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ある在宅ワーカーのつぶやき

みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

最近間違いに気づいた言葉です。

いや、大分前にマイ辞書に追加はしていたんですが、完全に忘れ去っていて、このたびの改訂で変更になったかもしれないので調べてみようかなと用字用例辞典を開いてみたところ、そもそもの認識が誤っていたという……。

この仕事を始めて多分もう9年とかになると思うんですけど、私9年も何やっていたんでしょうね……。

 

実は、こういう言葉が何個もあります。

私は常日頃さんざん今回の改訂に文句を言っていますが、この改訂により用字用例辞典を改めてじっくり見て、そういう間違いをあぶり出すことができたのは、非常によかったと思っています。(でもやはり文句は言いたい)

 

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さて、ぼちぼち6月の繁忙期が始まります。週2ぐらいで更新できていた5月に比べ、ちょっと更新頻度は落ちるかもしれませんが、週1以上更新目指していますので、どうぞよろしくお願いいたします。

一般的には「アイ」の部分は「間」を用いて表記されることが圧倒的に多いように感じる言葉ですけど、このたびの改訂で「幕合い」については「幕あい」に変更となりました。

実際ヤフーで完全一致検索してみると、「幕合(い)」は9万件余り、「幕間」は220万件余り、「幕あい」は38万件余りヒットしました。前よりやや使用頻度の高い表記となったようです。

 

「幕間」にしなかったのは恐らく「間」を「アイ」と読むのが常用漢字表にない読み方だからでしょうけれども、「間」を「アイ」と読む言葉の用字用例辞典のルールにおける表記は、今回の改訂により「合服」「合いの手」「幕あい」という多彩なものとなってしまいました。

私の脳では覚えるのは無理です……。

大分前に記事にした、通則7の関係です。名詞のうち、送り仮名を省くことができるという特例です。

 

それで、これ単体ならまあ、民法や商法なんかでももともと「買主」と表記されていますし、そこまで違和感はないというか、普通に覚えればよい話なんですが、同じ発音でむしろ一般的によく耳にするのは「カイ」に違う漢字を用いた単語であると思います。そう、「飼い主」です。会議ではそんなに耳にしないかと思いきや、自治体の関係では動物愛護の問題でよく出てくる言葉です。

 

さて、ここで「飼い主」と表記したので皆様お分かりかと思いますが、「買主」の「い」は今回の改訂でなくなり、「飼い主」の「い」はそのまま残りました。「「カイ主」は「い」が要らなくなった」とざっくり覚えていたら、まんまと間違ってしまう流れです。私は間違いました。

 

上で、民法や商法では「買主」と表記されると書きましたが、同様に「売主」「借主」「貸主」「飼い主」も、法律の表記と同じです。(「飼い主」は動物愛護法における表記です)ですから一瞬、この通則7は法律の表記に従っているのかなと思いきや、例えば「空き家」は通則7の対象ではなく、空家対策特別措置法とは表記が違うんですよね……。(法律名と「特定空家」のみ送り仮名なしという表記の例外が新訂で追加)

いや、本当に誰がどういう基準でこの通則の対象を選んだんですか……? 心底担当の方を問い詰めたいです。

 

記録的な早さで、西日本の多くの地域が梅雨に入りました。私はこのニュースを聞いて「え? 沖縄が?」と言ってしまったんですけど、快適な季節が早々に終わってしまい、梅雨が長くなるのか、もしくは夏が早く来るのか分かりませんが、どちらにしても嫌だなと思っているところです。

私の住んでいる地域も梅雨入り早々物すごい土砂降りになり、昨日は川が増水しているというアラートメールがに来ていました。毎年どこかで大雨による災害が起こっている昨今ですが、うちでも10年余り前に大雨で近所の川があふれ、そこまでひどくなかったのですが大変な思いをしたのを思い出します。水は本当に怖いです。どこの地域でもそういう災害は起こってほしくないと願うばかりです。

 

それで、今日のお題はちょっと意味が分からない方が多いのではないかと思いますが、旧ルールで平仮名表記していたもので、かつ、日本語としては「土砂」と書けるものであり、このたびの改訂で漢字表記になりました。それは何かというと、多分ここまで読んでお察しの方もおられるかと思いますが、「土砂降り」です。

もしかしたら、そもそも旧ルールで平仮名表記だったのに気づいていなかった方もおられるかもしれません。まさに私ですけど。旧ルールではなぜか「どしゃ降り」でした。前の用字用例辞典には「土砂」の項と並んで記載されているんですけど、見落としてしまっていました。というか、「土砂」も「土砂降り」もマイ辞書に記載がなかったので、そもそも「土砂」が平仮名表記されると思わず、用字用例辞典を確認していなかったんだろうと思われます……。

 

本当にこういう思い込みは怖いです。この仕事を始めて多分9年ぐらいになりますけど、この間きっと何度も間違った表記をしたものを納品したことでしょう。関係の皆様方、本当に申し訳ありませんでした。

改めて、表記の確認をすることの大事さを強く認識した次第です。

旧ルールで記事にしているんですが、その使い分けがなくなったものになります。

以前は、「オウトツ」と読むときのみ漢字表記でした。一見漢字っぽくないですが漢字で、部首は二つとも「うけばこ」というあまり聞き慣れないものであります。

 

さて、書き分けがなくなって表記が簡単になったと言いたいところですが、私はこの変更に結構困惑しています。

というのが、これ単体では確かに書き分けが楽になったのですが、以前は全体的に、明確なルールではありませんが、ざっくりと「漢語は漢字表記、和語は平仮名表記」みたいなものが基本にあったように思います。

今日」の使い分けなんかもそうですが、今回そういう書き分けがなくなったものが多く、しかも、全部使い分けがなくなったのではなくて、「目途(モクト)」と「めど」はそのままであったり、新たに「明日(アス)」と「あした」の使い分けが発生したりして、全くルールらしきものがない状態となりました。

つまりは、以前は「これは和語だけど漢字表記だな」と一部の例外的な表記のものだけ覚えておけばよかったのが、今回の変更によって全部覚えなければいけなくなってしまったわけです……。

新訂は人の記憶力の限界を試しているのでしょうか。私は大分早い段階で限界を超えているわけですが。

 

初めて新訂の用字用例辞典を見てから、悲鳴交じりの記事をアップしてはや1年余り。今もって全く新訂の表記に私は慣れていません。次の改訂まで慣れることができないような気が本気でしてきました……。