Information Overload Unitは一言で言うならパンク系の方がやってらっしゃるノイズ:インダストリアル系UNIT.
過去作のレビューはこちら。
メンバーの一人が「Information Overload Unitです」と名乗りを上げるが酔ってらっしゃるのか足元は覚束なく、その後に継ぐ語も出て来ない。酔った人特有の近寄りがたい笑顔と共に彼はセッティングテーブルへ位置した。向かって右側にはダンディな風体のもう一人のメンバーが立つ。
大ボリュームで人を高揚させるのではなく、静かに排出されるノイズの中で足元の覚束ないまま一人が紙に書かれた単語を読み上げる。恐らくは添付のフライヤーにある単語を読んでらしたのだと思う。「宣言」などと言う大仰なそれではなく、酔った詩人が己の書きだした単語をそのまま酔いに任せて誰に聞かせるでもなく口に出したかのような発語。バックに流れる音はノイズのメインストリームから外れた怪しげな裏通りで鳴る音であり、そこには辻占いや「この階段を昇ったら死ぬだろうな」と思わせるような雑居ビルの階段がある。酔漢もいれば何故そこにいるのか説明のしようもない影絵の様な人型のモノもいるだろう。この垂れ流し雑音をすらパンク界隈の人が楽しめているとしたらその雑食性には頭が下がるが逆にここにノイズリスナーがいないこともそれはまた不足であるなあと思いながら私は、ハーシュノイズ系では味わえない、その隠微:淫靡な濁音に耳をすましていた。
だんだんと(ギミックではない)ノイズは強度を増し、もう一人のメンバーを鼓舞激励するかのようにその背中を叩くヴォーカリストは二本のマイクを使い分け多彩な声のヴァリエーションを聴かせる。この辺りの雑音群とヴォーカルの齎す高揚感は正にノイズ:インダストリアルバンドのそれで気分の良いことこの上なかった。音とステージ上の状況は変化しリズムというよりも打撃:酔っ払いが憤懣と共に机を敲くかのようなそれと酔いに任せての(?)セッティングテーブルへの膝蹴りがあり様々な感情をはらむヴォーカルがあった。この酩酊と高揚が入り混じったかのような状況は、見た事はないが、躁状態のSmell&Quimのライブに近いのではないかとふと思った。
アンプを切っての演奏終了。アンコールはしないのか、アンプラグでやらないのかと声のかかる中、あっという間だった40分ほどの演奏は終了。正に「今日来なかった人は後悔する」内容であった。因みにこの日の入場料はわずか1,000円、しかもCDR付き。まさにパンクス的な漢の一夜。







