ホルンの出番です380 ラクシン「朝の再訪」 | 翡翠の千夜千曲

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Track 9 from Horns! David Raksin Morning Revisited

 

 

 

 

 埼玉県のほとんどの学校では、今日は準備登校という日になっている所が多いと思います。新入生やそれぞれ進級するクラスなどの掃除をして、月曜日に迎える始業式や入学式のための準備をするのです。大人になった貴方も昔のことを思い出したりしませんか?。私が時折コーチに行っている学校でも、昨日は新しい先生はどんな人だろうなどと言う話で盛り上がっていました。新学期を迎える子供たちにとって、どこの席に座れるかとか誰と一緒になるかなどと言うことは一大センセーショナルな出来事ではないでしょうか。

 今日の主人公ラクシンにとっては、チャールズ・チャップリンの作曲した「モダン・タイムズ」と出会ったことが映画界への入学式や始業式だったかもしれません。デイヴィッド・ラクシン(David Raksin, 1912年8月4日 - 2004年8月9日)は、アメリカ合衆国の作曲家です。彼は、100以上の映画音楽と300以上のテレビ音楽に関わり、「映画音楽の祖父」といわれています。祖父がいるなら、映画音楽の父もいるだろうと思って探したら「スタイナー」の名前が出てきました。「風と共に去りぬ」のタラのテーマで知られる人物です。時代的に言ってコルンゴルトの名前が出てこないのはどんなもんだろう。
 ペンシルベニア州フィラデルフィアで、オーケストラ指揮者を父として産まれました。父親はサイレント映画の音楽を書いたりもしていたようです。ラクシンは、高校時代から当時流行のダンスバンドでの演奏を始め、ハール・マクドナルドに師事して作曲を学びました。更に後年、ニューヨークでイザドア・フリードに、ロサンゼルスではアルノルト・シェーンベルクに師事し、音楽的な幅や領域を広げることを目指しました。そしてプロの作編曲家としてハリウッドの映画音楽界に入ります。
 初期の映画の仕事の1つが、先に述べた1936年のチャールズ・チャップリン作曲の「モダン・タイムス」の音楽の編曲でした。その後1930年代後半から、1970年代にかけて多数の映画・テレビ音楽を手がけていますが、もっとも有名な作品は、1944年の映画「ローラ殺人事件」のテーマ曲「ローラ」で、先輩諸氏ならテレビの医療ドラマ「ベン・ケーシー」シリーズの音楽です。南カリフォルニア大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校で教鞭を執ったこともあります。

 1960年、ラクシンはロサンゼルスのホーン・クラブのために「Morning Revisited」を書きました。この奇妙なタイトルについて、ラクシンは次のように説明しています。

 「この曲は、6本のフレンチ・ホルン、4本のワグナー・チューバ、バリトン・ホルン、2本のコントラバス・チューバ、そして7本のティンパニからなる2つの対旋律グループだ。私は映画の仕事で忙しかったから、朝の4時か5時に仕事を始めて、それで「朝の再訪」を書いたんだ」。

 シェーンベルクなどに学んだことが、ここでは生きています。この作品を聴けば、彼が単なるメローディー書きではないと言うことが分かります。それにしても、この日は徹夜したのかもしれないねえ。タフな男だ!

 

※ 演奏会のご案内⑬ ダンシングフルートVol2

 

※ 演奏会のお知らせ⑭ 翡翠トリオピアノ三重奏の夕べ

 

 

 HORNS!
 1.メンデルスゾーン/タランテラー16本のホルン(スタイナー編)
 2.ガルシア/5つの主題による変奏曲
 3.パレストリーナ/スタバート・マーテルー16本のホルン(ブルディック編)
 4.ラッスス/エコー・ソングー16本のホルン(ハイド編)
 5.ハイド/カラー・コントラスト
 6.プレスティ/8本のホルンのための組曲
 7.ラクシン/MorningRevisited

 8.ラッスス/マドリガル(ブルディック編)
 9.パレストリーナ/オー・チェ・スプレンダー
 10.ワイルダー/ブラスのための九重奏曲
 11.クラフト/コラージュ第1番
 12.ジョンソン/6本のホルンのための組曲
 13.ヴィクトリア/アヴェ・マリア(ドンフレイ編)
 14.ロッシーニ/狩のファンファーレ
  ロスアンゼルス・ホルン・クラブ
  ノーマン・バートルド(バリトンホルン)
  ジョン・ジョンソン(チューバ)
  レイ・シーゲル(チューバ)
  ウィリアム・クラフト(パーカッション)
  ロバート・ウィンスロー(パーカッション)他
     録音1960年~1970年(廃盤)