2024年回顧録 | お宝映画・番組私的見聞録

2024年回顧録

年末なので、恒例の回顧録である。と言っても今年亡くなった有名人を挙げて行くだけなのだが。カッコつき数字が没年齢である。
まずは俳優部門。山本陽子(81)は、日活ニューフェイス7期生で、同期は西尾三枝子、谷隼人、沖田駿一など。高校卒業後は、野村證券でOLをしていたが、知人が日活に応募し合格。63年21歳で入社し、女優デビュー。吉永小百合、和泉雅子、松原智恵子らの人気が高く、当初は端役が多かったが、徐々に役が付くようになっていった。日活時代はあまり役に恵まれなかったが、テレビに進出してからスター女優へと昇って行った。苗字が縁で起用された山本海苔店のCMは42年間に及んだ。混同しやすいが「山本山」ではない。70歳を機に熱海に移り住み、前日まで元気だったという。生涯独身であった。最後のテレビ出演は「徹子の部屋」で日活の先輩である高橋英樹と出演していた。
その高橋と同期だったのが中尾彬(81)である。つまり、日活ニューフェース5期生である。当時の雑誌に合格者として載っていなかったのは後から編入されたからのようだ。61年に入社したが、翌年には退社し、フランスへ絵画留学。63年に帰国した後は、劇団民藝に入団しているので、以降の日活映画出演は民藝所属としての出演だったようだ。池波志乃とは前妻・茅島成美との離婚が成立した78年に入籍。78年末「西遊記」に二人揃って妖怪役で出演しているが、おそらく結婚の直後と思われる。
同じ81歳で亡くなったのが寺田農(81)、浜畑賢吉(81)である。寺田は61年に文学座研究生の一期生となる。中村敦夫や岸田森、樹木希林などが同期。65年のドラマ「青春とはなんだ」に生徒役で出演したあたりから、注目され始めた。浜畑は俳優座養成所15期生。前述の「青春とはなんだ」のシリーズ番組「進め!青春」(68年)で主役の教師を演じたが、メキシコオリンピック開催時期と重なり視聴率が低迷し11話で打ち切りとなってしまった。個人的に再放送も見たことがない番組である。これに生徒役で出演していたのが赤塚真人(73)だった。「まさと」ではなく「まこと」である。剛達人や森川庄太同様に高校生役のイメージが強い気がする。東北人っぽいしゃべりに聞こえるが、茨城生まれの東京育ちである。もう一人、教頭先生役で出ていたのが平田昭彦だが、その妻が久我美子(93)である。華族出身で、東宝ニューフェースの1期生だ。三船敏郎、伊豆肇、若山セツ子などが同期となる。芸名は「くがよしこ」だが、本名は同じ字で「こがはるこ」と読む。2000年以降は活動休止状態であった。
このシリーズの生徒役常連に柴田昌宏がいるが、その実姉が弓恵子(87)である。「青春とはなんだ」には共に出演し、弓は教師の役であった。デビュー当時の芸名は光丘ひろみ。父は潮万太郎、もう一人の弟は柴田侊彦、夫は宮口二朗であった。
東映出身では丘さとみ(88)がいる。高校在学中に「日本シンデレラ姫コンテスト」優勝。55年スカウトされ東映ニューフェース2期生として入社。高倉健や今井健二が同期だが、高倉も実質スカウト入社である。結婚して一度引退するが、70年代半ばに離婚すると女優復帰した。再婚して米カリフォルニアに移住。芸能界からは遠ざかっていた。
記憶にまだ新しいのは西田敏行(76)、火野正平(75)、中山美穂(54)であろう。まだまだ現役という感じだっただけに驚いた人も多かろう。全員に合掌。