エックレス ヴァイオリンソナタ 第1楽章 Eccles Violin Sonata 1st mov.
ヴァイオリン:髙木凜々子 使用楽器:(株)黒澤楽器店より貸与のストラディヴァリウス「Lord Borwick」(1702) ピアノ 河地恵理子 《髙木凜々子ヴァイオリンリサイタル》より 電気文化会館 ザ・コンサートホール(名古屋市中区) 2021年8月21日(土曜日)
エックレス ヴァイオリンソナタ 第2楽章 Eccles Violin Sonata 2nd mov.
ヘンリー(アンリ)エックレス(エクルズ)(1670–1742)はイギリスの作曲家でした。ヴァイオリニストとして、ヘンリー・エックレスは駐英フランス大使ドーモン公爵のに仕えとなり、1713年頃にフランスに戻っています。1720年、彼はパリで、当時パリの金融投機に深く関わっていた英国紳士であるシュヴァリエジョセフゲージに捧げられたヴァイオリンのための12のソロを出版しました。
悪名高いことに、このソナタ集には、ソナタ1、4、8、9を組み立てるためにジュゼッペヴァレンティーニの作品8からの借用が含まれています。ヴァレンティーニの単一楽章がソナタ3と10に組み込まれています。この巻で最も有名なソナタ、ト短調の第11番は、フランチェスコ・ボンポルティの作品10から第2楽章コレンテを抜粋したものの、主にエックレス自身の作品であったようです。 1723年、エックレスはヴァイオリンとフィギュアドバスのためのソナタをさらに膨らませ、フルート用のソナタを2つ書きました。下は、高木さん自身の記事です。
念のため記事を追加しておきますが、この頃は人の作品を転用したりすることはよくあったようで、ヘンデルも一時期よくやっていたことが知られています。
エックレス(Henry Eccles 1675-1745)はバロック後期に活躍したイギリスのヴァイオリニストで多くの合奏協奏曲や室内ソナタの作曲家でもありました。 彼は同時代のイタリア人ヴァイオリニストで作曲家でもあったジュゼッペ・ヴァレンティーニ(1681頃~1740頃)や,フランチェスコ・ボンボルティ(1672~1748)からの刺激を大いに受けたため、まるでイタリア人が作曲したような曲が多いのが特徴と言われています。後世に残る名曲となったこのト短調ソナタもその特徴が含まれています。この曲はとても有名になり、ヴァイオリンだけでなくいろいろな楽器でも演奏されるようになりました。今ではビオラ版、チェロ版、コントラバス版やフルート版、リコーダー版、ホルン版まであります。 そしてこの曲はヴァイオリン学習者が使用する、「鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集第8巻」、「新しいヴァイオリン教本第4巻」、「篠崎バイオリン教本第4巻」に収められています。様々なテクニックが学べるため、ヴァイオリン学習者にとっても重要な曲です。
※ 一年前の記事
輸入楽譜/バイオリン(ヴァイオリン)/エックレス:ソナタ ト短調/デイビーズ編
他にヴィオラ、チェロ、コントラバスう、ホルン、トロンボーンなどの楽譜があります。フルート版もあるのですが、ムラマツでは欠品していました。