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【Bunnmei ブログ】
第三回 エッセンシャルなのに貧しい——アンダークラスという現実
コロナ禍のとき、「エッセンシャルワーカー」という言葉が広まりました。医療従事者、介護士、保育士、物流・配送の作業員、スーパーのレジ係——社会が止まらないために欠かせない仕事をしている人たちのことです。「ありがとう」という言葉が、あちこちで聞かれました。
しかし感謝の言葉と、実際の賃金は、別の話でした。
グレーバーはこの逆転を鋭く指摘しています。社会に本当に必要な仕事ほど、賃金が低い。介護士が辞めれば、街の機能はたちまち滞ります。ゴミ収集が止まれば、都市は数日で崩壊に向かう。しかしこれらの仕事の報酬は低く、雇用も不安定です。一方、なくなっても誰も気づかないかもしれない仕事が、高い報酬を得ている。これは能力や努力の差ではなく、構造の問題です。
社会学者の橋本健二は、日本の階層構造の最下層に「アンダークラス」という層が固定化されつつあると指摘しています。非正規雇用を繰り返し、収入は低く、社会保険も十分でなく、上の層へ移動する回路もほとんど見えない。人数は数百万人規模にのぼると言われます。
アンダークラスに置かれた人々が「労働者」として声を上げることは、構造的に難しい状態に置かれています。職場が点在し、雇用期間も短く、同じ職場に仲間がいない。労働組合の組織率は正規雇用者でも低いのに、非正規やギグワーカーに至ってはほぼ機能していません。フリーランスや個人請負という形式をとれば、法的にも「労働者」とみなされないケースすら出てきます。
「自己責任」という言葉も、この層に重くのしかかります。非正規であることも、収入が低いことも、自分の選択の結果だという物語が社会に広まっています。しかしそれは本当でしょうか。選べる選択肢が最初から限られていた人に、「自己責任」という言葉はあまりに冷たい。
前回見たように、社会の上の層ではブルシットジョブと株式報酬によって「労働者意識」が解体されていました。今回見たように、下の層ではアンダークラスの孤立と分断によって、やはり「労働者意識」は生まれにくい。上からも下からも、「労働者」という主体が静かに崩れていく。その構図が、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。

<かわすみかずみ>

「陸上自衛隊高等工科学校」(以下工科学校)を知っている人は少ない。自衛隊関係者や家族以外に知ることはないと思われる。工科学校が果たす役割や現状を知り、私たちがこの問題をどう捉えるべきかを考えたい。(写真=自衛隊大阪地方協力本部HPより)
工科学校のホームページには、同校の成り立ちが簡単に書かれている。1955年に自衛隊制度が発足し、同時に「生徒教育隊」ができている。その後、「少年工科学校」と名称変更し、2010年に陸上自衛隊高等工科学校となった。
工科学校生は自衛官か? 国家公務員か?
「自衛隊職場体験を考える会(以下考える会)」は、2010年の名称変更について、同校に問い合わせを行なっている。しかし、工科学校は回答しなかった。
工科学校のホームページ上に説明はない。2010年に日本が批准した「武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する選択議定書」が関係しているのではないかと、考える会は推測する。
選択議定書では、15歳以下の児童を戦闘行為に加担させることを禁止している。15歳から18歳までの児童については、年長者を優先し、任務について十分な説明を行うことや、年齢に応じた配慮を行うことが求められている。
工科学校の「入校」条件は、15歳から17歳の日本国籍を有する男子となっている。議定書の規定を踏まえ、巧妙な偽装が伺える。
工科学校が規定する生徒の身分について、ホームページでは、「特別職国家公務員(生徒)※自衛官ではありません」と書かれている。だが、その教育理念は「技術的な職能を有し、知徳体を兼ね備えた進展性ある陸上自衛隊員としてふさわしい人材を育成する」とある。
工科学校の授業は①一般教育、②専門教育、③防衛基礎学の3種があり、防衛基礎学については戦闘訓練などが主体となっている。2年生以上から、武器訓練・射撃、戦闘訓練、対特殊武器戦などの授業が組み込まれている。特別職国家公務員であり、自衛官ではないものが、これだけ専門的な戦闘訓練を行うことに矛盾があることは明白だ。
生徒の個人情報が抜き取られている

「考える会」が大阪市教育委員会から情報公開請求で得た資料の中には、問題があると思われるものが多数あった。A中学校が自衛隊に職場体験に行く際、八尾駐屯地が示した「八尾駐屯地部隊見学実施計画(案)」(写真下)には、その目的に「八尾駐屯地に対する理解の獲得及び募集基盤の拡充に資する」とあった。
自衛隊大阪地方協力本部は、毎年各地域の区役所等に15歳の男子の名簿閲覧を行い、工科学校の募集要項等を送付することが、「考える会」の調べでわかっている。
自衛隊職場体験の内容について、東大阪市教育委員会への情報公開請求で確認できた。ある中学校は「装甲車と資料館見学」が内容に含まれていた。また、体力測定が含まれている学校もあった。体力測定のデータも個人情報に含まれる。このデータがどのようにどこに保管され、しっかり処分されたのかどうかもわかっていない。
大阪市、東大阪市ともに、生徒の4情報(氏名、性別、住所、生年月日)を提供している学校があった。東大阪市では事業所に破棄を依頼する学校が多く、その後きちんと破棄されたのかがわからない。

大阪市では、生徒の個人情報について、「自衛隊から求められた」と回答する学校が複数あった。また、保護者や生徒本人には、「自衛隊の基地内に入るには、個人情報の提出が必要です」と説明していることもわかった。
筆者は、八尾駐屯地、奈良航空基地に電話し、個人情報が必要な理由について聞いた。八尾駐屯地は、緊急時に生徒の個人情報が必要になるためと説明する。だが、教員経験者に確認すると、学外講習などの場合はスポーツ保健に加入するため、学校が対応するはずだという。また、情報の管理については、「個人情報保護法に則って適切に処理している」と繰り返すが、具体的な対応は見えない。
工科学校の募集のための職場体験
「考える会」が得た大阪市の資料のなかでは、自衛隊大阪地方協力本部からC中学校に送られた感謝の手紙(写真下)がある。そのなかでは、「お陰様をもちまして 令和6年度は 大阪府内の中学校より 多くの生徒さんに陸上自衛隊高等工科学校を受験していただくことができました」と書かれていた。
自衛隊職場体験による個人情報の取得と工科学校の勧誘には関連性があると考えられる。送り出す学校側も、自衛隊職場体験での個人情報提供について、提供するかしないかをもっと真剣に考えるべきではないだろうか?

関連
天皇裕仁(昭和天皇)の誕生日の29日、高市早苗政権は「昭和100年記念式典」を政府主催で行いました。天皇徳仁、雅子皇后のほか、衆参両院議長ら「三権の長」、国会議員、各界代表ら約5600人が参加したと報じられています。
高市首相(式典委員長)は式辞で、「日本の誇るべき国柄を、次の世代に引き継いでいく」「インド・太平洋の輝く灯台としての日本を」「挑戦なくして発展はない」などと述べました(写真左)。「誇るべき国柄」とは万世一系の天皇制を意図していることは明らかです。「輝く灯台」は八紘一宇を連想させます。
また高市氏は、天皇裕仁について、「戦後全国を巡幸して国民を励まされた」と美化しました。
そもそもこの式典は、歴史改ざん主義者の高市氏が「昭和・昭和天皇」を賛美するために行ったもので、式辞の内容は想定内です。
注目されたのは、この式典に海上自衛隊東京音楽隊を参加させ、「川の流れのように」(美空ひばり)や「時代」(中島みゆき)など「昭和のヒット曲」を6曲演奏・歌唱させたことです(写真右)。
自衛隊の歌唱といえば、自民党大会(4月12日)での政治利用が問題になっている最中です。批判に対する反省が微塵もないことの現れです。
もちろん自民党大会と政府式典は前提が違います。政府組織の一部である自衛隊が政府式典に参加することになんら問題はないと政府は言うでしょう。しかし、この日の自衛隊参加は、自民党大会におけるそれとは別の意味で見過ごすことができません。
それは、「昭和・昭和天皇」を賛美する政府式典で、現天皇の前で、首相が「国柄」を誇示し「挑戦」を連発する場に、自衛隊(日本軍)を同席させたということの意味です。
すなわちそれは、「昭和」の侵略戦争・植民地支配の歴史を隠ぺい・改ざんし、天皇裕仁の戦争責任を消滅させ、天皇制の維持・強化を図り、大軍拡を強行している自民党・高市政権の戦争国家づくりを象徴する姿と言えるのではないでしょうか。
ところで、この日自衛隊が天皇の前で演奏・歌唱した曲の中に、「上を向いて歩こう」(1961年、作詞・永六輔、作曲・中村八大、歌・坂本九)が入っていました。
作詞した永六輔氏は、この歌は「60年安保闘争」で、岸信介内閣によって「新安保条約」が強行された悔しさを歌ったものだと語っていました(2021年7月3日NHK「あの人に会いたい」、同7月18日のブログ参照)。
もちろん政府はそのいきさつを知らずに選曲したのでしょう。安保条約に抗議してつくられた歌が、安保条約による日米軍事同盟強化の大軍拡を進める高市政権の「昭和」美化式典で、自衛隊によって歌われる―笑えない皮肉です。
《ご案内》(再録)
『象徴天皇制を考えるⅢ』を自費出版しました。前著Ⅱ以降、2019年6月~25年9月までの「アリの一言」から「天皇制」に関するものをまとめたものです( ソフトカバー、B6判、356ページ、1200円<送料込み>)。ご希望の方はメールまたはお電話でお申込みください。メールは件名に「本希望」とお書きいただき、ご住所、お名前のご記入をお願いいたします。払込用紙を同封させていただきます。メールアドレスは、satoru-kihara@alto.ocn.ne.jp、電話は09029009967です。よろしくお願いいたします。
暗雲迫る 欧州極右の躍進と中東の混迷
移民排斥を言わば「党是」としてきた極右政党。難民問題にゆれる欧州で、排外主義を煽り大躍進を遂げることとなったようです。
フランスで実施された地方選挙でルペン党首率いる国民戦線が政権をとるかの勢いです。
【12月7日 AFP】
「百三十人の犠牲者が出たパリ(Paris)同時テロ事件で宣言された非常事態が続くフランスで六日、地方選挙が行われ、極右政党の国民戦線(FN)が記録的な得票率を達成した。
同党の全国での得票率は27・2~30・?%と推定され、全13地域圏のうち少なくとも6地域圏で首位となる見込みだ。
停滞する経済に対する有権者の怒りと、欧州の難民危機に関連した治安に対する不安をとらえた同党のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首(47)と、そのめいのマリオン・マレシャルルペン(Marion Marechal-Le Pen)副党首(25)は、それぞれの地域圏で同党史上最高となる40%超の票を獲得した。
右派政党全体での得票率は27~27・4%となる見込み。一方の与党・社会党(SP)とその同盟政党の得票率は22・7~23・5%になる見込みだ。」(ここまでAFP)
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フランスの場合、今回の地方選挙は2017年に予定されている"大統領選挙の前哨戦"とみなされています。守勢に回るまいと、オランド大統領はますます「イスラーム国」に対する攻撃を強めています。しかし、この姿勢が現在国民に当座の「支持」を受けても、オランドの外交的失敗や国内経済の零落などで厳しい批判に直面しているのです。
「ル・フィガロが行った二〇一七年大統領選挙にむけての世論調査結果で、フランス人の78%が現職のオランド大統領は次期大統領候補者にふさわしくないと考えているという結果が出た。今日発表された世論調査は、今現在の人々の意識が反映していると考えるべきであるが、一位は極右政党FNのマリーヌ・ルペン氏で27から29%の支持率。二位は旧UМP右派政党のサルコジ氏かジュッペ氏で、25%の支持率。三位にオランド大統領が19%で着け、二位とすでに6ポイント離されており、現政権へショックとして跳ね返っている。(フランス2TV朝のニュース)
政権に一歩も二歩も近づいた極右政党=国民戦線の経済政策は、実際のところ平凡な財政拡大主義だといわれています。したがってバラマキ的な福祉政策を売り物として、力を入れて宣伝しているようです。権力到達のためには手段を択ばないやり方です。(ナチも同様に「国家社会主義」を標ぼうし福祉をある程度実現しました。)
また、近年マリーヌ・ルペン党首となってからは現実路線も取り入れ支持の拡大を果たしてきました。いまでは政権獲得も視野に入ってきたことから、反ユダヤ的発言など相変わらず右翼的発言を繰り返すジャン=マリー・ルペン名誉党首(党創設者)を事実上排除し、今年春頃には党員資格停止で役職も取り上げられました。
このような「内紛」にもかかわらず党勢は急上昇した点が気になりますね。
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国民戦線の諸政策をWikipediaからひろってみました。
●移民の制限。ただし、フランスの文化を尊重、保護する移民は拒まない。
●たとえフランス国籍を持つ移民や移民二世・三世でも、犯罪を行った場合は出身国へ強制送還させる。
●伝統的な生活様式を保護する。特に農民を尊重する。
●フランス国内のモスク建設の停止。
●麻薬の密売人や、小児性愛などの性犯罪者、母親による児童虐待、殺人者、テロリストを特に対象として、死刑を復活させる。
●公務員の削減。
●減税。
●極左に操られているような団体に対する補助金の廃止。
●放任主義を減らし、道徳の復権をはかる。
●犯罪者や移民には寛容ゼロ (tolerance zero) で臨む。
●同性カップルもパートナーシップを結べる民事連帯契約法の廃止。
●国籍に関してはいわゆる血統主義を採用する。
(ここまでウィキペディア↑)
父ルペン氏と一線を画しているようでも、内容はいっしょではないかと思います。「ユダヤ人排斥」の代わりの「移民・難民」排斥なのです。狭い視野にとらわれている彼らは、血の純潔、愛国主義の名のもとにフランス社会に分裂と闘争を持ち込むことでしょう。大盤振る舞いの財政政策は、日本の安倍首相と同じで、長期的には社会の矛盾を強め格差を拡大し社会不安を広げるでしょう。
それと並行して政治的独裁が強められることも、戦前のドイツや日本の歴史で証明済みのところです。
社会党大統領オランドの無力で混乱した政治がまさに極右の台頭を生み出しているのです。ちょうどこれも日本に当てはめれば民主党の無力さや政治的混乱の後に、反動安倍内閣が登場し、安倍内閣の暴走を国民が一定許容する空気を造ったことと類似性を感じます。
■オランド達の爆撃の悲惨な逆効果
「シリア北東部ハン(Al-Khan)村で七日、米国主導の有志国連合が実施したとみられる空爆により、一般市民少なくとも二十六人が死亡した。有志国連合に対しては、別の空爆によりシリア政府軍の兵士が死亡したとの疑惑が浮上したばかりで、今回の空爆によってさらに(国際的非難の)圧力が高まっている。」【十二月八日AFP】。
オランドなど欧米の指導者たちは、ひとつには国内政治の理由で目先の人気取りに走っているのでしょう。昨年ころ地に落ちた大統領支持率は空爆開始で倍増し、シャルリ―事件や今回のテロでの強硬姿勢が残念なことに「人気回復」に結び付いているようです。(しかし、上で見たようにオランドのゲス根性は国民に見抜かれ「次期大統領にはふさわしくない」とみなされています。)
二つ目には、産業としての軍需に追い風を吹き込むという、経済的打算です。このよう目先だけの自己都合政治では、経済的零落も「イスラーム国」対策にも何の効果もないのです。
イスラーム国は、挑発をくり返し欧米の軍事介入を意図的に招き入れているのです。もっと具体的に言えば「地上戦」に引き込みたいのです。政治的混迷や内乱、宗派対立、民族対立こそ彼らの「ジハード」の舞台になるからです。彼らの言うイスラム原理主義(ワッハーブ主義)は、欧米の中東支配と言う混迷の時代に生まれたものです。その再現をもくろんでいるとしか思えません。世界を恐怖と混乱に導き、その中からイスラム法に依る法秩序=カリフ制国家を再興するというわけです。
世界の国家指導者たちの、無定見と思慮のなさは世界にとって由々しきことです。マネー経済の生み出す格差や腐敗はそれに反発する若者たちを生み出しています。彼らをイスラム国は獲得しているのです。この問題は、われわれもまた深く反省して熟慮すべきことでしょう。とりあえずは安倍政権による自衛隊の中東派兵を阻止する運動を高めることが求められているでしょう。(研)

2026年4月22日、イスラエル中部。1948年の戦争で住民が追放された旧ミスカ村の跡地で、アブド・アル・マンナン・シュビタがパレスチナ人およびユダヤ系イスラエル人の活動家たちと語り合う。(イド・エラム、ゾクロット)
【記事の要約】
この記事は、イスラエル当局が2026年の「帰還行進(March of Return)」を阻止したにもかかわらず、パレスチナ人が独自の形でナクバ(1948年の大規模追放)を記憶し続けた実態を描いています。例年、この行進はイスラエル独立記念日に合わせ、破壊されたパレスチナ村へ数万人が集まる重要な政治的・文化的行事ですが、今年は警察の厳しい規制により2年連続で中止に追い込まれました。
主催者側はオンラインでの記念イベントに切り替え、証言や演説を共有しましたが、それでも記憶の継承は止まりませんでした。多くの人々は中央集会に代わり、各地の旧村落跡地へ個別に足を運び、家族単位で集まり、食事や語りを通じて歴史を再確認しました。
特に、1948年に破壊された500以上の村の存在と、そこからの強制移住の記憶が強調されます。例えばアル=ムジャイディルでは、現在は公園となった土地に元住民やその子孫が集まり、かつての生活や追放の体験を語り合いました。こうした行為は単なる追悼ではなく、「帰還の権利」を象徴的に主張する実践でもあります。
また今年の特徴として、中央行進の禁止が逆に各地での分散的な訪問を促し、むしろ多くの村で記憶が再活性化した点が指摘されています。さらに、ユダヤ系イスラエル人の一部も参加し、共同で歴史を見つめる試みも見られました。
全体としてこの記事は、国家による規制にもかかわらず、ナクバの記憶が日常的・家族的実践を通じて維持されていること、そしてそれが政治的抵抗とアイデンティティ形成の核心であり続けていることを示しています。単一の大規模デモがなくとも、記憶と帰還要求はむしろ分散的に広がり、持続しているという点が強調されています。
【追加解説――管理人】「帰還行進(Great March of Return)」は、パレスチナのガザ地区で2018年から2019年にかけて行われた大規模な民衆デモを指します。この運動は、ハマスなどの武装組織ではなく、当初は若者を中心とした市民社会の呼びかけで始まった点が特徴的でした。しかし、長期化するにつれて政治的な対立が深まり、ガザ地区の悲劇的な人道状況を改めて世界に知らしめる結果となりました。
【Bunnmei ブログ】

第二回 無意味な仕事と高い給料——ブルシットジョブという問題
あなたの仕事は、本当に必要とされていますか?
少し意地悪な問いかけですが、これを真剣に論じた人物がいます。アメリカの文化人類学者、デヴィッド・グレーバーです。彼は2018年に『ブルシット・ジョブ』という本を書き、世界中で議論を巻き起こしました。
グレーバーが「ブルシットジョブ」と呼んだのは、やっている本人でさえ「これは必要ないかもしれない」と感じているような仕事のことです。たとえば、誰も読まない報告書を作り続ける事務員。会議のための会議を設定するだけの中間管理職。実質的な決定権を持たないまま承認印を押し続ける人。これらは決してサボっているわけではありません。むしろ懸命に働いている。ただ、その仕事が社会にとって本当に必要かどうか、本人にもわからない。
グレーバーが指摘した最も皮肉な点は、こうした「どうでもいい仕事」ほど給料が高い傾向があるということです。金融商品を組み立てるトレーダー、企業の評判を管理するPRコンサルタント、大企業の内部調整を担うマネージャー——これらの職種の報酬は高く、そこに株式報酬やボーナスが上乗せされることも珍しくありません。
ここで前回の話とつながります。株式報酬を受け取ることで、働く人は「自分は資本の側にいる」という感覚を持ちやすくなります。仮に仕事の中身に疑問を感じていても、報酬が高ければ、その疑問は飲み込まれやすい。グレーバーはこれを「精神的暴力」と表現しました。無意味さを知りながら、それを知らないふりをし続けることを強いられる、という意味です。株式報酬は、その「沈黙」に値段をつける行為でもあります。
もうひとつ重要なのは、こうした層が「労働者」として自覚しにくい構造にあることです。会社の株主でもある、収入も悪くない、社会的な地位もある——そうなると、自分が「雇われている側」だという意識は薄れていきます。労働組合には縁がなく、賃金闘争にも関心が向きにくい。
社会の上の方から、「労働者」という意識が静かに解体されていく。ブルシットジョブとは、その象徴的な現象です。(続く)

米国最大かつトランプ支持の食肉加工企業で、
移民労働者のストライキが勝利
미국 최대이자 친트럼프 육가공기업에서 이주노동자 파업 승리 | 노동자 연대
『労働者連帯』購読
紙の新聞の購入先
『労働者連帯』第582号 入力 2026-04-28 21:02
キム・ジョンファン
米国コロラド州で、主に移民労働者で構成される3,800人が、3週間にわたる全面ストライキの末、世界最大の食肉加工企業JBSを相手に痛快な勝利を収めた。

労働者は57言語を話す多様な国籍を持っていましたが、団結して3週間にわたり生産を麻痺させました(c) 出典:UFCWローカル7R
このストライキは、最も脆弱に見える移民労働者たちにも多国籍企業を打ち負かす力があること、特に移民弾圧で悪名高いトランプ政権下でも勝利できることを示した。
労働者たちは57の言語を使うほど国籍が多様だったが、団結して3週間にわたり生産を麻痺させたⓒ出典 UFCW Local 7R
食肉加工部門で40年ぶりに起きた大規模なストライキを通じて、労働者たちは賃金を大幅に引き上げた。経営側が提示していた2%の賃上げ(物価上昇率にも及ばない)は言うまでもなく、上位労組が全国単位の交渉で勝ち取ったものよりもはるかに多くの成果を勝ち取った。また、食肉加工業界で労働者の自己負担が当然視されてきた保護具の交換費用(最高160万ウォンに達する)について、今後は全額を会社が負担するという基準を新たに設けた。
今回のストライキが行われたコロラド州グリリーのJBS牛肉加工団地は、米国最大規模であり、米国全体の牛肉消費量の5%を担う中核施設である。マクドナルド、バーガーキング、コストコなどに牛肉を供給している。
会社側は労働者の団結を阻むため、言語や国籍の異なる移民労働者を雇用してきた。特に、入国したばかりでまだ米国生活に慣れていない移民を雇用した。その結果、ストライキに参加した労働者3,800人が使用する言語は57カ国語にも及んだ。
労働組合がストライキを予告すると、経営側は「ストライキ後も働き続けられるという保証はできない」と脅した。また、業界関係者は「食肉加工市場は飽和状態」であり、ストライキはむしろ経営側のリストラを助けるだけだと付け加えた。
JBSは、トランプ大統領の就任式に最も多額の政治献金を行った企業でもある。トランプ政権はこれに応えるかのように、数年間停滞していたJBSの上場を承認し、コロラド州でストライキの賛否を問う投票が行われる日には、移民担当官を数名職場前に配置して威圧的な雰囲気を醸成した。
それでも労働者たちは99%の賛成でストライキに突入し、当初予告していたよりも1週間長くストライキを延長して生産ラインを停止させた。数十もの異なる言語を話す労働者たちが団結できたのは、危険な作業環境や低賃金、不当な待遇に対する不満が大きかったからだ。
エチオピア出身のテサレ・ダリはこう語った。
「生きてきて、これほど危険な仕事をしたことはありません。少しでもミスをすれば、死んでしまうかもしれません。」
「私たちの過酷な労働のおかげで、JBSは利益を上げているのです。……このように過酷な労働には、それに見合った敬意が払われるべきだと考えます。確かに私たちの賃金は他の職種に比べれば悪くないですが、私たちの仕事の性質を考えると、現在の賃金では決して十分とは言えません。」
ストライキにより、会社側は毎日2,000万~3,000万ドル相当の売上損失を被った。代替要員の投入を試みたが、仕事が非常に危険な上、事前の教育期間も必要だったため、結局失敗に終わった。労働組合は、停止した生産ラインの映像を紹介するニュースレターを、英語だけでなくスペイン語、ビルマ語、ハイチ・クレオール語、ソマリ語、フランス語などで発行した。
ストライキ期間中、労働者たちは職場の前でピケットライン(代替要員の投入を阻止する隊列)を作り、様々な言語でスローガンを叫び、食事を分かち合い、歌を歌い、踊りも踊った。あるストライキ参加労働者はこう語った。
「これほど多くの人々が集まり、より良い賃金とより多くの保護具を求めて声を上げているのだから、私たちの力は決して小さくないと感じます。」
移民排斥的なトランプ政権下で、移民労働者たちが巨大資本に打ち勝った今回のストライキが投げかけるメッセージは、決して小さくない。
Mamoru Kono
4月28日は、「屈辱の日」です。1952年4月28日、沖縄は日本から切り離され、米国による統治が始まりました。サンフランシスコ講和条約の発効により、日本の独立と引き替えに沖縄、奄美、小笠原の施政権が日本から分断されました。だから4月28日は、沖縄の命運を変えた「屈辱の日」と呼ばれています。
そして、現在の沖縄の状況–基地まみれ–を見た時、どないかせんといかんと思います。


折口晴夫
水俣病公式確認70年!
5月1日を前に各紙のチェック、図書館に行く。「朝日新聞」(4月27日)は4面にわたって報じていた。未解決の何が問題かアンケートで報じている。「毎日新聞」(4月27日)は竹下景子さんのインタビューを掲載、同年代の胎児性患者の存在にショックを受けた、と。
ちなみに、「神戸新聞」(4月25日)では坂本しのぶさんが登場し、「70年たっても何も終わっていない」と告発している。そう、彼女は公式確認と同じ年月を生きてきたのだ。図書館行きついでに、「世界」(5月号)を拝見。曹琴袖さんの切り抜き動画についての分析を読む。これを報じると攻撃対象になるということで、「報道特集」に「追随して報じるメディアは当時存在しなかった」、とその沈黙を指摘している。
曹さんは寺山修司の「書を捨てよ、町に出よう」、と高齢者も町へと言う。ネットでは、三牧聖子さんは中村哲さんの「一隅を照らす」を引用し、身の回りの人々とのかかわりも大切という。










