物語で学ぶと成績が上がる！教科書にエンタメが入ると最高になる理由とは？

こんにちは、望月俊孝です。

★物語で学ぶと成績が上がる！教科書にエンタメが入ると最高になる理由とは？

あなたの周りに歴史が好きな方はいるでしょう。
語りだせば止まらないマニアです。
彼らがハマったきっかけは、おそらく
マンガやゲームや小説のようなエンタメでしょうね。
なかなか教科書からという方は少ないと思います。

さて、エンタメにあって教科書にないものってなんでしょうか？
私は「物語性」だと思います。人間の熱く共感できるドラマがエンタメの要です。

もちろん成績をあげるための教科書に
それらは邪魔だと思う方も多いでしょう。

でも本当にそうでしょうか？

1. 説明的な教材VS物語風の教材　1週間後に成績が上がったのは？

2012年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のダイアナ・アーリアらは興味深い研究を
発表しました。※1日本でいうと中学1・2年生にあたる
学生192名を2群にわけて科学について
教材の内容でどれだけ理解度が変わるかを
調べました。

A群
「普通の教科書風の説明文」で学ぶ

B群
「科学的発見の過程を物語として表現した教材」で学ぶ

たとえばA群の教材では「放射性元素は変化しない。」と説明されるところも
B群の教材では「マリーとピエールは、本物の科学者のように、ピッチブレンデ岩をさまざまな温度で燃やし、さまざまな種類の酸を加えて、どうなるかを確かめました。そこで放射能が
変化しないことを発見しました。」と
その過程の流れまで描写されていました。

不平等がないように、いずれも同じ挿絵をつかい
わかりやすい語りかける口調に統一されています。

いずれも学生も学習直後と1週間後に
内容の確認テストをうけてもらいます。
確認テストは単純な正誤だけでなく
内容全般の深い理解を問うものも含まれていました。

結果は衝撃的でした。

B群の物語的教材の方が成績がよく
とくに1週間後に行われたテストの結果で
それは顕著でした。

2. 何かを学ぶときは、その背景の物語も知っておこう
　なぜこんな現象が起きるのでしょうか？

研究チームは次のように述べています。

「物語は読者とテキストの中身を個人的につなげてくれて
　概念的な内容にへの関心を高めてくれる」

すなわち教材への興味と関心が高まることで
理解が深まり、印象にのこり思い出しやすくなるのです。

認知科学者ダニエル・T・ウィリンガムは、物語は
脳にとっての「特権階級」であると表現しています。
ほかの情報よりも、人は物語に最も注意をひきつけられます。※2
何かを学ぶときはぜひその対象が見つかるまでの過程を
描いた物語を読んでみましょう。

またどうせ学ぶならば、その教材の著者から直接対面で
学べたら最高ですね。物語の主人公から物語を語られるのと
同じです。