ーTESCOはどのくらい活動を続けているのですか
レーベルとしてのTESCOは1988年から存在している。もっとも1987年から近しい人へのメールオーダーを俺達はやってたんだけどね。80年代の終わりごろからもっとシリアスな態度でそれをやるようになったんだ。
ーTESCOを始めた動機について教えてください。DAGDA MORの宣言文に「文化とは抵抗運動である」と書かれていますがそれに近い考えがあっての事でしょうか。
TESCOの第一の関心は当初のインダストリアルムーブメントの伝統を保持すること。世界がそうであるのと同じくらいの激越なメッセージを持ったバンドと音楽を援助することだ。文化的な抵抗というものも当然そこに含まれる。例えば文化テロリズムといったものがそうだな。俺が思うにこの種の音楽やそのリスナーは山の頂に立って社会とその退廃を見つめているようなものなんだろうな。タブーもルールもない。ただ自分の欲求だけが重要なんだ。俺達はドイツでの実験音楽の堕落というものを見てしまっている。確かに今のシーン自体は大きくなっているけどドイツには幾つかのレーベルを除いてほとんど活動が見られない。だから俺達がやっていることはある種の抵抗運動なんだ。お前の質問はその意味で正しいね。妥協も降伏も俺達にはありえない。ただ前進あるのみだ。後退しようとは思わない。やるべき事、発言すべき事、発見するべきもの、学ぶべき事は多くある。そう考えながら俺達は自分自身の表現方法を見つけてきたんだ。
ーTESCOは近年ノイズの世界でプレゼンスを確立し、多くの熱心なファンを抱えていると思うのですが、貴方のレーベルのファン層に特徴の様なものはあるのでしょうか。ほとんどがヨーロッパ人ではないかと思うのですがどうでしょうか。
彼らが全員16から30歳のスタイルの良いニンフォマニアの女性ならいいんだけどな。その通り。俺達の客のほとんどはヨーロッパ人だ。でもこれは彼らが俺達のファンだってことではないだろうな。ただ好きな音楽やバンドを追ってるだけなんだと思う。
ーノイズと言えば日本では「ノイズミュージック」という言葉は貴方のレーベルの様なものからいわゆる「ジャパノイズ」と言われるものまで広範囲なものを指しています。こういう事は気になるものでしょうか。HEAVY ELECTRONICSと呼ばれた方が良いと思いますか。
人が俺達の音楽を何と呼ぼうが気にしないね。俺達のレーベルも色んなスタイルのものをリリースしてるしな。ただ重要なことはそこには伝達されるメッセージがあるべきで、ただシンセサイザーから出る変な音を聴いて楽しむだけのものでは駄目だということだ。俺はそういうのを意図のないノイズと呼んでる。そんなもんはあちらこちらにあるし、つまらんものだ。たまたま音が気に入るようなことがあったとしてもね。
ーFREAK ANIMALという雑誌で「ノイズの為のノイズ」と「コンテンツのあるノイズ」というテーマについての記事をいくつか読んだのですがこの件についての貴方の考えを教えてください。個人的にはTESCOは完全に後者であると思うのですが。
先にも言ったように俺は他人がノイズをどういう意図で作ろうが知ったこっちゃない。でも俺としてはコンテンツのあるノイズが好きだ。俺は楽しんでノイズを作っているような奴らのノイズは聴きたくない。それはファッションに過ぎないし、おもちゃみたいなもんだ。ちゃらちゃらした奴等がたまたま良い音楽を作ることがあるということも認めなければならないな。だけどそれは俺にとって何の意味もないし、何の価値もない。ま、これは俺の個人的な意見だけどね。
ー普段はどのような音楽を聴いていますか。
勿論、TESCOからリリースしたものの多くを今でも聴いている。その他にはTG,SPK,NOCTURNALEMISSIONS,WHITEHOUSE,LUSTMORD,CON-DOM,GREY WOLVES,ANENZEPHALIAってところかな。
あとパワーエレクトロニクスの連中や昔のインダストリアルミュージックとかが好きだね。
ー貴方のレーベルから出される条件とはどのような物でしょうか
十分なコンセプトがある良い音楽であるということだな。市場の要求がどうこうというのは全く関係ないね。
ーヨーロッパではTESCOの様なレーベルが多くなってきたように思えます。これはヨーロッパ独自の現象なんでしょうか。それとも貴方やCMIの後追いに過ぎないのでしょうか。
多くのグループは他のレーベルからリリースされる事に満足しないんだろうな。だから仲間内のバンドを集めて小さなレーベルを作り始めるんじゃないかと思う。普通はそんなもんだろうし、俺達も最初はそうだった。
ードイツにTESCOの直営店みたいなものはあるのでしょうか。そこを訪れることは可能ですか。
いや、俺達のは単なるホームビジネス、メールオーダーシステムに過ぎないんだ。良い友人だけがウェルカムさ。
ーTESCO-DISCOというイヴェントはまだあるのでしょうか。どの位の観客が来るのでしょう。
ストレスはたまるし、金にはならないし、止めたよ。昔はドイツでもほかのプロモーターが毎週末に何かやってたんだけどな。HEAVY ELECTRONICSのイヴェントでは大体150から200人位の人が見に来てたね。
ー貴方はFUNCTIONALというレーベルも運営していますがTESCOとの違いは何ですか。
FUNCTIONALはTESCOの沢山の店からTESCOの大きなパッケージの作品がレコード棚に入らないと文句を言われたから始めたんだ。実際、FUNCTIONALから出ている作品のパッケージはFUNCTIONALで簡単な物だろ。最初、このレーベルは昔のテープ作品をCDにするというのがコンセプトだったんだけど、今では俺達の中でTESCOとのバランスを取るためのツールになってるね。
ー何か最後にあればお願いします。
未来は自分の手を汚すことを厭わない俺達少数の人間の手の中にある。