治郎だったから。
「特命捜査室」は、前述の三人に桜町弘子、大橋一元、そして高城が加わって再スタートという形になっており、OP曲からして明るい感じになっている。第1話は現存しており、CSで放送されたことがあるが、「恐怖の報酬」がモチーフになっているような展開だった。OPでは「トメ」になっている高城が(トップは中山)、EDのクレジットではトップになり、中山がトメになっている。高城への配慮かW主演扱いなのか微妙だが、ドラマで高城が主演扱いなのは本作が最後と思われる。
70年に入り、松竹の連続ドラマ「姿三四郎」に出演。三四郎は竹脇無我で、高城は宿敵の一人・檜垣源之助を演じている。ドラマ化はこれが4度目であった。他に菅原謙次、鮎川いずみ。朝丘雪路、戸浦六宏、進藤英太郎などで、「特命捜査室」で共演した大橋一元が弟の檜垣源三郎を演じている。
ドラマ放送中に映画化もされているが、これも4度目である。最初に映画化したのが黒澤明で、監督デビュー作であることは有名だろう。映画版はテレビ版と若干キャストが変更されており、竹脇や高城はそのままだが、高橋幸治、尾崎奈々、森次浩司、堀雄二、白木マリなどが映画版のみ出演している。
70年はもう一本、大映の「あぶく銭」に出演。おそらく初の大映出演であり、天知茂と久しぶりの共演となっている。主演は勝新太郎で、他に野川由美子、水野久美、藤岡琢也、五味龍太郎、成田三樹夫などである。高城は組の代貸だが、成田率いる磯部組に殺される役だ。
71年は倒産寸前の大映作品2本に出演。「若き日の講道館」はタイトル通り柔道もので、主演は岩下亮。岩下志麻の実弟である。他に熱田洋子、川崎あかね、前田吟、戸浦六宏、早川雄三などで、高城の役柄は不明だが、脚本が松浦健郎なので、その縁での出演だろうか。
「海軍四号生徒」は海軍兵学校を描いた作品で、上級生による理不尽なシゴキが描かれている。出演は渡辺篤史、高橋長英、佐々木剛、長谷川明男、伊吹新吾(伊吹剛)、豊田正文(速水亮)などで、高城は生徒ではなく少佐の役である。
72年は「新座頭市物語 折れた杖」。大映倒産により東宝で制作された座頭市で、主演の勝新が監督も務めている。共演は大地喜和子、吉沢京子、大滝秀治、藤岡重慶、中村嘉葎雄など。小池朝雄が悪党の親分でその用心棒が高城である。
最後の映画出演となったのは76年の「天保水滸伝 大原幽学」という作品で、全国農村映画協会の制作で、配給は富士映画となっている。主演の幽学役は平幹二朗で、他に浅丘ルリ子、大竹しのぶ、香川美子、高岡健二、高橋悦史、加藤武、ハナ肇などで、高城は「鳴滝の佐吉」という役だが、未見なのでその立ち位置は不明である。