5月12日夕方の東電記者会見を聞きました。1号炉の水位が予想より低い様です。
恐らく正確には誰も判らないと思いますが、現在の炉心状態と燃料溶融などについて
私が想像している内容や関連する図などを羅列してみます。

①まず炉内の圧力と水温(蒸発温度)の関係のグラフです。運転時は70気圧なので
 水温や蒸気温度は280℃まで上がります。ですので設計値は302℃になっています。
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②炉心内部の構造を示した模型の写真です。燃料棒の下側の空間は実際には「制御棒案内管」
 というステンレスのパイプ(直径30cm、3号機の場合137本)がぎっしり詰まっています。
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③例えば3号炉で気になるのは炉心下部の温度が100℃より高い事です。容器温度は
 普通は水温で決まる訳ですから1気圧の今は100℃以下になって欲しいです。つまり
 どこかの構造物から熱が伝わってきてるとすると、おおもとはかなり高温な事が疑われます。
 同じ「280℃」でも通常運転時の「水温」とは意味が違います。イヤな事だと思います。
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④熱源(溶融燃料)と構造物の様子が全然判りませんので排熱ルートと温度分布を
 計算するのはムリです。が、どの程度の熱伝導がありえるか?想像してみます。
 炉心下部に向かっての排熱として一番大きいのは「制御棒案内管(のパイプの肉厚)」
 かも知れません。
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⑤次が円筒状の「炉心支持板の足?」ぐらいでしょうか?
 福島第一原子力発電所3号機安全上重要な建物・構築物及び機器・配管系の耐震安全性評価
 http://www.tepco.co.jp/nu/material/files/fk10071601.pdf

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⑥例えば3号炉の場合、本当の水温や除熱がどの程度か判りませんが、構造物が残っており、
 また約2メガワットの崩壊熱の0.1~1%でも熱伝導で逃げていると仮定すると、
 温度計の読み値よりも実際に溶けている付近の温度はかなり高温かも知れません。
 重要な事は「それがステンレスを溶かす1400℃まで達したか?」ですがそれは判りません。
 ただ1号炉の履歴で「400℃を越えた事がある」という事実は個人的には気にしていて、
 それくらいになると「内部の構造物が崩壊する可能性はあるかも?」と懸念しています。

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炉心の温度?圧力?とこれまでの経過など全体的に眺めて想像すると、
 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/

 1号炉:水も燃料も大部分が炉心の外(格納容器に留まっているかは謎?)に出たか?
     あるいは格納容器の冠水?がある程度温度を下げている?可能性がありそうです。

    ※「津波以前」に地震の震動だけで炉心容器の底が損傷し水が漏れ始めていたと
     すると今後の原発の立地等についてもかかわる大問題でもあると考えます。


 3号炉:炉心底の水漏れは1号炉と同様かもしれませんがもしかすると「再循環系」に
     水がたまっており、その水位くらいは維持しているかもしれません。
     僅かな水位変化で炉心上部の胴フランジの温度が大きく変化するのは、
     燃料もしくは構造物が「水を被ったり、剥き出しになったり」する変化に
     対応している様な気もします。
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 1号炉で燃料が外界に露出しているとすると勿論それは悪いニュースです。ですが仮に、
 「狭い隙間から徐々に燃料を流出」させる事で崩壊的な水蒸気爆発を回避できる可能もあると
 すれば今後の方針を考える上で重要な知見になるかもしれません。
5月1日頃から3号炉の炉心温度が徐々に上がっています。注水量は7トン/時で安定して
いましたが徐々に温度があがり、9トン/時に増やしても止まりません。

燃料の溶融による流れの悪化や注水系の漏れなどいろいろ考えられますが良く判りません。
とにかく図など整理しておきます。

①4月中は3号機は安定していました。当時の温度パラメーターを再掲します。
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②崩壊熱は以前より多少楽になってるはずなのに温度があがるのがイヤなわけです。
 圧力容器と格納容器の設計値なども再掲しておきます。
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③東京電力から発表された3号炉の温度データです。すごく判りにくいです。
 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/
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④ネットではボランティアでグラフにしてくれています。でも何処の温度か判りません。
 https://spreadsheets1.google.com/spreadsheet/ccc?authkey=CI_sw6QP&hl=ja&key=tfO9PxoHb9y3FJRz_LspmLQ&hl=ja&authkey=CI_sw6QP#gid=28
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⑤手持ちの図面を見て「だいたいこの辺かな~?」という感じで想像しています。
 勿論、状況は良くはないです。図には5月9日5:00のデータを記載します。
 ・最も悪い点は燃料溶融と落下が疑われることです。そういう温度分布だと思います。
  (だとすると注水系を変えても劇的に改善されないかも知れません)
 ・また圧力容器の上蓋のシール(接合)が漏れてる印象があります。
 ・従って格納容器内の温度もかなり高そうです。
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 ※図の「冷却水の流れ」は通常の給水系を使った場合です。これまでは「消火系」
  だったらしいですが、今週はこの「給水系」の流れに切り替えてみるという事
  の様です。燃料が損傷しているとどういう流れになるかは判りません。
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110507-00000015-maip-soci

⑥格納容器内の温度計もだいたいこのあたりにある様です。
 http://www2.jnes.go.jp/atom-db/jp/trouble/1966-1999fy/explain/1996/gh96b19.html
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⑦5月11日ごろ?東京電力により温度測定位置がアップされていました。転載します。
 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/
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未曾有の大事故により人類が経験した事のない危機がいま起こっていると
私は認識しています。あれほどの地震と津波、そして爆発が起こりながら
「水が注水できたこと」と「冷やせたこと」がいかに幸運な事だったか
考え直すべきと思います。

汚染水や工期も気になるとは思いますが、今後1~2年はなりふり構わず
「冷やす」ということに全力を傾注すべきと思います。炉心や燃料プールの
どれか一つでも手が付けられなくなれば計画は全て破綻します。
1985年5月8日のワイツゼッカードイツ連邦大統領の演説全文を再掲します。

「荒れ野の40年」ワイツゼッカー連邦大統領演説全文(1985年5月8日)
http://ameblo.jp/study2007/entry-10236801513.html

いま私たちは
・立場も見識もある者が条件さえ整えばどんな嘘でも重ね、
・医療に携わる者が子供や胎児に平然と人体実験を行う。

のを目の当たりにしています。


知恵や技術が誰の為にあり、またそれを持つ者がどうあるべきかを再確認するために
5月8日の今日読み返すことにしました。以下に演説のいくつかを抜粋いたします。

ーーーーーーーーーーーーーー<以下、演説からの抜粋>ーーーーーーーーーーーーーーーー

良心を麻痺させ、それは自分の権限外だとし、目を背け沈黙するには多くの形がありました。
 戦いが終り、筆舌に尽しがたいホロコースト(大虐殺)の全貌が明らかになったとき、一切
 何も知らなかった、気配も感じなかった、と言い張った人は余りにも多かったのであります。

 人間の罪には、露見したものもあれば隠しおおせたものもあります。告白した罪もあれば
 否認し通した罪もあります。充分に自覚してあの時代を生きてきた方がた、その人たちは
 今日一人ひとり自分がどう関り合っていたかを静かに自問していただきたいのであります。


問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。
 後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。
 しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を
 心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。



※われわれ年長者は若者に対し、夢を実現する義務は負っておりません。われわれの義務は
 率直さであります。
心に刻みつづけるということがきわめて重要なのはなぜか、このことを
 若い人びとが理解できるよう手助けせねばならないのです。


人間は何をしかねないのか——これをわれわれは自らの歴史から学びます。でありますから、
 われわれは今や別種の、よりよい人間になったなどと思い上がってはなりません。


※ヒトラーはいつも、偏見と敵意と憎悪とをかきたてつづけることに腐心しておりました。
 若い人たちは、たがいに敵対するのではなく、たがいに手をとり合って生きていくことを
 学んでいただきたい。民主的に選ばれたわれわれ政治家にもこのことを肝に銘じさせて
 くれる諸君であってほしい。そして範を示してほしい。

ーーーーーーーーーーーーーー<以上、抜粋>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放射線廃棄物の処理について記載します。
原発周辺の今後の土地利用にもおそらく関係する事と予想します。

①放射性廃棄物は大きく3種類があります。
 ・ごく薄いもの(0.01mSv/年以下) →クリアランス制度により「再利用」
 ・低レベル廃棄物           →地下に埋設
 ・高レベル(処理後の使用済み燃料)→死ぬ程厳重に地下に埋設?
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②普通の廃炉なら一般ゴミにできた(98%の)廃棄物も福島第一では低レベル廃棄物になります。
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③どの程度の分量が「クリアランス(再利用)」できるか判りませんがこれだけの線量が
 露出した以上「0.01mSv/年」というのはかなり厳しいと思います。
 http://www.japc.co.jp/haishi/clearance.html
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④処理には放射化を冷ますための「一次保管」や「埋設」の為の広大な土地が必要です。
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⑤現状では六カ所村のドラム管100万本分(将来的にも300万本)が限度です。
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⑥福島第一の1~4号炉を処理するだけで軽く容量オーバーです。
 廃棄物処理の為に原発周辺の土地を利用する案は必ず出ると思います。
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少なくとも国は、
・東電による個別の用地買収(切り崩し)を禁止し、
・「半径」30km以内の賠償スキーム全体を見通した、
包括的な賠償・処理案を作り指導すべきと考えます。
5月6日夕方の福島原発統合本部の記者会見で土壌汚染についての
調査結果が発表されました。極めて重要な報告ですので転載します。

①空間線量のマップです。1~2μSv/h程度の地域も妊婦・子供の居住には厳しいと思います。
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②土壌の放射能汚染マップが示されましたが、そもそもの土壌の放射能汚染レベルを示します。
 http://www.kankyo-hoshano.go.jp/kl_db/servlet/com_s_index
 ・60年代の核実験により土壌は既にセシウムなどに汚染されています。
 ・そのレベルは半減期に従い(あまり流出せず?)減ってはきていました。
 が、悪くても「1平方メートルあたり6500ベクレル以下」程度だったと言えそうです。
 ※計算上変換係数は「85」だと思いますが原子力安全委の係数は「65」とのこと。
  遮蔽効果や比重(土壌は乾燥させるので比重~1.3kg/Lぐらいかも?)の違いなど
  考慮しているのかも知れません。(5月8日会見を見て訂正)
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③セシウム134とセシウム137の汚染マップです。30万ベクレル以上の地域は厳しいです。
 30万ベクレル以下の「青」の地域についても詳細な測定が必要と思います。
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④ただしセシウム134は半減期が約2年ですので8年経つと1/16以下にはなると期待します。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-3


問題はセシウム137で半減期30年です。この汚染はかなり長期間続きそうです。
 この図の水色以上の地域は向こう数十年は土地利用は厳しいと言わざるを得ません。

 また30万ベクレル以下の「青」の地域(福島ー二本松ー郡山ー須賀川の一部など)も
 空間線量の様子から10万ベクレル以上?のセシウム137汚染が懸念されます。

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福島市や郡山市などは人口も多く、影響も甚大です。
・40歳以上の大人の居住
・(数年以内?の)短期間の滞在、
・移動・通過
などは許容できるかも知れませんが、
妊婦や子供の居住は管理・制限が必要だと考えます。
福島第一原発事故の被災者にとって今後を左右しかねない方針が決まりつつ
あるので監視の意味も含め、整理してゆきます。政府と東電の間である種の
「示談」が進んでいる気配を感じています。

①文科省の審議会
 「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の
  判定等に関する第一次指針(4月28日)」の2ページ目を抜粋します。
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/houkoku/1305640.htm
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 ・国の避難措置以外の責任については実質的に何も規定しない。
 ・(たかだが2~4兆円の)賠償を実現するために東電を温存する。
 ということが(勿論、一般的な国語とはかなり違いますが)書かれています。


②つまり1次指針では東電の「逃げ得」と「焼け太り」を保証しています。
 なぜでしょうか?まず審議委員の人選に問題があります。
 医療系の草間委員も山下委員も放射線被害を過小評価する立場です。議事録を
 見ても実質的に何も発言していません。この審議会はお飾りに過ぎません。
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③実質的には東電と官邸(もしくは財務省?)との間で交渉が進んでいると思われます。
 というのも報道で東電から審議会宛の要望書が出されていたことが明らかになりました。
 http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105040358.html
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 東電側は自分達は法的責任を逃げられる、もしくは長期間の公判を維持するだけの
 根拠があることを熟知していると思います。知ってて「脅し」をかけてきました。
 もちろん政府にこれだけの事を書いてくる訳ですから東電の会長と社長が話し合った
 だけの文書とも思えません。恐らく相当激しい議論が水面下で行われているはずです。


④当然、政府側も法的賠償を追求する事が困難なことは理解しているはずです。
 いくらかでも賠償を引き出すためには「示談」以外に解は無いのかも知れません。
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⑤しかしこの解決は建設的ではないですし、原発被災者を救済するには不充分過ぎます。
 福島市、郡山市などの20mSv規制もこの「示談の限界」から規定されていると考えます。

・事故原因もしくは初動体制の不備を
 法的に突けるだけの穴を探すこと、

・電力事業の自由化につながる組織、規制の
 転換をはかること。


の2つが不可欠だと強く感じます。(残念ながらまだ名案は見つからず)
見通しは暗いですが被害を被った方は損害の証拠を
できる限り保管することを推奨します。また、


最低限、大きな世論を形成することで電力自由化の方向に
政治的に誘導することは目指すべきであろうと考えます。
原発報道を見るときに参考になるかもしれない?(程度ですが)
私が日頃見ている図や仕様などを羅列してみます。

①福島第一原発諸元
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/intro/outline/outline-j.html
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②炉心、格納容器の設計条件
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③福島第一原発(1号炉?だと思うのですが)建屋寸法
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④福島第一原発図面
http://blog-imgs-29.fc2.com/r/y/u/ryuma681/20110411053301e70.jpg
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⑤沸騰水型原子炉概略フローチャート
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⑥加圧水型原子炉(福島とは違いますが)制御棒等の役割
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⑦原子炉容器構造図
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⑧原子炉容器断面図
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⑨原子炉容器冷却水の流れ
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⑩原子力容器を上からみた図
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⑪燃料棒を束にした集合体、これが多数炉心に入る
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⑫水が水深5mくらいたまった?らしいタービン建屋地下1階
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⑬福島第一原発構内図
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山下俊一、高村昇、両長崎大教授が福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに任命され
福島県内で講演や説明会を行いました。活動や言及内容を整理し批判したいと思います。

①両教授の活動と言及内容について羅列致します。問題は大きく3つあります。
 ・「低線量被曝リスクの意図的な過小評価」
 ・「チェルノブイリ被害の意図的な過小評価」
 ・「線源(原発)の制御可能性の評価不足」
です。
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 長崎大学HP
 http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/earthquake/support/hibaku/hibaku.html
 福島県HP(3月21日の福島テルサでの講演)
 http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=94F0F867D4B5F69FED42FDF79BB5CE02?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23695
 同講演のまとめ(こども健康倶楽部HP)
 http://kodomo-kenkou.com/shinsai/info/show/604
 3月30日ラジオ出演の録音
 http://www.ustream.tv/recorded/13743609
 3月24日の長崎新聞インタビュー記事。福島では避難の必要は無いと説明しながら
 地元紙では事故の危険性を認識し妊婦や子供の避難を主張している。
 http://www.nagasaki-np.co.jp/news/daisinsai/2011/03/25103728.shtml
 http://megalodon.jp/2013-0124-0616-00/www.nagasaki-np.co.jp/news/daisinsai/2011/03/25103728.shtml
 4月17日の伊達市での講演でも「年間100mSv以下なら心配ない」と説明を続けています。
 http://www.city.date.fukushima.jp/kouhou/pdf-rinzi/rinzi6.pdf



②低線量被曝のしきい値(あるレベル以下は影響が無い)については議論がありますが、
 放射線防護の立場からは利益の無い被曝を避けることが原則とされています。
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 適切な退避基準やその手法。退避が難しい場合は生活上気をつけるべき点の周知など
 住民の安全を守る事こそが本来の「アドバイザー」の立場だったと考えます。

 日本保健物理学会専門研究会報告書シリーズVol.7 No.2
 放射線安全の新しいパラダイム検討専門研究会報告書
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jhps/j/issn-report/report2010-2.pdf
 放射線の確定的影響と確率的影響(09-02-03-05)-ATOMICA-
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-03-05
 ICRP2007年基本勧告に基づく外部被ばく線量換算係数の計算
 http://www.rist.or.jp/rist/rnews/47/47s3.pdf
 3月28日と29日にかけて飯舘村周辺において実施した放射線サーベイ活動の暫定報告
 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf


③固形癌の潜伏期間は10~15年以上だと推定されます。チェルノブイリフォーラムの
 調査でも検討範囲や精度は限定的だと思います。またそれらですら癌リスクは
 10%/Svと推測しています(ICRPでは約5%/Svとの評価ですがそれよりも厳しい)。
 問題が「見えにくい事」や「まだ見えていない事」を
 熟知した上で「問題無い」と吹聴した点が特に悪質です。

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 ニューヨーク科学アカデミーのレポート
 http://www.strahlentelex.de/Yablokov%20Chernobyl%20book.pdf
 「チェルノブイリ原発事故の調査を通じて学んだこと」京大今中哲二氏
 http://home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/Pub/41/41-imanaka.pdf


④そもそも「放射線源の制御可能性」が全く考慮されていません。
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 必要な避難措置を妨げることは不測の事態の際の被害を大きくする恐れがあります。
 例えば1号炉の外部電源が復旧したのは4月3日です。今でも大きな余震がくれば
 大量放出の可能性もあります。これらを考慮せずにリスク評価はできません。
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放射線管理や指導に不充分な
・研究・判断能力の低さ

防護がとれず、また被曝に利益の無い住民の保護をかえりみない
・医療モラルの無さ


の2点において両氏を批判するとともに彼らをアドバイザーとして招聘した
・福島県知事には説明責任があると考えます。
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムSPEEDIとその公開の過程は
今回の事故で最も落胆したことの1つです。いまからでも迅速な公開を望みます。
http://www.nsc.go.jp/
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①炉心溶融や水素爆発から10日も経ち、かつ退避後に
 原子力安全委員会からプレス発表されるなど有り得ません。
 http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030103.html
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②本来は条件入力から15分で計算結果を供与する事になっているそうです。
 報道では実際それくらいにはある程度結果を出していたそうですが、
 風向きが内陸方向になり(実際に被害が出た後)モニタリングポストの測定値と比較
 できるまで公開することを躊躇した様です。気持ちは判りますがこれでは役に立ちません。

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③気象や地形を考慮し放射性物質の降下量を計算・被曝量を推定するそうです。
 メッシュの切り方や被曝の及ぶ範囲の境界条件などいろいろと難しいと思います。
 一応、それなりの検討はしている様です。では何が悪かったのでしょうか?
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/kanhou_shishin/kanhou_shishin003/siryo3-9-2.pdf
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④富士通の三澤氏、永森氏の特集記事にSPEEDIの開発の経緯が紹介されています
 ・1980~1984年:設計、基本システム開発(日本原子力研究所)
 ・1985~1992年:原安センターへ移管、自治体へ接続(財団法人原子力安全技術センター)
 ・1993~1996年:地方公共団体端末変更、ワークステーション化
 ・1997~1999年:システムの分散化、VP→ワークステーション
 ・2000~2001年:対象施設拡大、オフサイトセンターの接続
 ・2002~2004年:地方公共団体端末更新、PC化
 ・2005~2006年:高度化SPEEDI計算モデルの導入など
 http://jp.fujitsu.com/about/magazine/backnumber/vol59-5.html

開発時の研究が一段落した後はひたすら
システムの拡大とサーバーや端末機器の「買い換え」に予算を費やし、
20年を経て、やっと若干の修正を行った程度に見えます。


⑤21年度の経産省事業評価シートでも29億円のうち27億円がオフサイトセンター
 の機器や通信網の賃料などです。所管の(財)原子力安全技術センターには維持管理費と
 して1.2億ほど入っていますが間接経費をひけば人件費程度という感じです。
http://www.meti.go.jp/information_2/downloadfiles/review_sheet/0727.pdf
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同時期に文科省からも11億円ほど入ってます。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/09/01/1295363_7.pdf

さらに対象地域の地方公共団体もSPEEDIには予算を投入しています。
下記は大阪府の平成23年度予算ですが1700万円レベルです。
http://www.pref.osaka.jp/yosan/detail/index.php?year=2011&acc=1&form=01&proc=6&ykst=2&bizcd=20101007&seq=1&eda=00010004
これら莫大な予算の殆どは機器の維持管理や通信網への支払いに充てられています。
プログラムの高精度化や運用の信頼性向上は置き去りだった様に感じられます。


⑥下記はSPEEDI開発に携わった研究者の経歴の一例です。
 http://ssrs.dpri.kyoto-u.ac.jp/~ishikawa/Career_J.html
修士課程卒業後原研でSPEEDIの開発に携わり、完成後は別の研究フィールドに
移っています。原研や原子力行政では良くある事ですが、
「開発した人」と
「製作した会社」と
「運用する組織」が、
ばらばらで中身を熟知したエキスパートが居ない
印象を受けます。


福島第一原発の事故で我々が思い知ったのは
 ・数百m程度離れると(場合によっては建物の3階と1階でも)被曝量には
  大きな違いが生じること(ウクライナの麦畑より遥かに難しく責任も重大)。

 ・結局は地上のモニタリングポストで較正しないと住民避難の判断に
  使えるほどの信頼性は無かったこと。

 ・そもそもの退避基準も、また退避を決断する主体も曖昧だったこと。
  などだと思います。

これら困難な要請にシミュレーションで応える為には計算メッシュや構造物の入力の仕方、
飛散物の実測データとの比較など不断の研究と検証が必須だったと思います。
どの分野でも計算コードとはそうやって練られて行くモノと想像します。
再臨界と水蒸気爆発に関して私が想像していることを記載してみます(4月17日現在)。

結論から言うと
・再臨界を疑う現象はあるかも知れない?が確証はない。
・再臨界しても冷却されている限り大事故には至らないだろう。
・水蒸気爆発が起こると燃料体が外界に散乱する。
 海水汚染よりも冷却を最優先にすべき。
・100km付近での避難可能性もあるが数日程度の猶予はあるだろう?

と考えます。

①再臨界とは「中性子が連鎖反応で継続、もしくは増幅する現象」です。
 そもそも燃料が違うので核爆弾のような反応は起こりません。
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②再臨界は起こらないと信じていますが溶けた燃料の状態は判りません。結局誰にも
 肯定も否定もできない状態だと思います。(癌治療でもしょっちゅう有ることですがw)
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③あくまでも原子炉燃料ですので再臨界が起きても臨界条件は短時間で崩れ、部分的、
 かつ一時的な反応だろうと考えられます。(くすぶり続けるのは好ましくないですが)
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④硝酸ウラニル水溶液ですので条件は異なりますが、東海村JCOの臨界事故の
 再現実験のイメージが近いかもしれません。
 http://www.jaea.go.jp/04/tokai/chiiki_forum.html
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ


⑤しかしCl38の検出を東電が発表しました。これは再臨界を疑う核種です。
 ※4月20日に原子力保安院は誤報であるとの再評価結果をだしました。
  http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110420006/20110420006.html
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⑥1号炉に海水を注水しました。福島沖だと1kgの海水に約34gの塩が含まれます。
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⑦ただしCl38のペアとしてNa24が検出されるはずですがそれは発表されていません。つまり、
 「再臨界があったとしたらNa24を検出しないのはおかしい」ですし、
 「再臨界がなかったとしたらこれほど減衰の速いCl38を検出するのは不自然」です。
 どちらにせよCl38の核種データから再臨界はあるとも無いとも言えません。

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 ※4月20日の保安院の再評価も同様の考えに基づいています。
  生データを見ると確かに何かのノイズの様にも見えますが、サンプリング採取から
  測定まで8時間以上?経過している事やカウント時間を長めに取るとか応用が無い
  ことがイマイチに感じられます。

  そもそも「たまり水」は何日も前からの水が混ざっているので減衰の速い核種は
  極めて捉えにくいという認識が測定者にも報告を聞く側にも必要だと考えます。
  (報告では海水は3月23日~25日となっていますが
   別資料では12日からのはずですhttp://atmc.jp/plant/detail/


⑧むしろ私が気にしているのは1号炉の炉心温度です。思った程下がりません。
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⑨いまのところ冷却は保っていますが圧力容器下部(底?)の温度監視は特に重要です。
 また炉心上部も設計耐温度(302℃)を越えないか注意が必要です。
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⑩冷却がはかどらない理由として塩の堆積を考えましたが、真水に戻して3週間経っても
 温度が下がらないところを見ると断続的な発熱機構(再臨界?)も排除できません。
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⑪理由が再臨界であれ塩や余震であれ、冷却ができずに圧力容器内の燃料がこぼれるのは
 絶対に防がなくてはなりません。状況から格納容器には水が存在すると予想します。
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⑫水蒸気爆発の規模は水やこぼれる燃料の量にかなり左右されそうです。爆発の直接的
 な被害は数kmは越えないと想像します。が、燃料が外界に出るのは恐らく間違いありません。
 http://www.aesj.or.jp/publication/TAESJ2007/No.3/6_3_289-297.pdf
 燃料の残量から想像すると現在の放射能汚染をもたらした
 ドライベントの数十~百倍ぐらい?になると予想します。

 海水汚染も懸念されますが、より大きな被害を防ぐため、
 今は可能な限り冷却を進めるべきと考えます。

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