近代の作曲家② | 翡翠の千夜千曲

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音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

村治佳織/Villa-Lobos Etude No.1

 

 

 近代の作曲家を訪ねる第2夜はエドガー・ヴァレーズから始めましょう。初期は、後期ロマン派や印象主義的な音楽を書いていましたが、1曲を残して破棄したとどの資料にも書いてあります。その後は、打楽器を多用した作品「アメリカ」(1920)…2つの打楽器群とサイレン付きの管弦楽曲や「イオニザシオン」(電離)(1931)…西洋音楽史上初のパーカッション・アンサンブル曲とされる作品、録音テープを使った「砂漠」(1954)などの作品があります。日本の山田耕筰(1886~1065)は、交響曲やオペラなど日本音楽史に残る多くの作品を残しています。日本初の管弦楽団を造るなど日本において西洋音楽の普及に努めました。また、ニューヨークのカーネギー・ホールで自作の管弦楽曲を演奏、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やレニングラード・フィルハーモニー交響楽団等を指揮するなど国際的にも活動し、欧米諸国でも名前が知られています。

 エイトル・ヴィラ=ロボスはブラジル出身の作曲家です。独学で作曲を勉強し、クラシックの技法にブラジル独自の音楽を取り込んだ作風で知られています。ヴィラ=ロボスは、南米のみならず、20世紀を代表する作曲家の一人と言えます。代表作は何と言っても、「ブラジル風バッハ」や「ショーロス (ヴィラ=ロボス)」ですが、交響曲やバレエ音楽、ギター協奏曲など1000曲以上の曲があります。南米の作曲家たち ④ エイトル・ヴィラ=ロボスで相当数の曲を紹介してあります。ナディア・ブーランジェは、後に登城するリリ・ブーランジェの姉で多くの作曲家(門弟)を育てた伝説的な指導者です。日本では、大澤壽人宅孝二外山道子矢代秋雄などが教わっています。ボフスラフ・マルティヌーは、チェコ出身の作曲家です。6曲の交響曲を始め、様々な楽器のための30曲近くもの協奏曲、11作のオペラをはじめ、あらゆる分野で作曲した多作家でした。

 

「ロメオとジュリエット」組曲第1番 第2番から S.プロコフィエフ作曲 NHK交響楽団

(Sergei Prokofiev: "Romeo and Juliet" Suite No.1,No.2) 

00:05 モンタギュー家とキャピュレット家(Montagues and Capulets) 

05:29 少女ジュリエット(Juliet as a Young Girl) 

09:25 メヌエット(Minuet) 

12:25 仮面(Masks) 

14:27 ロメオとジュリエット(Romeo and Juliet) 

21:55 タイボルトの死(Death of Tybalt) 

26:54 修道士ロレンス(Friar Laurence) 

29:16 ジュリエットの墓の前のロメオ(Romeo at Juliet's Tomb)

 指 揮:ヒュー・ウルフ(Conductor:Hugh Wolff) 管弦楽:NHK交響楽団(Orchestra:NHK Symphony Orchestra)

 

 

 セルゲイ・プロコフィエフはロシアの作曲家です。セルゲイ・プロコフィエフ 天才が抱える権威と束縛と自由への葛藤 フルートの出番です㉚ プロコフィエフ「フルートソナタ」を以前に紹介しました。今日は、ロメオとジュリエットの組曲から抜粋で聴きます。アルテュール・オネゲルは主にフランスで活躍した作曲家で、フランス6人組のメンバーの一人です。フルートの出番です56 オネゲル「 牝山羊の踊り」を以前に紹介しました。代表作は、交響的断章(運動)第1番『パシフィック231』(1923年)「火刑台上のジャンヌ・ダルク」などがあります。  

 ファーディ・グローフェはアメリカの作曲家です。彼の作品の中で最も著名なものは、組曲「グランド・キャニオン」(大峡谷)でしょうか。或は、ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」のオーケストラ編曲でしょうか。いずれにしろオーケストレーションンの巧みさはアメリカでは群を抜きます。ダリウス・ミヨーは、複調性や多調性について研究し、これを深めたポリフォニー手法はミヨーの作風を特徴づけることになります。私の記事では、木管5重奏① ダリウス・ミヨー木管5重奏「ルネ王の暖炉」を以前の紹介しました。アメリに渡ったミヨーは、ミュージック・コンクレートなどにも手を染めています。今日は、オーケストラヴァージョン(原曲はピアノ)のスカラムーシュを聴いて終わりにします。

 

Milhaud - Scaramouche

 

 今日は、新しい言葉としてミュージックコンクレート、複調、多調と言う言葉を新しく知りました。それにしても、ロマン派後期から近代の作曲たちは戦争と言う悲惨な出来事と様々な形で向き合わねばなりませんでした。

 

※ 演奏会のご案内7 DANCIG FLUTE

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