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テクノロジー
未来を変える新素材
-透明アルミ・光を通すコンクリート
By Jurica Dujmovic 2015 年 6 月 11 日 16:22 JST
私たちは今、テクノロジーが急速に進歩する時代に生きている。 すでに知的な機械があり、スマート機器があり、未来型兵器がある。 そして人類は今、宇宙や深海を探っている。
だが、こうした進歩は特別な素材がなければ実現しなかったに違いない。 並外れた特性を備え、極度の温度・重量・圧力に耐え得る特別な素材。 そんな素晴らしい素材の例を挙げてみよう。
1.グラフェン
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Photo:Wikipedia
グラフェンは原子1個分の厚さしかない炭素の原子シートで、見た目は壊れやすそうだが実際の強度は同じ重さの鉄の100倍だ。 熱や電気の伝導性に優れ、ほぼ透明に近い。 実験室で実測可能な量が作られたのは2003年だった。
グラフェンはいずれ宇宙エレベーターの建造に使われるかもしれない。 エレベーターといってもリボン状のケーブルで、宇宙ロケットを使わなくても地上から直接、貨物を地球の周回軌道や宇宙へ届けることを可能にするものだ。
宇宙エレベーターの実現はまだ何年も先だろうが、グラフェンの利用法がほかにないわけではない。 実際はまったくその反対で、安価なソーラー電池や燃料電池、疾病を診断するセンサーなどの重要な素材になっている。
2.エアロゲル
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Photo:NASA/JPL-Caltech
エアロゲルが初めて作られたのは1931年のことだが、いまだに特筆すべき素晴らしい特性を備えている。 まず、エアロゲルという名称だが、その素材自体の名前ではない。 特定の幾何学的な構造になった素材のまとまりをそう呼ぶのだ。
ゲルの中から液体を取り除き、固体部分だけをそのまま残して作られる。 できあがった物質は透明かつ多孔質の固体で、堅く乾いている。 重さがほとんどなく、中身の98.2%が空気だ。
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Photo:Wikipedia
その性質自体は素晴らしく聞こえるが、何に役立つだろうか。 まず、絶縁体として優れている。 表面の熱をほとんど完全に通さない。 一例として上の画像を見てほしい。 デリケートな花を薄いエアロゲルにのせて下からバーナーであぶっても花にはダメージがない。 バーナーの炎の温度はセ氏1100度~1200度にも達する。
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Photo:NASA
エアロゲルは柔らかく、圧力をかければ砕ける。 だが、米航空宇宙局(NASA)が最近、高分子をベースに強度を上げる方法を開発した。 将来は宇宙服や極低温分野などで利用されそうだ。
3.メタルフォーム(泡状金属)
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Photo:Fraunhofer IFAM Dresden
もう一つの多孔質の素材がメタルフォームだ。 水面に浮かぶ未来都市や宇宙コロニーの建造といったものに利用されそうだ。 非常に軽量で、中には水に浮くものもある。 より日常的なものとしては、自動車の軽量化や、構造物の重量を変えずにエネルギー吸収率を向上させること、また防音や外部からの機械的衝動を防ぐための利用法もありそうだ。
4.透明アルミニウム
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Photo:Surmet.com
透明アルミニウムは、アルミニウム系セラミックである酸窒化アルミニウム(商品名・ALON=エイロン) でできている。 米マサチューセッツ州バーリントンにあるサーメット社が商品化した。 ALONの透明度は80%で、硬度はサファイアと同じくらい。 酸化や放射線に対する耐性も非常に強い。 1.6インチ(約4センチ)の厚さのALONは50口径の機関銃による徹甲弾にも耐える。
透明アルミ ―アルミニウムの密度を極限状態まで高くした結果
スタートレックIV 『故郷への長い道』にも登場した透明アルミが現実になった!
5.D30
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Photo:D30
英イースト・サセックス州ホブにある防護関連の事業を手掛けるD30社の研究室で作られたこの素材「D30」 は粘土のように見えるが、衝撃を受けるとその瞬間に堅くなる特性があるため、中に入れたものを衝撃から守ることができる。
このため、D30はアスリートのプロテクターとして利用されている。 他にも、軍用、医療用、靴などにも使われている。
6.光伝導コンクリート
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ハンガリーの建築家がLi Tra Con(ライトラコン=light-transmitting concreteを短縮したもの) を2001年に発明し、04年にはブダペストに同名の会社を設立した。 この素材に埋め込まれた光ファイバーが光を通すため、壁に使えば壁一面から外光が入る。 コンクリートが透明なわけではなく、構造が光を通すというだけだ。
建築家はこのコンクリートを床材にして下から光を入れたり、半透明の壁にしたりできる。 同社はすでに長さ20メートルの梁状の建材を製造した。
未来のテクノロジーの発展にどの素材が最も大きな変化をもたらすことになるだろうか。
原文(英語):Futuristic materials — metal foam, transparent aluminum — are now a reality