舟木一夫の出演映画 その6 | お宝映画・番組私的見聞録

舟木一夫の出演映画 その6

舟木一夫のラストである。
67年は日活、東映だけでなく東宝作品にも進出。「その人は昔」は、シングルではなくアルバムのタイトルであり、音楽物語(組曲)という企画レコードだ。北海道の襟裳で出会った若い男女二人が東京へ駆け落ちするが、都会の波に翻弄されていくといような話。主演の男女を舟木と内藤洋子が演じている。他に山中康嗣、金子勝美、生方壮児などで、他はほぼほぼ見たことのない名前が並んでいる。
「君に幸福を センチメンタルボーイ」も舟木と内藤洋子のコンビによる青春映画。シングルのタイトルは「センチメンタル・ボーイ」である。小鹿敦が舟木の同僚(洋菓子店)で、他に茅島成美、山岡久乃、清水将夫、浦部粂子、田島義文などで菊容子の名前もある。小鹿敦は後に小鹿番を芸名とするが、これは小鹿のバンビのもじりで、倉本聰が名付け親らしい。菊蓉子は当時17歳で、映画出演は全部で3本と少ない。75年に交際中の男性(俳優)に殺害されてしまう。内藤洋子も当時17歳だったが、70年にザ・ランチャーズの喜多嶋修と結婚して引退している。
ドラマでは日活が制作した「あいつと私」に出演。主演は松原智恵子と川口恒で、松原の妹役にジュディ・オング、小橋玲子、松井八知栄。小橋は当時14歳で「怪奇大作戦」が有名だろう。松井は当時9歳で、「河童の三平」が有名だろう。中学前には子役は引退しているようだ。82年にプロボウラーとしてデビューしている。舟木は主題歌を担当。46枚目シングル「夏子の季節」のB面に収録されている。
68年は日活が2本。「花の恋人たち」は、吉永小百合、浜田光夫のコンビが主演で、和泉雅子、山内賢、十朱幸代、岡崎二朗、川口恒、山本陽子といった若手スターが並んでいる。舟木は山本の弟役で、クレジット的にはトメ(最後)になっている。主題歌ではなく挿入歌として50枚目シングル「くちなしのバラード」が流れる。
「残雪」は51枚目のシングルタイトルでもあり、舟木と松原智恵子が主演。スキー場で出会った二人は愛し合うようになるが、実は彼女は空襲で死んだと思っていた実妹であることが判明し、二人は心中するという悲恋もの。他に和田浩治、小橋玲子、江戸家猫八、丹阿弥谷津子、山形勲など。
69年、日活「青春の鐘」も舟木と松原智恵子が主演の青春恋愛もので、他に和田浩治、山本陽子、藤竜也、小高雄二など。
この後、松竹作品が二本続く。「永訣 わかれ」は舟木が主演の戦時中を舞台にした悲恋もの。ヒロイン役が大空真弓で他に尾崎奈々、緒形拳など。
「いつか来るさよなら」も、主演は舟木で、原作が笹沢佐俣、監督が川頭義郎という悲恋もの。ヒロイン役が光本幸子で、他に勝部演之、沖山秀子、山形勲など。舟木が勝部を毒殺するなどサスペンス色もある。
70年は橋幸夫の項でも紹介した御三家の唯一の共演「東京-パリ 青春の条件」に出演した後に低迷期を迎え、70~72年に三度の自殺未遂を起こしている。映画も途絶えていたが、79年にATG「青春PARTⅡ」、東映「総長の首」に顔を出したりしている。