ホルンの出番です レオントヴィチ/ウッド「 ウクライナの鐘のキャロル」 | 翡翠の千夜千曲

翡翠の千夜千曲

音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

“Ukrainian Bell Carol” (Horns for the Holidays album) by Quadre

Quadre - The Voice of Four Horns

 “Ukrainian Bell Carol” by Mykola D. Leontovych (Daniel Wood, arranger) 

Quadre.org 

Amy Jo Rhine, horn 

Lydia Van Dreel, horn 

Nathan Pawelek, horn 

Daniel Wood, horn

 

Carol of the Bells | Mykola Leontovych & Peter J. Wilhousky

Choir of the Church of St. Andrew & St. Paul (Montréal, Canada)

Jean-Sébastien Vallée, conductor

 

Ukrainian Bell Carol - Mykola Dmytrovich Leontovych - arr. Philip Sparke

Ukrainian Bell Carol

by Mykola Dmytrovich Leontovych 

arr. Philip Sparke 

Corpo Musicale di Gardolo 

M° Katia Girardini 

Chiesa Parrocchiale di Canova 

Trento - 17 dicembre 2022

 

 

 

 菜種梅雨と言うべきかぐずついた天候が続いています。庭のみかんとレモンの木が淡い緑の柔らかな新芽をふいてとてもやさしげな風情です。穀雨と言うのは、今年は4月19日前後を指すようですから、ちょうど今頃の季節と言うことになります。穀雨とは、穀物の成長を助ける雨のことで、「暦便覧」には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と書かれています。今日は、レオントヴィチの合唱曲 「ウクライナの鐘のキャロル」をホルンのアンサンブルで聴きます。

 ミコラ・レオントヴィチMykola Dmytrovych Leontovych( 1877年12月13日[O.S.12月1日] - 1921年1月23日) は、ウクライナの作曲家で指揮者そして民族音楽学者であり教師でした。

 彼の音楽は、ウクライナの作曲家ミコラ・リセンコと ウクライナ国立音楽学校での教育の影響下にあると思われます。アカペラの 合唱曲を得意とし、オリジナル曲から教会音楽、民族音楽の精巧な編曲まで幅広く手がけました。

 レオントヴィッチはロシア帝国 ポドリア州(現ウクライナ西部ヴィニツィア州)のモナスティロークで生まれ育ち、カミアネツ=ポディルスキー 神学校で 司祭としての教育を受けています。1917年の革命で ウクライナが独立すると、レオントヴィッチはキエフに移り住み、キエフ音楽院と ミコラ・リセンコ音楽演劇研究所で働くことになります。1904年に「シュチェドリク」を作曲(初演は1916年)、現在では英語圏で「キャロル・オブ・ザ・ベルズ」として知られています。1916年12月、キエフ大学の学生たちによって初演されました。この曲は、ウクライナの大晦日(1月13日)に伝統的に歌われる、その年の幸運を願う古い歌「シュチェドリヴカ」を改作したものです。レオントビッチは「シュチェドリフカ」の歌詞の中で、イエスが生まれたとき、その栄誉を称えて地上のすべての鐘が鳴り始めたという伝説に言及しています。

 彼は1921年にソ連の工作員に殺害され、東方正教会ウクライナ教会では 殉教者として知られています。また、彼の典礼は初めて現地語、特に現代ウクライナ語で作曲されたことでも知られている。
 生前、レオントヴィッチの作曲と編曲作品は、ロシア帝国のウクライナ全土の音楽家の間で人気を博しました。西ヨーロッパと北米で彼の作品が演奏されたことから、「ウクライナのバッハ」と呼ばれるようになりました。「シュチェドリク」を除けば、レオントヴィッチの音楽は主にウクライナ国内とウクライナ・ディアスポラで演奏されています。

 

Legend by Mykola Leontovych / Легенда - Микола Леонтович

 

 レオントヴィッチの曲の中で最も好きな曲のひとつで、ここでは非常に見事な演奏が聴けます。言葉を知らなくても、歌詞を理解しなくても理解できる音楽の美しさ。お楽しみください ウクライナの作曲家ミコラ・レオントヴィッチ作、ミコラ・ヴォロニー作詞の「レヘンダ(伝説)」。直訳すると、どうにも意味不明の歌詞で、グロテスクでもあり、残虐でもあるのだが、それでも心惹かれるのはなぜでしょう?

 演奏はキエフ国立音楽院合唱団とソリストのコスティヤンティン・オーニェヴィッチ、指揮はパヴロ・ムラフスキー博士、伴奏はミコラ・リセンコ・カルテットです。


「レヘンダ(伝説)」

ある若者が美しい乙女に恋をした。

そして彼は誓った、太陽よりも、月よりも、澄んだ星よりも、彼女を愛していると。

「僕は君を愛している。君のためなら死ねる。愛のためなら年老いた母も捨てる!

" しかし、彼の恋人は罪を恐れなかった: 

彼女は毒蛇のように、裏切り者で邪悪だった。

彼女は邪悪な笑みを浮かべ、こう言った。

「本当に私を愛しているのなら、誠実なのなら、お母さんの心を持って来なさい」。

その若者はまるでボロボロだった。

食べることも眠ることもなく、三日三晩、どこかに迷い込んでしまった。

そして真夜中、恐ろしい事件が起こった: 

処刑人のように、息子は母の心臓を引き抜いたのだ......」。

そして再び、心臓を手に仲間のもとへと走った。

足元もおぼつかず、彼女のもとへ向かおうとした...。

しかし突然、彼はつまずき、敷居に倒れこんだ。

そして母親の心臓は血で覆われ、憐れみを込めて優しく泣き叫んだ...。

その時、母は息子に語りかけた: 

「あなた、転んだのね...。怪我はない?" 」
 
 今日は、ホルンの日ですから深追いはしないこととしますが、これをインスツルメンツにしたら面白いかもしれません。 

 

※ 日高市吹奏楽団第22回定期演奏会のおしらせ

 

※ 演奏会のご案内⑬ ダンシングフルートVol2

 

※ 演奏会のお知らせ⑭ 翡翠トリオピアノ三重奏の夕べ

 

 

 

 

 

Horns for the Holidays

1.リトル・ドラマー・ボーイ
2.グリーン・スリ-ヴス
3.Lo,How a Rose E'er Blooming
4.The Friendly Beasts
5.ヘンデル/「メサイア」より「祝福と名誉」
6.Il Est Ne
7.Infant Holly,Infant Lowly
8.O Holy Night
9.世界のキャロル
10.ダニエル・ウッド/ハグ・サンタ・フォー・ミー
11.ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・クリスマス
12.ジングル・ベル
13.タブロー/ディンドン空高く
14.秋には、私の子供
15. ウクライナの鐘のキャロル
16. メル・トーメ/クリスマス・ソング
17.ハンディ/屋根の上で
  (ダニエル・ウッド編曲:1,2,10,15,17)
  (キャリー・キャンベル編曲:3,4,6) 
  (ローウェル・ショー編曲:5,12)
  (ナタン・パヴェレク編曲:7.9.14) 
  (リチャード・トッド編曲:11)   
  (アラン・シヴィル編曲:13)
  (M・アダム・ワトキンス編曲:16)

  クオドレ・ザ・ヴォイス・オブ・フォー・ホルンズ
  エイミー・ジョー・ライン(ホルン)(1~17)
  ダニエル・ウッド(ホルン)(1~17)
  リディア・ヴァン・ドリール(ホルン)(1~17)
  ナタン・パヴェレク(ホルン)(1~17)
  ジェームズ・サッチャー(ホルン)(⒑⒒⒔)
  ジェームズ・カシス(パーカション)(1&6)
  ベルファイア・ベル合奏団(7)

   録音 2008年8月20~23日
      オレゴン大学ビール・ホール