「使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため」

 高速増殖炉もんじゅを核とした“核燃サイクル”が暗礁に乗り上げ、事実上破綻。
モックス燃料によるプルサーマル計画をでっち上げたが、お題目の「ウラン節約」は嘘っぱちだた。

 幻の“核燃サイクル”による使用済み核燃料の再利用が出来ず、どこの原発の燃料プールも満杯寸前。

 青森・六ヶ所に札びらを切って、使用済み核燃料の再処理工場を押し付けたが、
まったく稼動の目処は立たず、実際には、使用済み核燃料の“仮のトイレ”と化している。

 もし、政府が「原発ゼロ」の方針を打ち出せば、核燃サイクルの為の再処理も不要になり、
六ヶ所に“使用済み核燃料”を仮置きする理由もなくなる。

 そうなれば当然、「青森県が使用済み燃料の返送を要求」、その時点で、否応なしに原発は
『即時ゼロ』にならざるを得ない。と電事連が民主党に圧力を掛けたという訳だ。
 
 いずれにしても、六ヶ所を“仮のトイレ”にした自転車操業を何時までも続けられないことは、
火を見るより明らかなのだが・・

関連記事 核燃料プール 数年で満杯 6割が運転不可に
       プルサーマルに赤信号?英の再処理工場が突然閉鎖 福島原発事故の影響で。
       おいしくて危ない、原子力行政のしくみ。

 東京新聞より
「ウラン節約」ウソだった 再処理「原発維持のため」
【原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、

 「使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため」、と明言していた。

 国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。

 発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。

 これに対し、部長は「その通り」と即答し、「再処理路線でなければ、使用済み核燃料の受け入れ先がなくなり、原発が止まってしまうことになる」と述べた。

 本紙の調査で、国内約六割の原発では、稼働させれば数年内に使用済み核燃料プールが満杯になる。核燃料が交換できなくなり、それ以上は稼働できず、行き詰まった状態になると判明している。

 鈴木氏の質問は、電力各社にとって再処理を続けるメリットは、プールにたまった使用済み核燃料を減らし、原発を維持することかどうかをただす趣旨。部長の答えは、まさに電力会社の本音を語ったものだ。

 ただし、日本の原子力政策の建前は、再処理で出たプルトニウムを使い、混合酸化物燃料(MOX燃料)にしてプルサーマル発電で再利用。それが「資源小国の日本にとってウラン資源の節約につながる」ということだ。その建前で十兆円もの巨費を投じてきたが、再利用の輪は完成しておらず、MOX燃料の利用計画も立てられなくなっている。

 政府・与党は近く、将来の原発比率をどうするか結論を出す見通しだが、再処理を含め原発を維持しようとする動きは根強い。政府からは、原発ゼロにした場合、光熱費がアップするなど否定的な側面だけを宣伝する動きも強まっている。

 だが、これまでの再処理の建前はうそで、原発を運転し続けるための方便ということがはっきりしたことで、再処理事業の存続意義はますます揺らぐことになりそうだ。

 電事連は「(秘密勉強会の)出席者や発言者の確認をしていない」として、検証チームへの資料提出を拒否している。】

 asahi.comより
原発ゼロの悪影響、民主議員に根回し 電気事業連合会
【政権による新しいエネルギー政策の取りまとめを控え、電力会社でつくる業界団体「電気事業連合会」(電事連)は「原発ゼロ」にした場合の悪影響をまとめ、民主党議員に根回しを進めていた。その内容は、政権がまとめた「原発ゼロの課題」と同趣旨のもの。国民的議論を経て打ち出す新しいエネルギー政策に、「原子力ムラ」が影を落としている。

 関係者によると、電事連による働きかけは、党のエネルギー・環境調査会の議論が本格化した8月末ごろにあった。

 電事連は、全国の原発から使用済み核燃料を集める再処理工場を抱える青森県との関係を指摘。

 原発ゼロになって核燃サイクルの必要性がなくなれば、「青森県が使用済み燃料の返送を要求」とし、原発の燃料プールは満杯になって「全原発が即時停止」せざるを得なくなることを「直近の影響」として強調した。

 政権がまとめた「課題」でも、青森県の理解と協力が得られない場合に「『即時ゼロ』となりうるリスク」と記している。】