使用済燃料の放射能は、「人が近づくと十数秒で致死量になる」(NHK水野解説委員)と言うほど強いもの。

 クレーンなど燃料取り出しに使う設備の検査は合格だそうだが、
震災前の平常時にさえ、取り扱いミスで使用済み核燃料を損傷させていることを考えると、
爆発でがれきが散乱している4号機プールから、1533本もの使用済み核燃料を無事取り出せるかは疑問だ。

「電力は欲しいけど、面倒なモノは引き受けたくない」-こうした構造の中で、使用済み核燃料は、
原発、再処理工場に貯められ、核のゴミは行き場がない、という状況が続いてきたのです。
 しかし、福島の事故を経験した今、利益だけを得て知らん顔、ということはもう許されないと思います」
NHKスペシャルのディレクター 横井秀信氏の言葉です。

 小泉元総理が言うまでも無く、原発の生む電気の恩恵だけを先食いし、遥か10万年後の子孫にまで
計り知れない負の遺産を背負わせる、現代に生きる私たちの無責任なエゴは、とうてい許されません。

関連記事 『もんじゅ』装置落下事故、東芝の設計ミスだった?
       NHKスペシャル "核のゴミ"はどこへ~検証・使用済み核燃料~
       原子力ムラが抗議した、「NHKスペシャル 調査報告 プルトニウム大国・日本」
       幻の核燃サイクル 六ヶ所は仮のトイレ:燃料プール満杯で「全原発が即時停止」
       
 Yahoo!ニュースより
変形・損傷…4号機の燃料3本、取り出し困難
【読売新聞 11月12日(火)23時14分配信
 東京電力は12日、今月中に取り出し作業が始まる福島第一原子力発電所4号機の使用済み核燃料プールの1533本の燃料に、変形などのために取り出しが困難なものが3本あることを明らかにした。

 問題の3本には、過去の作業で生じたわずかな変形や損傷がある。放射性物質の漏れは確認されていない。東電は、ほかの燃料の移送を優先させ、3本の取り出しと移送の方法は今後検討する。原子力規制委員会は、取り出し作業の安全性を認めており、作業は月内に予定通り開始される。】

 震災前に取り扱いミス 4号機プールに損傷核燃料3体
【福島民友新聞 11月13日(水)11時13分配信
 東京電力は12日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールから燃料集合体1533体の取り出しを近く始めるのを前に、震災前に折れ曲がるなどした損傷燃料が3体あることを明らかにした。県と原発周辺市町村、有識者でつくる県廃炉安全監視協議会の現地視察で示した。損傷燃料の取り出しは最後に回し、取り出し方法を今後検討する。

 東電によると、損傷した燃料の1体は「く」の字に折れ曲がっている状態。25年ほど前に燃料を取り扱う際に失敗し曲がった。ほかの2体は10年ほど前に破損が分かり、異物などの混入で外側に小さな穴が開いた状態という。

 燃料損傷について当時公表したかどうかは東電が調査中。ただ、震災前にも燃料の取り扱いで作業ミスがあったことが分かったことで、作業ミスの防止、監視強化があらためて課題として浮上した形だ。

 燃料は燃料輸送容器に入れて約100メートル離れた共用プールに移すが、損傷燃料は燃料輸送容器に入れられず、移送法を検討する。】


 幸せの青い鳥さまより
「使用済燃料」棒の集合体ではなく、【放射性物質集合体】なのです。
【原発事故という悪夢は、この放射能が主人公なのです。

4号機のプールには、広島型原爆の1万4000発分くらいの核分裂生成物があります。小出先生は「(原子炉から出して)数年たてば、セシウム137やストロンチウム90の放射能が主成分となり、その時点で言えば、新燃料の数十万倍の放射能です」と、この原稿のためにコメントされました。

「使用済燃料」棒の集合体ではなく、【放射性物質集合体】なのです。 使用済燃料の放射能は、「人が近づくと十数秒で致死量になる」(NHK水野倫之解説委員)と言うほど強いものです。

東京電力は「原子炉から取り出した直後の使用済燃料の表面線量は、数千シーベルト/時間、以上」と電話で回答しています。これが、電力と引き換えに私たちが得たものです。

全国の原発と六ヶ所再処理工場には、この「使用済燃料」が約17000トンあります。】