VA-Fuck the modern world (3A4ИCTКA)
現地の人に言ったら絶対に「纏めるな!」と怒られそうだがバルト三国といわれるとアルフレート・ローゼンベルクがエストニア出身であることやそのハードな国としての歴史を思い、「さぞや重苦しいお国柄であるのだろう」と勝手に決めつけてしまう。今でもちゃんと生きているのかと心配してしまうあのPogromもリトアニア出身だ。重苦しい気候と歴史の国で彼らはどの様に生きているだろうか。
当CDは2005年にリトアニアの首都Vilniusで行われたNordic Audio Modernというインダストリアル系イヴェントを記念したもの。ジャケのゴリゴリ感、愚直としか言いようのないタイトル。そして雨と自殺の国と自らの国を紹介する態度は子どもっぽい戯言ではなく灰色の空の下で生きることを余儀なくされている鬱屈した青年の本心であると私は思う。この思いは作品に逆さまに書かれた「only a few survived and they told the truth.we came from other worlds to witness their truth」という文句を読んでほぼ確信となる。この疎外感とエリート主義の綯い交ぜになった言葉は正にデスインダストリアルが胎動し始めた彼の地の、また流れ流れてデスインダストリアルに安息の地を見つけた世界中の若者達の心持を少なからず代弁しているように思う。
とここまで書いて内容が弱いとがっかりするのだろうがこの作品は上で書いたような事柄に相応しい内容を誇っている。煩悶青年達の一部がその鬱屈を享楽で紛らわすのではなく、その根源を凝視することによって解決しようとするかの如く。デスインダストリアルはデスインダストリアル、パワーエレクトロニクスはパワーエレクトロニクス、ダークアンビエントはダークアンビエントの基礎的な部分をしっかりと捉えて演奏され、その一人一人の真摯さ故に曲調が様々であっても散漫なものにならず非常に聞き心地が良い佳作である。
恐らく余り流通している作品ではないだろうがこれから上で書いたジャンルを聴きこんでいこうとする方や当時ライブ会場に集ったであろうこの手の音楽に初めて触れる煩悶青年達には強く印象に残った(残る)世界観と音調であると思う。






